両翼の絆

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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《チームワーク》

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 今は地獄の門から近い場所に移動したところだ。ライとケイとルゥはそれぞれの力を合わせて巨大類人猿の狩りを行っている。現在は三体も現れてしまった。
 ライが舌打ちを打つ。
「チッ、――わんさか出てくるなっ!」
 ライは宙返りをしてから樹々に飛び去り大型類人猿を蹴散らしていく。だがなかなか倒れないでいた。短刀を引き抜いてから地面に移動する。
 ケイが棍棒で大きく振りかぶった。
「うっっらぁぁぁぁっっっ!!!!!」
 一体の巨大類人猿がドサリと倒れた。それからルゥが手に息吹を込める。
「風よ、我の力となりて――踊れっ!」
 巨大類人猿が風の息吹で飛ばされる。しかし、飛ばされただけでは仕留められない。三体の類人猿はこちらへと向かってくる。
 三人は互い合わせになった。それからライの合図で散る。――ライが一体の巨大類人猿に短刀を刻み込んだ。
「死ねっっっっっ!!!!」
 短刀で大きく振りかぶった連撃は一体の巨大類人猿を仕留めた。それからふわりと風で巻き込ませ、怪物同士で衝突させる。――ルゥの風だ。
「風よ、――舞い上がれ!」
 舞い上がった二体の類人猿が今度は三体目の類人猿に向かう。――ケイが待ち構えていた。
「これでぇ、終わりだぁぁぁぁっっっ!!!!」
 棍棒で振り上げて三体目の類人猿の軸をブレさせる。――ライが素早い動きで抜刀した。
 三体目は首筋に真一文字で刻み込み、血飛沫を上げさせた。二体目はルゥの風の息吹の衝突で頭蓋骨が割れているようだ。
 三人は息を吐き出した。吐き出して吐き出して――倒れ込んだ。
「倒した……ぜぇ~!!!!」
 ケイが気絶したように身体を地面に伏せれば、ライやルゥも笑い出す。これで何度目かという戦いを、三人は自身の経験値に刻み込んだのだ。
 ルゥは参加しなかったが、ライとケイは三体の類人猿を捌き終えて水辺で身体を洗っていた。その頃、先に水浴びをしていたルゥは二人の衣服を洗濯していたのだ。
 ルゥ自前の石鹸で洗ってから流水で洗い流し、風の息吹で乾かす。それをライとケイが礼を告げて衣服を着ていた。
 捌かれた類人猿でさえもルゥはまだ苦手意識はあるが、ケイが作る料理は違う。今日の献立は類人猿の野草煮込みと地獄フナにルゥとライが取って来た果実あった。その果実をケイの手によって焼き菓子になって出されていた。ジャムも添えられている。
 ルゥが金色の瞳を瞬かせた。
「うわぁっ~、美味しそう! さっすが、ケイだね!」
「えへへ。まぁ食べてよ。美味しいだろうからさ!」
 スコーンのような菓子をルゥは小さな口で食んだ。――目を見開かせた。
「すっごい美味しい! ケイ、天才だよっ!」
「ありがと。えへへ~、嬉しいなぁ」
「俺も食うっ! ルゥ、寄こせっ!」
「え~、ライは類人猿の野草煮込み食べれば良いじゃん~」
「俺にも食わせろっ!」
「まぁまぁ二人とも……」
 などと言いながら案外嬉しそうなケイではあった。
 夕飯を終えてからライは二人に向けてニヒルに笑んだ。
「明日抜けたら、やっと、やっと地獄の門番だぞ」
「えっ、本当?」
 ルゥの羽がバタついた。だが羽が折れているせいでギクシャクした動きになっている。ルゥが少し顔を歪めた。
「これで……僕の羽が治るかも、しれないね」
 ライが強く頷いた。
「あぁ。お前の羽が治って、――あの野郎をぶっ飛ばせるぜ」
 ライが拳を固めていた。
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