追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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ティネン出発4

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「へ…?王女…?な、何言ってんの義父上ちちうえ。冗談は…」

 状況を飲み込めないでいるコリント対して、ダンフォード男爵は地面に片膝を付け跪いた。

「じ、王女殿下、なぜこのような場所に…!?」

「今は武者修行のために冒険者をしていてね。といっても、いつも彼に助けられてばかりだけれど」

 アレクシアはルカを横目に見えて微笑んだ。

「そ、それではその少年はアレクシア殿下の従者という事ですか?それはとんだご無礼を…!」

「いや、従者ではないよ。彼は私の大切な…」

 仲間だよ、そう言いきる前にダンフォード男爵が言葉を被せてきた。

「なるほど、恋人という事ですか!」

「え…」

 固まるアレクシア。しかしすぐに訂正しようと、

「いや、それは…」

 と口を開く。だが彼女の発言を遮り、少女の声が飛ぶ。

「はい!実質恋人のようなものですね!」

 そう話に割り込んで来たのは今まで少し離れた位置からやり取りを見守っていた安鶴沙だ。

「なっ…アヅサ…」

「アヅサさん…!」

 アレクシアとルカが同時に驚愕の表情を浮かべ、顔を赤らめる。 

「や、やはり恋人ですか…!」

 安鶴沙の言葉を真に受けたダンフォード男爵はルカの足元に縋りつかんばかりに身を屈めた。

「そ、そういう事でしたらますますご無礼を…な、なんと言ってよいものか…!」

「いや、えっと、その…こ、恋人ではなくて…あ、あの、とにかく立ってください…!」

 少年は頬を赤くしながらもダンフォード男爵に対して手を差し伸べた。
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