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《本物の好きを》
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ソファーに押し倒された挙句に來斗の局部を押し付けられた朔太郎は赤面してしまう。それから身体を震わせていた。
「その……最後までって、言うのは……あの……、そのぉ……――」
「ん? 交尾したい。セックスしたい。今はソファーだけど、脇にあるベッドにインして、てんしくんをアンアン啼かせたいって言ってんの。――わかる、意味?」
最後の方は耳元で囁くように、まるで甘えたような低い声で紡ぐ言葉に朔太郎は自分の心臓の高鳴りを噛みしめる。
こうなったら自分はどうなってしまうのだろうか。童貞卒業ではなく、処女喪失……いや、女ではないのでおかしい単語ではあるが、朔太郎は獲物を狩る虎のように鋭く、獰猛な狼のような來斗に鼓動を刻んでいる。
息遣いがはっきりしてきた。キスをされるのか、――そう思った矢先。
「あぁ、その前に金か。やっぱり処女喪失なわけだしなぁ。それだったら、5万で足りるか?」
「――……えっ?」
その言葉に頭が急に真っ白になった。それからふつふつと怒りが沸き上がり、気づけば下品でクズな男にビンタをかましていた。見事な破裂音が部屋中に響き渡る。
そして気づけば、――泣いていた。
「あなた、本当にサイテっーーーー!!!! ですねっっ!!! 信じられない!」
「え、あ、あの、冗談のつもりで言ったんだけど……?」
「俺の方がバカみたいっっ! 勝手にあなたを信頼して、勝手にあなたに好意を寄せて、その……本当に好きだってなったのに! こんなに思っていたのは俺だけなんてっ!」
朔太郎は泣きじゃくりながら跨る來斗を蹴り上げ、置いておいたキムチとビールを一気に飲んだ。
來斗を蹴り上げた際、「ぐぇっっ!???」というようなまるでカエルが異物を飲み込んでそれが不味いものだったかのような品のない声であった。
「いててて……」
腹を擦る來斗に気にも留めず、朔太郎はビール缶を開ける。ビール缶を開ける音は潔く気持ちが良い。ある意味、清々した。
「ンぐ、ンぐ、ンぐ……、カッッーーーー! あぁ~~、清々するっっ!」
「あのぉ……、朔太郎くぅ~ん? もしかして、その……、――めちゃくちゃ怒っていますか?」
朔太郎は今にも土下座しそうな勢いのある來斗など見向きもせずに、キムチを貪っていた。やはりうまい。キムチをあてにしたビールは格別だとよく思う。
それから來斗に振り向き、怖いぐらいにこりと笑んだ。來斗は軽く悲鳴を上げるほどに。
「俺は遊びで付き合うのは嫌いです。そんなつもりなら、――出て行ってください」
最後の言葉は真剣であった。遊びで付き合うほど自分はそこまで器用ではないからだ。
だがしょんぼりしているはずの來斗は朔太郎の言葉を聞いた途端、――悪戯に笑んだ。それから朔太郎の肩に手を置き、顎を掬う。
「それってさぁ~、――朔が本気で俺のこと、好きってことで良いの?」
「え、あ、……あっ」
墓穴を掘ってしまった朔太郎に今度笑うのは、クズ男である來斗であった。
「その……最後までって、言うのは……あの……、そのぉ……――」
「ん? 交尾したい。セックスしたい。今はソファーだけど、脇にあるベッドにインして、てんしくんをアンアン啼かせたいって言ってんの。――わかる、意味?」
最後の方は耳元で囁くように、まるで甘えたような低い声で紡ぐ言葉に朔太郎は自分の心臓の高鳴りを噛みしめる。
こうなったら自分はどうなってしまうのだろうか。童貞卒業ではなく、処女喪失……いや、女ではないのでおかしい単語ではあるが、朔太郎は獲物を狩る虎のように鋭く、獰猛な狼のような來斗に鼓動を刻んでいる。
息遣いがはっきりしてきた。キスをされるのか、――そう思った矢先。
「あぁ、その前に金か。やっぱり処女喪失なわけだしなぁ。それだったら、5万で足りるか?」
「――……えっ?」
その言葉に頭が急に真っ白になった。それからふつふつと怒りが沸き上がり、気づけば下品でクズな男にビンタをかましていた。見事な破裂音が部屋中に響き渡る。
そして気づけば、――泣いていた。
「あなた、本当にサイテっーーーー!!!! ですねっっ!!! 信じられない!」
「え、あ、あの、冗談のつもりで言ったんだけど……?」
「俺の方がバカみたいっっ! 勝手にあなたを信頼して、勝手にあなたに好意を寄せて、その……本当に好きだってなったのに! こんなに思っていたのは俺だけなんてっ!」
朔太郎は泣きじゃくりながら跨る來斗を蹴り上げ、置いておいたキムチとビールを一気に飲んだ。
來斗を蹴り上げた際、「ぐぇっっ!???」というようなまるでカエルが異物を飲み込んでそれが不味いものだったかのような品のない声であった。
「いててて……」
腹を擦る來斗に気にも留めず、朔太郎はビール缶を開ける。ビール缶を開ける音は潔く気持ちが良い。ある意味、清々した。
「ンぐ、ンぐ、ンぐ……、カッッーーーー! あぁ~~、清々するっっ!」
「あのぉ……、朔太郎くぅ~ん? もしかして、その……、――めちゃくちゃ怒っていますか?」
朔太郎は今にも土下座しそうな勢いのある來斗など見向きもせずに、キムチを貪っていた。やはりうまい。キムチをあてにしたビールは格別だとよく思う。
それから來斗に振り向き、怖いぐらいにこりと笑んだ。來斗は軽く悲鳴を上げるほどに。
「俺は遊びで付き合うのは嫌いです。そんなつもりなら、――出て行ってください」
最後の言葉は真剣であった。遊びで付き合うほど自分はそこまで器用ではないからだ。
だがしょんぼりしているはずの來斗は朔太郎の言葉を聞いた途端、――悪戯に笑んだ。それから朔太郎の肩に手を置き、顎を掬う。
「それってさぁ~、――朔が本気で俺のこと、好きってことで良いの?」
「え、あ、……あっ」
墓穴を掘ってしまった朔太郎に今度笑うのは、クズ男である來斗であった。
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