追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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死霊使いvs大魔術師6

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「さあ、あなたの成長を見せてもらおうじゃないかレイミア――」

「『フラム・メテオリート』」

 オイフェの言葉を無視するように、レイミアはその魔術の名称を口にして天高く手をつき上げる。次の瞬間、レイミアの上空に炎の塊が出現する。紅蓮の塊は、洞窟の天井を一瞬で溶かした。

「事前詠唱…!」

 クラリスが思わず呟いた。その名の通り、事前に魔術の詠唱を完了させておくという高等技術だ。暴発や不発の可能性も高く、秘伝レベル6魔術師でさえ成功率は五割と言われる。ここで事前詠唱を選択するのは、レイミアにとっても賭けだったはずだ。そして彼女はその賭けに勝利した。否――さらに、賭けを上乗せレイズする。

「重ねて、詠唱代行…犠牲サクリファイス

 そう告げた瞬間、レイミアの目が大きく見開かれその唇から血が迸る。何か尋常ではない事態が彼女の体に起きていた。だが、それでも老魔術師は戦意を失う事は無い。

「『フラム・メテオリート』

 再び唱えられたその魔術名。それは一度目の『フラム・メテオリート』と融合し…小さな太陽の如き輝きを放ち始める。その熱波は迷宮ダンジョンを溶かし、ルカの位置にまで息をするのもままならない程の熱波が降り注ぐ。

秘伝レベル6魔術の二重行使による疑似叡意レベル7魔術…成長したね、レイミア」

「お、オイフェ…あ、あんたでも…これ、は、止められまい…」

 レイミアは天に突き上げた手を振り下ろす。と同時に、小太陽が如き炎の塊がオイフェに向かって降り注いだ。

「くっ…」

 魔術の行使による迎撃を試みるルカとクラリス。だが、オイフェは自身の横に手を差し出しそれを制した。

「大丈夫。――私が、決める」
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