風の唄 森の声

坂井美月

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これからの未来へ②

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中に入ると、恭介は美咲達に促されてダイニングテーブルに座った。
風太と座敷童子、空は隣の部屋のソファーセットで楽しそうにしている。
「これは…どういう事なんだ?」
恭介が戸惑って言うと、美咲と修治は顔を見合わせて
「実は…、私達も偶然に出会ったの」
美咲はそう言うと
「先週、大きな雷が龍神神社の近くに落ちたと聞いて、取材に行ったのよ。そしたら、雷で倒れた親子が居るって話を聞いて病院に行ったら3人が居たの」
と続けた。
「修治に相談して、少しの間、修治の家で預かってもらっていたの」
美咲の言葉に恭介が何か言おうと口を開き掛けると
「オイラ達、人間になった衝撃で少しの間、記憶が無かったんだよ」
風太が顔を出して話出した。
「だから修治が俺たちを引き取ってくれて、本当に感謝してるんだ」
笑顔で話す風太に
「記憶が無くても…俺が面倒見たのに…」
少し不満気に言う恭介に
「恭介…男のヤキモチはみっともないぞ!」
意味が分かってるんだか分かってないんだか、風太はそう言って笑うと
「それに…空は一時危なかったからな」
と言って悲しそうに微笑んだ。
「え?」
恭介が驚くと
「空さん…、ずっと集中治療室に居たの。それで…風太君と座敷童子ちゃんを修治に預かってもらっていたの」
と美咲が答えた。
「それだったら尚更…」
「2度も…2度も同じ思いをして欲しく無かったの!」
美咲の言葉に恭介が息を呑んだ。
「教授…、龍神の里から戻った頃、後追いするんじゃないかって本当に心配だった。やっと日常を取り戻した所で、又傷付いて欲しくなかったの」
そう呟いた美咲に、恭介は俯いた。
すると恭介の肩をポンポンと風太は叩くと
「まぁ、そういう事だからさ。2人を許してやれよ」
と呟いた。
恭介は風太の様子を見て笑うと
「お前は…本当に変わらないな」
そう言って抱き上げると、膝に座らせた。
すると風太は不思議そうな顔をして
「なぁ、なんで恭介と空はそんなに離れているんだ」
と呟いた。
「え!」
「えっ!」
驚いた顔をした2人に、修治と美咲は顔を見合わせた。
「風太ちゃん、大人には大人の都合が…」
言い掛けた修治の声を遮るように
「これからずっと一緒に暮らすんだろう!だから、大龍神様だってオイラ達を人間にしてくれたんだろう?違うのか?」
風太の言葉に恭介が小さく微笑む。
「そうだよ。これからは…ずっと一緒だ」
風太を抱き締める恭介に
「だ~か~ら~!抱き締める相手が違うだろう!」
風太は怒ったように言うと、恭介の膝から飛び降りると空の手を握って座敷童子と2人で恭介のそばに連れて来た。
恭介はゆっくりと立ち上がって空と向き合った。
「あの…ごめんなさい。あんな別れ方したのに…」
俯く空に、恭介はそっと空の手に触れると
「身体は…もう大丈夫なのか?」
そう聞いた。
空は俯いたまま頷くと
「なんで俯いてるんだ?」
恭介が顔を覗き込む。
「もう…綺麗な姿にはなれないので…」
そう呟いた空に、恭介は小さく笑う。
そんな2人を見て、修治と美咲は風太と座敷童子を連れて部屋を後にした。
「なぁ、美咲。あの2人を置いて来て平気か?」
心配そうに聞いて来る風太に
「2人の方が、上手く行く時もあるのよ」
と微笑んだ。
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