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アヅサ奪還9
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ルカ達の体を押しつぶすような魔力は全て消え去った。ルカ、アレクシア、クラリス…そしてエリュクスとその傍で横になる安鶴沙。全員無事だ。唯一、消滅したオイフェを除いて…。
「間違って…いました…」
クラリスが絶望的な声を漏らす。
「敵の…狙いは…最初から、邪神の復活じゃなかったんです。狙いは…お師匠様だった…」
「その通りだ、さすがはオイフェの弟子。察しがいいな」
エリュクスが淡々とした声音で返答する。クラリスは、彼の方へ視線を向けた。
「アヅサさんを触媒にして…お師匠様を転移させたんですね…!」
「その通り。この女は、異世界人だ。すなわち魂の一部が異世界と繋がっている。それを利用し、オイフェを『送還』した」
送還…いわゆる召喚の逆で、ある対象を別の場所に送る術。異世界へ何かを送り込む術となれば、本来ならば極意にも相当する術だろう。現代の魔術師にはそれを使用する事はできない。だが…異世界と繋がっている安鶴沙を触媒として利用するなら別だ。
「つまり、オイフェは我々が住むのとは別の世界…確か、地球の日本だったか?――そこにいる。これで俺の邪魔者は消えたという訳だ」
エリュクスは笑った。いや、仮面をしている彼の表情は外からは窺えない。だが…ルカははっきりと知覚した。目の前にいる男が、仮面の下でこの上ない笑みを浮かべている事を。
「間違って…いました…」
クラリスが絶望的な声を漏らす。
「敵の…狙いは…最初から、邪神の復活じゃなかったんです。狙いは…お師匠様だった…」
「その通りだ、さすがはオイフェの弟子。察しがいいな」
エリュクスが淡々とした声音で返答する。クラリスは、彼の方へ視線を向けた。
「アヅサさんを触媒にして…お師匠様を転移させたんですね…!」
「その通り。この女は、異世界人だ。すなわち魂の一部が異世界と繋がっている。それを利用し、オイフェを『送還』した」
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