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1章 学園編
十三話
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ーーはぁ……疲れた……
俺はそう思いながら空を見ていた。黒く、その中にも小さな光が灯っている空。油断をすれば吸い込まれていきそうなほど綺麗だった。今日はトーナメントの発表があり、肉体的疲労よりも精神的疲労がピークに来ている。明日からはついにトーナメント本戦が始まる。
「寝れないの?」
シュンくんは俺のところに来て言ってくる。ここは、俺が住んでいる学生寮の屋上。この量にはたくさんの生徒が住んでいるため寮自体が広く、大きくなっている。なので、屋上はとても見晴らしがいい。
「はい……明日は何としても勝たないといけないで」
シュンくんは不思議そうな顔をしている。このトーナメント戦に負けても勝っても大して成績に反映されない。勝てばプラスにはなるが。そんな勝負に絶対勝たないといけないというのはいささか不思議なことだろう。
「どういう意味?」
予想通りシュンくんは聞いてきた。だが、答えることはできない。答えたくてもその糸口が見つからなかった。だが、俺には明日の本戦よりも心配していることがある。
「まぁ……それはいいですが。それよりもこの前の事件、どうなりましたか?」
シュンくんはこれでも十貫の王の一人だ。事件のことを聞くのに一番最適な人物だろう。シュンくんは迷っていた。この前の事件は極秘事項だ。一般人の俺には知る権利がない。
「う……ん。情報提供してくれたしね。わかった話そう」
こんなに簡単に話してくれるとは思わなかった。だが、ここで少しでも情報を集めておかないと対抗手段も見出せない。
「まぁ……とは言ってもあまり進展がないんだが。犯人は間違いなく君達が言っていた奴らだ」
あまり分かっていないというのは少し残念だったが、あいつらが簡単に尻尾を出すとは思えない。しかも、あの事件を起こした理由がさっぱりわからない。まだ、何かを仕掛けてくるに違いない。
「そうですか……しかし、あいつらは必ずこのトーナメント戦に仕掛けてきます」
俺はあいつらの思考を人一倍知っている。このトーナメント本戦に仕掛けて来なかったらあの時、この学園を襲った意味がわからない。
「え⁉それはまずいな。このトーナメント戦には多くの偉い方々も出てくる。その人たちが危険にさらされたら……」
さっきまでの表情とは打って変わって弱々しくなった。さすが十貫の王だ。自分のことよりも国のことを思っている。そこに関して俺は感心していた。
「まぁ……でも、十貫の王の皆さんがいますからね」
俺は他人事みたいに言った。しかし、シュンくんはさっきよりもさらに弱々しくなっていた。
「いや……。十貫の王でもきついかな」
十貫の王には最高権力者という称号がつく。だが、それ以上に国を守るという責任は重い。そんな人の一人がこんなに弱々しくなっていたらこの国はもう終わりだと俺は思っている。
「自信を持たなくっちゃかてるものも勝てませんよ?」
俺は一応アドバイスをしておいた。そして、シュンくんは「なるほどっ!」と納得したように頷き、俺に言ってきた。
「俺たちは必ずこの国を守りますっ!」
1人がそう意気込んでも勝てないのだが、いないよりはましだ。あいつらがいつどこで仕掛けてくるかわからない今はまだ動くことができない。しかし、必ず仕掛けてくる。それだけは長年の勘でわかっていた。
「ふっ!さっきよりは良くなったね。でも、それだけじゃ勝てないよ」
明日はトーナメント本戦。十貫の王は出ないが俺は参加する。シュンにとっては意味不明な発言だっただろうが、俺はそのまま部屋に戻ろうとした。
「ちょっ!今どう意味?」
俺を止めてさっきの意味を知りたがっていた。だが、俺は振り返らずに部屋に戻った。明日のトーナメント表を見て俺はため息をついていた。
「はぁ……。いつ攻めてくるんだよ」
シュンくんはまだ帰ってきていなかった。この苛立ちは今に始まったものではない。どうして昔、潰したはずの組織が今になって蘇ったのか?潰しきれていなかったのか?俺は不思議なことが多すぎて頭がパンクしそうだった。そして、眠れずに朝が来る。大切な日、トーナメント戦の日なのに。
俺はそう思いながら空を見ていた。黒く、その中にも小さな光が灯っている空。油断をすれば吸い込まれていきそうなほど綺麗だった。今日はトーナメントの発表があり、肉体的疲労よりも精神的疲労がピークに来ている。明日からはついにトーナメント本戦が始まる。
「寝れないの?」
シュンくんは俺のところに来て言ってくる。ここは、俺が住んでいる学生寮の屋上。この量にはたくさんの生徒が住んでいるため寮自体が広く、大きくなっている。なので、屋上はとても見晴らしがいい。
「はい……明日は何としても勝たないといけないで」
シュンくんは不思議そうな顔をしている。このトーナメント戦に負けても勝っても大して成績に反映されない。勝てばプラスにはなるが。そんな勝負に絶対勝たないといけないというのはいささか不思議なことだろう。
「どういう意味?」
予想通りシュンくんは聞いてきた。だが、答えることはできない。答えたくてもその糸口が見つからなかった。だが、俺には明日の本戦よりも心配していることがある。
「まぁ……それはいいですが。それよりもこの前の事件、どうなりましたか?」
シュンくんはこれでも十貫の王の一人だ。事件のことを聞くのに一番最適な人物だろう。シュンくんは迷っていた。この前の事件は極秘事項だ。一般人の俺には知る権利がない。
「う……ん。情報提供してくれたしね。わかった話そう」
こんなに簡単に話してくれるとは思わなかった。だが、ここで少しでも情報を集めておかないと対抗手段も見出せない。
「まぁ……とは言ってもあまり進展がないんだが。犯人は間違いなく君達が言っていた奴らだ」
あまり分かっていないというのは少し残念だったが、あいつらが簡単に尻尾を出すとは思えない。しかも、あの事件を起こした理由がさっぱりわからない。まだ、何かを仕掛けてくるに違いない。
「そうですか……しかし、あいつらは必ずこのトーナメント戦に仕掛けてきます」
俺はあいつらの思考を人一倍知っている。このトーナメント本戦に仕掛けて来なかったらあの時、この学園を襲った意味がわからない。
「え⁉それはまずいな。このトーナメント戦には多くの偉い方々も出てくる。その人たちが危険にさらされたら……」
さっきまでの表情とは打って変わって弱々しくなった。さすが十貫の王だ。自分のことよりも国のことを思っている。そこに関して俺は感心していた。
「まぁ……でも、十貫の王の皆さんがいますからね」
俺は他人事みたいに言った。しかし、シュンくんはさっきよりもさらに弱々しくなっていた。
「いや……。十貫の王でもきついかな」
十貫の王には最高権力者という称号がつく。だが、それ以上に国を守るという責任は重い。そんな人の一人がこんなに弱々しくなっていたらこの国はもう終わりだと俺は思っている。
「自信を持たなくっちゃかてるものも勝てませんよ?」
俺は一応アドバイスをしておいた。そして、シュンくんは「なるほどっ!」と納得したように頷き、俺に言ってきた。
「俺たちは必ずこの国を守りますっ!」
1人がそう意気込んでも勝てないのだが、いないよりはましだ。あいつらがいつどこで仕掛けてくるかわからない今はまだ動くことができない。しかし、必ず仕掛けてくる。それだけは長年の勘でわかっていた。
「ふっ!さっきよりは良くなったね。でも、それだけじゃ勝てないよ」
明日はトーナメント本戦。十貫の王は出ないが俺は参加する。シュンにとっては意味不明な発言だっただろうが、俺はそのまま部屋に戻ろうとした。
「ちょっ!今どう意味?」
俺を止めてさっきの意味を知りたがっていた。だが、俺は振り返らずに部屋に戻った。明日のトーナメント表を見て俺はため息をついていた。
「はぁ……。いつ攻めてくるんだよ」
シュンくんはまだ帰ってきていなかった。この苛立ちは今に始まったものではない。どうして昔、潰したはずの組織が今になって蘇ったのか?潰しきれていなかったのか?俺は不思議なことが多すぎて頭がパンクしそうだった。そして、眠れずに朝が来る。大切な日、トーナメント戦の日なのに。
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