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自分を大事に
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先日のイベントから1ヶ月後。
俺たちは"先輩"の店で毎月マンスリーでクラブイベントを開催していた。その当日。
俺の人生で重大な決断をしにイベントへ向かった。
地下へと続く階段を降りる。ドアを開けるとイベントの出演者、そして"先輩"がいた。
「俺、ちょっと活動休止します。色々とご迷惑おかけしてしまい申し訳ございませんでした」
話の中で休止することを止められる事もあったが、なんとか承諾してもらった。
その日は母親に焼肉に連れてってもらった。
いまだに覚えてる。スーーーっと、心の鉛が無くなり、モヤモヤが晴れた気がした。
しかし俺にはまだ難題が残っている。事故を起こしてしまった方への償いだ。
まず、親族へ連絡をした。
「この度は大変申し訳ございませんでした。-会話内容割愛-」
先方「今はまだ、話したくない。会いたくない」
俺は誠意を見せる事しか出来なかった。
その後何度も連絡をし、そして謝罪の機会を頂いた。
「誠意が伝わったので、家に来てください。おばあちゃんに会って謝罪してください。」
俺は菓子折りを購入し、相手先の家に向かった。
ピンポーン
「どうぞお入りください」
家に入ると親族を含め親戚等、9人くらい。俺を待っていた。
自分の立場的な所からは、強く言えないがこれは罠だと思った。
俺のことを見る目が冷たい。
ーーーーー「まず、事故を起こしてしまったことに関して謝罪をしてください」
慣れない正座をし、痺れる足のまま謝罪の言葉を俺は述べた。
被害者からは様々な言葉が弓矢の如く俺に降りかかる。
「うちの息子は受験生なんだけどね。勉強しなくちゃいけない大事な時期、家族内は事故の話題で持ちきりだよ。受験に影響してしまったらどうする?」
「おばあちゃんは散歩が趣味でした。もう散歩できない。。。」
ほんの一部を抜粋。結構きつい。何も反論など出来る状態ではない。
そして、
「貴方はまだ若い。これからの将来もある。ただ、うちの大事な家族に対しやってしまったことに関しては責任をとってもらう。」
「まず、玄関をスロープに工事する事。雪が降ったら家の前の雪かきにくる事。浴槽脇に手すりをつける事。これを全て行ってもらいたい。誓約書にサインをしてください。」
誓約書まで準備していたとは。
ーーーーーー俺は加害者。ここでサインをしなくてはいけないと。最初は思った。
しかし、
いや。待てよ。確かに俺は加害者だ。でもここまでする必要はあるのか?雪かきの件も、もし仮に何か急用があったり、風邪をひいてしまった等、自分の身を、プライベートを犠牲にまでして今後生きなくてはいけないのか?
これじゃ今までの自分と何も変わらない人生ではないか?
さっき大事な家族と言った。
それなら何故、親御、親戚は県外へ?何故おばあさんを一人でここに住ませている?
俺は葛藤した。
その時。
1番の被害者のおばあさんが静寂を割くようにこう言った。
「もういいじゃない。謝ってくれたんだし。もういいじゃない。」
すると親族が、
「おばあちゃんは黙ってて!!!」
その言葉を聞いて思った。
俺の人生搾取される。ここでイエスと契約書に署名したら俺の人生は今後何も変わらない。
誓約書という名の脅迫状だ。
「申し訳ございません、一旦誓約書の方は持ち帰らせていただいてもよろしいでしょうか?もし、内容の条件を果たせなかった等、またご迷惑をかけてしまうようなことはしたくないので、一旦持ち帰らせて考える余地をください。」
「・・・・・・・・。考える間もないと思いますが一旦わかりました。かならず返答してください。」
俺は家に帰り、誓約書を母親に見せた。
母は泣いていた。
これは束縛、貴方の人生を終わりにさせるための脅迫状だ。
もう貴方は十分謝罪した。、頑張った。後は私に任せて。貴方はこれからの自分の人生を考えなさい。
母親はそう言った。
また逃げてしまったような気がしたが、これも自分の人生を生きるための術。
今までイエスマンの自分を生きてバカを見て来た。自分を犠牲にする事ばかりだった。
周りばかり気にして、自分を傷つけ、悲劇のヒーローになりたかった人生だった。
やってしまったことは仕方ないが、そこに執着するだけの人生で果たして自分は良いのか。
もっと自分を庇ってあげても悪くないと思う。
様々な悩みが膨らみすぎて何も周りが見えなくなってしまった故の事故。
もう、その生き方は辞めなさい。今回の事故で目を覚ましなさいとの神のお告げだったのではないかとも思えた。
話は逸れてしまったが、後々、どうなったのか聞くと、
俺の家は自分は20歳の時に両親が離婚している。その時に母親側で弁護士を雇っていた。
その弁護士に俺の事故の件を任せていたらしい。
そして結果は保険金の支払いで決着が着いたらしい。額はそれなりだったそうだ。
ここから新たに始まる俺の第二の人生。
学生時代から自由奔放に生きて来た。好きな事だけをやってきた。
夢ばかりを追いかけて来た。
一般人からステージに立つ人間になった。
本当の自分ではない自分を演じて来た。
ここからは素っ裸の自分として生きて行こうと。
でもなかなか一度染み付いてしまった過去は漂白できない。
お人よし・キングオブ後輩・歓声を浴びていた過去。
さぁ。今後の自分はいかに成長しいくのか。
俺たちは"先輩"の店で毎月マンスリーでクラブイベントを開催していた。その当日。
俺の人生で重大な決断をしにイベントへ向かった。
地下へと続く階段を降りる。ドアを開けるとイベントの出演者、そして"先輩"がいた。
「俺、ちょっと活動休止します。色々とご迷惑おかけしてしまい申し訳ございませんでした」
話の中で休止することを止められる事もあったが、なんとか承諾してもらった。
その日は母親に焼肉に連れてってもらった。
いまだに覚えてる。スーーーっと、心の鉛が無くなり、モヤモヤが晴れた気がした。
しかし俺にはまだ難題が残っている。事故を起こしてしまった方への償いだ。
まず、親族へ連絡をした。
「この度は大変申し訳ございませんでした。-会話内容割愛-」
先方「今はまだ、話したくない。会いたくない」
俺は誠意を見せる事しか出来なかった。
その後何度も連絡をし、そして謝罪の機会を頂いた。
「誠意が伝わったので、家に来てください。おばあちゃんに会って謝罪してください。」
俺は菓子折りを購入し、相手先の家に向かった。
ピンポーン
「どうぞお入りください」
家に入ると親族を含め親戚等、9人くらい。俺を待っていた。
自分の立場的な所からは、強く言えないがこれは罠だと思った。
俺のことを見る目が冷たい。
ーーーーー「まず、事故を起こしてしまったことに関して謝罪をしてください」
慣れない正座をし、痺れる足のまま謝罪の言葉を俺は述べた。
被害者からは様々な言葉が弓矢の如く俺に降りかかる。
「うちの息子は受験生なんだけどね。勉強しなくちゃいけない大事な時期、家族内は事故の話題で持ちきりだよ。受験に影響してしまったらどうする?」
「おばあちゃんは散歩が趣味でした。もう散歩できない。。。」
ほんの一部を抜粋。結構きつい。何も反論など出来る状態ではない。
そして、
「貴方はまだ若い。これからの将来もある。ただ、うちの大事な家族に対しやってしまったことに関しては責任をとってもらう。」
「まず、玄関をスロープに工事する事。雪が降ったら家の前の雪かきにくる事。浴槽脇に手すりをつける事。これを全て行ってもらいたい。誓約書にサインをしてください。」
誓約書まで準備していたとは。
ーーーーーー俺は加害者。ここでサインをしなくてはいけないと。最初は思った。
しかし、
いや。待てよ。確かに俺は加害者だ。でもここまでする必要はあるのか?雪かきの件も、もし仮に何か急用があったり、風邪をひいてしまった等、自分の身を、プライベートを犠牲にまでして今後生きなくてはいけないのか?
これじゃ今までの自分と何も変わらない人生ではないか?
さっき大事な家族と言った。
それなら何故、親御、親戚は県外へ?何故おばあさんを一人でここに住ませている?
俺は葛藤した。
その時。
1番の被害者のおばあさんが静寂を割くようにこう言った。
「もういいじゃない。謝ってくれたんだし。もういいじゃない。」
すると親族が、
「おばあちゃんは黙ってて!!!」
その言葉を聞いて思った。
俺の人生搾取される。ここでイエスと契約書に署名したら俺の人生は今後何も変わらない。
誓約書という名の脅迫状だ。
「申し訳ございません、一旦誓約書の方は持ち帰らせていただいてもよろしいでしょうか?もし、内容の条件を果たせなかった等、またご迷惑をかけてしまうようなことはしたくないので、一旦持ち帰らせて考える余地をください。」
「・・・・・・・・。考える間もないと思いますが一旦わかりました。かならず返答してください。」
俺は家に帰り、誓約書を母親に見せた。
母は泣いていた。
これは束縛、貴方の人生を終わりにさせるための脅迫状だ。
もう貴方は十分謝罪した。、頑張った。後は私に任せて。貴方はこれからの自分の人生を考えなさい。
母親はそう言った。
また逃げてしまったような気がしたが、これも自分の人生を生きるための術。
今までイエスマンの自分を生きてバカを見て来た。自分を犠牲にする事ばかりだった。
周りばかり気にして、自分を傷つけ、悲劇のヒーローになりたかった人生だった。
やってしまったことは仕方ないが、そこに執着するだけの人生で果たして自分は良いのか。
もっと自分を庇ってあげても悪くないと思う。
様々な悩みが膨らみすぎて何も周りが見えなくなってしまった故の事故。
もう、その生き方は辞めなさい。今回の事故で目を覚ましなさいとの神のお告げだったのではないかとも思えた。
話は逸れてしまったが、後々、どうなったのか聞くと、
俺の家は自分は20歳の時に両親が離婚している。その時に母親側で弁護士を雇っていた。
その弁護士に俺の事故の件を任せていたらしい。
そして結果は保険金の支払いで決着が着いたらしい。額はそれなりだったそうだ。
ここから新たに始まる俺の第二の人生。
学生時代から自由奔放に生きて来た。好きな事だけをやってきた。
夢ばかりを追いかけて来た。
一般人からステージに立つ人間になった。
本当の自分ではない自分を演じて来た。
ここからは素っ裸の自分として生きて行こうと。
でもなかなか一度染み付いてしまった過去は漂白できない。
お人よし・キングオブ後輩・歓声を浴びていた過去。
さぁ。今後の自分はいかに成長しいくのか。
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