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これが恋ってやつですか④
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11月初旬。
初冬とは言え、人気の無い食堂は少し肌寒い。
『ゴオ~』っというエアコンの音が鳴り響く中、食堂に漂う缶コーヒーの香りに、私は杉野チーフからもらった缶コーヒーを両手で包み込む。
缶コーヒーの温もりが伝わり、ゆっくりと心がほぐれていく。
「私と森野君はね、いわば戦友なの」
缶コーヒーを見つめて居た私に、杉野チーフが呟く。
「だから、私としては可愛い可愛い柊さんに誤解されて嫌われたくないんだな」
急に明るい声で言われて、私が顔を上げる。
「あの…嫌ってなんかいないです」
慌てて言う私に
「好きな人が出来ると、女性がみんな敵になっちゃうもんね」
と、杉野チーフが微笑みながら言った。
「その気持ち、分かるから大丈夫だよ」
「え?」
杉野チーフの言葉にまばたきしていると
「私もね、ずっと好きな人が居るの。大学の時の先輩なんだけどね…。ずっと好きだったのに…可愛がってた後輩に横取りされてね。諦めたつもりだったんだけどね、その後輩と別れたって最近噂で聞いて…。会いたいと思うのも、傍に居たいと思うのも先輩だけなの。
諦め悪いよね、私」
えへへって笑いながら杉野チーフが恥ずかしそうに呟いた。
「人を好きになるって、自分の意思とは関係無いからたちが悪いよね。でもね、誰かを好きになるって簡単じゃないと思うの。だから…、応援しているからね 」
杉野チーフの手が私の手をそっと包む。
その時、はっきりと自覚してしまった。
私は森野さんが好きなんだと。
カケルさんに声が似てるとか、そんな事は私にとってどうでも良い事なんだって。
ぶっきらぼうで…だけど真っ直ぐで仕事に真剣に向き合う森野さんの姿勢を尊敬しているうちに、尊敬から恋へと変わってしまったと気が付いた。
でも…好きだからこそ分かっている事もある。
森野さんの瞳は…誰も映さない。
心は固く閉ざされ、決して誰も受け入れない。
カケルさんの声に惹かれた時とは違う、森野さんへの感情に戸惑う。
今まで自分がして来た恋愛は、恋愛では無かったのかもしれない。
森野さんの瞳に映りたい。
もっと森野さんの笑顔が見たい。
いつも見ている広い背中は、それを全て拒否しているように見える。
誰よりも傍に居るけれど、心ははるか遠くにある森野さんを私は好きになっていた。
初冬とは言え、人気の無い食堂は少し肌寒い。
『ゴオ~』っというエアコンの音が鳴り響く中、食堂に漂う缶コーヒーの香りに、私は杉野チーフからもらった缶コーヒーを両手で包み込む。
缶コーヒーの温もりが伝わり、ゆっくりと心がほぐれていく。
「私と森野君はね、いわば戦友なの」
缶コーヒーを見つめて居た私に、杉野チーフが呟く。
「だから、私としては可愛い可愛い柊さんに誤解されて嫌われたくないんだな」
急に明るい声で言われて、私が顔を上げる。
「あの…嫌ってなんかいないです」
慌てて言う私に
「好きな人が出来ると、女性がみんな敵になっちゃうもんね」
と、杉野チーフが微笑みながら言った。
「その気持ち、分かるから大丈夫だよ」
「え?」
杉野チーフの言葉にまばたきしていると
「私もね、ずっと好きな人が居るの。大学の時の先輩なんだけどね…。ずっと好きだったのに…可愛がってた後輩に横取りされてね。諦めたつもりだったんだけどね、その後輩と別れたって最近噂で聞いて…。会いたいと思うのも、傍に居たいと思うのも先輩だけなの。
諦め悪いよね、私」
えへへって笑いながら杉野チーフが恥ずかしそうに呟いた。
「人を好きになるって、自分の意思とは関係無いからたちが悪いよね。でもね、誰かを好きになるって簡単じゃないと思うの。だから…、応援しているからね 」
杉野チーフの手が私の手をそっと包む。
その時、はっきりと自覚してしまった。
私は森野さんが好きなんだと。
カケルさんに声が似てるとか、そんな事は私にとってどうでも良い事なんだって。
ぶっきらぼうで…だけど真っ直ぐで仕事に真剣に向き合う森野さんの姿勢を尊敬しているうちに、尊敬から恋へと変わってしまったと気が付いた。
でも…好きだからこそ分かっている事もある。
森野さんの瞳は…誰も映さない。
心は固く閉ざされ、決して誰も受け入れない。
カケルさんの声に惹かれた時とは違う、森野さんへの感情に戸惑う。
今まで自分がして来た恋愛は、恋愛では無かったのかもしれない。
森野さんの瞳に映りたい。
もっと森野さんの笑顔が見たい。
いつも見ている広い背中は、それを全て拒否しているように見える。
誰よりも傍に居るけれど、心ははるか遠くにある森野さんを私は好きになっていた。
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