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ハチドリの声
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ホテルに戻ってもピッコロはまだ帰っていませんでした。
「今日は遠くまで行くって言ってたもんね」
それで夜になると、私たちはピッコロを待たずに晩ご飯を済ませました。
けれど寝る時間になってもピッコロは帰ってきません。
行き場所は分かっていましたが、こんなにも遅くなるとは想像していなかったので、さすがに心配になってきました。
けど先生が、
「もうハンナくんは寝なさい。ここは鳥の国なんだから、大丈夫だよ」
と言うので、一人でベッドに入りました。
その夜私は変な夢を見ました。私がお花畑でうたた寝をしていると、サクラとモモがからんできて寝させてくれません。私が「やめて!」と言うと、サクラとモモがいつの間にかブンブンとまとわりつく蜂に変わっていました。私は腕で蜂を払いながらもがいていました。
「ハンナ先生、起きてください。ピッコロさまが困っておられます」
私は真夜中に目覚めました。
「うーん、私は先生じゃないよ。うわっ!」
耳元で蜂が飛び回っています。私は腕を振り回しながらベッドの上に跳ね起きました。
「違います。ハンナ先生。私です。ハチドリです」
心臓のドキドキが収まり、頭が少しハッキリしてきました。そこにいたのは晩餐会の場にいたハチドリでした。
「あらハチドリさん、あなた喋れるの?」
「おぉ、さすがはハンナ先生、私の話す言葉が分かるんですね。今まで生きてきてこんなにも嬉しかったことはありません」
私は何か大切なことを忘れているような気がしました。そしてようやく耳元でハチドリが言っていた言葉を思い出しました。
「そうだ、ピッコロ! ピッコロに何かあったの?」
「はい、ピッコロさまは王子様のところにおられます。そこで帰れなくなってしまいました。ハンナ先生に助けに来てほしいと」
王子のところから帰れない? 一体どういうことだろうと思いました。けど友達が困って助けを求めてきたのだから、何かとてつもなく大変なことが起こったことは間違いありません。
私は急いで先生のベッドに向かい、先生を揺すって起こしました。
「先生、大変です。ピッコロが助けに来てと言ってます」
先生は「ウーン」と唸りながら体を捻り、ようやく目を覚ましました。
「先生、ピッコロが困っているそうです。助けに来てと」
私は繰り返しそう言いました。
「うーん、どうしてそれを?」
先生は眠い目をしながら言いました。
「ハチドリさんが教えてくれたんです」
「え! ハンナくん、ハチドリと話せるのかい?」
あれ、そう言えばなんで私話せるんだろう?
「ホ! 分かりましたよ!」
メティスが声を上げました。ホテルの部屋の天井は、ログハウス風に自然に曲がった木を化粧梁として渡していて、メティスは寝るときはいつもそこにとまっていました。
「このハチドリは人間には聞こえないような高い音で会話しているのですね。先生は聞き取れなかったけど、ハンナには分かったの。これは凄い才能ですよ」
「そうだったのか! ハンナくん、もっとハチドリの言葉について教えて」
先生は動物の言葉のことになると目の色が変わります。
「そんなことより先生、早くピッコロのところに行きましょう!」
「そうだったね。ピッコロがそう言うんだ。すぐに向かおう」
私たちはフラッシュライトを引っつかんで王宮の森へ入り、王子の住まいへと向かいました。
先生が以前診察をした場所に着きました。枝の上に王子がおり、そのすぐそばの別の枝にピッコロがいました。
「ハンナ! よく来てくれたね」
ピッコロは私たちに気づくと、目に涙を浮かべて言いました。
「どうしたの? 何があったの?」
「王子が明日、私たちの結婚式を挙げるっていうの! 私、そんなつもりでここに来たわけじゃないのに」
「そうなの!?」
私は振り返って王子に尋ねました。
王子は頷きました。
「父王がそう決めました。はい、確かに明日の予定です。実は僕も今日ここに戻ってきてから父王に言われたんだ」
「それであなたは何と答えたの?」
「僕としては……その……願いが叶ったわけで、ただ『はい』と答えました……」
さすがに私も呆れ果てました。ピッコロの都合なんか何にも聞いていない!
私は王子に向かってどやしつけました。
「鳥の中にはオスが居心地の良い立派な巣を作って、メスが気に入ったら結婚する種類もいるんでしょ? なのにあなたはピッコロをこんなにも不安がらせて。何を考えているの!」
王子は私の剣幕に押されて、何も答えることができませんでした。
「そんな人、いや、そんな鳥のところに、友達をお嫁にやることはできません!」
私は強く言い切りました。私にピッコロの結婚をどうこう言う権利はありませんでしたが、それくらい頭にきていました。
「ピッコロ、行こう」
私は両方の手のひらでピッコロをそっと包み、ポケットの中に入れました。
王子は私を止めようとはしませんでした。そして観念したように言いました。
「父王には僕から説明します。おっしゃるとおりです。僕が父王を止めるべきだった」
王子は頭を下げました。そして先生に向かって言いました。
「ジョン先生、先生方は今夜のうちにこの国を出られた方がいい。父王の家来たちが動揺のあまり失礼をはたらくかもしれません。それに皆さんは少し長くこの国にいすぎたようです。多くの国民の治療をしていただいたのに、誠に申し訳ないことです」
先生はその言葉の意味を理解するため、王子の方をじっと見つめていました。
「分かりました。おっしゃるとおりにしましょう。それでは王子、私たちはこれで失礼しますよ」
と先生が王子に別れを告げました。
王子の住まいから十分に離れた後、ピッコロが口を開きました。
「ハンナ、ありがとう」
「ううん、それよりゴメンね。王女様になりそこなっちゃった」
「元々そんなのになりたかったわけじゃないよ」
ピッコロは涙目のまま笑いました。
王宮の森を抜けると、月の光がパッと目に差し込んできました。
「先生、慌てて出てきたけど、ここからオーブ共和国までどうやって行きましょう? たしか来たときは結構時間がかかりましたよね?」
私は先生に尋ねました。
「そうだね。全然考えてなかった」
急に目の前の道がライトで照らされました。私は追っ手が来たのかと、一瞬ドキッとしました。けどすぐに、それが角を曲がってきた一台のバスのヘッドライトだということに気が付きました。
「おや、ジョン先生とその御一行じゃないですか」
乗っていたのは私たちをホテルまで送ってくれたバスの運転手さんでした。
「運転手さん、こんなに遅くまでやっているのかい?」
と先生が尋ねました。
「今日は丸一日チャーターだったんですよ。ガイドブックを見てきたお客さんだったから、あそこへ行けここへ行けと、ぎゅうぎゅう詰めのスケジュールでしたよ。泊まりのホテルに降ろしてきたら、もうこんな時間だ。明日旅行会社に言って、追加料金を請求しないと」
「それじゃあもう一稼ぎしてみないか。私たちをオーブタウンまで乗せていってほしいんだ。明日の朝一番のフライトで帰国したいんでね」
運転手はあくびをしながらも私たちのリクエストを承諾しました。どうせ行く方向は一緒です。
私たちは大急ぎでホテルに戻りました。そして荷物をまとめ、待たせていたバスに飛び乗りました。
「この時間だったら直接空港につけましょう。着いた頃にはカウンターも開いているはずです。オーブの朝は早いですから」
バスの中で、私たちは再び強烈な眠気に襲われました。そして目が覚めたときには、やはり空港に到着していました。
先生はチップをふんだんに払ってからバスを降りました。
丁度朝日が空港を照らし始めました。少し濡れた草木がキラキラと輝きました。
「王宮の森は日暮れが良かったけど、オーブの街は夜明けが良いね」
と先生が言いました。
帰りのフライトは行きよりも早く感じました。今度は機内食の時間は完璧に起きており、出されたものは全て堪能することができました。
サバーバン空港に着陸したときは、乗客による拍手は起きませんでした。
さて、帰国時の入国カウンターの検査は、通常は楽勝のはずです。
ところが、検査官がパスポートの写真と私たちの顔を見比べながら首をひねっています。
(え? また別室送り?)
と私は身構えました。
「確かにこのパスポートはお二人のものだと思いますが、どこか違和感を感じるんですよね」
検査官はなおも私たちの顔を見回しています。
「そうか、少し口の辺りが違うような気がしますね」
私は口を触りました。ギョッとしました。本来柔らかいはずの唇がプラスチックのようにカチカチになっていたからです。それに唇の真ん中の辺りが少し先に突き出しているように感じました。
これは……嘴!!!
「あー、パロにいらしてたんですね。それで分かった」
検査官はスタンプを突いてパスポートを返してくれました。
「大丈夫ですよ。パロに行った人はそうなるんです。すぐに治りますよ」
私が泣きそうな顔になっているのに気づいた検査官が、そう言って声をかけてくれました。
「今日は遠くまで行くって言ってたもんね」
それで夜になると、私たちはピッコロを待たずに晩ご飯を済ませました。
けれど寝る時間になってもピッコロは帰ってきません。
行き場所は分かっていましたが、こんなにも遅くなるとは想像していなかったので、さすがに心配になってきました。
けど先生が、
「もうハンナくんは寝なさい。ここは鳥の国なんだから、大丈夫だよ」
と言うので、一人でベッドに入りました。
その夜私は変な夢を見ました。私がお花畑でうたた寝をしていると、サクラとモモがからんできて寝させてくれません。私が「やめて!」と言うと、サクラとモモがいつの間にかブンブンとまとわりつく蜂に変わっていました。私は腕で蜂を払いながらもがいていました。
「ハンナ先生、起きてください。ピッコロさまが困っておられます」
私は真夜中に目覚めました。
「うーん、私は先生じゃないよ。うわっ!」
耳元で蜂が飛び回っています。私は腕を振り回しながらベッドの上に跳ね起きました。
「違います。ハンナ先生。私です。ハチドリです」
心臓のドキドキが収まり、頭が少しハッキリしてきました。そこにいたのは晩餐会の場にいたハチドリでした。
「あらハチドリさん、あなた喋れるの?」
「おぉ、さすがはハンナ先生、私の話す言葉が分かるんですね。今まで生きてきてこんなにも嬉しかったことはありません」
私は何か大切なことを忘れているような気がしました。そしてようやく耳元でハチドリが言っていた言葉を思い出しました。
「そうだ、ピッコロ! ピッコロに何かあったの?」
「はい、ピッコロさまは王子様のところにおられます。そこで帰れなくなってしまいました。ハンナ先生に助けに来てほしいと」
王子のところから帰れない? 一体どういうことだろうと思いました。けど友達が困って助けを求めてきたのだから、何かとてつもなく大変なことが起こったことは間違いありません。
私は急いで先生のベッドに向かい、先生を揺すって起こしました。
「先生、大変です。ピッコロが助けに来てと言ってます」
先生は「ウーン」と唸りながら体を捻り、ようやく目を覚ましました。
「先生、ピッコロが困っているそうです。助けに来てと」
私は繰り返しそう言いました。
「うーん、どうしてそれを?」
先生は眠い目をしながら言いました。
「ハチドリさんが教えてくれたんです」
「え! ハンナくん、ハチドリと話せるのかい?」
あれ、そう言えばなんで私話せるんだろう?
「ホ! 分かりましたよ!」
メティスが声を上げました。ホテルの部屋の天井は、ログハウス風に自然に曲がった木を化粧梁として渡していて、メティスは寝るときはいつもそこにとまっていました。
「このハチドリは人間には聞こえないような高い音で会話しているのですね。先生は聞き取れなかったけど、ハンナには分かったの。これは凄い才能ですよ」
「そうだったのか! ハンナくん、もっとハチドリの言葉について教えて」
先生は動物の言葉のことになると目の色が変わります。
「そんなことより先生、早くピッコロのところに行きましょう!」
「そうだったね。ピッコロがそう言うんだ。すぐに向かおう」
私たちはフラッシュライトを引っつかんで王宮の森へ入り、王子の住まいへと向かいました。
先生が以前診察をした場所に着きました。枝の上に王子がおり、そのすぐそばの別の枝にピッコロがいました。
「ハンナ! よく来てくれたね」
ピッコロは私たちに気づくと、目に涙を浮かべて言いました。
「どうしたの? 何があったの?」
「王子が明日、私たちの結婚式を挙げるっていうの! 私、そんなつもりでここに来たわけじゃないのに」
「そうなの!?」
私は振り返って王子に尋ねました。
王子は頷きました。
「父王がそう決めました。はい、確かに明日の予定です。実は僕も今日ここに戻ってきてから父王に言われたんだ」
「それであなたは何と答えたの?」
「僕としては……その……願いが叶ったわけで、ただ『はい』と答えました……」
さすがに私も呆れ果てました。ピッコロの都合なんか何にも聞いていない!
私は王子に向かってどやしつけました。
「鳥の中にはオスが居心地の良い立派な巣を作って、メスが気に入ったら結婚する種類もいるんでしょ? なのにあなたはピッコロをこんなにも不安がらせて。何を考えているの!」
王子は私の剣幕に押されて、何も答えることができませんでした。
「そんな人、いや、そんな鳥のところに、友達をお嫁にやることはできません!」
私は強く言い切りました。私にピッコロの結婚をどうこう言う権利はありませんでしたが、それくらい頭にきていました。
「ピッコロ、行こう」
私は両方の手のひらでピッコロをそっと包み、ポケットの中に入れました。
王子は私を止めようとはしませんでした。そして観念したように言いました。
「父王には僕から説明します。おっしゃるとおりです。僕が父王を止めるべきだった」
王子は頭を下げました。そして先生に向かって言いました。
「ジョン先生、先生方は今夜のうちにこの国を出られた方がいい。父王の家来たちが動揺のあまり失礼をはたらくかもしれません。それに皆さんは少し長くこの国にいすぎたようです。多くの国民の治療をしていただいたのに、誠に申し訳ないことです」
先生はその言葉の意味を理解するため、王子の方をじっと見つめていました。
「分かりました。おっしゃるとおりにしましょう。それでは王子、私たちはこれで失礼しますよ」
と先生が王子に別れを告げました。
王子の住まいから十分に離れた後、ピッコロが口を開きました。
「ハンナ、ありがとう」
「ううん、それよりゴメンね。王女様になりそこなっちゃった」
「元々そんなのになりたかったわけじゃないよ」
ピッコロは涙目のまま笑いました。
王宮の森を抜けると、月の光がパッと目に差し込んできました。
「先生、慌てて出てきたけど、ここからオーブ共和国までどうやって行きましょう? たしか来たときは結構時間がかかりましたよね?」
私は先生に尋ねました。
「そうだね。全然考えてなかった」
急に目の前の道がライトで照らされました。私は追っ手が来たのかと、一瞬ドキッとしました。けどすぐに、それが角を曲がってきた一台のバスのヘッドライトだということに気が付きました。
「おや、ジョン先生とその御一行じゃないですか」
乗っていたのは私たちをホテルまで送ってくれたバスの運転手さんでした。
「運転手さん、こんなに遅くまでやっているのかい?」
と先生が尋ねました。
「今日は丸一日チャーターだったんですよ。ガイドブックを見てきたお客さんだったから、あそこへ行けここへ行けと、ぎゅうぎゅう詰めのスケジュールでしたよ。泊まりのホテルに降ろしてきたら、もうこんな時間だ。明日旅行会社に言って、追加料金を請求しないと」
「それじゃあもう一稼ぎしてみないか。私たちをオーブタウンまで乗せていってほしいんだ。明日の朝一番のフライトで帰国したいんでね」
運転手はあくびをしながらも私たちのリクエストを承諾しました。どうせ行く方向は一緒です。
私たちは大急ぎでホテルに戻りました。そして荷物をまとめ、待たせていたバスに飛び乗りました。
「この時間だったら直接空港につけましょう。着いた頃にはカウンターも開いているはずです。オーブの朝は早いですから」
バスの中で、私たちは再び強烈な眠気に襲われました。そして目が覚めたときには、やはり空港に到着していました。
先生はチップをふんだんに払ってからバスを降りました。
丁度朝日が空港を照らし始めました。少し濡れた草木がキラキラと輝きました。
「王宮の森は日暮れが良かったけど、オーブの街は夜明けが良いね」
と先生が言いました。
帰りのフライトは行きよりも早く感じました。今度は機内食の時間は完璧に起きており、出されたものは全て堪能することができました。
サバーバン空港に着陸したときは、乗客による拍手は起きませんでした。
さて、帰国時の入国カウンターの検査は、通常は楽勝のはずです。
ところが、検査官がパスポートの写真と私たちの顔を見比べながら首をひねっています。
(え? また別室送り?)
と私は身構えました。
「確かにこのパスポートはお二人のものだと思いますが、どこか違和感を感じるんですよね」
検査官はなおも私たちの顔を見回しています。
「そうか、少し口の辺りが違うような気がしますね」
私は口を触りました。ギョッとしました。本来柔らかいはずの唇がプラスチックのようにカチカチになっていたからです。それに唇の真ん中の辺りが少し先に突き出しているように感じました。
これは……嘴!!!
「あー、パロにいらしてたんですね。それで分かった」
検査官はスタンプを突いてパスポートを返してくれました。
「大丈夫ですよ。パロに行った人はそうなるんです。すぐに治りますよ」
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