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これってアリ?
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人間は一旦おいとこう。
でもいくらお試しとは言え、もう少し夢を見させて欲しかった。
これじゃ人間に戻りたいなんて思えない。
生まれ変わるって、赤ちゃんオンリーにして頂きたいものだ。
さてと。
今度は何にしようか?
…動物…
うん。
動物にしよう。
動物って言っても…。
せめて寝床や食物に困らないのがいいな。
そして可愛がってもらえるのが条件。
となると犬か猫か?
うちは昔、両方飼っていた。
犬は繋がれっぱなしで、糞もその辺りに放ってあった。
散歩もほとんどしてもらっていない。
飛びつかれると服が汚れるから…俺も…全く構ってやってなかった。
となると猫か。
比較的自由だし、可愛いし、可愛がられるし。
いいかも。
喋れる猫とかYouTubeでよく観る。
あれもいいな。
よし!
今度は猫にしよう!
俺は2828号室のドアの前で念ずる。
今度はいい思いさせてくれよ‼︎
「猫になりたい!猫になりたい!」
ここは…どこだ?
子どもたちが遊んでいる。
公園か?
俺は耳が痒くて手で掻きむしる。
その手…ピンクの肉球?
『にゃーお!』
(ワーオ)
『ニャンと!』
俺は猫になっている!
しかも三毛猫のオス。
さらに!
野良猫のようだ…。
なんでだよーーーーーーー!
家付じゃないなんて~⁉︎
ぜってぇ『ご縁』の野郎の仕業だろ~?
意地悪だ~!
策略ダァ‼︎
『ああ…まぁ…その…ニャンだ。今はトライアル中だからにゃ。仕方ないにゃ』
俺 なんで猫語話してるんだよ~。
と、ぼーっとしてる訳にはいかない。
ご飯にあり付けないと。
お腹が空いた。
寝床はどうしよう。
俺はそんな事を考えながらポテポテ歩いた。
高いところから見てみるか?
ひょいと跳べば、高い塀の上も楽々移動出来る。
これは便利だな。
『最高にゃ』
俺は長い尻尾をピンと立ててキャットウォーク。
色んな家の中が見える。
お?
ここには犬が住んでるのか。
猫の俺に気がついたようで、こちらに向かって牙を剥いている。
吠えられないように無視無視。
ここの家、猫が縁側で寝ている。
家猫はいいなぁ。
俺は塀を降りて、軒並みを歩く。
なんかいい匂いがしてきた。
これは肉じゃがかな?
俺はその家の前で立ち止まり、ちょっと裏の方を覗いてみようとした時だった。
突然玄関が開いて、おばさんが立ちはだかっている。
「あんた!また来たの⁉︎しっ!しっ!」
『フゥーーーーーー‼︎』
俺は尻尾を膨らませて怒った!
『また来たのって言われても、今日が初めてニャンですけど?』
おばさんは玄関の中に戻り、ホウキを持ち出した‼︎
げ⁉︎叩かれる!
ニッゲローーーーー‼︎
俺は思いっきり全力疾走!
速い!猫はなんて身軽なんだ。
ある意味すげ~‼︎
俺は路地に逃げ込んだ。
『えらい目にあったにゃ』
ペロペロと手を舐めながら、猫だから幸せって訳じゃないんだと痛感した。
家猫ならなぁ。
でも家猫が幸せって決まってるわけでもないか。
よく多頭飼いだの飼育放棄だのっていっぱいテレビで観たもんな。
野良でも賢く生きていかないと死んじまうぜ。
その場でジッとしていたら、何処からともなく痩せた爺さんがやってきた。
「おいで、さぁおいで。怖くないよ」
俺は警戒する。
この爺さん、いい匂いがするぞ?
手に何か持っている?
「これか?ヨシヨシ。分けてやろうな」
気の良さそうな爺さん。
コンビニ袋をゴソゴソし始め、中からパンを出してきた。
焼きたてなのか、ものすごくそそる匂い。
爺さんは小さくちぎって、俺に差し出して来た。
「ほら、おいで。大丈夫」
この人信じられるのか?
グゥゥ~…。
腹はすっごく空いている。
『ニャァ~』
俺は恐る恐る爺さんに近付いた。
爺さんの手から、パンをいただく。
美味い!
『ウミャァ~』
「そうか、そうか。美味いか。腹が空いてたんだなぁ。」
爺さん良い人‼︎
「お前は野良猫さんか?今日は何処に泊まるんだ?良かったらうちに来るか?」
にゃにゃニャンと⁉︎
この爺さん、俺を泊めてくれるってか?
もしかしたら食い物にあり付けるか?
上手くいけば、飼ってもらえたりして?
どーする⁉︎どーするよ俺⁉︎
と思いながら、身体は勝手に爺さんに擦り寄っちゃってる~⁉︎
「ヨシヨシ。お利口さんだ」
俺は爺さんに抱っこされてしまった。
まぁ良さそうな人だから大丈夫かな。
爺さんは俺を連れて、自分の家らしき所へ連れて行ってくれた。
10分ぐらい歩いて立ち止まった。
やっぱり…。
思った通り…ボロ屋…。
玄関を開けて「さぁ、どうぞ」と俺を降ろしてくれた。
なんだか臭う。
「にゃー!」
「フーッ‼︎」
「ニャー」
先住猫 猫、ネコ、ねこーーーーー‼︎
その数 多数‼︎
あちこちに爪研ぎの後。
糞尿の臭い。
やりっぱなしの餌。
敷きっぱなしの布団。
片付いていない台所。
ああ…やっぱり…。
飼育崩壊寸前だったわぁああああああああああ(泣)
そーゆー落ちかぁああああああ‼︎
でもいくらお試しとは言え、もう少し夢を見させて欲しかった。
これじゃ人間に戻りたいなんて思えない。
生まれ変わるって、赤ちゃんオンリーにして頂きたいものだ。
さてと。
今度は何にしようか?
…動物…
うん。
動物にしよう。
動物って言っても…。
せめて寝床や食物に困らないのがいいな。
そして可愛がってもらえるのが条件。
となると犬か猫か?
うちは昔、両方飼っていた。
犬は繋がれっぱなしで、糞もその辺りに放ってあった。
散歩もほとんどしてもらっていない。
飛びつかれると服が汚れるから…俺も…全く構ってやってなかった。
となると猫か。
比較的自由だし、可愛いし、可愛がられるし。
いいかも。
喋れる猫とかYouTubeでよく観る。
あれもいいな。
よし!
今度は猫にしよう!
俺は2828号室のドアの前で念ずる。
今度はいい思いさせてくれよ‼︎
「猫になりたい!猫になりたい!」
ここは…どこだ?
子どもたちが遊んでいる。
公園か?
俺は耳が痒くて手で掻きむしる。
その手…ピンクの肉球?
『にゃーお!』
(ワーオ)
『ニャンと!』
俺は猫になっている!
しかも三毛猫のオス。
さらに!
野良猫のようだ…。
なんでだよーーーーーーー!
家付じゃないなんて~⁉︎
ぜってぇ『ご縁』の野郎の仕業だろ~?
意地悪だ~!
策略ダァ‼︎
『ああ…まぁ…その…ニャンだ。今はトライアル中だからにゃ。仕方ないにゃ』
俺 なんで猫語話してるんだよ~。
と、ぼーっとしてる訳にはいかない。
ご飯にあり付けないと。
お腹が空いた。
寝床はどうしよう。
俺はそんな事を考えながらポテポテ歩いた。
高いところから見てみるか?
ひょいと跳べば、高い塀の上も楽々移動出来る。
これは便利だな。
『最高にゃ』
俺は長い尻尾をピンと立ててキャットウォーク。
色んな家の中が見える。
お?
ここには犬が住んでるのか。
猫の俺に気がついたようで、こちらに向かって牙を剥いている。
吠えられないように無視無視。
ここの家、猫が縁側で寝ている。
家猫はいいなぁ。
俺は塀を降りて、軒並みを歩く。
なんかいい匂いがしてきた。
これは肉じゃがかな?
俺はその家の前で立ち止まり、ちょっと裏の方を覗いてみようとした時だった。
突然玄関が開いて、おばさんが立ちはだかっている。
「あんた!また来たの⁉︎しっ!しっ!」
『フゥーーーーーー‼︎』
俺は尻尾を膨らませて怒った!
『また来たのって言われても、今日が初めてニャンですけど?』
おばさんは玄関の中に戻り、ホウキを持ち出した‼︎
げ⁉︎叩かれる!
ニッゲローーーーー‼︎
俺は思いっきり全力疾走!
速い!猫はなんて身軽なんだ。
ある意味すげ~‼︎
俺は路地に逃げ込んだ。
『えらい目にあったにゃ』
ペロペロと手を舐めながら、猫だから幸せって訳じゃないんだと痛感した。
家猫ならなぁ。
でも家猫が幸せって決まってるわけでもないか。
よく多頭飼いだの飼育放棄だのっていっぱいテレビで観たもんな。
野良でも賢く生きていかないと死んじまうぜ。
その場でジッとしていたら、何処からともなく痩せた爺さんがやってきた。
「おいで、さぁおいで。怖くないよ」
俺は警戒する。
この爺さん、いい匂いがするぞ?
手に何か持っている?
「これか?ヨシヨシ。分けてやろうな」
気の良さそうな爺さん。
コンビニ袋をゴソゴソし始め、中からパンを出してきた。
焼きたてなのか、ものすごくそそる匂い。
爺さんは小さくちぎって、俺に差し出して来た。
「ほら、おいで。大丈夫」
この人信じられるのか?
グゥゥ~…。
腹はすっごく空いている。
『ニャァ~』
俺は恐る恐る爺さんに近付いた。
爺さんの手から、パンをいただく。
美味い!
『ウミャァ~』
「そうか、そうか。美味いか。腹が空いてたんだなぁ。」
爺さん良い人‼︎
「お前は野良猫さんか?今日は何処に泊まるんだ?良かったらうちに来るか?」
にゃにゃニャンと⁉︎
この爺さん、俺を泊めてくれるってか?
もしかしたら食い物にあり付けるか?
上手くいけば、飼ってもらえたりして?
どーする⁉︎どーするよ俺⁉︎
と思いながら、身体は勝手に爺さんに擦り寄っちゃってる~⁉︎
「ヨシヨシ。お利口さんだ」
俺は爺さんに抱っこされてしまった。
まぁ良さそうな人だから大丈夫かな。
爺さんは俺を連れて、自分の家らしき所へ連れて行ってくれた。
10分ぐらい歩いて立ち止まった。
やっぱり…。
思った通り…ボロ屋…。
玄関を開けて「さぁ、どうぞ」と俺を降ろしてくれた。
なんだか臭う。
「にゃー!」
「フーッ‼︎」
「ニャー」
先住猫 猫、ネコ、ねこーーーーー‼︎
その数 多数‼︎
あちこちに爪研ぎの後。
糞尿の臭い。
やりっぱなしの餌。
敷きっぱなしの布団。
片付いていない台所。
ああ…やっぱり…。
飼育崩壊寸前だったわぁああああああああああ(泣)
そーゆー落ちかぁああああああ‼︎
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