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《キスマークの印》
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來斗が去り、高まる心臓が少しだけ治まった朔太郎ではあるが、急いで支度をした。急げば間に合う――、そう信じて昨日の服装のまま職場に向かう。
「はぁ……はぁっ、はぁ……、良かった、遅刻、しなくて……」
腰は痛かったがなんとか間に合った。ドアを開ければ門野と角田が居た。
「お、お、おはようっ、ございま……す……!」
痛む腰を抑えながら職場に訪れた朔太郎に門野は心配げな顔をする。
「なんか、大丈夫? 腰、寝違えた?」
言い訳が思いつかなかったので朔太郎は「門野さんありがとう」と心の中で土下座しながらそれに乗っかる。
「あ、はい! ちょっと寝違えたみたいで……、しかもぎりぎりまで寝ていたものなので湿布とか貼れずに……」
「そう……。まぁ酷いようなら整骨院とか行きなね? あ、ちなみに曽田さんはグループホームで用事があるから今日は来るとしたら午後あたりかな?」
「あ、はいっ! わかりました!」
席へと着こうとした朔太郎ではあるが、角田が招くように手をひらひらとさせる。どうしたものかと思い耳を傾けた。
角田の声は少し真剣みを帯びていた。
「誰かとなにかあった? 昨日の服装のままだし、それに、――鎖骨、見な」
「へ、さ、鎖骨ですか?」
「あとで鏡で見て確認してね。まったく、……変に勘ぐられないようにね?」
「は、はい……」
めんどくさそうにため息を吐いている角田に朔太郎はふと傾げて洗面台に向かう。洗面台からトイレに入り鏡で確認した。この職場ではトイレの中に鏡があるのだ。
そして朔太郎は顔を真っ赤にした。右の鎖骨に赤い印が刻まれていたのだ。さすがに純粋な朔太郎でも、いや、天然な彼でもわかる。
「き、き、キ、キス、マーク……」
朔太郎は今日、この言い訳を必死で考えるのであった。
「あれ? 天使さん、なんで首にタオル巻いているんですか? 珍しいですね」
「あぁっ! もう夏じゃないですか! 身体を冷やすにはこうやって首に巻くと良いんですよっ、矢谷さんも真似してみてくださいっ!!」
「……あ、はい?」
結局、リュックの中に入っていたタオルを巻いて凌いだ朔太郎ではあるが、普段であれば首にタオルなど巻かない彼が巻いているので気づいた矢谷が声を掛けたのだ。朔太郎は動揺しつつもそれなりの答えを得たので矢田には一応納得した。
朔太郎が話題を逸らすように話し掛ける。
「そういえばっ、キーホルダーありがとうございました! たくさんの人から羨ましい~って言われるよ。ジュリさんって子によろしく伝えておいてくださると嬉しいな」
「あ~、その子には伝えておきましたよ。でも、な~んか不機嫌で……。――土日のお祭り、一緒に行こうって誘ったのに……」
祭りの話を急に切り出されたが、朔太郎は反応した。
「お祭り? あぁっ、そういえばお祭りやるね! 結構有名なお祭りだよね、僕でも知っているぐらいだし」
そう。朔太郎の職場の付近では、いや市では金・土・日の三日間にわたって大規模なお祭りが開催されるのだ。朔太郎も職場帰りにふらりと屋台に寄ったことがある。無難にたこ焼きを食べて失敗したなぁなどとふと昔の思い出が蘇った。
藍斗と休みを合わせて行ったこともあったのも想起した。
「はぁ……はぁっ、はぁ……、良かった、遅刻、しなくて……」
腰は痛かったがなんとか間に合った。ドアを開ければ門野と角田が居た。
「お、お、おはようっ、ございま……す……!」
痛む腰を抑えながら職場に訪れた朔太郎に門野は心配げな顔をする。
「なんか、大丈夫? 腰、寝違えた?」
言い訳が思いつかなかったので朔太郎は「門野さんありがとう」と心の中で土下座しながらそれに乗っかる。
「あ、はい! ちょっと寝違えたみたいで……、しかもぎりぎりまで寝ていたものなので湿布とか貼れずに……」
「そう……。まぁ酷いようなら整骨院とか行きなね? あ、ちなみに曽田さんはグループホームで用事があるから今日は来るとしたら午後あたりかな?」
「あ、はいっ! わかりました!」
席へと着こうとした朔太郎ではあるが、角田が招くように手をひらひらとさせる。どうしたものかと思い耳を傾けた。
角田の声は少し真剣みを帯びていた。
「誰かとなにかあった? 昨日の服装のままだし、それに、――鎖骨、見な」
「へ、さ、鎖骨ですか?」
「あとで鏡で見て確認してね。まったく、……変に勘ぐられないようにね?」
「は、はい……」
めんどくさそうにため息を吐いている角田に朔太郎はふと傾げて洗面台に向かう。洗面台からトイレに入り鏡で確認した。この職場ではトイレの中に鏡があるのだ。
そして朔太郎は顔を真っ赤にした。右の鎖骨に赤い印が刻まれていたのだ。さすがに純粋な朔太郎でも、いや、天然な彼でもわかる。
「き、き、キ、キス、マーク……」
朔太郎は今日、この言い訳を必死で考えるのであった。
「あれ? 天使さん、なんで首にタオル巻いているんですか? 珍しいですね」
「あぁっ! もう夏じゃないですか! 身体を冷やすにはこうやって首に巻くと良いんですよっ、矢谷さんも真似してみてくださいっ!!」
「……あ、はい?」
結局、リュックの中に入っていたタオルを巻いて凌いだ朔太郎ではあるが、普段であれば首にタオルなど巻かない彼が巻いているので気づいた矢谷が声を掛けたのだ。朔太郎は動揺しつつもそれなりの答えを得たので矢田には一応納得した。
朔太郎が話題を逸らすように話し掛ける。
「そういえばっ、キーホルダーありがとうございました! たくさんの人から羨ましい~って言われるよ。ジュリさんって子によろしく伝えておいてくださると嬉しいな」
「あ~、その子には伝えておきましたよ。でも、な~んか不機嫌で……。――土日のお祭り、一緒に行こうって誘ったのに……」
祭りの話を急に切り出されたが、朔太郎は反応した。
「お祭り? あぁっ、そういえばお祭りやるね! 結構有名なお祭りだよね、僕でも知っているぐらいだし」
そう。朔太郎の職場の付近では、いや市では金・土・日の三日間にわたって大規模なお祭りが開催されるのだ。朔太郎も職場帰りにふらりと屋台に寄ったことがある。無難にたこ焼きを食べて失敗したなぁなどとふと昔の思い出が蘇った。
藍斗と休みを合わせて行ったこともあったのも想起した。
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