4 / 12
エアポート
しおりを挟む
ペリカーノ卿が先生の病院にやって来た日の夜、私は気合いを高めて家に帰りました。何としてでもお父さんとお母さんを説得しなければなりません。
説得には苦労するものと思っていました。ところが私が今日あったことを話し、ジョン先生と一緒にパロ王国に行きたいと言うと、すぐにOKの返事が貰えました。特にお父さんは、ジョン先生のことを完全に信頼しきっている様子でした。お父さんは先生に電話をかけ、私のことを宜しくお願いすると頼んでいました。
説得については拍子抜けではあったものの、私は南の国に行けることが、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。出発の日までの1週間、ワクワクしながら荷物のパッキングをしました。
パロ王国へ向かって出発する日、私はもの凄く早起きをしました。オーブ共和国行きの飛行機は便利なシティー空港からはなく、都心からかなり離れたサバーバン空港からしか飛んでいなかったからです。
実はパロ王国への直行便はありません。パロへ行くためにはまずオーブ共和国へ入国し、そこからトランジットでパロに向かう必要がありました。
先生は夜明けより前に車で家の前まで来てくれました。かなり年季の入ったステーションワゴンです。後部座席にはメティスとピッコロが乗っていました。私は助手席に座りました。
しばらく車を走らせると、街で一番大きな駅に着きました。先生は駐車場に車を停めました。
「サバーバン空港は遠いから、ここからエアポートエクスプレスに乗ろう」
そう言うと先生は、仕事用のショルダーバッグを斜めに掛け、大きなスーツケースを転がしながら駅に向かって歩き始めました。私はリュックサックと、着替えが入ったボストンバッグを持って、その後を追いかけました。
エアポートエクスプレスに乗り込むと、先生はスーツケースを荷物台に置き、私の荷物は座席の上の荷物棚に上げてくれました。そして電車に乗る前に買ったコーヒーをすすり始めました。
「やっぱり電車は楽でいいね。それにサバーバン空港行きのときは、空港に近づいていくワクワク感を長く味わうことができる。シティー空港行きだと乗ったと思ったら降りなきゃいけないし、とてもこんなふうに物思いにふける時間がない」
と先生が言いました。
私は「確かにそうかも」と思いながら、ずっと窓から外の風景を眺めていました。ピッコロも窓枠のところにとまって、私と同じように外の風景が変化していくのをじっと見つめていました。
空港に着いた後、私たちは搭乗するエアラインのカウンターに行きました。先生はスーツケースを預けました。私はお父さんから「全部の荷物を持ち込みなさい」と言われていたので、特に預けるものはありません。
先生はカウンターのスタッフに尋ねました。
「パロに行くフライトでは本当に鳥をキャビンに乗せていいんですね?」
「パロ? あぁ、オーブタウンからトランジットでいらっしゃるんですね。その場合は構いません。なんといってもパロは鳥の王国ですから」
と、スタッフは答えました。
私はそれを聞いてホッとしました。メティスとピッコロを本当に連れて行けるのか、最後まで心配していたからです。
「オーブタウンで入国手続きは必要ですか?」
先生はまた尋ねました。
「はい、パロはオーブ共和国の中にある国です。そのため一度オーブ共和国で入国手続きをする必要があります。けど心配要りません。オーブからパロに入るときは何の手続きも要りませんから」
カウンターで搭乗チケットを受け取った後、私たちは荷物検査の列に並びました。早い時間でしたが荷物検査場はこの時間でも混んでいます。
しばらく待って、ようやく私たちの順番が回ってきました。
先生はショルダーバッグを、私はリュックサックとボストンバッグをX線検査機に繫がるベルトコンベアーに置きました。
「あのー、鳥は?」
私の問いに、ベルトコンベアー係の人が答えました。
「鳥? 搭乗チケットを見せていただけますか。ふむふむ、パロまで行かれるんですね。それでしたら、人間の方と一緒にお通りください」
私はメティスとピッコロを肩の上に載せ、そのまま人間用の検査ゲートをくぐり抜けました。ブザーは鳴りませんでした。大丈夫だと分かってはいたのですが、ちゃんと通り抜けられてホッとしました。
そのときX線検査機のブザーが鳴りました。見ると先生の荷物が検査機を通り抜けようしているところでした。先生のバッグの中から何か検知したようです。
「申し訳ありません、こちらのバッグを開けさせていただいてもよろしいでしょうか?」
荷物検査の担当官が先生に話しかけました。
「ええ、どうぞ」
と先生が答えました。
「一体何が反応したんだろう?」
検査官がバッグを開けると、そこには金属製の器具がぎっしり詰まっていました。
「これは何ですか?」
「医療器具です。精密なものですので、預け荷物にするわけにはいきません」
「それは分かります。ただずいぶんと小さいようですが」
聴診器やハサミ、ピンセットなどが入っていました。中には一見しても何に使うのか分からないものもありました。そしてそのどれもが通常のものより遥かに小さいのです。
「これはですね、鳥用の医療器具なんです」
検査官はますます怪訝な顔をしました。
「ちょっとチケットを拝見できますか?」
検査官が先生の搭乗チケットを見ると、たちまち表情が和らぎました。
「あぁ、パロに行かれるんですね。でしたら結構です。お医者様でしたか」
その後の出国ゲートでは何も言われませんでした。検査官は先生と私のパスポートを一瞥すると、機械的にスタンプを押して、すぐに返してくれました。
出国ゲートを過ぎた後、先生は案内板に描かれたターミナルの地図をじっくり眺めていました。そして腕時計を見て時間を確認してから、
「ハンナくん、少し時間があるから本屋さんにでも寄っていこうか?」
と言いました。
私たちはターミナルの中にある小さな書店に行きました。
「飛行機の中で読みたい本があったら買ってあげるよ」
と先生が言ってくれたので、私はガイドブックがほしいなと思い、探してみることにしました。
各国のガイドブックが並べられた棚はすぐに見つかりました。棚の端から端まで順に探していきましたが、パロ王国の名前は見つかりません。先生にそのことを言うと、すぐに店員さんに確認してくれました。店員さんはパロの名前を聞いて「え?」と驚いた顔をしていましたが、カウンターの後ろの棚をガサガサと探り、一冊の本を取り出しました。
「これがパロ王国のガイドブックです」
本には『パロの飛び方』と書いてありました。
「飛び方? 歩き方じゃないんだ」
と私は言いました。
「パロは鳥の国ですから、これでいいんですよ」
と店員さんは答えました。
結局私はそのガイドブックを買ってもらいました。先生はパロとは関係のないネイチャー雑誌を買いました。
ターミナルで飛行機を待つ間、メティスは先生の肩にとまっていました。建物の中には吹き抜けになっているところがあったので、時々退屈したように吹き抜けの上の方まで飛んでいき、高いところにある天井まで到達するとパタパタと下りてきて、今度は私の肩の上にとまったりしました。
空港の中で生きた鳥を見たことがある人はまずいないと思います。ところがメティスが飛び回るさまを見ても、誰も何も言いません。無視というより、皆関心がないようでした。
ピッコロもそれを見て近くを飛び回り始めました。
「あんまり遠くに行っちゃダメだよ」
と私は声を掛けました。
機内への案内が始まりましたので、私たちは飛行機に乗り込みました。私は外の景色が見たかったので窓際の席に座らせてもらいました。
ピッコロは先生のジャケットに付いたポケットに収まりました。
メティスは差し当たり私の膝の上に座らせました。
飛行機の安全装置についてのムービーが始まると、ピッコロは先生のジャケットの襟から顔をぴょこんと出して、興味深そうに眺めていました。メティスも初めは真剣に見ていましたが、途中から声を出して笑い始めました。
「ハ、ハ、飛行機が墜落するというのに、ハ、ハ、椅子につかまってじっとしていろ? そんなことしなくてもハッチを開けてくれたらすぐに脱出できますよ」
「メティス、みんながあなたのように空を自由に飛べるわけではないんだからね」
さすがに私もメティスに言い返しました。
そして遂に離陸の時間を迎えました。私は滑走路を加速していくときの、シートに身体を押し付けられる感じが好きでした。メティスはというと、私の胸に押し付けられて、目を真ん丸に大きく見開いていました。
「さっきまでの元気はどうしたの?」
と、私は笑いながらメティスに声を掛けました。
ベルト着用サインが消えた後、私はリュックサックの中から先ほど買ってもらったパロのガイドブックを取り出しました。
早速ページを開き、パロの気候や国の生い立ちを学びました。
しかしあるパートまで来たとき、私はパタッとガイドブックを閉じました。
「どうしたの?」
と先生が私に尋ねました。
「先生、これは本当に鳥用のガイドブックなんですね」
「どういうことだい?」
「自然や観光スポットの説明は良いんですけど、レストランのページが……」
私は適当にレストランのページを開いて先生に見せました。
「ほら、虫料理しかない。パロに私たちが食べられるもの、あるのかなぁ?」
「大丈夫だよ。虫以外のものを食べる鳥だってたくさんいるんだから」
先生はそう言って、私を慰めてくれました。
説得には苦労するものと思っていました。ところが私が今日あったことを話し、ジョン先生と一緒にパロ王国に行きたいと言うと、すぐにOKの返事が貰えました。特にお父さんは、ジョン先生のことを完全に信頼しきっている様子でした。お父さんは先生に電話をかけ、私のことを宜しくお願いすると頼んでいました。
説得については拍子抜けではあったものの、私は南の国に行けることが、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。出発の日までの1週間、ワクワクしながら荷物のパッキングをしました。
パロ王国へ向かって出発する日、私はもの凄く早起きをしました。オーブ共和国行きの飛行機は便利なシティー空港からはなく、都心からかなり離れたサバーバン空港からしか飛んでいなかったからです。
実はパロ王国への直行便はありません。パロへ行くためにはまずオーブ共和国へ入国し、そこからトランジットでパロに向かう必要がありました。
先生は夜明けより前に車で家の前まで来てくれました。かなり年季の入ったステーションワゴンです。後部座席にはメティスとピッコロが乗っていました。私は助手席に座りました。
しばらく車を走らせると、街で一番大きな駅に着きました。先生は駐車場に車を停めました。
「サバーバン空港は遠いから、ここからエアポートエクスプレスに乗ろう」
そう言うと先生は、仕事用のショルダーバッグを斜めに掛け、大きなスーツケースを転がしながら駅に向かって歩き始めました。私はリュックサックと、着替えが入ったボストンバッグを持って、その後を追いかけました。
エアポートエクスプレスに乗り込むと、先生はスーツケースを荷物台に置き、私の荷物は座席の上の荷物棚に上げてくれました。そして電車に乗る前に買ったコーヒーをすすり始めました。
「やっぱり電車は楽でいいね。それにサバーバン空港行きのときは、空港に近づいていくワクワク感を長く味わうことができる。シティー空港行きだと乗ったと思ったら降りなきゃいけないし、とてもこんなふうに物思いにふける時間がない」
と先生が言いました。
私は「確かにそうかも」と思いながら、ずっと窓から外の風景を眺めていました。ピッコロも窓枠のところにとまって、私と同じように外の風景が変化していくのをじっと見つめていました。
空港に着いた後、私たちは搭乗するエアラインのカウンターに行きました。先生はスーツケースを預けました。私はお父さんから「全部の荷物を持ち込みなさい」と言われていたので、特に預けるものはありません。
先生はカウンターのスタッフに尋ねました。
「パロに行くフライトでは本当に鳥をキャビンに乗せていいんですね?」
「パロ? あぁ、オーブタウンからトランジットでいらっしゃるんですね。その場合は構いません。なんといってもパロは鳥の王国ですから」
と、スタッフは答えました。
私はそれを聞いてホッとしました。メティスとピッコロを本当に連れて行けるのか、最後まで心配していたからです。
「オーブタウンで入国手続きは必要ですか?」
先生はまた尋ねました。
「はい、パロはオーブ共和国の中にある国です。そのため一度オーブ共和国で入国手続きをする必要があります。けど心配要りません。オーブからパロに入るときは何の手続きも要りませんから」
カウンターで搭乗チケットを受け取った後、私たちは荷物検査の列に並びました。早い時間でしたが荷物検査場はこの時間でも混んでいます。
しばらく待って、ようやく私たちの順番が回ってきました。
先生はショルダーバッグを、私はリュックサックとボストンバッグをX線検査機に繫がるベルトコンベアーに置きました。
「あのー、鳥は?」
私の問いに、ベルトコンベアー係の人が答えました。
「鳥? 搭乗チケットを見せていただけますか。ふむふむ、パロまで行かれるんですね。それでしたら、人間の方と一緒にお通りください」
私はメティスとピッコロを肩の上に載せ、そのまま人間用の検査ゲートをくぐり抜けました。ブザーは鳴りませんでした。大丈夫だと分かってはいたのですが、ちゃんと通り抜けられてホッとしました。
そのときX線検査機のブザーが鳴りました。見ると先生の荷物が検査機を通り抜けようしているところでした。先生のバッグの中から何か検知したようです。
「申し訳ありません、こちらのバッグを開けさせていただいてもよろしいでしょうか?」
荷物検査の担当官が先生に話しかけました。
「ええ、どうぞ」
と先生が答えました。
「一体何が反応したんだろう?」
検査官がバッグを開けると、そこには金属製の器具がぎっしり詰まっていました。
「これは何ですか?」
「医療器具です。精密なものですので、預け荷物にするわけにはいきません」
「それは分かります。ただずいぶんと小さいようですが」
聴診器やハサミ、ピンセットなどが入っていました。中には一見しても何に使うのか分からないものもありました。そしてそのどれもが通常のものより遥かに小さいのです。
「これはですね、鳥用の医療器具なんです」
検査官はますます怪訝な顔をしました。
「ちょっとチケットを拝見できますか?」
検査官が先生の搭乗チケットを見ると、たちまち表情が和らぎました。
「あぁ、パロに行かれるんですね。でしたら結構です。お医者様でしたか」
その後の出国ゲートでは何も言われませんでした。検査官は先生と私のパスポートを一瞥すると、機械的にスタンプを押して、すぐに返してくれました。
出国ゲートを過ぎた後、先生は案内板に描かれたターミナルの地図をじっくり眺めていました。そして腕時計を見て時間を確認してから、
「ハンナくん、少し時間があるから本屋さんにでも寄っていこうか?」
と言いました。
私たちはターミナルの中にある小さな書店に行きました。
「飛行機の中で読みたい本があったら買ってあげるよ」
と先生が言ってくれたので、私はガイドブックがほしいなと思い、探してみることにしました。
各国のガイドブックが並べられた棚はすぐに見つかりました。棚の端から端まで順に探していきましたが、パロ王国の名前は見つかりません。先生にそのことを言うと、すぐに店員さんに確認してくれました。店員さんはパロの名前を聞いて「え?」と驚いた顔をしていましたが、カウンターの後ろの棚をガサガサと探り、一冊の本を取り出しました。
「これがパロ王国のガイドブックです」
本には『パロの飛び方』と書いてありました。
「飛び方? 歩き方じゃないんだ」
と私は言いました。
「パロは鳥の国ですから、これでいいんですよ」
と店員さんは答えました。
結局私はそのガイドブックを買ってもらいました。先生はパロとは関係のないネイチャー雑誌を買いました。
ターミナルで飛行機を待つ間、メティスは先生の肩にとまっていました。建物の中には吹き抜けになっているところがあったので、時々退屈したように吹き抜けの上の方まで飛んでいき、高いところにある天井まで到達するとパタパタと下りてきて、今度は私の肩の上にとまったりしました。
空港の中で生きた鳥を見たことがある人はまずいないと思います。ところがメティスが飛び回るさまを見ても、誰も何も言いません。無視というより、皆関心がないようでした。
ピッコロもそれを見て近くを飛び回り始めました。
「あんまり遠くに行っちゃダメだよ」
と私は声を掛けました。
機内への案内が始まりましたので、私たちは飛行機に乗り込みました。私は外の景色が見たかったので窓際の席に座らせてもらいました。
ピッコロは先生のジャケットに付いたポケットに収まりました。
メティスは差し当たり私の膝の上に座らせました。
飛行機の安全装置についてのムービーが始まると、ピッコロは先生のジャケットの襟から顔をぴょこんと出して、興味深そうに眺めていました。メティスも初めは真剣に見ていましたが、途中から声を出して笑い始めました。
「ハ、ハ、飛行機が墜落するというのに、ハ、ハ、椅子につかまってじっとしていろ? そんなことしなくてもハッチを開けてくれたらすぐに脱出できますよ」
「メティス、みんながあなたのように空を自由に飛べるわけではないんだからね」
さすがに私もメティスに言い返しました。
そして遂に離陸の時間を迎えました。私は滑走路を加速していくときの、シートに身体を押し付けられる感じが好きでした。メティスはというと、私の胸に押し付けられて、目を真ん丸に大きく見開いていました。
「さっきまでの元気はどうしたの?」
と、私は笑いながらメティスに声を掛けました。
ベルト着用サインが消えた後、私はリュックサックの中から先ほど買ってもらったパロのガイドブックを取り出しました。
早速ページを開き、パロの気候や国の生い立ちを学びました。
しかしあるパートまで来たとき、私はパタッとガイドブックを閉じました。
「どうしたの?」
と先生が私に尋ねました。
「先生、これは本当に鳥用のガイドブックなんですね」
「どういうことだい?」
「自然や観光スポットの説明は良いんですけど、レストランのページが……」
私は適当にレストランのページを開いて先生に見せました。
「ほら、虫料理しかない。パロに私たちが食べられるもの、あるのかなぁ?」
「大丈夫だよ。虫以外のものを食べる鳥だってたくさんいるんだから」
先生はそう言って、私を慰めてくれました。
10
あなたにおすすめの小説
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
【運命】と言われて困っています
桜 花音
児童書・童話
小6のはじまり。
遠山彩花のクラスである6年1組に転校生がやってきた。
男の子なのに、透き通るようにきれいな肌と、お人形さんみたいに、パッチリした茶色い瞳。
あまりにキレイすぎて、思わず教室のみんな、彼に視線が釘付けになった。
そんな彼が彩花にささやいた。
「やっと会えたね」
初めましてだと思うんだけど?
戸惑う彩花に彼はさらに秘密を教えてくれる。
彼は自らの中に“守護石”というものを宿していて、それがあると精霊と関われるようになるんだとか。
しかも、その彼の守護石の欠片を、なぜか彩花が持っているという。
どういうこと⁉
オバケの謎解きスタンプラリー
綾森れん
児童書・童話
第3回きずな児童書大賞 奨励賞をいただきました! ありがとうございます!
――七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映るんだって。
小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささやかれていた。
結菜は難関中学に合格するため、塾の夏期講習に通って勉強に励んでいる。
だが一方で、自分の将来にひそかな期待と不安をいだいてもいた。
知らない自分を知りたい結菜は、家族が留守にする夏休みのある夜、幼なじみの夏希(ナツキ)とともに七不思議めぐりを決意する。
苦労して夜の学校に忍び込んだ二人だが、出会うのは個性豊かなオバケたちばかり。
いまいち不真面目な二宮金次郎のブロンズ像から、二人はスタンプラリーの台紙を渡され、ルールを説明される。
「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集めて大階段の鏡のところへ持って行くと、君の知らない君自身が映し出されるんだ」
結菜と夏希はオバケたちの謎を解いて、スタンプを集められるのか?
そして大階段の鏡は二人に何を教えてくれるのか?
思春期に足を踏み入れたばかりの少女が、心の奥底に秘めた想いに気付いてゆく物語です。
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
はるのものがたり
柏木みのり
児童書・童話
春樹(はるき)が突然逝ってしまって一ヶ月。いつも自分を守ってくれていた最愛の兄を亡くした中学二年生の春花(はるか)と親友を亡くした中学三年生の俊(しゅん)は、隣の世界から春樹に来た招待状を受け取る。頼り切っていた兄がいなくなり少しずつ変わっていく春花とそれを見守る俊。学校の日常と『お隣』での様々な出来事の中、二人は気持ちを寄せ合い、春樹を失った悲しみを乗り越えようとする。
「9日間」「春の音が聴こえる」「魔法使いたちへ」と関連してくる物語。
(also @ なろう)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる