ボードゲーム三番勝負 進化or絶滅?

koro

文字の大きさ
2 / 3

人類の危機はいったんお休み 傾向と対策

しおりを挟む
20××年 8月15日

人類の進化と絶滅をかけた三番勝負、一本目はあたしの敗北だった。
ここまでに分かったこと。“謎の存在”は、概念を直接、対象となる相手にぶつけることができるけど、他者の心を読むことまではできない。本人談なのでどこまで本当かは分からないが。ただし、他者の思考を色として認識することができる。それは今後、ポーカー系のゲームを持ちかけられた時、著しくあたしが不利じゃんか。

とあれ。

そもそもにして、何故あたしが人類代表として選ばれたか。“謎の存在”は、理由を問うこと自体がナンセンスだという。よし、仮定しよう。仮定して推論しよう。あたしは、あの日、。だから、この状況は、走馬燈。というか、死ぬまでの一瞬で高速回転するあたしの脳が生み出した仮想現実。手塚先生に申し訳ないくらい程度の低い夢オチという可能性は、十分にありえる。

ありえるんだけど、でも、だから人類が進化するはともかく滅亡する、っていうのは、ちょっとヤバい。夢だった良い。仮想現実でも良い。ただ、リアルだった時―。

そこまで考えた時、あたしはゲームの途中で思い立ったことを思い出す。想起する。そもそもにしてあたしは死ぬわけであったし、そんなあたしが人類を救う?理由なんてない。よく、物語では人類っていう大きなものを救うためじゃなく、身近な大切な人を救うために頑張る、なんて話がある。だけどあたしには、そういうものも人も、ない・いない。だから、ゲームをする理由がない。そんな逡巡が。隙になった。どうでもいいやとは思わなかったけど、少なくとも、“謎の存在”が色を変えるくらいには、ゲームの勝敗に影響が出た。

あのあと、“謎の存在”は言った。

めぐみさんに、あ、善戦した君に敬意を表して名前で呼ぶよ。ネアンデルタール人以来だね。これは。恵さんに言っておきたい。人類が進化するか、絶滅するかの瀬戸際というのは、リアリティがないかもしれないけど、でも事実、恐竜たちは隕石によって絶滅したし、ネアンデルタール人をはじめとしたホモ・サピエンスの仲間たちは現代に1人も生きていない。。痛快ではなかったし、痛烈でもなかった。事務作業なんだ。それも面倒なタイプの。できるなら、絶滅にはしたくない。かと言って、ゲームで手を抜くことはないよ。これは、人類向けの言葉を使うなら、摂理なんだ。曲げちゃいけない、理。ということで、僕は本気だから、次のゲームを楽しみにしていてね」

よく喋るなおい。

人類にとって不幸なことに、あたしには、戦う理由がない。これっぽっちも。だったらゲームを棄権すれば良いようなものだけど。でも何故か(何故って問うのは人類が初めてと彼は言っていた)、あたしは次のゲームのことがちょっと楽しみになっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...