鬼を治めるよーじ

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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《自信が持てない》

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 朝食は焼きサバとなめこと豆腐の味噌汁にご飯と納豆とポテトサラダであった。やはり祖父の桃葉は料理上手だと痛感する。
 きじが納豆を熱々のご飯に乗せて食べていた。「う、まいっ! うまいっ!」
「それは良かったです。簡単なものしか作れなくて申し訳ありませんが……」
「いやいや。お義父さんのはとっても美味しいですよ。いつもありがとうございます」
 小枝も一旦、掃除を終えて朝食を食べていた。しかしよーじと夜空はそれを食べず、昨日残していたかつ丼となめこ汁を頬張っている。中途半端な量でもあるしこれから訓練もすると狼煙が言っていたので十分であった。
 味わい深いかつ丼のだしが自分たちが昨日、訓練して食べられなかったご褒美だと思うと嬉しく感じた。

 朝食を食べ終えて皆で公園へと向かう。狼煙は「腹がいっぱいだわ~」などとご満悦な様子であった。睦月もそれに同意していた。
「美味しかったですね。サバも脂が乗っていて美味しかったです。さすが、兄貴のおじいさまだなぁ」
「ちげぇよ、睦月。サバも美味かったけどな、やっぱり納豆とかなめことかだろ。昔はあんな粘っこくて臭いものは毛嫌いしていた納豆が、今はかなり美味くなったなぁ。……でも、まぁそんな雑談よりもだ」
 公園に着いて滑り台を背に狼煙は言い放つ。ちなみにこの公園はかなり広いので運動場所としてはぴったりなのだ。「まずはよーじに坊ちゃんと弥生が憑依して。うよーじ、怪我があるからって俺は容赦しねぇぞ」
「はいっ。きじ、弥生。……憑依してくれ」
「おう!」
 よーじの身体にきじは溶け込むように取り入ったかと思えば、きじが持っていた数珠が輝いてよーじは姿かたちを変えて片手には短刀を身構えた。
 朝日のおかげで白銀の担当は煌めく。そしてきじを憑依したよーじの瞳は真紅になり、髪の毛はさらりとした長髪で黒地の浴衣と下駄を履いていた。
 睦月が呆気に取られている夜空へ視線を向ける。夜空はその視線に気が付いた。
「で、きるかな……。クシナさんとはできたけど……」
「ヨル。あまり深くは考えるな。お前の武器は俺が何とかする。だから力を抜くように、――俺に委ねろ」
 言葉を紡いでにこっと笑う金髪のモヒカン頭の姿に夜空はなんだかおかしく感じてしまう。自分が弱い立場と知っていながらも助けてくれる睦月がありがたかった。
「……クシナさん。準備良い?」
『はい。夜空様が心を開いているのならば、睦月様の言葉を私は信じます』
 銀色の指輪に尋ね、クシナに尋ねて了承を得た。狼煙の声がかかる。
「次は夜空に睦月とクシナが憑依しろ。夜空、いきなり本番であっても俺は手加減をさせないからな」
 夜空が深く頷き了承する。そして願うように指輪を握り締め、睦月へ言葉を紡ぐ。「……二人とも、僕に力を貸してください」
 睦月は仕方がないように笑んだ。「貸してやるよ、ヨル。……期待してるぜ?」
 その温かくも優しい言葉に励まされ、夜空は願う。祈る。
 睦月が夜空の身体をすり抜けて一体化した。その瞬間、夜空は姿かたちを変える。栗毛色の髪は荒々しい金色の髪となり、瞳はつり上がっていた。そして黄金色の羽が生えていたのだ。
 よーじに憑依しているきじは目を見開く。「きれいだ……。まるで、お天道様みたいだ……」
 夜空に憑依した睦月はクシナを憑依させて余雫剣を宿す。余雫剣は槍に変化したかと思えば長刀やら大太刀などに変化していく。
 華麗で雅な姿にきじは圧倒された。すると声が聞こえる。最初はよーじであった。『お前はお前で強くてかっこいいぞ。自信持て』
 それから女の子の声が聞こえた。恐らく弥生だときじは驚きで目を見張る。弥生と対話できるなんて思いもしなかったのだから。
『主人。主人の方がかっこいよ! 私が付いているからっ!』
 弥生は自分を示すように白銀の短刀をきらりとさせた。きじは小刀である弥生を睦月に向ける。「おらは守ってくれる奴らが居る。だから負けねぇ」
 様子を見ていた狼煙が企んだように笑んでいた。
「双方で戦ってもらう。ちなみに勝者が居れば俺は朱印となり、依代を勝者へ渡すっ!」
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