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序章
pt15
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おかしい。
何も起こらない。
俺は慌ててセージに言い訳したい気持ちになった。
「待ってくれセージ!本当なんだ!信じてくれ!なんでかわからないけど、昨日は確かに時間が戻ったんだ!嘘じゃないんだ!」
「・・・」
セージは黙っていた。
俺は神に祈った。
ここでセージを失望させたくない。
仲間の信用を失うということの怖さを感じた。
いや、それ以上に、俺を一人にしないでくれ。
とにかく、俺はなんとしてもセージに信じてもらいたかった。
「なるほど。ギターが発動条件ではないと・・・」
「え?なに?」
「いや、だから。ギターを弾くことが発動条件ではないってことでしょ?もしかしたらまだ何か足りないのかもしれない」
タ、、、タスカッタ。。。
ぶっちゃけ、この状況なら普通の人は呆れて電話を切るレベルだと思う。
だがそこはSorrys!のベース担当セージ。
その演奏スタイルが如く、自分の軸が全くぶれていない。
安心したせいだろうか。ちょっとはブレてもいいんだよ、なんて言いそうになる自分がいた。
「アーク。試しにC以外を弾いてみてくれ」
「お、、、おう。わかった」
気を取り直して、俺はAから順にジャンジャンとコードをかき鳴らしていった。
Fでミュート音が少し出たのはちょっと恥ずかしかったが、今はそれどころじゃないので、それについてはお互いスルーした。
しかし、どれを弾いても時間は戻らなかった。
俺はFが苦手な間抜けギタリストってことか?
神はそんな称号を俺に与えたもうたのか!?
・・・。
さすがにセージも呆れてしまったかもしれない。
俺とセージは少しだけ黙っていた。
俺が諦めかけたその時、セージが話し始めた。
「うーん。確か、どっかの婆さんがいってたな。とにかくイメージが大事だと。つまり、時を戻せると思い込むんだ。まるで空気を吸って吐くかのように、当たり前の事として時を戻せると思い込むことが大事かもしれん」
「え?何その会話?コンビニに来るの?そのお婆さん」
「いや、だいぶ前に読んだ漫画に出てきた婆さんだ」
こいつは真剣に向き合ってくれてるのだろうか?
しかし、いまの俺が頼れるのはこの男しかいない。
俺は心を鎮めるために深呼吸した。
そしてゆっくりと目を閉じてDコードを奏でた。
ジャーーん
・・・。
・・・。
・・・。
ピロピロりんー
ピロピロりんー
ドクン
ドクン
ピロピロりんー
ピロピロりんー
ドクドクドク!
ドクドクドク!!!
真っ暗な視界の中、きらびやかに鳴る着信音!
それに合わせて、はち切れんばかりに鼓動する俺の心臓ビート!!!
目を開けるのが怖かった!
怖すぎて震えた。
これが本当の震えるぞハートっ!てやつか!!!
待て落ち着け。
もしかしたら、何かの拍子に接続が切れて、もう一度セージが掛け直してきたのかもしれない。
そうだ、きっとそうに違いない!
俺は全力でガクブルしながらも、スマホのボタンを押して通話を開始した。
「おはようアーク。まだ寝てた?」
何も起こらない。
俺は慌ててセージに言い訳したい気持ちになった。
「待ってくれセージ!本当なんだ!信じてくれ!なんでかわからないけど、昨日は確かに時間が戻ったんだ!嘘じゃないんだ!」
「・・・」
セージは黙っていた。
俺は神に祈った。
ここでセージを失望させたくない。
仲間の信用を失うということの怖さを感じた。
いや、それ以上に、俺を一人にしないでくれ。
とにかく、俺はなんとしてもセージに信じてもらいたかった。
「なるほど。ギターが発動条件ではないと・・・」
「え?なに?」
「いや、だから。ギターを弾くことが発動条件ではないってことでしょ?もしかしたらまだ何か足りないのかもしれない」
タ、、、タスカッタ。。。
ぶっちゃけ、この状況なら普通の人は呆れて電話を切るレベルだと思う。
だがそこはSorrys!のベース担当セージ。
その演奏スタイルが如く、自分の軸が全くぶれていない。
安心したせいだろうか。ちょっとはブレてもいいんだよ、なんて言いそうになる自分がいた。
「アーク。試しにC以外を弾いてみてくれ」
「お、、、おう。わかった」
気を取り直して、俺はAから順にジャンジャンとコードをかき鳴らしていった。
Fでミュート音が少し出たのはちょっと恥ずかしかったが、今はそれどころじゃないので、それについてはお互いスルーした。
しかし、どれを弾いても時間は戻らなかった。
俺はFが苦手な間抜けギタリストってことか?
神はそんな称号を俺に与えたもうたのか!?
・・・。
さすがにセージも呆れてしまったかもしれない。
俺とセージは少しだけ黙っていた。
俺が諦めかけたその時、セージが話し始めた。
「うーん。確か、どっかの婆さんがいってたな。とにかくイメージが大事だと。つまり、時を戻せると思い込むんだ。まるで空気を吸って吐くかのように、当たり前の事として時を戻せると思い込むことが大事かもしれん」
「え?何その会話?コンビニに来るの?そのお婆さん」
「いや、だいぶ前に読んだ漫画に出てきた婆さんだ」
こいつは真剣に向き合ってくれてるのだろうか?
しかし、いまの俺が頼れるのはこの男しかいない。
俺は心を鎮めるために深呼吸した。
そしてゆっくりと目を閉じてDコードを奏でた。
ジャーーん
・・・。
・・・。
・・・。
ピロピロりんー
ピロピロりんー
ドクン
ドクン
ピロピロりんー
ピロピロりんー
ドクドクドク!
ドクドクドク!!!
真っ暗な視界の中、きらびやかに鳴る着信音!
それに合わせて、はち切れんばかりに鼓動する俺の心臓ビート!!!
目を開けるのが怖かった!
怖すぎて震えた。
これが本当の震えるぞハートっ!てやつか!!!
待て落ち着け。
もしかしたら、何かの拍子に接続が切れて、もう一度セージが掛け直してきたのかもしれない。
そうだ、きっとそうに違いない!
俺は全力でガクブルしながらも、スマホのボタンを押して通話を開始した。
「おはようアーク。まだ寝てた?」
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