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1章 学園編
十一話
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「はい!これから毎時恒例のトーナメント学内予選の説明会を始めたいと思う」
俺がルームメイトのシュウと土曜日の案内の約束をした翌日。俺にとって絶対に出ないといけない説明会の日になった。司会になったのはその学内予選で去年優勝した神戸《かんべ》白雪《しらゆき》……生徒会長である。十貫の王に所属しており、強さは計り知れない。
「今年から団体戦も始まる。クラスから1チームを選出してくれ。人数は……5人と補欠2人だ」
この大会に今年から団体戦までもが加わる。去年までは個人戦までしかなかった。これもこの学園の進歩とも言えるだろう。
「では、2週間後の会議にまた会おう」
俺たちの話を聞くことなく生徒会長はその場から後にした。そう、十貫の王に会うには相当な覚悟や資格が必要だ。俺みたいに話せる人なんかほとんどいない。
「はい!」
俺たちもその言葉を聞くと会議室から後にする。俺がどうしてこんな場に来ているかというと理由がある。俺のクラスの委員長は涼なのだ。用事があるとかなんとか……そして、俺に押し付けたのだ。
「どうすっかな……。早く終わるなら案内教でもよかったな」
ここまで早く終わるとは思っていなかった。もっと色々な話があると聞かされていたからだ。俺は寮に戻るのもなんか気が引けたので街を散歩してみることにした。
「どこ行くかな……」
案内をしてもらうほどだ。俺はこの街について何も知らない。行きたい場所はないのだ。それでも俺は歩く。歩き続けていた。
「おっ!ここ寄ってみるかな」
適当に歩いていると目の前に武具屋があった。この世界は魔法というのは存在しないが特殊能力というのは存在している。そういう武器も売っている可能性がある。
「いらっしゃいませ!」
店に入ると元気な声が聞こえた。目の前には綺麗というか可愛いというかボーイッシュな彼女がいたのだ。
「いい武器ありますか?」
年は大体俺と変わらないだろう。それなのに自分の店を持っているということに正直感心していた。
「はい。この剣とかどうでしょうか?」
俺の前に置かれたのは普通の剣。特別な力がある剣ではなかったがいい剣であることは見たとき一瞬で分かった。
「いい剣ですね」
「ありがとうございます」
「君が作ったの?」
俺はそう聞いた。だってこんな剣を作れる人はなかなかいない。この人なら特別な能力を持った剣も作れるだろう。
「はい。しかし……能力付与の剣は作れません」
俺の心が読まれたのか?と一瞬ゾクッとしたが、俺の表情を読み取っただけだろう。
この世界には有名な職人が多い。俺たち『アスファルト』みたいな武力に特化した伝説。その他にも最強の武具職人もいたと聞く。今は俺たちと同じようにどこにいるか知らないが……。
「そうですか……。残念ですが、この剣を買います」
彼女はうつむいていた。そのことが心配で俺は剣を買い上げた。剣は何本あっても困ることはない。長く使えば必ずガタが来る。いい剣は早めに買っておいたほうがいいのだ。
「そうそう、名前は?」
俺は無神経だと自分でも思いながら聞いた。この店は自分にとってお気に入りな店になったからだ。
「はい。龍宮《りゅうぐう》火憐《かれん》といいます」
俺はそして店を出た。向かうのは自室だ。まぁ、土曜日になればまた、シュウに案内してもらうけど……。
俺は寮に帰っていった。
俺がルームメイトのシュウと土曜日の案内の約束をした翌日。俺にとって絶対に出ないといけない説明会の日になった。司会になったのはその学内予選で去年優勝した神戸《かんべ》白雪《しらゆき》……生徒会長である。十貫の王に所属しており、強さは計り知れない。
「今年から団体戦も始まる。クラスから1チームを選出してくれ。人数は……5人と補欠2人だ」
この大会に今年から団体戦までもが加わる。去年までは個人戦までしかなかった。これもこの学園の進歩とも言えるだろう。
「では、2週間後の会議にまた会おう」
俺たちの話を聞くことなく生徒会長はその場から後にした。そう、十貫の王に会うには相当な覚悟や資格が必要だ。俺みたいに話せる人なんかほとんどいない。
「はい!」
俺たちもその言葉を聞くと会議室から後にする。俺がどうしてこんな場に来ているかというと理由がある。俺のクラスの委員長は涼なのだ。用事があるとかなんとか……そして、俺に押し付けたのだ。
「どうすっかな……。早く終わるなら案内教でもよかったな」
ここまで早く終わるとは思っていなかった。もっと色々な話があると聞かされていたからだ。俺は寮に戻るのもなんか気が引けたので街を散歩してみることにした。
「どこ行くかな……」
案内をしてもらうほどだ。俺はこの街について何も知らない。行きたい場所はないのだ。それでも俺は歩く。歩き続けていた。
「おっ!ここ寄ってみるかな」
適当に歩いていると目の前に武具屋があった。この世界は魔法というのは存在しないが特殊能力というのは存在している。そういう武器も売っている可能性がある。
「いらっしゃいませ!」
店に入ると元気な声が聞こえた。目の前には綺麗というか可愛いというかボーイッシュな彼女がいたのだ。
「いい武器ありますか?」
年は大体俺と変わらないだろう。それなのに自分の店を持っているということに正直感心していた。
「はい。この剣とかどうでしょうか?」
俺の前に置かれたのは普通の剣。特別な力がある剣ではなかったがいい剣であることは見たとき一瞬で分かった。
「いい剣ですね」
「ありがとうございます」
「君が作ったの?」
俺はそう聞いた。だってこんな剣を作れる人はなかなかいない。この人なら特別な能力を持った剣も作れるだろう。
「はい。しかし……能力付与の剣は作れません」
俺の心が読まれたのか?と一瞬ゾクッとしたが、俺の表情を読み取っただけだろう。
この世界には有名な職人が多い。俺たち『アスファルト』みたいな武力に特化した伝説。その他にも最強の武具職人もいたと聞く。今は俺たちと同じようにどこにいるか知らないが……。
「そうですか……。残念ですが、この剣を買います」
彼女はうつむいていた。そのことが心配で俺は剣を買い上げた。剣は何本あっても困ることはない。長く使えば必ずガタが来る。いい剣は早めに買っておいたほうがいいのだ。
「そうそう、名前は?」
俺は無神経だと自分でも思いながら聞いた。この店は自分にとってお気に入りな店になったからだ。
「はい。龍宮《りゅうぐう》火憐《かれん》といいます」
俺はそして店を出た。向かうのは自室だ。まぁ、土曜日になればまた、シュウに案内してもらうけど……。
俺は寮に帰っていった。
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