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狼と赤ずきん。
【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”に恥辱される。《中編①》
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…俺、知っていたんだよね。…花ちゃんが隠していることを。…だから、つい。…苛めたくなっちゃって。
昨日の真夜中。こころはもう眠っていて、俺と幸は起きていたんだ。…とか言って、俺は原稿を書いていて花ちゃんは眠い目を擦りながら古文の勉強をしていたんだけどね。…でも花ちゃん、やっぱり眠かったみたい。大きな欠伸をしてから腕を伸ばしたと思ったらまた目を擦っていて…可愛かったな~。目つきの悪い小さいネコみたいでさ?
……本当に俺の恋人は可愛い。
「そんなのろけを聞きたくはありませんが…続けて下さい」
「ちぇっ…」
麗永が眉間に皺を寄せて急かされたからだろう。ひり付く左頬を押せて哉太は語り出した。
『かなたさん…ごめん。やっぱり眠いから、俺…寝るわ』
『うんうん。眠りな~』
『…ふわぁ~。ねみぃ~…』
…あ~。やっぱり可愛すぎる!!! 普段は鋭い目つきで威嚇するくせに、気兼ねなくて信頼している相手の前だと…少し目を垂らして無垢な表情を見せてくれるんだもん! おまけにツンデレ属性だし! …本当に俺の花ちゃんは可愛い。
「だからのろけは良いんですよ。早く話を―」
「…でも、これだけは譲れないし…許さない」
「はい?」
銀髪の警部補の問い掛けに彼は酷く沈んだ顔を見せた。
「だから俺はちょっと笑いかけて、眠そうにしている花ちゃんには分からないように誘導させてみせたんだ。…だってこれは、ちょっとしたお仕置きだもん…ね?」
「どういう意味ですか?」
「まぁ話を聞いてよ」
いつにもなく真剣な彼の表情に麗永は息を呑むのだ。
眠りこけている花ちゃんに俺は伏線を張るような言葉を言ったの。だってちょっとした仕返しだもん。
『花ちゃんは寝なよ~。俺は原稿が終わるまでは起きてるからさ~』
『うん…寝ているよ』
『…でもその前にトイレ行ったら~。…漏らしちゃうかもよ?』
漏らしちゃう発言に花ちゃんは欠伸をしつつも小馬鹿にした俺を見て少しだけ睨んだ。…やっぱり可愛い。
『…漏らすかバカ。…でもトイレには…行ってくる…かぁ~』
『いってらっしゃい~』
花ちゃんがふらつきながらも階段下にあるトイレに向かって行く。その姿を見てから俺はパソコンをスリープにして後を追ったんだ。…作戦を実行する為に。
…哉太さん。今日はいつにも増して気遣いするっていうか…。…妙にあっさりしているというか。…普段なら。
『俺と…エッチしてから…寝よう…って言うのに…?』
階段を下りながら幸は眠たげな瞳を擦り疑問を提示する。だがやはり眠いのでその考えは吹き飛んでしまった。今日は集中して勉強が出来たからツケが回ったのだろう。
『…ふわぁ~…。まぁ~いいや~。そんな時もあるか~』
俺はふらつきながら階段を下りてトイレへと向かう。
…あぁ…歯磨きもしないと。…ション便出したらしなくちゃ。
そんなことを考えながらトイレの電気を付けてドアを開けて閉めようとした…その時。
―――ガチャンッッ!!!
トイレのドアが勝手に閉まった。…それでいて、俺は気付いたら便蓋に座るような態勢を取っていて…異様に笑っている哉太さんが目の前に居たのだ。俺はとてつもなく困惑をしてしまった。
『かなた…さん…なんで?』
『なんでって?』
…いや、それはこっちの話なんだけど?
だから俺はニヤついている哉太さんへ再度尋ねた。
『…なんで、トイレに入って来たの?』
『……』
…どうして答えないのかな。哉太さんの表情が分からない…。
だから俺は目元をさらに擦って哉太さんの顔を見ようと意識をした。まだぼやけているけれど哉太さんの顔が見たかった。…哉太さんの顔を見ないと不安で堪らないから。
『…哉太さんも、行きたかったの?』
次第に遠のいていた意識が明瞭になってくる。そんな俺の変化に気づいたのだろう。哉太さんは怖いくらい微笑んでいるんだ。
…俺、何かしたっけ?
『その顔。…花ちゃん、いや…幸は分かっていないのかな~?』
―な~んで俺が怒っているのかって。
『はい…?』
困惑と尿意で俺の意識がかなりはっきりしていくが、それでも分からなかった。
昨日の真夜中。こころはもう眠っていて、俺と幸は起きていたんだ。…とか言って、俺は原稿を書いていて花ちゃんは眠い目を擦りながら古文の勉強をしていたんだけどね。…でも花ちゃん、やっぱり眠かったみたい。大きな欠伸をしてから腕を伸ばしたと思ったらまた目を擦っていて…可愛かったな~。目つきの悪い小さいネコみたいでさ?
……本当に俺の恋人は可愛い。
「そんなのろけを聞きたくはありませんが…続けて下さい」
「ちぇっ…」
麗永が眉間に皺を寄せて急かされたからだろう。ひり付く左頬を押せて哉太は語り出した。
『かなたさん…ごめん。やっぱり眠いから、俺…寝るわ』
『うんうん。眠りな~』
『…ふわぁ~。ねみぃ~…』
…あ~。やっぱり可愛すぎる!!! 普段は鋭い目つきで威嚇するくせに、気兼ねなくて信頼している相手の前だと…少し目を垂らして無垢な表情を見せてくれるんだもん! おまけにツンデレ属性だし! …本当に俺の花ちゃんは可愛い。
「だからのろけは良いんですよ。早く話を―」
「…でも、これだけは譲れないし…許さない」
「はい?」
銀髪の警部補の問い掛けに彼は酷く沈んだ顔を見せた。
「だから俺はちょっと笑いかけて、眠そうにしている花ちゃんには分からないように誘導させてみせたんだ。…だってこれは、ちょっとしたお仕置きだもん…ね?」
「どういう意味ですか?」
「まぁ話を聞いてよ」
いつにもなく真剣な彼の表情に麗永は息を呑むのだ。
眠りこけている花ちゃんに俺は伏線を張るような言葉を言ったの。だってちょっとした仕返しだもん。
『花ちゃんは寝なよ~。俺は原稿が終わるまでは起きてるからさ~』
『うん…寝ているよ』
『…でもその前にトイレ行ったら~。…漏らしちゃうかもよ?』
漏らしちゃう発言に花ちゃんは欠伸をしつつも小馬鹿にした俺を見て少しだけ睨んだ。…やっぱり可愛い。
『…漏らすかバカ。…でもトイレには…行ってくる…かぁ~』
『いってらっしゃい~』
花ちゃんがふらつきながらも階段下にあるトイレに向かって行く。その姿を見てから俺はパソコンをスリープにして後を追ったんだ。…作戦を実行する為に。
…哉太さん。今日はいつにも増して気遣いするっていうか…。…妙にあっさりしているというか。…普段なら。
『俺と…エッチしてから…寝よう…って言うのに…?』
階段を下りながら幸は眠たげな瞳を擦り疑問を提示する。だがやはり眠いのでその考えは吹き飛んでしまった。今日は集中して勉強が出来たからツケが回ったのだろう。
『…ふわぁ~…。まぁ~いいや~。そんな時もあるか~』
俺はふらつきながら階段を下りてトイレへと向かう。
…あぁ…歯磨きもしないと。…ション便出したらしなくちゃ。
そんなことを考えながらトイレの電気を付けてドアを開けて閉めようとした…その時。
―――ガチャンッッ!!!
トイレのドアが勝手に閉まった。…それでいて、俺は気付いたら便蓋に座るような態勢を取っていて…異様に笑っている哉太さんが目の前に居たのだ。俺はとてつもなく困惑をしてしまった。
『かなた…さん…なんで?』
『なんでって?』
…いや、それはこっちの話なんだけど?
だから俺はニヤついている哉太さんへ再度尋ねた。
『…なんで、トイレに入って来たの?』
『……』
…どうして答えないのかな。哉太さんの表情が分からない…。
だから俺は目元をさらに擦って哉太さんの顔を見ようと意識をした。まだぼやけているけれど哉太さんの顔が見たかった。…哉太さんの顔を見ないと不安で堪らないから。
『…哉太さんも、行きたかったの?』
次第に遠のいていた意識が明瞭になってくる。そんな俺の変化に気づいたのだろう。哉太さんは怖いくらい微笑んでいるんだ。
…俺、何かしたっけ?
『その顔。…花ちゃん、いや…幸は分かっていないのかな~?』
―な~んで俺が怒っているのかって。
『はい…?』
困惑と尿意で俺の意識がかなりはっきりしていくが、それでも分からなかった。
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