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「ユメユメ!」
笛木玲花
しおりを挟む何事も偶然なことだと思っていたことが実は必然だったりするのかもしれない。
物事全てに、どんなことにもどんな小さなことにも必ず意味があるのだと。玲花に出会い、共に音楽を生み出し、玲花と心を通わせた。そのことに意味があるように。
玲花が急性の病気で亡くなってからも、この先の未来にきっと玲花とは見れなかった頂点への道。今までの積み重ねを背負って頑張っていれば未来は切り開かれると。
そう信じて僕は曲を作っていた。
その果てに今の『Naming 』は生まれた。
千尋は玲花を知らない。けど、玲花の生き様を受け止めて共に歩んでくれている。千尋はまさに僕の相棒だ。
「私たちが止まりさえしなければ玲花さんはきっとナオンのそばにずっといてくれるはずだよ」
あぁ、そうだと信じたい。いや、そうだよな?玲花。
「ああ。千尋、『Naming 』に全てを賭ける覚悟があるのなら、どうか玲花の分まで背負ってついてきてくれ」
「言われるまでもない。この場所にあなたに一生を尽くすつもりだから」
「ちょっと待て。それは……」それは……?
「いかようにも解釈して。ほら、作業続けて。手が止まってる。さっさと動いて」
「すまない。気を取り直して」
今のは、そういう意味で言ったのか?
それとも……
まさか。それはないか。
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