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第五章 揺れる想い…真実と想いのはざまで…
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「じゃあ、明日はお願い致します」
土曜日
森野さんや杉野チーフの宣言通り、前日の比じゃない程の客入りだった。
お客様が多い分、クレームやらなんやらと問題は次々と起こる訳で…。
その度にオタオタする私を、森野さんがフォローしてくれた。
明日、15:00以降に私と杉野チーフの2人になるのを不安に思っていると
「明日、森野君がお休みなら、私、最後まで残りますよ」
パートの木月さんの言葉にホッと胸を撫で下ろす。
森野さんは杉野チーフに引継ぎをして、いつもより少し早めに仕事を上がった。
私は昨日聞いた小さな小さな歌声が忘れられなくて、でも、それを森野さんに聞く勇気が無かった。
それに、聞こえた歌声は本当に小さくて、本当は何か呟いていたのを歌に聞こえただけなのかもしれない。
私は不安をかき消すように首を振った。
何故、こんなに不安なんだろう?
森野さんとカケルさんが同一人物だったとして、私はなんでこんなに苦しいんだろう?
なんとも言い難い不安の塊が、私の胸を覆って行った。
日曜日が来て、土曜日に買えなかったお客様にプラスして、日曜日に買い物を予定していたお客様が開店1時間前には既に列を作っていた。この時点で、仕入れた商品は完売になっている程の人の列。
店長と杉野チーフは話し合い、取り敢えず整理券を配ることになった。
近隣のご迷惑にならないように開店してから再度ご来店頂くように促し、お店の入口に
「〇〇は整理券の段階で完売致しました」
と貼り紙をした。
ただ、杉野チーフは
「時間を守って来て下さるお客様に販売出来ないのが申し訳無い……」
と呟いていた。
その時、店長の店内放送が流れた。
杉野チーフが内線に出ると
「え!本当ですか?分かりました!すぐに用意します!」
明るい声になった杉野チーフを見ると
「森野君、凄い!」
そう叫んで、ストック置き場の
「大きなキッチン」と書かれた、女児玩具の箱を開いた。すると中には、今、まさに売り切れた商品が入っていた。
うちのお店は基本的に、メーカーさんとの直接取引をしている。ただ、中には古くからの付き合いで仲卸業者さんとも取引している。
人気アニメや特撮ヒーローの人気番組の玩具を一手に販売している某メーカーは、黙っていても売れる商品を扱っている為、仲卸業者さんに無理難題を押し付けると噂には聞いていた。
人気商品を売る代わりに、抱き合わせで売れ残りの何処も買い取らないような玩具を売りつけるのだ。
かと言って、そんなに大きくも無い仲卸業者さんは在庫を抱えてはいられない。
そういう商品を、森野さんは安く仕入れて販売していたのだ。
安く……とはいえ、相手に原価割れを起こすような値引きでは無く、ギリギリの値段で引き受ける。
その商品を自分で試し、楽しめる方法を見つけて売り場へ出す。
楽しい商品なら、知らないメーカーや玩具でも子供達は食いつく。
値段が安ければママの財布も緩む。
土曜日
森野さんや杉野チーフの宣言通り、前日の比じゃない程の客入りだった。
お客様が多い分、クレームやらなんやらと問題は次々と起こる訳で…。
その度にオタオタする私を、森野さんがフォローしてくれた。
明日、15:00以降に私と杉野チーフの2人になるのを不安に思っていると
「明日、森野君がお休みなら、私、最後まで残りますよ」
パートの木月さんの言葉にホッと胸を撫で下ろす。
森野さんは杉野チーフに引継ぎをして、いつもより少し早めに仕事を上がった。
私は昨日聞いた小さな小さな歌声が忘れられなくて、でも、それを森野さんに聞く勇気が無かった。
それに、聞こえた歌声は本当に小さくて、本当は何か呟いていたのを歌に聞こえただけなのかもしれない。
私は不安をかき消すように首を振った。
何故、こんなに不安なんだろう?
森野さんとカケルさんが同一人物だったとして、私はなんでこんなに苦しいんだろう?
なんとも言い難い不安の塊が、私の胸を覆って行った。
日曜日が来て、土曜日に買えなかったお客様にプラスして、日曜日に買い物を予定していたお客様が開店1時間前には既に列を作っていた。この時点で、仕入れた商品は完売になっている程の人の列。
店長と杉野チーフは話し合い、取り敢えず整理券を配ることになった。
近隣のご迷惑にならないように開店してから再度ご来店頂くように促し、お店の入口に
「〇〇は整理券の段階で完売致しました」
と貼り紙をした。
ただ、杉野チーフは
「時間を守って来て下さるお客様に販売出来ないのが申し訳無い……」
と呟いていた。
その時、店長の店内放送が流れた。
杉野チーフが内線に出ると
「え!本当ですか?分かりました!すぐに用意します!」
明るい声になった杉野チーフを見ると
「森野君、凄い!」
そう叫んで、ストック置き場の
「大きなキッチン」と書かれた、女児玩具の箱を開いた。すると中には、今、まさに売り切れた商品が入っていた。
うちのお店は基本的に、メーカーさんとの直接取引をしている。ただ、中には古くからの付き合いで仲卸業者さんとも取引している。
人気アニメや特撮ヒーローの人気番組の玩具を一手に販売している某メーカーは、黙っていても売れる商品を扱っている為、仲卸業者さんに無理難題を押し付けると噂には聞いていた。
人気商品を売る代わりに、抱き合わせで売れ残りの何処も買い取らないような玩具を売りつけるのだ。
かと言って、そんなに大きくも無い仲卸業者さんは在庫を抱えてはいられない。
そういう商品を、森野さんは安く仕入れて販売していたのだ。
安く……とはいえ、相手に原価割れを起こすような値引きでは無く、ギリギリの値段で引き受ける。
その商品を自分で試し、楽しめる方法を見つけて売り場へ出す。
楽しい商品なら、知らないメーカーや玩具でも子供達は食いつく。
値段が安ければママの財布も緩む。
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