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大魔法使い
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ペリカーノ卿に勧められるがまま、私たちは椅子に座りました。
周囲をぐるりと森に囲まれている中で、先生と二人で大きなテーブルの前に座っているのは変な感じがしました。
私たちはその場でしばらくじっと待ってましたが、どこか違和感を覚えました。私はハッとしました。森の中から音が消えていたのです。先ほどまでは森のどこかしこから鳥の鳴く声が聞こえていたのですが、そうした声が完全に消え去っていました。木々を揺らす風の音はありましたが、ここでは強い風は吹いておらず、僅かにサワサワと葉の擦れ合う音が聴こえるのみです。
いつしかペリカーノ卿も姿を消しました。この森の中で生きているのは私たちだけではないかと錯覚するほどの静けさでした。
木々の間から一羽の鳥が飛び出しました。こちらに近付いてくるとテーブルの上で少し羽ばたき、やがて私たちの目の前に舞い降りました。ピッコロに良く似た鮮やかな緑色のインコです。
「パロ王国国王のプリンス・パラキートです。ジョン先生、皆さま、ようこそお越しくださいました。
私は「え!」と思いました。鳥たちの王と言うので、もっと大きくもっと艶やかな鳥を想像していたからです。
しかし先生は普通にお礼の返答をしていました。
「遠いところより王子のためにお越しくださり誠にありがとうございました。あいにく王子は同席できませんが、明朝あらためてご挨拶致しましょう」
王子はやはり具合が悪いようです。
「ささやかながら晩餐の席を用意しました。王国の近衛隊がこの食卓を守っております。どうぞ安心して食事をお楽しみください」
と王様が言いました。
「近衛隊? この辺りには何か危険な生物がいるのですか?」
と先生が尋ねました。
「はい、近衛隊は蚊を食べ尽くす特別部隊です」
「蚊ですか!」
「山の洞窟に住むコウモリ師範の教えを受けた精鋭部隊です。鉄壁の防御で先生方の快適なお食事をお守りしましょう」
後になって振り返ると、近衛隊の働きは見事でした。こんな森の中なのに、私たちはただの一度も蚊に刺されることなく晩餐を楽しむことができたのです。
その夜、多くの料理が振る舞われました。食べ物は木の実や果物を中心としたメニューでした。
「虫料理のことを心配されていたのではないですかな?」
王様は私にも気さくに声をかけてくれました。
「オーブ共和国の大統領は虫料理に目がなくて、当地にお越しになると必ず所望されるのですが、普通の人間の方はあまりお好みではないようですな」
「大統領もこちらにお越しになるんですか!?」
と私は驚いて訊きました。
「ええ、一年に一度友好を確認するためにいらっしゃいます。皆さまが行李を解かれた部屋に、大統領もお泊まりになるんですよ」
飲み物は多分私の飲んだことのない果物を絞ったものでした。
最初に出てきたのは赤みがかって甘く、食事の途中で少し酸味のある黄色く透明な飲み物に変わりました。最後に出てきたのはほとんど水のようでしたが、ほのかに森の香りと柔らかな甘味が感じられました。
メニューの最後の方でステーキが出てきたときは驚きました。噛むと程よく歯応えがあり、肉汁が口の中に広がります。ほんの少しだけ臭いが気になりましたが、おそらく果物の果汁で風味付けがされているのか、そんなにも気になりません。
「これは何という肉ですか?」
と先生が尋ねました。
「この辺りにいる獣の肉です」
「鳥だけでこれを調理するのは大変でしょう」
「クックドードーという大型の鳥がいて、彼らが調理しました。彼らは空は飛べないのですが、手先が器用で、このようなときは料理を作ってくれるのです」
食事の間中、様々な鳥が先生のところへやって来て挨拶をしていきました。インコのような小型の鳥から、鷹や鷲のような大型の鳥まで、様々な鳥が先生のテーブルを訪れました。嘴が身体と同じくらい大きな鳥もいれば、地味な色合いの鳥もいました。飛べない鳥も何種類かいて、先生が座っている椅子のすぐ近くまでやって来ては、先生とごく短い会話をしていきました。
鳥たちの中には水鳥の仲間もいました。 水鳥たちは順に私たちの元を訪れましたが、その最後に再びペリカーノ卿が姿を現しました。
「晩餐会は楽しんでいただいていますか?」
ペリカーノ卿が先生に尋ねました。
「はい、こんなにも美味しい食事をありがとうございます」
「そう言っていただけるのはパロ王国にとっても光栄なことです」
私はペリカーノ卿にずっと疑問に思っていたことを投げ掛けました。
「パロ王国では王様も王子様もプリンスというんですね」
ペリカーノ卿が答えました。
「はい、パロ王国の歴代の王の中に『わしは王様なんかになりたくない。王子のまま、ずっと気楽に歌っていたい』とおっしゃる方がいて、それ以来王になっても呼び名はプリンスのままとなりました」
「そういうことだったのか!」
と先生が声を上げました。先生も気になっていたようです。
先生のところへはハチドリもやってきました。ハチドリはとても小さい鳥で、その名のとおり蜂ぐらいの大きさしかありません。そのハチドリが先生の顔の前でホバリングをしながら挨拶をしていますが、あまりにも羽ばたくスピードが速すぎて、羽根の形や色がよく分かりませんでした。
ハチドリが来たときだけは先生は頷きながらも少し困った様子でした。
「先生、どうしたんですか?」
ハチドリが去った後、私は尋ねました。
「それが、彼が何と言っているのかよく聞き取れなかったんだ。何か話しているように聞こえるんだけど、彼が発している鳴き声には特に意味がないんだよ」
そんな中メティスは一羽のオウムとずっと話し続けていました。
そのオウムはメティスよりも一回りは大きいようでしたが、羽根の色が若干古ぼけていて、動きもゆっくりでした。どうもメティスよりさらに年を取っているようです。
先生のところに誰もいないのを確認して、メティスが私たちのいる辺りに近づいてきました。
「先生、是非この方の話をお聞きになってください。パロの歴史をようく知っておられます」
メティスが先生に勧めました。
「ほぅ、そうなのかい?」
「さあ、どうぞこちらへ」
メティスが促すと、そのオウムはテーブルの上をゆっくりと歩いて先生のところまでやってきました。
「初めまして、ジョン先生。メティス殿に請われて参りました。こんな年寄りの話にご興味をお持ちになるとはとても思えませんが」
「いえいえ、是非聞かせてください」
と先生が答えました。
「どうぞ、先ほど聞かせていただいたパロの歴史について、先生にもお話しになってください」
とメティスが言いました。
「分かりました。それではしばらくお付き合いください」
「このお話は、この国がパロと呼ばれる前にあったことです。その頃パロは、まだ一つの国ではありませんでした。この森には二羽の王様がいて、それぞれの国を治めていました。二つの国は互いにいがみ合っており、決して仲が良いとは言えませんでした。
「あるとき森に人間が現れました。人間たちはこの森に住む色の美しい鳥たちを持ち去っていきました。
「まず一方の国の鳥たちが奪われました。王様はなんとかしてそれを防ごうと思いましたが、一国の力ではどうすることもできません。それでもう一羽の王に助けを求めたのです。
「ところがもう一方の国の王様は、その助けの声に全く耳を傾けませんでした。相手の国の鳥たちがいなくなっても、別に構わないと思ったからです。
「そうこうしているうちに、もう一方の国の鳥たちも、人間たちによって持ち去られるようになりました。その国の王様も必死で抵抗しましたが、やはり一国ではいかんともなりません。それで初めの国の王様に助けを求めたのですが、先に援軍の求めを断ったのはこちらだったわけで、助けが送られてくることはありませんでした。
こうしてどんどん森の中の鳥が奪われていったのです。
「その頃山の奥に魔法使いのインコがおりました。森に住む残された鳥たちは、王様を頼るのを止め、魔法使いの住処を訪れました。そして、人間たちに仲間が奪われたこと、王様が互いに反目し合い、人間たちにされるがままになっていることを訴えました。
「魔法使いは大いに怒り、山を下りると二羽の王を廃しました。そして人間たちと戦う代わりに森に呪いをかけたのです。それは人間にだけ効果のある呪いでした。
魔法使いが森に呪いをかけた後、人間は森に現れなくなりました。鳥たちは魔法使いに王様になってくれるようお願いしました。魔法使いは初めはその願いを断りましたが、何度も何度も請われるうちに王様となることを承諾しました。そして魔法使いはパロ王国の初代国王となったのです」
私は息を吞んでその話を聴いていました。これは神話のような架空のお話でしょうか? それとも実際にあったこと?
もしそうなら、魔法使いは森にどのような呪いをかけたのでしょうか?
「いや、ありがとうございました。大変貴重なお話を」
と先生がお礼を言いました。
「とんでもないことです。先生に私の昔話を聞いていただいたのは大変な名誉です」
オウムは頭を下げてその場を去りました。
暗くなると、周囲の木々にランプが灯りました。そんなに明るくはありませんが、この場所にはこれぐらいが相応しい気がしました。
やがて晩餐会はお開きになりました。
私たちはランプを一つ貸してもらい、元来た道を通ってホテルに帰りました。
周囲をぐるりと森に囲まれている中で、先生と二人で大きなテーブルの前に座っているのは変な感じがしました。
私たちはその場でしばらくじっと待ってましたが、どこか違和感を覚えました。私はハッとしました。森の中から音が消えていたのです。先ほどまでは森のどこかしこから鳥の鳴く声が聞こえていたのですが、そうした声が完全に消え去っていました。木々を揺らす風の音はありましたが、ここでは強い風は吹いておらず、僅かにサワサワと葉の擦れ合う音が聴こえるのみです。
いつしかペリカーノ卿も姿を消しました。この森の中で生きているのは私たちだけではないかと錯覚するほどの静けさでした。
木々の間から一羽の鳥が飛び出しました。こちらに近付いてくるとテーブルの上で少し羽ばたき、やがて私たちの目の前に舞い降りました。ピッコロに良く似た鮮やかな緑色のインコです。
「パロ王国国王のプリンス・パラキートです。ジョン先生、皆さま、ようこそお越しくださいました。
私は「え!」と思いました。鳥たちの王と言うので、もっと大きくもっと艶やかな鳥を想像していたからです。
しかし先生は普通にお礼の返答をしていました。
「遠いところより王子のためにお越しくださり誠にありがとうございました。あいにく王子は同席できませんが、明朝あらためてご挨拶致しましょう」
王子はやはり具合が悪いようです。
「ささやかながら晩餐の席を用意しました。王国の近衛隊がこの食卓を守っております。どうぞ安心して食事をお楽しみください」
と王様が言いました。
「近衛隊? この辺りには何か危険な生物がいるのですか?」
と先生が尋ねました。
「はい、近衛隊は蚊を食べ尽くす特別部隊です」
「蚊ですか!」
「山の洞窟に住むコウモリ師範の教えを受けた精鋭部隊です。鉄壁の防御で先生方の快適なお食事をお守りしましょう」
後になって振り返ると、近衛隊の働きは見事でした。こんな森の中なのに、私たちはただの一度も蚊に刺されることなく晩餐を楽しむことができたのです。
その夜、多くの料理が振る舞われました。食べ物は木の実や果物を中心としたメニューでした。
「虫料理のことを心配されていたのではないですかな?」
王様は私にも気さくに声をかけてくれました。
「オーブ共和国の大統領は虫料理に目がなくて、当地にお越しになると必ず所望されるのですが、普通の人間の方はあまりお好みではないようですな」
「大統領もこちらにお越しになるんですか!?」
と私は驚いて訊きました。
「ええ、一年に一度友好を確認するためにいらっしゃいます。皆さまが行李を解かれた部屋に、大統領もお泊まりになるんですよ」
飲み物は多分私の飲んだことのない果物を絞ったものでした。
最初に出てきたのは赤みがかって甘く、食事の途中で少し酸味のある黄色く透明な飲み物に変わりました。最後に出てきたのはほとんど水のようでしたが、ほのかに森の香りと柔らかな甘味が感じられました。
メニューの最後の方でステーキが出てきたときは驚きました。噛むと程よく歯応えがあり、肉汁が口の中に広がります。ほんの少しだけ臭いが気になりましたが、おそらく果物の果汁で風味付けがされているのか、そんなにも気になりません。
「これは何という肉ですか?」
と先生が尋ねました。
「この辺りにいる獣の肉です」
「鳥だけでこれを調理するのは大変でしょう」
「クックドードーという大型の鳥がいて、彼らが調理しました。彼らは空は飛べないのですが、手先が器用で、このようなときは料理を作ってくれるのです」
食事の間中、様々な鳥が先生のところへやって来て挨拶をしていきました。インコのような小型の鳥から、鷹や鷲のような大型の鳥まで、様々な鳥が先生のテーブルを訪れました。嘴が身体と同じくらい大きな鳥もいれば、地味な色合いの鳥もいました。飛べない鳥も何種類かいて、先生が座っている椅子のすぐ近くまでやって来ては、先生とごく短い会話をしていきました。
鳥たちの中には水鳥の仲間もいました。 水鳥たちは順に私たちの元を訪れましたが、その最後に再びペリカーノ卿が姿を現しました。
「晩餐会は楽しんでいただいていますか?」
ペリカーノ卿が先生に尋ねました。
「はい、こんなにも美味しい食事をありがとうございます」
「そう言っていただけるのはパロ王国にとっても光栄なことです」
私はペリカーノ卿にずっと疑問に思っていたことを投げ掛けました。
「パロ王国では王様も王子様もプリンスというんですね」
ペリカーノ卿が答えました。
「はい、パロ王国の歴代の王の中に『わしは王様なんかになりたくない。王子のまま、ずっと気楽に歌っていたい』とおっしゃる方がいて、それ以来王になっても呼び名はプリンスのままとなりました」
「そういうことだったのか!」
と先生が声を上げました。先生も気になっていたようです。
先生のところへはハチドリもやってきました。ハチドリはとても小さい鳥で、その名のとおり蜂ぐらいの大きさしかありません。そのハチドリが先生の顔の前でホバリングをしながら挨拶をしていますが、あまりにも羽ばたくスピードが速すぎて、羽根の形や色がよく分かりませんでした。
ハチドリが来たときだけは先生は頷きながらも少し困った様子でした。
「先生、どうしたんですか?」
ハチドリが去った後、私は尋ねました。
「それが、彼が何と言っているのかよく聞き取れなかったんだ。何か話しているように聞こえるんだけど、彼が発している鳴き声には特に意味がないんだよ」
そんな中メティスは一羽のオウムとずっと話し続けていました。
そのオウムはメティスよりも一回りは大きいようでしたが、羽根の色が若干古ぼけていて、動きもゆっくりでした。どうもメティスよりさらに年を取っているようです。
先生のところに誰もいないのを確認して、メティスが私たちのいる辺りに近づいてきました。
「先生、是非この方の話をお聞きになってください。パロの歴史をようく知っておられます」
メティスが先生に勧めました。
「ほぅ、そうなのかい?」
「さあ、どうぞこちらへ」
メティスが促すと、そのオウムはテーブルの上をゆっくりと歩いて先生のところまでやってきました。
「初めまして、ジョン先生。メティス殿に請われて参りました。こんな年寄りの話にご興味をお持ちになるとはとても思えませんが」
「いえいえ、是非聞かせてください」
と先生が答えました。
「どうぞ、先ほど聞かせていただいたパロの歴史について、先生にもお話しになってください」
とメティスが言いました。
「分かりました。それではしばらくお付き合いください」
「このお話は、この国がパロと呼ばれる前にあったことです。その頃パロは、まだ一つの国ではありませんでした。この森には二羽の王様がいて、それぞれの国を治めていました。二つの国は互いにいがみ合っており、決して仲が良いとは言えませんでした。
「あるとき森に人間が現れました。人間たちはこの森に住む色の美しい鳥たちを持ち去っていきました。
「まず一方の国の鳥たちが奪われました。王様はなんとかしてそれを防ごうと思いましたが、一国の力ではどうすることもできません。それでもう一羽の王に助けを求めたのです。
「ところがもう一方の国の王様は、その助けの声に全く耳を傾けませんでした。相手の国の鳥たちがいなくなっても、別に構わないと思ったからです。
「そうこうしているうちに、もう一方の国の鳥たちも、人間たちによって持ち去られるようになりました。その国の王様も必死で抵抗しましたが、やはり一国ではいかんともなりません。それで初めの国の王様に助けを求めたのですが、先に援軍の求めを断ったのはこちらだったわけで、助けが送られてくることはありませんでした。
こうしてどんどん森の中の鳥が奪われていったのです。
「その頃山の奥に魔法使いのインコがおりました。森に住む残された鳥たちは、王様を頼るのを止め、魔法使いの住処を訪れました。そして、人間たちに仲間が奪われたこと、王様が互いに反目し合い、人間たちにされるがままになっていることを訴えました。
「魔法使いは大いに怒り、山を下りると二羽の王を廃しました。そして人間たちと戦う代わりに森に呪いをかけたのです。それは人間にだけ効果のある呪いでした。
魔法使いが森に呪いをかけた後、人間は森に現れなくなりました。鳥たちは魔法使いに王様になってくれるようお願いしました。魔法使いは初めはその願いを断りましたが、何度も何度も請われるうちに王様となることを承諾しました。そして魔法使いはパロ王国の初代国王となったのです」
私は息を吞んでその話を聴いていました。これは神話のような架空のお話でしょうか? それとも実際にあったこと?
もしそうなら、魔法使いは森にどのような呪いをかけたのでしょうか?
「いや、ありがとうございました。大変貴重なお話を」
と先生がお礼を言いました。
「とんでもないことです。先生に私の昔話を聞いていただいたのは大変な名誉です」
オウムは頭を下げてその場を去りました。
暗くなると、周囲の木々にランプが灯りました。そんなに明るくはありませんが、この場所にはこれぐらいが相応しい気がしました。
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