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悲しい恋の物語②
少女は母の教えを守り、移動の度に薬草を摘んでは髪の毛を漆黒に。
肌をブロンズ色に染めて、常に顔はベールで隠して目の色を人に見られないように過ごしておりました。
そして少女も又、生きて行く為に神楽を舞うようになるのです。
血が覚えてる…と言っても過言では無い、まだ幼い少女が舞うには妖艶で艶やかな神楽。
母を亡くした失意の中、母の代わりに神楽を舞った少女の舞は、母をも凌駕する程の美しさでした。
少女の舞を見た者は心を奪われ、ベールで隠された顔を一眼見たいと願う程でした。
そんな少女はある日、自分の国を滅ぼした国の王に直々に呼び出されてしまいます。
全ての感情を舞に乗せ、踊った少女の舞に国王は魅せられしまったのです。
その場で大金を支払い、少女をジプシーの一座から買い取り、自分の5人目の妻へと迎え入れようとしました。
しかし、無理矢理ベールを剥いだその姿はまだ幼い少女だと知り、国王は大人になるまで自分の城で囲うことに致しました。
この後、国王は薄汚れた少女を召使に命じてお風呂に入れさせました。
植物の染料で染めていた少女の髪の毛や肌が現れ、本来の少女の姿を見た時、自分が滅ぼした国の生き残りだったと知ることになるのです。
本来なら即、処刑にする筈が、目の前の少女の美しさに国王は殺す事はせず、彼女を城の中で一番高い場所にある塔へと閉じ込めてしまうのです。
少女は8歳にして、足には足枷をされ、高い位置に鉄格子のある窓が一つあるだけの部屋に閉じ込められてしまうのです。
幼くして、たった1人薄い塔に閉じ込められてしまった少女は、高い窓から見える月だけが心の救いでした。
いつしか彼女は星を詠み、予言が出来るようになります。
王は国の行末を占わせ、大切な来客がある時は彼女の舞を披露しました。
少女の部屋の鍵は国王しか持ってはおらず、塔の番人達でさえ、少女の姿を見る事は許されてはおりません。
姿を見れば処罰され、僻地へと飛ばされてしまいしいます。
もし、少女との関係を疑われでもしたら、それこそ処刑されてしまう程に、少女は国王に溺愛されておりました。
薄暗い塔の中、少女は与えられた美しい衣服や装飾品に囲まれながら、一日に1度、少女の顔を見に来る国王以外とは、会話はもとより、会う事さえも許されませんでした。
そんな彼女の救いは、国王が時折持って来てくれる本だけでした。
王妃であった母から文字の読み書きを教わっていた少女は、国王が持って来てくれる本により、様々な知識を身に着けて行きます。
そんな美しく聡明な少女を、国王は成長と共に宝物のように扱うようになるのです。
そんな少女が12歳になったある日、彼女は運命の出会いをしました。
それは、街から遠く離れた山奥に暮らす青年との出会いでした。
青年は度重なる戦で父親を失い、そのショックで病に倒れた母親を父を亡くした翌年に失ってしまいます。父が名誉の戦死をした事で、彼は山奥の貧しい身の上でありながら、城の塔の番人の仕事に就く事になったのです。
給与は国民の平均月収より少し良くはなりましたが、それを喜ぶ家族の居ない彼にはどうでも良い事でした。
そんな彼が、週に一度だけ塔に幽閉されている少女に食事を運ぶようになります。
小さな小窓から食料の入ったトレイを入れる仕事は、週に1度、交代制で行われました。
その際、先輩の門番達から、「小窓の向こう側を決して見てはいけない」と、キツく言い聞かされます。
青年は、こんな薄暗い塔の中に閉じ込められているのは、一体どんな罪を犯し、どんな人が居るのだろう?と考えるようになるのです。
食事を渡す小さな小窓は、開けると斜めに傾き、食器を置く棚で向こう側が見えない仕組みになっておりました。
青年がいつも通りに食事を置き、ゆっくりと小窓を閉じた時、小さな手がトレイを受け取るのが目に止まりました。
「もしかして…まだ子供なのか?」
語り掛けた青年に、ほんの僅かな隙間から見える小さな白い手が震えました。
「ごめん。怖がらせるつもりじゃなかったんだ。そうか…。そんなに小さいのに、1人でそんな所に居て寂しいな…」
青年は、少女に自分の孤独を重ねたのかもしれません。
その日から毎週、返事の無い少女に様々な話を聞かせるようになるのです。
それは、青年が体験した他愛も無い話でした。
しかし、少女はいつしか、姿を見た事の無い青年の話を楽しみにするようになるのです。
ドアを隔てた、週に一度の楽しいひと時。
少女も少しずつ、青年の話に言葉を返すようになり、いつしか2人の間に友情のようなものが芽生え始めました。
肌をブロンズ色に染めて、常に顔はベールで隠して目の色を人に見られないように過ごしておりました。
そして少女も又、生きて行く為に神楽を舞うようになるのです。
血が覚えてる…と言っても過言では無い、まだ幼い少女が舞うには妖艶で艶やかな神楽。
母を亡くした失意の中、母の代わりに神楽を舞った少女の舞は、母をも凌駕する程の美しさでした。
少女の舞を見た者は心を奪われ、ベールで隠された顔を一眼見たいと願う程でした。
そんな少女はある日、自分の国を滅ぼした国の王に直々に呼び出されてしまいます。
全ての感情を舞に乗せ、踊った少女の舞に国王は魅せられしまったのです。
その場で大金を支払い、少女をジプシーの一座から買い取り、自分の5人目の妻へと迎え入れようとしました。
しかし、無理矢理ベールを剥いだその姿はまだ幼い少女だと知り、国王は大人になるまで自分の城で囲うことに致しました。
この後、国王は薄汚れた少女を召使に命じてお風呂に入れさせました。
植物の染料で染めていた少女の髪の毛や肌が現れ、本来の少女の姿を見た時、自分が滅ぼした国の生き残りだったと知ることになるのです。
本来なら即、処刑にする筈が、目の前の少女の美しさに国王は殺す事はせず、彼女を城の中で一番高い場所にある塔へと閉じ込めてしまうのです。
少女は8歳にして、足には足枷をされ、高い位置に鉄格子のある窓が一つあるだけの部屋に閉じ込められてしまうのです。
幼くして、たった1人薄い塔に閉じ込められてしまった少女は、高い窓から見える月だけが心の救いでした。
いつしか彼女は星を詠み、予言が出来るようになります。
王は国の行末を占わせ、大切な来客がある時は彼女の舞を披露しました。
少女の部屋の鍵は国王しか持ってはおらず、塔の番人達でさえ、少女の姿を見る事は許されてはおりません。
姿を見れば処罰され、僻地へと飛ばされてしまいしいます。
もし、少女との関係を疑われでもしたら、それこそ処刑されてしまう程に、少女は国王に溺愛されておりました。
薄暗い塔の中、少女は与えられた美しい衣服や装飾品に囲まれながら、一日に1度、少女の顔を見に来る国王以外とは、会話はもとより、会う事さえも許されませんでした。
そんな彼女の救いは、国王が時折持って来てくれる本だけでした。
王妃であった母から文字の読み書きを教わっていた少女は、国王が持って来てくれる本により、様々な知識を身に着けて行きます。
そんな美しく聡明な少女を、国王は成長と共に宝物のように扱うようになるのです。
そんな少女が12歳になったある日、彼女は運命の出会いをしました。
それは、街から遠く離れた山奥に暮らす青年との出会いでした。
青年は度重なる戦で父親を失い、そのショックで病に倒れた母親を父を亡くした翌年に失ってしまいます。父が名誉の戦死をした事で、彼は山奥の貧しい身の上でありながら、城の塔の番人の仕事に就く事になったのです。
給与は国民の平均月収より少し良くはなりましたが、それを喜ぶ家族の居ない彼にはどうでも良い事でした。
そんな彼が、週に一度だけ塔に幽閉されている少女に食事を運ぶようになります。
小さな小窓から食料の入ったトレイを入れる仕事は、週に1度、交代制で行われました。
その際、先輩の門番達から、「小窓の向こう側を決して見てはいけない」と、キツく言い聞かされます。
青年は、こんな薄暗い塔の中に閉じ込められているのは、一体どんな罪を犯し、どんな人が居るのだろう?と考えるようになるのです。
食事を渡す小さな小窓は、開けると斜めに傾き、食器を置く棚で向こう側が見えない仕組みになっておりました。
青年がいつも通りに食事を置き、ゆっくりと小窓を閉じた時、小さな手がトレイを受け取るのが目に止まりました。
「もしかして…まだ子供なのか?」
語り掛けた青年に、ほんの僅かな隙間から見える小さな白い手が震えました。
「ごめん。怖がらせるつもりじゃなかったんだ。そうか…。そんなに小さいのに、1人でそんな所に居て寂しいな…」
青年は、少女に自分の孤独を重ねたのかもしれません。
その日から毎週、返事の無い少女に様々な話を聞かせるようになるのです。
それは、青年が体験した他愛も無い話でした。
しかし、少女はいつしか、姿を見た事の無い青年の話を楽しみにするようになるのです。
ドアを隔てた、週に一度の楽しいひと時。
少女も少しずつ、青年の話に言葉を返すようになり、いつしか2人の間に友情のようなものが芽生え始めました。
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