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1章 学園編
一話
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ここは魔法など存在せず、武術や剣術によって全てが決まる世界。その世界での唯一無二の掟は『強さ』。それだけだった。強ければ偉い。そんな考え方をする人が増えてきており、それと平行するように差別をする人も徐々に増えていった。
差別をなくすためにいろいろな手を王国は使った。しかし、未だ改善されていない。
そして、ある学園では、そんな差別を許さない。そんな人がいた。今日もその学園では虐めが普通に行われていた。
「弱いやつらは俺らのいうことだけ聞いてれば良いんだよ」
この学園はクラス性が採用されている。一番強いのが生徒会、その下に風紀委員。その下にA組からF組と強さが並んでいる。この虐めている生徒はB組の生徒だ。それに対して虐められているのはE組の生徒だ。
「こいつ泣いてるぜ」
虐められている生徒は少し泣いている。どうしてこんな虐めを受けているのかはよくわからないが、見る限り虐めている生徒は自分の力を弱い生徒に押し付けたいだけのように見える。
「おいっ!そこのお前ら!何してるっ!」
その言葉が聞こえた瞬間、虐められていた生徒も虐めていた生徒たちもその言葉の方を向いた。そこにはここでは、決して逆らうことができない人物がこっちを睨みながらゆっくりと向かってくる。
「げ………生徒会長だ」
生徒会の中で一番偉い役職。それは、生徒会長だ。なので、この学園の中で実質的に最高権力を持っているものはこの人物なのだ。虐めていた側は慌てて逃げていく。
「大丈夫か?」
ゆっくりゆっくり威圧感を出しながら生徒会長は向かってくる。そして、虐められていた生徒の方に歩みゆる。しかし、その男子生徒は助けてもらったはずなのに顔は真っ青になっていた。
「ご、ごめんなさい」
さっきも言ったがこの学園……だけではなく、この世界では虐めは頻繁に起こる。普通のことなのだ。どんなに優しい言葉をかけたとしても怯えている人にとっては怒っているように見えるようだ。
「もう……いいから。帰っていいよ」
本当は嫌われたくない。しかし、差別が毎日当たり前のように行われているこの世界を変えたいと思うのは普通のことではないか……?そう俺は思う。この考えはあるチームの伝説が関わってくる。
そのチームの名前は……【アスファルト】。
この王国……いや、この世界を変えた伝説のチームなのだ。特に有名なメンバーはリーダーのユウと副リーダーのジンだ。二人とも強さは壊滅的な強さを持っている。
「戻るか……」
生徒会長は生徒会室から虐められていたときいて飛んできたのだ。なので、作業を中途半端にしてきてしまったため、早く戻らないと副会長に怒られてしまう。
「帰ったぞ」
生徒会長はおっかない副会長が待っている生徒会室に戻った。この学園で一番強いと有名な生徒会長だったが、裏で一番怖いのは生徒会長ではなく、副会長なのだ。生徒会長は強いのだが、雑務を副会長に押し付けているため逆らえないのが現状なのだ。
「会長……仕事は?」
副会長はニコニコしている。副会長のこういう表情をしているときはいつも怒っているという合図なのだ。生徒会長はさっき、虐められていた男子生徒のように真っ青な顔をしていた。
「ごめん……」
「まぁ……いいけど。はいっ!この書類みといてくださいね」
そうはいっているものの副会長はまだ、ニコニコしている。そして、生徒会長に渡した資料の量は虐めを止めに行く前よりも量が増えているような感じがした。
「ふ、増えてないか?」
「もちろんです。サボってたんですから」
生徒会長が虐めを止めに行ったということは話である。それでも副会長は許してくれないのだ。これも差別の一種ではないのか?そうも思うがやっぱり逆らうことができない生徒会長……だった。
「やりますよ……承認っと」
生徒会長はしょうがなく次々とハンコを押していく。資料は見ずに次々とハンコを押していく。しかし、量が多すぎるため早くやっても減る気配が見えない。
「終わりそうも……ないんだけど」
「そうですね……終わるまで帰れないけどね」
「ですよね……」
そんな何気ない?会話をしながらハンコを押していく。そこで、ハンコを押している最中に1人の少年の資料が目につく。そこで、生徒会長は疑問に思う。
「副会長……これおかしくない?」
「どれですか?」
じっくりとその少年の資料を見る副会長。その少年の経歴がおかしいのだ。人は生きていれば経歴が真っ白になることはない。しかし、その少年の経歴は生まれた年などは書いてあってもどこで何をしてたかなど経歴には全く書いてなかったのだ。
「おかしいですね……」
経歴が真っ白な人たちは確かに現にいる。その人たちの共通点は王家や貴族などお偉い方なのだ。しかし、その少年の名前は見たことがない。
「逆木原《さかきばら》悠一《ゆういち》君か……」
他の資料は全て見ていないのにその少年のことだけは覚えることができた。こんな異常な生徒が普通なわけがない。そうは思うが、編入試験の結果を見て驚愕した。
「こんな奴が、編入試験、ビリ……」
生徒会長は呟いた。さっきも言ったが、経歴が真っ白な人は現にいる。しかし、強い人や偉い人ばかりなのだ。それなのにこの悠一とかいう少年は100番……入れただけでもすごいという成績なのだ。どうして経歴が真っ白なのか理解できない……。
「生徒会長……きになるのはわかりますけど、明日は編入式です。さっさと終わりにして帰りましょうよ」
手伝ってくれればいいのに……とか思う生徒会長だったが、雑務をこなしてくれている副会長は違う作業をしているのだ。それの邪魔はできない。
「わかりましたよ……」
そして、生徒会長はまたハンコを押し始める。だいぶ押したのであと少しのところであることに気づいた。
「あれ……?他の奴らは?」
生徒会は全員で5人だ。しかし、今生徒会室にいるのは生徒会長の私と副会長しかいないのだ。
「今……気づいたんですか?薄情ですね」
言い返したいが言い返せない。ここに戻って来てからもう20分は経っている。それなのにいないことにすら気づいていなかったのだ。
「まだ……怒ってる?」
「いや……怒ってませんよ」
まだ、ニコニコしている。怒っていないと言ってるが絶対に怒っている。しかし、それよりもどうしてこの場に2人しかいないのかを聞くことを先決にした。
「も、もういいけど。どうして他の奴らがいないんだ?」
「……帰りましたよ」
「え………⁉」
驚いて大声をあげてしまった。副会長はうるさいな的な顔をしながら耳を塞いでいる。
「驚くことじゃないですよ……今何時かわかってますか?」
そして、生徒会長は腕時計を見る。そこには、7時30分とあったのだ。
「マジか……」
こんなに時間が経っているとは思わなかった私はまた声を荒げてしまった。
「そんな声を荒げるからみんなから怖がられるんですよ」
余計なお世話だ。そんなことは百も承知だ。
「そんなことより、早く終わりにしてもらえませんか?俺も帰りたいです」
副会長は生徒会長である、私にとってめちゃくちゃ厳しい。しかし、優しいところもあるのだ。時間はもう7時30分を過ぎている。他のみんなは帰ってしまうのに副会長だけは待っててくれるのだ。
「ありがとう……感謝してるよ。副会長」
「なっ……//」
珍しく照れる副会長。そんなこともわからない鈍感な生徒会長はまた、ハンコの押すのを再開する。そして、5分くらい経つと今日やるべき全ての仕事が完遂した。
「帰ろうか……!」
「はいっ!」
そう言い、俺らは家に帰った。その時、生徒会長はふとさっきまで見ていた少年のことを思い出す。嫌な予感……とまではいかないが何かが起こる。そんな予感がしていたのだった。
差別をなくすためにいろいろな手を王国は使った。しかし、未だ改善されていない。
そして、ある学園では、そんな差別を許さない。そんな人がいた。今日もその学園では虐めが普通に行われていた。
「弱いやつらは俺らのいうことだけ聞いてれば良いんだよ」
この学園はクラス性が採用されている。一番強いのが生徒会、その下に風紀委員。その下にA組からF組と強さが並んでいる。この虐めている生徒はB組の生徒だ。それに対して虐められているのはE組の生徒だ。
「こいつ泣いてるぜ」
虐められている生徒は少し泣いている。どうしてこんな虐めを受けているのかはよくわからないが、見る限り虐めている生徒は自分の力を弱い生徒に押し付けたいだけのように見える。
「おいっ!そこのお前ら!何してるっ!」
その言葉が聞こえた瞬間、虐められていた生徒も虐めていた生徒たちもその言葉の方を向いた。そこにはここでは、決して逆らうことができない人物がこっちを睨みながらゆっくりと向かってくる。
「げ………生徒会長だ」
生徒会の中で一番偉い役職。それは、生徒会長だ。なので、この学園の中で実質的に最高権力を持っているものはこの人物なのだ。虐めていた側は慌てて逃げていく。
「大丈夫か?」
ゆっくりゆっくり威圧感を出しながら生徒会長は向かってくる。そして、虐められていた生徒の方に歩みゆる。しかし、その男子生徒は助けてもらったはずなのに顔は真っ青になっていた。
「ご、ごめんなさい」
さっきも言ったがこの学園……だけではなく、この世界では虐めは頻繁に起こる。普通のことなのだ。どんなに優しい言葉をかけたとしても怯えている人にとっては怒っているように見えるようだ。
「もう……いいから。帰っていいよ」
本当は嫌われたくない。しかし、差別が毎日当たり前のように行われているこの世界を変えたいと思うのは普通のことではないか……?そう俺は思う。この考えはあるチームの伝説が関わってくる。
そのチームの名前は……【アスファルト】。
この王国……いや、この世界を変えた伝説のチームなのだ。特に有名なメンバーはリーダーのユウと副リーダーのジンだ。二人とも強さは壊滅的な強さを持っている。
「戻るか……」
生徒会長は生徒会室から虐められていたときいて飛んできたのだ。なので、作業を中途半端にしてきてしまったため、早く戻らないと副会長に怒られてしまう。
「帰ったぞ」
生徒会長はおっかない副会長が待っている生徒会室に戻った。この学園で一番強いと有名な生徒会長だったが、裏で一番怖いのは生徒会長ではなく、副会長なのだ。生徒会長は強いのだが、雑務を副会長に押し付けているため逆らえないのが現状なのだ。
「会長……仕事は?」
副会長はニコニコしている。副会長のこういう表情をしているときはいつも怒っているという合図なのだ。生徒会長はさっき、虐められていた男子生徒のように真っ青な顔をしていた。
「ごめん……」
「まぁ……いいけど。はいっ!この書類みといてくださいね」
そうはいっているものの副会長はまだ、ニコニコしている。そして、生徒会長に渡した資料の量は虐めを止めに行く前よりも量が増えているような感じがした。
「ふ、増えてないか?」
「もちろんです。サボってたんですから」
生徒会長が虐めを止めに行ったということは話である。それでも副会長は許してくれないのだ。これも差別の一種ではないのか?そうも思うがやっぱり逆らうことができない生徒会長……だった。
「やりますよ……承認っと」
生徒会長はしょうがなく次々とハンコを押していく。資料は見ずに次々とハンコを押していく。しかし、量が多すぎるため早くやっても減る気配が見えない。
「終わりそうも……ないんだけど」
「そうですね……終わるまで帰れないけどね」
「ですよね……」
そんな何気ない?会話をしながらハンコを押していく。そこで、ハンコを押している最中に1人の少年の資料が目につく。そこで、生徒会長は疑問に思う。
「副会長……これおかしくない?」
「どれですか?」
じっくりとその少年の資料を見る副会長。その少年の経歴がおかしいのだ。人は生きていれば経歴が真っ白になることはない。しかし、その少年の経歴は生まれた年などは書いてあってもどこで何をしてたかなど経歴には全く書いてなかったのだ。
「おかしいですね……」
経歴が真っ白な人たちは確かに現にいる。その人たちの共通点は王家や貴族などお偉い方なのだ。しかし、その少年の名前は見たことがない。
「逆木原《さかきばら》悠一《ゆういち》君か……」
他の資料は全て見ていないのにその少年のことだけは覚えることができた。こんな異常な生徒が普通なわけがない。そうは思うが、編入試験の結果を見て驚愕した。
「こんな奴が、編入試験、ビリ……」
生徒会長は呟いた。さっきも言ったが、経歴が真っ白な人は現にいる。しかし、強い人や偉い人ばかりなのだ。それなのにこの悠一とかいう少年は100番……入れただけでもすごいという成績なのだ。どうして経歴が真っ白なのか理解できない……。
「生徒会長……きになるのはわかりますけど、明日は編入式です。さっさと終わりにして帰りましょうよ」
手伝ってくれればいいのに……とか思う生徒会長だったが、雑務をこなしてくれている副会長は違う作業をしているのだ。それの邪魔はできない。
「わかりましたよ……」
そして、生徒会長はまたハンコを押し始める。だいぶ押したのであと少しのところであることに気づいた。
「あれ……?他の奴らは?」
生徒会は全員で5人だ。しかし、今生徒会室にいるのは生徒会長の私と副会長しかいないのだ。
「今……気づいたんですか?薄情ですね」
言い返したいが言い返せない。ここに戻って来てからもう20分は経っている。それなのにいないことにすら気づいていなかったのだ。
「まだ……怒ってる?」
「いや……怒ってませんよ」
まだ、ニコニコしている。怒っていないと言ってるが絶対に怒っている。しかし、それよりもどうしてこの場に2人しかいないのかを聞くことを先決にした。
「も、もういいけど。どうして他の奴らがいないんだ?」
「……帰りましたよ」
「え………⁉」
驚いて大声をあげてしまった。副会長はうるさいな的な顔をしながら耳を塞いでいる。
「驚くことじゃないですよ……今何時かわかってますか?」
そして、生徒会長は腕時計を見る。そこには、7時30分とあったのだ。
「マジか……」
こんなに時間が経っているとは思わなかった私はまた声を荒げてしまった。
「そんな声を荒げるからみんなから怖がられるんですよ」
余計なお世話だ。そんなことは百も承知だ。
「そんなことより、早く終わりにしてもらえませんか?俺も帰りたいです」
副会長は生徒会長である、私にとってめちゃくちゃ厳しい。しかし、優しいところもあるのだ。時間はもう7時30分を過ぎている。他のみんなは帰ってしまうのに副会長だけは待っててくれるのだ。
「ありがとう……感謝してるよ。副会長」
「なっ……//」
珍しく照れる副会長。そんなこともわからない鈍感な生徒会長はまた、ハンコの押すのを再開する。そして、5分くらい経つと今日やるべき全ての仕事が完遂した。
「帰ろうか……!」
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