両翼の絆

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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《自己紹介》

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 天空の世界であるオアシスは確かに平和で美しい世界であった。
 人々は安心に暮らせて、朝はほどよく温かく夜は涼しく星空も月も奇麗に映る様はまさに極上の世界と言っても過言ではないだろう。
 だがその世界を保つには多くの犠牲が必要なのだ。
 天空を荒らした罪人には地上の世界か最悪、地獄に堕とし平和を分かたせた。その責任者として”管理者”という者たちが居る。
 その高い地位でルゥは管理官として存在していたのだ。
「やぁルゥくん、調子はどうだい」
「あぁミキ様。僕はなんとか平気です」
 管理官のなかで有名でなおかつ師匠のミキに手を招かれたかのでルゥは笑みを浮かべて隣で話しながら外へ出た。
 天空の世界オアシスは相変わらず美しく魅力的な世界であった。ミキが伺がった様子を見せた。
「ルゥくん。……君に頼みたいことがあるんだ」
 艶やかな髪をなびかせフレーム眼鏡を掛けた男性、ミキはルゥに向けて謎の笑みを浮かべた。ミキはにっこりと微笑んだかと思えば――忍ばせた風でルゥの純白の羽を切り裂いた。
「あっっっ――――!???」
 突然すぎてなにがなんだかわからない。痛みを感じさせないほど速い突風であった。
「ミキ……さま? あの、――いっつぅ……」
 羽を修復しようと翼を広げると再びミキが俊足で近づき両翼とも伸ばしたかと思えばゴミを捨てるように折る。
「ぎぃぁぁぁああーーーー!!!!」
 痛みで悶絶するルゥは地面にひれ伏した。激痛が走り動けないほどだ。生温かく真紅の水滴がぽたぽたと落ちる。
 ミキがにこりとする。笑ったかと思えばルゥを抱き上げたのだ。
「君に会って欲しい子がいる。その子は地獄に居てね、――だから君の羽を折ってしまった」
「な、なん、で……だ……?」
 ミキは残酷に笑んだままである。
「君とその子は運命で繋がっているんだよ。君やあの子はいずれ僕を倒しに来るだろうね。……でもそれでいい」
 なにを言っているのだろうなどと思いながらゆらゆら揺れる身体が――ふわりと沈んでいく。痛いくらい沈んでいき気が付けば……
「んぅ……、あれ、ここが……地獄?」
「――なに言ってんだ、天使様はよ」
「え……?」
 痛む背中を抑えながら起き上がれば掛け布団が掛けられていた。しかも美味しそうな匂いがする。
 白い液体のようなものが大きな鍋にぐつぐつと煮られていた。
「あぁっ! 天使様が目覚めて良かった!」
「……お前がリーダーにしたこと許してぇからな」
 水色の髪に青い瞳の青年がお椀で鍋の中身をすくって渡してくれた。白い液体はシチューのようなうまみのある香りがする。
 白髪の青年がルゥに対し不躾な態度を取っているものの、ルゥは水色の青年に礼を告げてスプーンで掻き混ぜながら飲む。
 なんとまろやかでミルキーな味わいだと思った。
「おいしい……」
「それは良かったです。作った甲斐がありましたよ。――こらタキ、もう許してやりなよ。ライは怒っていないんだし」
「だってよぉ……」
 タキと呼ばれた青年がそれでも許さないなかでルゥは「申し訳ないことをしたよ」そう頭を下げた。
 水色の髪の青年がタキとライの分もよそった。
「僕はレレ。ライの相棒で副リーダーをしているんだ。よろしくね、天使様」
 ルゥがぶすりとした顔をした。横で見ているライが白い濃厚スープを飲みながら首を横に向けている。
「僕も名前がいい」
「はあ? そんなことで怒ってんのか。じゃあ名乗れよ」
「君が紹介すればいいじゃないか」
「あいにく、俺はお前の奴隷だから名前を知らねぇ」
 なんという横暴なライにルゥは先ほどの回想へ疑問を抱きながらも、スープを一気に飲み干した。
 飲み干して折れた背中の羽をゆらゆらさせる。
「僕はルゥ。オアシスから来たものだ」
「えっ……!???」
「お、オアシス……!?」
 オアシスという言葉に二人が絶句した。
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