元最強勇者異世界に再召喚される~仕方ないスローライフのついでに異世界と現実世界を救ってやるか~

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序章

8話

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 俺達二人がかりでミスリルのインゴットを工房の巨大な台座に載せてゴーレム製作をスタートさせた。

 そして、製作開始から数十分後、工房の巨大な台座の上には骨格が人間と同じで人間で言う顔の部分と胸の真ん中に大き目のレンズが付いたミスリル特有の白銀色に輝く最高のゴーレムが二体よこたわっていた。

「コメル、ついに完成したな。後はリーダーゴーレムとサブリーダーゴーレムに最高級人工頭脳と複製した最高級人工頭脳を接続するだけだ」

「はいです。わたしは早くこの子達が動き出すのを見たいです」

「そうだな。それじゃあ早速人工頭脳の取りつけを始めるか」

 俺は台座によこたわっている二体のゴーレムに近づいてあらかじめアイテムボックスから取り出しておいた二つの最高級人工頭脳をそれぞれリーダーゴーレムとサブリーダーゴーレムの隣に置いた。

「さてと、先ずはリーダーゴーレムからだな。接続に失敗したら数少ない最高級人工頭脳がおしゃかになるからここは細心の注意を払って慎重に行くぞ」

「はい。わたしにお任せなのです。全力でサポートしますですよ~」

 俺はコメルにリーダーゴーレムと人工頭脳の接続を補助するように頼むと最高級人工頭脳をゴーレムの胸部にある大きなレンズの上に置いた。

 人工頭脳をゴーレムの胸部にあるレンズの上に置くとレンズが赤く発光しはじめ人工頭脳がレンズの中に沈み始めた。

「よしコメル、ゴーレムと人工頭脳に魔力を送り続けて同調値を百パーセントまで上げて安定させるぞ。慎重にな」

 俺達は二人でゴーレムと人工頭脳に魔力を流し続け約十分後、ゴーレムと最高級人工頭脳の接続が終了した。

「ふう~、なんとか無事に終わったな。コメルお疲れさま。えっと今の時間は……」

 俺は工房の台座から離れてメイン操作パネルの所まで行き現在の時刻を確認しようとすると先程接続が終わったばかりのリーダーゴーレムがまるで人間の様に動き始め俺の前まで来ると片膝を床について膝間付いた。

『マスター、現在の時刻は午後十時十二分です』 

「……夜の十時過ぎか……後サブリーダーゴーレムの接続が残ってるけど、……コメルはまだ作業出来そうか。魔力とか精神的な疲労を感じているなら今日はここまでにして続きは明日にまわすけど。どうする」

「コメルはまだやれますです。……後ゴーレム一体だけなら大丈夫なのです」

「そうか。よしそれじゃあサブリーダーゴーレムも今日やっちゃうか。…………って言うかリーダーゴーレム、お前もう動けるのか。俺達まだ接続しただけだったから急に動いて少しびっくりしたぞ」

『それは申し訳ありません。ですがわたくしの本体である人工頭脳は永久魔力供給機構ですのでこのボディと接続された時点でこのボディを動かすことが出来る様になるのです。これは私の最高級人工頭脳だけでなく高級人工頭脳と人工頭脳も同じです。但し、人工頭脳だけは半永久魔力供給機構となりますので定期的なメンテナンスが必要となりますが。…………あのマスター、この事は鑑定でお調べになればアイテムの詳細の所に書いてあると思うのですが……』

「…………あ、……そう言えば書いてあったかも。……あははは、…………なんかすまん。……ゴホン、え~、それじゃあこれからリーダーゴーレムは長いからシュバルツにしよう。シュバルツの補佐役であるサブリーダーゴーレムことバールのボディと最高級人工頭脳の接続を開始する。シュバルツ、お前も同調値の安定化を手伝え。その方が成功率も上がるし良いだろう」

『わかりました。マスター、コメルさまよろしくお願いいたします』  

 そして、俺達は十分間程三人で慎重に接続作業を行い無事に接続作業は終わりを迎えた。

『マスター、コメルさま、シュバルツさま、わたくしバールと申します。これからよろしくお願いします』

「私はコメルなのです。シュバルツとバールよりもコメルの方が先輩だから色々と教えてやるのです」

『バール、わたくしはシュバルツと申します。お互い力を合わせてマスターとコメルさまをパーフェクトにサポートしていきましょう』

「俺は勇人だ。そのままマスター呼びでも良いし、勇人って呼び捨てにしても全然構わない。これからシュバルツやコメルと一緒に色々なサポートをよろしく頼む」

『わかりましたマスター。では早速わたくしとシュバルツはコメルさまが我々のボディの素材であるミスリルを分離、練成、形成した際に出た不純物……鉱石を種類別に整理しておきますので、マスターとコメルさまは今日はどうぞお休みになって下さい』

「ああ、それじゃあそうさせてもらうよ。……あ、そうそうその整理が終わったらでいいから二人でこの島の全貌を調査して来てくれないかな。写真などを取りながらで頼むよ」

『『承知しました』』

 俺とコメルはシュバルツとバールに後のことを任せると工房部屋を後にし秘密部屋を出ると玄関ホールにある大きな螺旋階段をのぼり二階に上がると寝室へ向かいキングサイズのベッドに二人して飛び込みそのまま眠りに就いた。

***

 翌日、俺はキングサイズのベッドの上で目覚め隣で未だ爆睡しているコメルの額を軽く数回小突いて起こした。

「……ふみゃ、んん~…………ふみゅ~、ん?ここは…………はっ、な、何です?何か起こりましたですか?」

「え、い、いや、もう朝だから起こそうと思ったんだけど……なんかごめん。こんなに慌てふためくなんて思わなかったから。…………って言うかこの聖域島って外から魔物は入ってこれないんじゃなかったっけ」

「…………あ、そうでしたです。わたし早とちりしちゃったです。…………はじゅかちいでしゅう~~」

「まあいい、コメル朝ご飯にしようか。コメルは何が食べたい?」

「……んっと、わたしは~~~~」

 俺はコメルと朝食を何にするか話しながら寝室を出て螺旋階段を降り一階の玄関ホールに出るとそこにはサブリーダーゴーレムのバールが腰を六十度に曲げたお辞儀で待機していた。

「あれ、バールじゃないかこんな所でどうしたんだ?」

『おはようございます。今日の食事の担当はこのバールが務めさせていただきます。食堂の方に本日の朝食をご用意させていただきましたので食堂の方までご案内いたします』

「そうか。バール、お前料理なんて出来たんだな。そう言えばシュバルツはどうしたんだ。ここにはいないみたいだけど。食堂か厨房の方にでもいるのか?」

『はい。わたくしもシュバルツさまも料理をはじめとする家事全般は全てこなすことが出来ます。また、戦闘技術も心得ておりますので、そうですね。わたくし単体でしたらS級の魔物を屠ることが出来ますしシュバルツさまでしたらSS級の魔物を単体で倒すことが出来ます。……それと、只今シュバルツさまは単体でこの島の調査をしています。わたくしは一足先にマスターとコメルさまの朝食をご用意するために屋敷に戻って来たしだいです』

「そうか。ご苦労さん。バールお前が調査して知りえたことは食事中に報告をしてくれるか」

『承知いたしました』

 そして、俺達はバールと共に屋敷の食堂へ向かった。




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