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1章 学園編
二話
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「でっかい学園だな……」
俺はある学園の門の前に立っていた。
そこは、卒業しないとそこから出れないという牢獄のような場所なのだという。
卒業すれば職と名誉がもらえるといってもよくこの学園に入るな……と関心すら覚える。
「行くか……」
全寮制のこの学園。
実際、ここに自分の意思できたものなどほんの一握りしかない。
親が、兄弟が……。
そんな理由で入学する人がほとんどなのだ。
俺もこんな場所、来たくはなかった。
※※※
1週間前……。
「悠一。起きろ」
「ふぁ……おはよう」
俺は欠伸をしながら起き上がる。
彼女の名前は、ライカ。
俺の義母にあたる。
「どうしたの?」
「どうしたじゃないよ。もう出る時間になるわよ」
そう言い、1階に降りていった。
その後、俺は急いで支度を始める。
「おはよう……」
俺は着替え終え、一階に降りる。
そこには、ライカさんとその娘のシリカがもうすでにご飯を食べ始めていた。
「早くご飯食べないと遅刻するわよ」
時計を見ると8時30分。
ここから10分くらいでギルドには着く。
集合時刻は9時なのだ。
ご飯を食べる時間を加えると、ギリギリだ。
「マジか……!」
俺はご飯を食べ始める。
超特急で食べ進め、用意してあったバックを手に持って玄関を出た。
「行ってきます」
玄関では、シリカとライカさんが手を振っている。
俺は全速力で走ってギルドまで向かった。
ギルドとは、モンスターなどを倒す冒険者という職業を支援する組織である。
俺はその冒険者としてではなく、受付業務だったり、雑用だったりをしながら働いている。
「はぁ……ついた」
「遅いっ……!」
このギルドのマスター、リクさんだ。
「遅くなりました……」
「良いから……所定の位置につきなさい」
「はい」
カウンターに向かった。
「遅いよ……ユウイチくん」
「マナちゃん。早いね」
「はいっ!」
扉の前にはもう人がいるのが見える。
朝イチから来る人も少なくはない。
「ギルドをオープンします」
リクさんの言葉とともに扉の前にいた人たちはカウンターに向かってくる。
「はい!モンスターの討伐ですね。手続きしますので、少々お待ちください」
俺は営業スマイルを相手に振りかざしギルドの奥の方へ行く。
「これお願いします」
「うん!分かった」
そこにはリクさんがいる。
俺は手に持っていたカードをリクさんに渡す。
これがギルドで依頼をうけるためにひつようになる会員証のようなものだ。
そこに依頼内容など書き込むことで依頼を受けたということになる。
「はい。オッケー。これ渡してきてね」
「はい」
そう言い、俺はまたカウンターに戻り番号を呼ぶ。
「32番の方」
「はい。俺です」
さっきいた人が再度カウンターまで来る。
そんな風に俺は日々仕事をしている。
大変なことも多いけどこの生活は生活で楽しいものだと俺は思っている。
「もういいから。ユウイチ……上がっていいよ」
9時から開店して終わるのは18時だ。
「分かりました。先に上がります」
そう言い、俺はギルドから出る。
行きも帰りも同じ道なので10分で着くはずだが、もう暗くなり始めていて家には10分以上かかってしまった。
「ただいま」
居間には、ライカさんがいた。
いつもは帰ってくるなり出向いてくれるのだが今のライカさんは少しいつもと違っていた。
「あっ……!ユウイチ」
こんなにもオドオドしている様子のライカさんを見たのは初めてだった。
「ご飯もうできるから着替えてきなさい」
「うん……」
俺は2階にある自分の部屋に行き、制服から着替えた。
「いっただきます」
俺はご飯を食べ始める。
すると、ライカさんはすごく真剣そうな顔をして俺に行ってきた。
「ご飯食べ終わった話があるから……」
「うん……?」
なんの話だろう?と思ったが、俺は夕食を食べ進めた。
それから15分程度で食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
俺はご飯を食べ終わるとその近くにあるソファーの方に向かった。
ライカさんはまだ、ご飯を食べていたためにそこで待つことにしたのだ。
「ユウイチ……よく聞いて」
「うん」
「ここに行ってくれ」
そう言われて、一枚のプリントを見せられる。
俺はある学園の門の前に立っていた。
そこは、卒業しないとそこから出れないという牢獄のような場所なのだという。
卒業すれば職と名誉がもらえるといってもよくこの学園に入るな……と関心すら覚える。
「行くか……」
全寮制のこの学園。
実際、ここに自分の意思できたものなどほんの一握りしかない。
親が、兄弟が……。
そんな理由で入学する人がほとんどなのだ。
俺もこんな場所、来たくはなかった。
※※※
1週間前……。
「悠一。起きろ」
「ふぁ……おはよう」
俺は欠伸をしながら起き上がる。
彼女の名前は、ライカ。
俺の義母にあたる。
「どうしたの?」
「どうしたじゃないよ。もう出る時間になるわよ」
そう言い、1階に降りていった。
その後、俺は急いで支度を始める。
「おはよう……」
俺は着替え終え、一階に降りる。
そこには、ライカさんとその娘のシリカがもうすでにご飯を食べ始めていた。
「早くご飯食べないと遅刻するわよ」
時計を見ると8時30分。
ここから10分くらいでギルドには着く。
集合時刻は9時なのだ。
ご飯を食べる時間を加えると、ギリギリだ。
「マジか……!」
俺はご飯を食べ始める。
超特急で食べ進め、用意してあったバックを手に持って玄関を出た。
「行ってきます」
玄関では、シリカとライカさんが手を振っている。
俺は全速力で走ってギルドまで向かった。
ギルドとは、モンスターなどを倒す冒険者という職業を支援する組織である。
俺はその冒険者としてではなく、受付業務だったり、雑用だったりをしながら働いている。
「はぁ……ついた」
「遅いっ……!」
このギルドのマスター、リクさんだ。
「遅くなりました……」
「良いから……所定の位置につきなさい」
「はい」
カウンターに向かった。
「遅いよ……ユウイチくん」
「マナちゃん。早いね」
「はいっ!」
扉の前にはもう人がいるのが見える。
朝イチから来る人も少なくはない。
「ギルドをオープンします」
リクさんの言葉とともに扉の前にいた人たちはカウンターに向かってくる。
「はい!モンスターの討伐ですね。手続きしますので、少々お待ちください」
俺は営業スマイルを相手に振りかざしギルドの奥の方へ行く。
「これお願いします」
「うん!分かった」
そこにはリクさんがいる。
俺は手に持っていたカードをリクさんに渡す。
これがギルドで依頼をうけるためにひつようになる会員証のようなものだ。
そこに依頼内容など書き込むことで依頼を受けたということになる。
「はい。オッケー。これ渡してきてね」
「はい」
そう言い、俺はまたカウンターに戻り番号を呼ぶ。
「32番の方」
「はい。俺です」
さっきいた人が再度カウンターまで来る。
そんな風に俺は日々仕事をしている。
大変なことも多いけどこの生活は生活で楽しいものだと俺は思っている。
「もういいから。ユウイチ……上がっていいよ」
9時から開店して終わるのは18時だ。
「分かりました。先に上がります」
そう言い、俺はギルドから出る。
行きも帰りも同じ道なので10分で着くはずだが、もう暗くなり始めていて家には10分以上かかってしまった。
「ただいま」
居間には、ライカさんがいた。
いつもは帰ってくるなり出向いてくれるのだが今のライカさんは少しいつもと違っていた。
「あっ……!ユウイチ」
こんなにもオドオドしている様子のライカさんを見たのは初めてだった。
「ご飯もうできるから着替えてきなさい」
「うん……」
俺は2階にある自分の部屋に行き、制服から着替えた。
「いっただきます」
俺はご飯を食べ始める。
すると、ライカさんはすごく真剣そうな顔をして俺に行ってきた。
「ご飯食べ終わった話があるから……」
「うん……?」
なんの話だろう?と思ったが、俺は夕食を食べ進めた。
それから15分程度で食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
俺はご飯を食べ終わるとその近くにあるソファーの方に向かった。
ライカさんはまだ、ご飯を食べていたためにそこで待つことにしたのだ。
「ユウイチ……よく聞いて」
「うん」
「ここに行ってくれ」
そう言われて、一枚のプリントを見せられる。
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