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《鬼の双子の話》
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昔。ある日本の地域で、鬼を穿てるほど強い力を宿した男の子ともう一人の男の子が生まれました。鬼を穿つ兄とか弱い弟の誕生です。両親を失った可哀そうな兄弟は名前を付けられませんでした。双子だからという理由で両親は死罪にあったのです。それでも兄弟はめげずに生きることができました。
兄の子は成長するたび鬼に勝るほどの強さを持ちました。しかし双子の弟は兄から生気を取られるように干からびた脆弱な姿となり、幼くして亡くなってしまいます。
悲しみに暮れた双子の兄は青年の姿となってからますます荒れました。そして亡くなってしまった小さかった弟を悼むように鬼を倒していきます。しかし、兄は『鬼と化した者』として人々に恐れられ、冤罪の罪で殺されてしまいます。
殺された兄の恨みからか、町は鬼たちに大層狙われるようになりました。そこで町の長は冤罪の罪で殺された男の祠を建てました。すると鬼たちはその町を狙わなくなりました。
しかし男の双子の弟は祠を建てられていません。この世をさまよっていたのです。だから鬼は再び現れて町の者たちを食らいました。つまり鬼が現れたのはこの双子のせいだったのです。
町は損壊の危機に瀕しましたが、残った町の者たちは双子の弟で鬼全体を治める者として生きる鬼治丸と名付けて祠を建てました。その祠は兄の鬼道丸の傍に建てられたそうです。それが現代の日本で都心にある鬼を祀る神社の始まりでした。
「へぇ~……。でも、俺になにが言いたいわけなの。じいちゃん?」
掃除用のほうきを持って双子の兄弟の話を聞かされていた百済 葉治は祖父である桃葉の話に首を傾げていた。ちなみに葉治は百済宗と呼ばれる独自の神道を造っている。だが、かなり稀な神道でほとんどの地域には進出していない宗派だ。
葉治の家は百済宗を信仰している神社の末裔だ。今でもこの逸話を聞いて参拝している町の人々も居る。それは祖父である桃葉もだ。しかし孫息子かつ高校生で青春真っ盛りの葉治はあまり気にしていない様子であった。むしろ面倒くさそうな表情を浮かべていた。
そんな孫息子に桃葉はほうきを片手に咳払いをした。「お前は肝心なことを忘れているな。その双子の弟である鬼治丸様の祠、最近になって荒らされているとは思わないか?」
「あぁ……、そういえば、そうだな」
「しかも兄である鬼道丸様の祠にも最近になって荒らされた形跡がある。しかも鬼道丸様の方は本体ほど盗まれてしまった。この神社の本尊である鬼道丸様を狙うとは、かなりのバチ当たりだぞ?」
その話を聞いて葉治は鬼道丸の方が目立っていて、逆に弟である鬼治丸の方が軽く見られている気がして、何とも言えない気持ちになった。少し可哀そうだと考えてしまう。ちなみに本尊とはその神社仏閣の主役みたいなものである。
確かに鬼道丸は鬼のように強かったが、無罪であるにも関わらず殺されてしまった悲劇の主人公だ。祠としても建てても良いとは思う。
だが、双子の弟である鬼治丸はあまりにも可哀そうではないか。自分の兄に力を吸われて命を賭してしまったなんて、あまりにも無益で残酷すぎる。
そんな孫息子とは打って変わり、祖父の桃葉はほうきを握り締めて一生懸命掃いていたのだ。「これはなにかの前兆かもしれんっ。気を緩めるなよ、葉治!」
すると葉治は持っていたほうきを置いて鬼の兄弟である鬼道丸と鬼治丸の祠にある賽銭を見やった。賽銭箱には今は厳重に盗まれないようしてある。そこに葉治は鬼道丸と鬼治丸に小銭を入れて手を合わせた。
なにを思ったかと、願ったかと言えば双子が喧嘩をしないようにというものだ。祠騒ぎでどちらが悪いかと喧嘩にならないようにと葉治は争わないようにと願った。
「葉治っ、掃除の再開だ。早く済ませてしまうぞっ!」
「へーい」
二社の祠へ願ってから去るように祖父の手伝いをしようとしたその時、――風が吹いた。吹いたかと思えば、突風が巻き起こり、……なんと鬼道丸の祠が崩れたのだ。
兄の子は成長するたび鬼に勝るほどの強さを持ちました。しかし双子の弟は兄から生気を取られるように干からびた脆弱な姿となり、幼くして亡くなってしまいます。
悲しみに暮れた双子の兄は青年の姿となってからますます荒れました。そして亡くなってしまった小さかった弟を悼むように鬼を倒していきます。しかし、兄は『鬼と化した者』として人々に恐れられ、冤罪の罪で殺されてしまいます。
殺された兄の恨みからか、町は鬼たちに大層狙われるようになりました。そこで町の長は冤罪の罪で殺された男の祠を建てました。すると鬼たちはその町を狙わなくなりました。
しかし男の双子の弟は祠を建てられていません。この世をさまよっていたのです。だから鬼は再び現れて町の者たちを食らいました。つまり鬼が現れたのはこの双子のせいだったのです。
町は損壊の危機に瀕しましたが、残った町の者たちは双子の弟で鬼全体を治める者として生きる鬼治丸と名付けて祠を建てました。その祠は兄の鬼道丸の傍に建てられたそうです。それが現代の日本で都心にある鬼を祀る神社の始まりでした。
「へぇ~……。でも、俺になにが言いたいわけなの。じいちゃん?」
掃除用のほうきを持って双子の兄弟の話を聞かされていた百済 葉治は祖父である桃葉の話に首を傾げていた。ちなみに葉治は百済宗と呼ばれる独自の神道を造っている。だが、かなり稀な神道でほとんどの地域には進出していない宗派だ。
葉治の家は百済宗を信仰している神社の末裔だ。今でもこの逸話を聞いて参拝している町の人々も居る。それは祖父である桃葉もだ。しかし孫息子かつ高校生で青春真っ盛りの葉治はあまり気にしていない様子であった。むしろ面倒くさそうな表情を浮かべていた。
そんな孫息子に桃葉はほうきを片手に咳払いをした。「お前は肝心なことを忘れているな。その双子の弟である鬼治丸様の祠、最近になって荒らされているとは思わないか?」
「あぁ……、そういえば、そうだな」
「しかも兄である鬼道丸様の祠にも最近になって荒らされた形跡がある。しかも鬼道丸様の方は本体ほど盗まれてしまった。この神社の本尊である鬼道丸様を狙うとは、かなりのバチ当たりだぞ?」
その話を聞いて葉治は鬼道丸の方が目立っていて、逆に弟である鬼治丸の方が軽く見られている気がして、何とも言えない気持ちになった。少し可哀そうだと考えてしまう。ちなみに本尊とはその神社仏閣の主役みたいなものである。
確かに鬼道丸は鬼のように強かったが、無罪であるにも関わらず殺されてしまった悲劇の主人公だ。祠としても建てても良いとは思う。
だが、双子の弟である鬼治丸はあまりにも可哀そうではないか。自分の兄に力を吸われて命を賭してしまったなんて、あまりにも無益で残酷すぎる。
そんな孫息子とは打って変わり、祖父の桃葉はほうきを握り締めて一生懸命掃いていたのだ。「これはなにかの前兆かもしれんっ。気を緩めるなよ、葉治!」
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なにを思ったかと、願ったかと言えば双子が喧嘩をしないようにというものだ。祠騒ぎでどちらが悪いかと喧嘩にならないようにと葉治は争わないようにと願った。
「葉治っ、掃除の再開だ。早く済ませてしまうぞっ!」
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