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最終章 王城パーティーとスタンピード襲来

四十話

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 ナビーとハロ、アイリとイリアがそれぞれ西と東に救援に向かった頃、西の戦場ではケイトとベロニカ、リサが最前線でドラゴンと巨人、獣の混在した五千体のモンスターの群れと戦いを繰り広げていた。

 前衛がケイトでその前にベロニカが盾役として防御とヘイト稼ぎに専念する。リサは遊撃としてあっちこっちに現れてはモンスターの群れに少なくない被害をもたらしていた。

「くっ、巨人種の攻撃が重すぎる。あたいの力だけじゃ巨人種のBランクまでが限界だ。それ以上のランクのモンスターが出てきたらあたいじゃあ抑えられない」

 ベロニカがハイトロールの打撃攻撃になんとか耐えながら危惧される事態を予想して焦っていると、その横を突如緑色の大きなものが通り過ぎ次の瞬間ベロニカの前に広がっていたモンスターの壁の一部が吹き飛ぶ。

 その突然の出来事にベロニカが抑え込んでいたハイトロールに僅かな隙が生じる。

 ベロニカはその隙を見逃さずハイトロールに攻撃を仕掛けた。

「仕方ない。Bランクの魔石を失ってしまうがハイトロールの再生能力を上回る攻撃は今のあたいでは出来ないからね」

 ベロニカはためらうことなくハイトロールの胸の辺りにある魔石めがけて剣を突き入れる。

 すると、ハイトロールは直ぐに動かなくなった。

 ハイトロールを倒したベロニカは先程自分の横を通り過ぎて行った正体を確認しようと改めて前方を見てみると、そこには体長二メートル五十センチの若干緑色がかった体毛のウルフがたたずんでいた。

「な、何なんだあのウルフは。内包している魔力の量が半端ないぞ」

「あのウルフはイリアですよ。北の戦場を制圧した時に存在進化したんです」

「ナビー、来てくれたのか。それにしてもイリアは王城の城門前で別れた時とは全く違うな。まあ、変わらず可愛い顔をしているが」

「ええ、そうですね。全てにおいて同意します」

 ベロニカとナビーが少し話しているとそこにケイトとリサ、イリアが戻って来る。

「ベロニカさん、あの緑色のウルフはあなたたちの仲間なのか。ん、ナビーさんではないか。来てくれたのか。しかし、北の戦場はどうしたのだ」

「ケイトさん救援に来ましたよ。北の戦場は制圧して来ました。それと、その子はイリアですよ。北の戦場で進化したんです。アイリさんとハロは東の戦場に向かってもらっています」

「そうだったのか。イリア、警戒してしまってすまなかった」

『別に良いわよ。私はそう言う事は余り気にしないし、それに色や大きさ何かがここまで違うとわからない物よ。親とか以外はね』

「とっ、みなさん、余り話し込んでいる暇はないみたいですよ。敵がまた前進して来ました。C, Bランクのモンスターは粗方ケイトさんやベロニカさん、リサが倒したみたいですね。残りはAランクとSランク、そして最後方にモンスターではない者の反応が伺えます。みなさん、もう一踏ん張りと行きましょう」

 そして、西の戦場での第二回戦が始まるのであった。



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今日中に後一回投稿する予定です。           
  
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