追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

散士

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一難去って23

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「――提案があるんです」

 朝食の後、そう切り出したのはルカだ。一同の視線が少年に集まった。

「今回、エリュクスさんと対峙して分かりました。邪神教徒と呼ばれる方々は…僕が考えていた以上に、危険な存在である事が」

 かつて『冥王』を倒した英雄エリュクスは別格としても、当代最強剣士と言われるレオンハルト・ツヴァイクの息子レオンゼーレと大魔術師グランド・マジシャンオイフェの弟子、レイミア。今回対峙した邪神教徒は、誰もが一流の使い手だった。そして、レオンゼーレもレイミアも表面上は邪神教徒である事を隠して今日まで生きて来た。

 つまり、一流の剣士や魔術師の中にはまだ『隠れ邪神教徒』が存在しているかもしれない。いや、それどころか…、

「例えば、国の中枢。他にも冒険者ギルドや修道騎士団の中にも…邪神教徒は潜んでいるのかもしれません」

「…聞き捨てならないな」

 ヴェルナーが鋭い視線をルカに向ける。

「修道騎士団は対邪神の組織と言って良い。邪神教徒が入り込む隙など――」

「絶対にない…とは…言いきれないんじゃないかしら…」

 ヴェルナーの言葉を遮ったのはロストアルフェだ。

「少なくとも…冒険者ギルドの中には…隠れ邪神教徒がいる。私は…そう見ているわ…」
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