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誕生日会の悲劇
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菅木九郎。
明日から高校生二年生。
中高一貫私立賢奏高校所属。
句鈴寺市産まれ、句鈴寺育ち。
血液型はAB型。
好きな本のジャンルはホラー。
特にジャパニーズホラーが好み。
好きな食べ物はワカサギの甘露煮とチキン南蛮。
料理が好きであるが、下手の横好き。
好きな偉人はゴッホ。
尊敬こそするが、憧れにはしないアーティストだ。
こうして自己紹介シートを脳内で張り巡らせてみたが、あまりの無個性振りに飽き飽きしてしまう。
正に何処にでもいるような、普通の高校生。
空気と同化寸前な無味無臭人間だ。
「ただいまー」
そんな自分にも、理解のある家族がいる。
自慢の家族だ。
目に入れても痛くないほどに、自分には勿体ない家族だ。
女三、男二の家族。
父、自分、そして姉妹が三人。
歪ではあるが、その分結束は強固だ。
ダイヤモンドの数億倍は硬い。
現在、時刻は午後七時半。
バイト終わりの疲労気味の身体を、玄関に飾られたジグソーパズルが出迎えてくれる。
有名アニメ映画のものだ。
昨年のゴールデンウィークに家族総出で、三日ほど掛けて完成させたものだ。
と言っても、父はその時不在であったが。
「・・・・・・・・・・・・?」
時刻的には三人共揃っている頃だが、元気な声が返ってこない。
それに、明かりも付いていない。
こんな時間に、三人がお出掛け?
そんな訳が無い。
何せ、今日は自分の誕生日。
御馳走をテーブルに並べてくれている筈だ。
ケーキの一つや二つ、用意してくれないとちょいとばかし悲しい。
二日間寝込む。
「特に連絡はないよね?」
スマホを確認するが、特段メッセージは送られていない。
昨夜の分のスタ連が残っているばかりだ。
新着メッセージは見当たらない。
「・・・・・何かあったんかねぇ」
一抹の不安を過らせながら、がらりとリビングへ繋がるドアを開ける。
瞬間、破裂音が響く。
餌待ちの雛のように開いた口は硝煙を吸い込んだ。
理解が追い付く。
クラッカーだ。
「!」
照明がつく。
眼前に広がるのは、三姉妹のしてやったり、といった表情。
どうやら、ドッキリらしい。
お陰で、年甲斐もない間抜け面を晒してしまった。
「はは、中々のサプライズだったろ?マイ・ブラザー・・・何だいそのデカい荷物?」
姉が右端で快活そうに笑っている。
菅木美月、長女。
明日で高校三年生。
桃色混じりの茶髪に紫苑色なメッシュが入っている。
瞳孔が桜の花弁になっているのが特徴的だ。
陸上部ということもあり、非常に健康的なスタイルをしている。
流石、姉者。
鍛錬を怠らぬその姿、誉高い。
我が家の誇りだ。
「わっはは~!久しぶりに見たんだぞ、兄貴の驚いた表情は・・・何だぞそのデカい荷物?」
ガキ大将なさながらな呵呵大笑をあげてるのは、左端の妹。
菅木尊、次女。
明日で高校一年生。
バチバチに耳ピを空けており、派手派手な金髪が凄いご機嫌だ。
髪飾りかどうかようか分からない、星屑みたちなのが髪に散りばめている。
流石、妹者。
都内のファッション店にでも売ってない髪飾りを着こなしている。
着こなしという言葉が合ってるかは兎も角、取り敢えず我が家の誇りだ。
「兄さん、お帰りなさい・・・何でしょうか、その大きな荷物は?オレが持ちましょうか?」
真っ青なおかっぱボブに真っ赤な双眸、素敵な妹が真ん中に挟まっている。
菅木深玲、末っ子だ。
明日で中学三年生。
引っ込み思案な性格だが、意外にも一人称はオレだ。
凄い。
所作が整いまくっており、風の噂によると学園では深窓の令嬢として持て囃されているらしい。
流石、妹者。
溢れ出る瀟洒パワーと愛嬌ストレングスでクラスメイトというクラスメイトを魅了していく。
我が家の誇り中の誇りだ、ビッグ誇り。
「よーし、慄け。この荷物の中身は、”し”から始まって”い”て終わるブツだよ」
「死体っぽいぞ、多分」
「分かった!鹿の頭蓋だぞ!」
「惜しい」
「お、惜しいのですか・・・・・?」
そんなこんなで、自分はサンタさん顔負けのクソデカ白袋を片手に帰ってきた。
丁度、人間一人分なら全然入るサイズだ。
証拠隠滅には打って付けのブツだ。
「ファーストヒント、これは悪魔を呼び出すときに使うものだよ」
「どっちもだよ?鹿の頭蓋も死体も該当するよ?ブラザー?」
「分かった!思想家の残骸だぞ!」
「成る程、ピッタンコかんかん」
「それは丸とバツのどっちなんだぞ~!?」
「大外れ!!!!!!」
「あ、合ってる時の語感でしたのに・・・」
こんな事もあろうかと常日頃から懐に忍ばせていた、マルバツの音が鳴るヤツを取り出す。
悲哀の音色が無惨に奏でられる。
ハズレと言われたので、次女の尊が明らかに不満そうな顔をしている。
でも、不正解は不正解ですから。
残念。
「あと思想家の残骸って何だい?」
「シンカーズ・ダスト!だぞ!」
「英国バンドの新曲みたいやね」
とは言ってみたものの。
海外の曲は全くもって門外漢だ。
知らぬ知らぬな不知火。
何も分からぬ。
「では、正解を~」
「おお!だぞ!」
「『初心者から玄人まで!辺獄卍叫喚マッスルサプリ剤』」
「しょ、初心者から玄人まで!辺獄卍叫喚マッスルサプリ剤ですか!?」
「・・・まさか、あのサプリを買うなんてね、やはり良い目をしてるよ、マイ・ブラザー」
「知ってるのかだぞ!?姉貴!?」
「まぁ、後々ね」
美月が良い感じに追求から逃れた。
さて、今回自分が購入したマッスルサプリ剤。
これは一部の筋肉界隈で中々有名な代物らしく、一粒飲めばたちまち全身がバキバキになるらしい。
副作用は無いらしい。
個人差があります、という注意書きも付着済みだ。
ほな、大丈夫か。
抑え切れぬ胡散臭さとは裏腹に、効能はしっかりしているようで、幾つかのレビューサイトを確認したところ、概ね好評であった。
また、知り合いに聞いたところ、普通に効果が良いサプリらしい。
誇大広告にギリ反しないスタイルだ。
良いのかな?
「そしてもう一つあるぞ」
「おお!」
「『Sherry&M.A.L.Y.~断頭台~』」
「えっ!?あの有名な!?」
「尊ちゃん、知ってるんですか?」
「高いチョコだ!」
「値段がかい?」
「地位が!」
「地位なんですか・・・?」
かの有名なチョコブランドの最新作。
それが、Sherry&M.A.L.Y.だ。
かつて砂糖の貿易に従事していた大商人の二人娘、シェリーとメアリー。
それから取られた商品名だと聞いた。
そして恐縮な疑問だが、メアリーの表記間違ってない?
LじゃなくてRの筈だ。
ワタシはRです。
「そして最後にもう一品」
「まだあるのか!ゴキゲンだぞ!」
「最近話題の激オモロノベルゲーム、『思想家の愛』」
「布石を回収したね!?」
「い、言うほど布石ですかね・・・・・」
「確かにだね」
「購入した自分でも布石ではないと思う」
老舗ゲームブランドの最新作。
『愛』シリーズのナンバリング作品だ。
今週発売されたばかりな、出来立てホヤホヤな代物。
さらに、アートブックやらタペストリーも付いてる特装版だ。
バッカ高かった。
「ん、じゃあコレ」
「・・・・・・? どういうことだい?」
「いや、皆んなにサプライズプレゼントよ。図らず、サプライズカウンターになっちゃったけど」
そう。
自分、まさかまさかの祝福返し。
手のひら返しな誕生日会の裏返し。
逆に、此方がプレゼントすることにした。
理由は勿論、たった一つ。
メッチャ驚くだろうと思ったから。
あと、笑顔を見たくなったから。
二つだった。
「!? に、兄さん!?今日は兄さんの誕生日なんですよ!?」
「そうだぞー!施す側に回るんじゃあないー!」
「ブラザー、君はいつもそうだ。そうやって予想外のハッピーサプライズを用意してくる」
「あんだと・・・・・?」
この自分に、文句があると・・・?
小生意気なこったぁ・・・・・。
いつも、予想外のハッピーサプライズだって・・・?
嬉しい。
「待ってよ尊、美月、そして深玲」
「・・・・・・はい、何でしょうか」
「今日は自分の生誕祭、つまり今の自分なら、越権的行為すらも許される」
「そうだろうか?」
「故に、プレゼントしても許される」
「違うと思うだぞ!」
あんだと・・・・・?
そしたら、いつプレゼントしちゃあいいんだ・・・?
誕生日とか、記念日とかかな。
ほな今日か。
自分、違えてないぞ。
仕方ない。
理路整然とした反論をするしかない。
「御黙り!!!!!!」
「音圧で誤魔化そうとしてないかい・・・?」
「うん!!!!!!!」
「それが通じるのは、小学生までだぞ!」
「敗北!!!!!」
「負けましたね・・・」
茶番はさて置き。
三人にプレゼントを手渡す。
美月にはサプリを、尊にはチョコ、深玲には新作ゲーム。
以前、欲しいと言ったものを覚えていたのだ。
流石、自分。
ようやる男だ。
そこだけは評価してやる。
「さて、ブラザーからプレゼントを貰ったことだ、私たちからも大切な———」
「その誕生日、ちょっと待った!」
「何だと!?この菅木家長男兼英検二級所持者であるこの自分の誕生日を妨げようとしている奸物が居るってのかい!?」
「居るよ、此処に一人ね!」
ドアの磨りガラス部分から、シルエットが微かに確認できる。
190センチメートルオーバーの身体を余すことなく写しており、右手を高らかに挙げている。
あの、孤独なシルエットは・・・?
「僕だよ!」
「父さん!」
「マイ・ファーザー!」
「親父!だぞ!」
「お父様・・・・・!」
菅木荘次郎。
菅木家のシングルファーザー。
長身痩躯のナイスガイ。
今日も明日もグッドルッキングな、所謂イケオジ。
近所の国から世界の果てまで、世界を股にかけるファッションデザイナー。
その所為で滅多に家に帰れないが、記念日等は何が何でも帰ってくる
まごうことなき、我が家の誇りだ。
「お帰り父さん、お疲れ様アンドどう最近?」
「三日前はフランスのネクタイデザイナーとパッションファッションバトルをしてね・・・・・」
「知らない概念すぎるだぞ!」
笑顔で帰ってきた父へピシガシグッグッを行う。
完璧な手順とタイミングだ。
血が繋がってるいる上に、何年も一緒に暮らしてきてるのだ。
まぁ、一年の六分の一はウチに居ないが。
それでも頑張って帰ってきてる方である。
「ん、いつもありがとうね、忙しい中」
「馬鹿言っちゃいけないよ、我が息子の誕生日なんだぞ!何が何でも帰国するに決まってるだろ!」
「父さん・・・・・!」
ウチは父子家庭だ。
母親は自分が子供の頃、心臓の病気で死んでしまったらしい。
元々母親は看護師だったらしい。
患者に囲まれて感謝されている写真がアルバムの残っている。
良い人だった、らしい。
だから、男手一つで育ててくれた父には感謝しかない。
いや、全然お手伝いさんは居てくれたが。
何ならお手伝いさんメインではあったが。
そしてそのお手伝いさんの高萩さんは、現在退職済み。
現在の家事状況は、我々四人で支えている。
ある意味最強だ。
だが父さんは、全ての学校行事は見に来てくれたし、旅行も一年に一回企画してくれるし、偶に馬鹿ほど美味い料理を作ってくれるし。
何処に出しても恥ずかしくない、銀河一の父親だ。
それにしても、四年で四人も産むとは。
中々に思い切った家族計画だ。
「そう、お前たちの為なら!僕は何だってできる!」
革命家の演説のように。
ライブのオープニングアクトのように。
高らかに、高らかに。
父は叫んだ。
「血は繋がってないが!僕たちはいつまでも家族だ!」
「え?」
「・・・・・あ」
「・・・・・・ヤバ」
「あ、そ、その、兄さん?」
「あう。居心地、最悪だぞ~・・・?」
え?
え?
え?
耳を疑う。
目を丸くし、固唾の飲む。
冗談にしては、リアリティたっぷりな表情だ。
俳優として大成しそうな演技力だ。
「・・・・・・・・・父さん?」
「一回、土下座するから許してくれ」
「そんな、父さん・・・・・」
「マジで、本当に、うん、マジで悪いと思ってる」
「失望したよ、父さん・・・・・」
「幾つものレパートリーで僕に失望しないでくれ・・・!」
深呼吸をし、実の父を見下ろす。
父さん、嘘だよな・・・?
血ぃ、繋がってないの?
それが今更、家族関係にヒビを齎すとは考えてないが。
「あ、あの、だな。具体的に言うなら、三人の方が血が繋がってないと言うべきか・・・」
「だったら!自分より!三人へ謝るべきでしょう!」
「あ、あー、その事なんだけど・・・・・」
「・・・?」
「三人は既に、血が繋がってないことを知ってるんだ」
「・・・・・・・・・何でぇ?」
何で、と思った。
何なら言った。
何故?
如何なる理由を以て、秘匿へ至った?
「いや、数年前、あまりにも顔が似ていないと、問い詰められたものだから、つい、漏らしてしまった」
「た、確かに・・・・・!?祖父似とか祖母似とか、先祖返り的なもんかと!」
「実際、そういうのがあるからね・・・」
「チクショウ!」
「それに、九郎は家族大好きだから、明かすタイミングを迷っていてね・・・・・」
細けぇこたぁ良い、そう考えていた・・・。
自分の未熟め。
気づいておけば、こんな思いをせずに済んだというのに。
まぁ仔細は良い。
実の父親の土下座シーンを見たと言うことで、今回は矛を収めよう。
三人も気不味くなって黙りこくっている。
ここは笑顔を見せて、一切合切解決しよう。
「さー、三人共!夕飯が冷めてしまう、早くチキンでも食べよ———」
「・・・ごめん、ブラザー、まだ隠していることがあるんだ」
「うん?」
まだあるの?
これ以上の衝撃、早々訪れないよ?
殺人レベルの告白でもしないと、もう驚かないぞ。
「私、悪魔なんだ」
「悪魔?
美月がスカートから黒い尻尾を取り出した。
お手本通りのような、絵本からそのまま飛び出してきたような。
スペード上の先端をしている、悪魔の尻尾だ。
「・・・・・すまないだぞ、兄貴」
「尊?」
「私、鬼なんだぞ」
「鬼?」
額からずぽりと角が生えてきた。
二本。
先端が赤みがかっている以外は、皮膚と同色だ。
認識した瞬間、理解する。
本物だ。
「に、兄さん。申し訳ないです」
「深玲?」
「オレ、幽霊なんです」
「幽霊でユウレイなユーウェンレイ?」
「オレの時だけ、はっちゃけすぎじゃないですか?」
足元が半透明になっており、火の玉が周囲に浮いている。
熱は無さそそうだ。
これは、間違いなく。
幽霊だ。
「え、え、えぇ?」
「あ、兄貴、ごめんだぞ・・・・・」
「そんな、これからどんな顔してリビングでコンビニスイーツを食べればいいんだ・・・?」
「意外と大丈夫そうだね?」
どうしよう。
いや、どうしよう。
家族だと思っていた三人、実は血縁関係が無くて?
さらに言えば、妖魔の類で?
そんでもって、それが三人共?
夢・・・・・?
ストーリー性のある、夢なのか・・・?
否、現実だ。
これは紛れもない、現世だ。
呼吸を整え。
髪を直し。
視線を正す。
さて、これから自分は。
「これから自分、どうなっちゃうんだ~!?」
「昭和のアニメのオチじゃないか」
「すっこんでな!父さん!」
「はい・・・・・」
明日から高校生二年生。
中高一貫私立賢奏高校所属。
句鈴寺市産まれ、句鈴寺育ち。
血液型はAB型。
好きな本のジャンルはホラー。
特にジャパニーズホラーが好み。
好きな食べ物はワカサギの甘露煮とチキン南蛮。
料理が好きであるが、下手の横好き。
好きな偉人はゴッホ。
尊敬こそするが、憧れにはしないアーティストだ。
こうして自己紹介シートを脳内で張り巡らせてみたが、あまりの無個性振りに飽き飽きしてしまう。
正に何処にでもいるような、普通の高校生。
空気と同化寸前な無味無臭人間だ。
「ただいまー」
そんな自分にも、理解のある家族がいる。
自慢の家族だ。
目に入れても痛くないほどに、自分には勿体ない家族だ。
女三、男二の家族。
父、自分、そして姉妹が三人。
歪ではあるが、その分結束は強固だ。
ダイヤモンドの数億倍は硬い。
現在、時刻は午後七時半。
バイト終わりの疲労気味の身体を、玄関に飾られたジグソーパズルが出迎えてくれる。
有名アニメ映画のものだ。
昨年のゴールデンウィークに家族総出で、三日ほど掛けて完成させたものだ。
と言っても、父はその時不在であったが。
「・・・・・・・・・・・・?」
時刻的には三人共揃っている頃だが、元気な声が返ってこない。
それに、明かりも付いていない。
こんな時間に、三人がお出掛け?
そんな訳が無い。
何せ、今日は自分の誕生日。
御馳走をテーブルに並べてくれている筈だ。
ケーキの一つや二つ、用意してくれないとちょいとばかし悲しい。
二日間寝込む。
「特に連絡はないよね?」
スマホを確認するが、特段メッセージは送られていない。
昨夜の分のスタ連が残っているばかりだ。
新着メッセージは見当たらない。
「・・・・・何かあったんかねぇ」
一抹の不安を過らせながら、がらりとリビングへ繋がるドアを開ける。
瞬間、破裂音が響く。
餌待ちの雛のように開いた口は硝煙を吸い込んだ。
理解が追い付く。
クラッカーだ。
「!」
照明がつく。
眼前に広がるのは、三姉妹のしてやったり、といった表情。
どうやら、ドッキリらしい。
お陰で、年甲斐もない間抜け面を晒してしまった。
「はは、中々のサプライズだったろ?マイ・ブラザー・・・何だいそのデカい荷物?」
姉が右端で快活そうに笑っている。
菅木美月、長女。
明日で高校三年生。
桃色混じりの茶髪に紫苑色なメッシュが入っている。
瞳孔が桜の花弁になっているのが特徴的だ。
陸上部ということもあり、非常に健康的なスタイルをしている。
流石、姉者。
鍛錬を怠らぬその姿、誉高い。
我が家の誇りだ。
「わっはは~!久しぶりに見たんだぞ、兄貴の驚いた表情は・・・何だぞそのデカい荷物?」
ガキ大将なさながらな呵呵大笑をあげてるのは、左端の妹。
菅木尊、次女。
明日で高校一年生。
バチバチに耳ピを空けており、派手派手な金髪が凄いご機嫌だ。
髪飾りかどうかようか分からない、星屑みたちなのが髪に散りばめている。
流石、妹者。
都内のファッション店にでも売ってない髪飾りを着こなしている。
着こなしという言葉が合ってるかは兎も角、取り敢えず我が家の誇りだ。
「兄さん、お帰りなさい・・・何でしょうか、その大きな荷物は?オレが持ちましょうか?」
真っ青なおかっぱボブに真っ赤な双眸、素敵な妹が真ん中に挟まっている。
菅木深玲、末っ子だ。
明日で中学三年生。
引っ込み思案な性格だが、意外にも一人称はオレだ。
凄い。
所作が整いまくっており、風の噂によると学園では深窓の令嬢として持て囃されているらしい。
流石、妹者。
溢れ出る瀟洒パワーと愛嬌ストレングスでクラスメイトというクラスメイトを魅了していく。
我が家の誇り中の誇りだ、ビッグ誇り。
「よーし、慄け。この荷物の中身は、”し”から始まって”い”て終わるブツだよ」
「死体っぽいぞ、多分」
「分かった!鹿の頭蓋だぞ!」
「惜しい」
「お、惜しいのですか・・・・・?」
そんなこんなで、自分はサンタさん顔負けのクソデカ白袋を片手に帰ってきた。
丁度、人間一人分なら全然入るサイズだ。
証拠隠滅には打って付けのブツだ。
「ファーストヒント、これは悪魔を呼び出すときに使うものだよ」
「どっちもだよ?鹿の頭蓋も死体も該当するよ?ブラザー?」
「分かった!思想家の残骸だぞ!」
「成る程、ピッタンコかんかん」
「それは丸とバツのどっちなんだぞ~!?」
「大外れ!!!!!!」
「あ、合ってる時の語感でしたのに・・・」
こんな事もあろうかと常日頃から懐に忍ばせていた、マルバツの音が鳴るヤツを取り出す。
悲哀の音色が無惨に奏でられる。
ハズレと言われたので、次女の尊が明らかに不満そうな顔をしている。
でも、不正解は不正解ですから。
残念。
「あと思想家の残骸って何だい?」
「シンカーズ・ダスト!だぞ!」
「英国バンドの新曲みたいやね」
とは言ってみたものの。
海外の曲は全くもって門外漢だ。
知らぬ知らぬな不知火。
何も分からぬ。
「では、正解を~」
「おお!だぞ!」
「『初心者から玄人まで!辺獄卍叫喚マッスルサプリ剤』」
「しょ、初心者から玄人まで!辺獄卍叫喚マッスルサプリ剤ですか!?」
「・・・まさか、あのサプリを買うなんてね、やはり良い目をしてるよ、マイ・ブラザー」
「知ってるのかだぞ!?姉貴!?」
「まぁ、後々ね」
美月が良い感じに追求から逃れた。
さて、今回自分が購入したマッスルサプリ剤。
これは一部の筋肉界隈で中々有名な代物らしく、一粒飲めばたちまち全身がバキバキになるらしい。
副作用は無いらしい。
個人差があります、という注意書きも付着済みだ。
ほな、大丈夫か。
抑え切れぬ胡散臭さとは裏腹に、効能はしっかりしているようで、幾つかのレビューサイトを確認したところ、概ね好評であった。
また、知り合いに聞いたところ、普通に効果が良いサプリらしい。
誇大広告にギリ反しないスタイルだ。
良いのかな?
「そしてもう一つあるぞ」
「おお!」
「『Sherry&M.A.L.Y.~断頭台~』」
「えっ!?あの有名な!?」
「尊ちゃん、知ってるんですか?」
「高いチョコだ!」
「値段がかい?」
「地位が!」
「地位なんですか・・・?」
かの有名なチョコブランドの最新作。
それが、Sherry&M.A.L.Y.だ。
かつて砂糖の貿易に従事していた大商人の二人娘、シェリーとメアリー。
それから取られた商品名だと聞いた。
そして恐縮な疑問だが、メアリーの表記間違ってない?
LじゃなくてRの筈だ。
ワタシはRです。
「そして最後にもう一品」
「まだあるのか!ゴキゲンだぞ!」
「最近話題の激オモロノベルゲーム、『思想家の愛』」
「布石を回収したね!?」
「い、言うほど布石ですかね・・・・・」
「確かにだね」
「購入した自分でも布石ではないと思う」
老舗ゲームブランドの最新作。
『愛』シリーズのナンバリング作品だ。
今週発売されたばかりな、出来立てホヤホヤな代物。
さらに、アートブックやらタペストリーも付いてる特装版だ。
バッカ高かった。
「ん、じゃあコレ」
「・・・・・・? どういうことだい?」
「いや、皆んなにサプライズプレゼントよ。図らず、サプライズカウンターになっちゃったけど」
そう。
自分、まさかまさかの祝福返し。
手のひら返しな誕生日会の裏返し。
逆に、此方がプレゼントすることにした。
理由は勿論、たった一つ。
メッチャ驚くだろうと思ったから。
あと、笑顔を見たくなったから。
二つだった。
「!? に、兄さん!?今日は兄さんの誕生日なんですよ!?」
「そうだぞー!施す側に回るんじゃあないー!」
「ブラザー、君はいつもそうだ。そうやって予想外のハッピーサプライズを用意してくる」
「あんだと・・・・・?」
この自分に、文句があると・・・?
小生意気なこったぁ・・・・・。
いつも、予想外のハッピーサプライズだって・・・?
嬉しい。
「待ってよ尊、美月、そして深玲」
「・・・・・・はい、何でしょうか」
「今日は自分の生誕祭、つまり今の自分なら、越権的行為すらも許される」
「そうだろうか?」
「故に、プレゼントしても許される」
「違うと思うだぞ!」
あんだと・・・・・?
そしたら、いつプレゼントしちゃあいいんだ・・・?
誕生日とか、記念日とかかな。
ほな今日か。
自分、違えてないぞ。
仕方ない。
理路整然とした反論をするしかない。
「御黙り!!!!!!」
「音圧で誤魔化そうとしてないかい・・・?」
「うん!!!!!!!」
「それが通じるのは、小学生までだぞ!」
「敗北!!!!!」
「負けましたね・・・」
茶番はさて置き。
三人にプレゼントを手渡す。
美月にはサプリを、尊にはチョコ、深玲には新作ゲーム。
以前、欲しいと言ったものを覚えていたのだ。
流石、自分。
ようやる男だ。
そこだけは評価してやる。
「さて、ブラザーからプレゼントを貰ったことだ、私たちからも大切な———」
「その誕生日、ちょっと待った!」
「何だと!?この菅木家長男兼英検二級所持者であるこの自分の誕生日を妨げようとしている奸物が居るってのかい!?」
「居るよ、此処に一人ね!」
ドアの磨りガラス部分から、シルエットが微かに確認できる。
190センチメートルオーバーの身体を余すことなく写しており、右手を高らかに挙げている。
あの、孤独なシルエットは・・・?
「僕だよ!」
「父さん!」
「マイ・ファーザー!」
「親父!だぞ!」
「お父様・・・・・!」
菅木荘次郎。
菅木家のシングルファーザー。
長身痩躯のナイスガイ。
今日も明日もグッドルッキングな、所謂イケオジ。
近所の国から世界の果てまで、世界を股にかけるファッションデザイナー。
その所為で滅多に家に帰れないが、記念日等は何が何でも帰ってくる
まごうことなき、我が家の誇りだ。
「お帰り父さん、お疲れ様アンドどう最近?」
「三日前はフランスのネクタイデザイナーとパッションファッションバトルをしてね・・・・・」
「知らない概念すぎるだぞ!」
笑顔で帰ってきた父へピシガシグッグッを行う。
完璧な手順とタイミングだ。
血が繋がってるいる上に、何年も一緒に暮らしてきてるのだ。
まぁ、一年の六分の一はウチに居ないが。
それでも頑張って帰ってきてる方である。
「ん、いつもありがとうね、忙しい中」
「馬鹿言っちゃいけないよ、我が息子の誕生日なんだぞ!何が何でも帰国するに決まってるだろ!」
「父さん・・・・・!」
ウチは父子家庭だ。
母親は自分が子供の頃、心臓の病気で死んでしまったらしい。
元々母親は看護師だったらしい。
患者に囲まれて感謝されている写真がアルバムの残っている。
良い人だった、らしい。
だから、男手一つで育ててくれた父には感謝しかない。
いや、全然お手伝いさんは居てくれたが。
何ならお手伝いさんメインではあったが。
そしてそのお手伝いさんの高萩さんは、現在退職済み。
現在の家事状況は、我々四人で支えている。
ある意味最強だ。
だが父さんは、全ての学校行事は見に来てくれたし、旅行も一年に一回企画してくれるし、偶に馬鹿ほど美味い料理を作ってくれるし。
何処に出しても恥ずかしくない、銀河一の父親だ。
それにしても、四年で四人も産むとは。
中々に思い切った家族計画だ。
「そう、お前たちの為なら!僕は何だってできる!」
革命家の演説のように。
ライブのオープニングアクトのように。
高らかに、高らかに。
父は叫んだ。
「血は繋がってないが!僕たちはいつまでも家族だ!」
「え?」
「・・・・・あ」
「・・・・・・ヤバ」
「あ、そ、その、兄さん?」
「あう。居心地、最悪だぞ~・・・?」
え?
え?
え?
耳を疑う。
目を丸くし、固唾の飲む。
冗談にしては、リアリティたっぷりな表情だ。
俳優として大成しそうな演技力だ。
「・・・・・・・・・父さん?」
「一回、土下座するから許してくれ」
「そんな、父さん・・・・・」
「マジで、本当に、うん、マジで悪いと思ってる」
「失望したよ、父さん・・・・・」
「幾つものレパートリーで僕に失望しないでくれ・・・!」
深呼吸をし、実の父を見下ろす。
父さん、嘘だよな・・・?
血ぃ、繋がってないの?
それが今更、家族関係にヒビを齎すとは考えてないが。
「あ、あの、だな。具体的に言うなら、三人の方が血が繋がってないと言うべきか・・・」
「だったら!自分より!三人へ謝るべきでしょう!」
「あ、あー、その事なんだけど・・・・・」
「・・・?」
「三人は既に、血が繋がってないことを知ってるんだ」
「・・・・・・・・・何でぇ?」
何で、と思った。
何なら言った。
何故?
如何なる理由を以て、秘匿へ至った?
「いや、数年前、あまりにも顔が似ていないと、問い詰められたものだから、つい、漏らしてしまった」
「た、確かに・・・・・!?祖父似とか祖母似とか、先祖返り的なもんかと!」
「実際、そういうのがあるからね・・・」
「チクショウ!」
「それに、九郎は家族大好きだから、明かすタイミングを迷っていてね・・・・・」
細けぇこたぁ良い、そう考えていた・・・。
自分の未熟め。
気づいておけば、こんな思いをせずに済んだというのに。
まぁ仔細は良い。
実の父親の土下座シーンを見たと言うことで、今回は矛を収めよう。
三人も気不味くなって黙りこくっている。
ここは笑顔を見せて、一切合切解決しよう。
「さー、三人共!夕飯が冷めてしまう、早くチキンでも食べよ———」
「・・・ごめん、ブラザー、まだ隠していることがあるんだ」
「うん?」
まだあるの?
これ以上の衝撃、早々訪れないよ?
殺人レベルの告白でもしないと、もう驚かないぞ。
「私、悪魔なんだ」
「悪魔?
美月がスカートから黒い尻尾を取り出した。
お手本通りのような、絵本からそのまま飛び出してきたような。
スペード上の先端をしている、悪魔の尻尾だ。
「・・・・・すまないだぞ、兄貴」
「尊?」
「私、鬼なんだぞ」
「鬼?」
額からずぽりと角が生えてきた。
二本。
先端が赤みがかっている以外は、皮膚と同色だ。
認識した瞬間、理解する。
本物だ。
「に、兄さん。申し訳ないです」
「深玲?」
「オレ、幽霊なんです」
「幽霊でユウレイなユーウェンレイ?」
「オレの時だけ、はっちゃけすぎじゃないですか?」
足元が半透明になっており、火の玉が周囲に浮いている。
熱は無さそそうだ。
これは、間違いなく。
幽霊だ。
「え、え、えぇ?」
「あ、兄貴、ごめんだぞ・・・・・」
「そんな、これからどんな顔してリビングでコンビニスイーツを食べればいいんだ・・・?」
「意外と大丈夫そうだね?」
どうしよう。
いや、どうしよう。
家族だと思っていた三人、実は血縁関係が無くて?
さらに言えば、妖魔の類で?
そんでもって、それが三人共?
夢・・・・・?
ストーリー性のある、夢なのか・・・?
否、現実だ。
これは紛れもない、現世だ。
呼吸を整え。
髪を直し。
視線を正す。
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「はい・・・・・」
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