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エピローグ
修羅場
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その後、ギガスがギルド会長の座を追われただけにとどまらず、ドランの関与と女奴隷の件も白日のもとにさらされ、ドグマン家はついに国から土地を没収された。
そして彼らは国外追放となったが、今どうしているかは誰にも分からない。
トリニティスイーツはハンター活動休止を解除され、ラミィも騎士を辞めてまたリーダーとして戻った。
装備や資金もちゃんと残していたので、最前線へ戻るのに時間はさほどかからなかった。
今ではギルドを代表する凄腕ハンターだ。
みんな美少女なこともあって、すこぶる人気が高いらしい。
ドランの屋敷にいた元奴隷のメイドたちは、ハンナとアヤの願いにより、ヤマト運用の会員として雇っている。
ケルベム・ロジャー登場の一件から、ヤマト運用には毎日のように新規注文が殺到しているが、彼女たちの力を借りてなんとか対応しているところだ。
「――っていうことがあったのさ」
「まぁ、そんなことがあったんですね。本当にお疲れさまでした。私ときたら、旦那様の一大事に力になれず、お恥ずかしい限りです」
ヤマトが話し終えると、シーアがずいっと身を寄せて両手を握ってきた。
すると、受付の横で話を聞いていたマヤが割って入る。
「ちょっとシーアさん、いつから先生の奥さんになったんですか!? というより、近いですからもっと離れてください」
「むぅ、そういうマヤさんだって、聞く限りでは対して活躍してないじゃないですか」
「なんですって!?」
実は久しぶりに店を訪れたシーアから、「なんでまた知らない女の子が増えているんですか!?」と問い質され、アヤとの出会いや元奴隷のメイドの件を説明しているうちに、先日の一件に飛び火して今に至るまでのすべてを語ったというわけだ。
しかし店は定休日だと書いているのに、平気で入って来るシーアには困ったものだ。
ちなみに会員の女の子たちとアヤには、連日の注文殺到で手の付けられなかった書類の整理をしてもらっている。
ヤマトは大口顧客であるウルティマ商会の令嬢の相手で忙しいのだ。
あとついでに、なぜか隣にマヤもいるが。
そのとき、店の扉が開いて一人の男が入って来る。
「――こんにちは。ヤマト殿はいるかな?」
「え? グ、グランチェス伯爵!?」
想定外の来客に、ヤマトは慌てて立ち上がる。
バチバチにらみ合っていたシーアとマヤも、ポカンとしていた。
「やあ、お久しぶりだね。定休日ってなってたけど、なんだか賑やかな声が聞こえてきたので、入ってみたんだ」
「そ、そうでしたか……」
ヤマトがジトーっと犯人二人に目を向けると、二人はそろって目をそらした。
こんなときだけタイミングはバッチリだ。
それを見たグランチェスが目を丸くする。
「おや? もしかして、そちらの美しい女性のどちらかは、ヤマト殿の奥さんかな?」
「はい、私が妻のシーアと申します」
「冗談ですので、気にしないでくださいね」
シーアは躊躇なく言ったが、マヤがすぐに否定する。
表情はニコやかだが、目が笑っていない。
しかしグランチェスはホッと安堵のため息を吐いた。
「それは良かった」
「へ? それはどういう」
「実は、うちの娘をヤマト殿に嫁がせたいと思ってね」
「な、なんですって!?」
「そんなのダメです!」
なぜかヤマトが反応する前に、二人が焦ったように声を上げ立ち上がった。
遅れてヤマトが言う。
「僕ですか? 貴族でもないのに、どうして……」
「謙遜するな。君はケルベム・ロジャー殿の後を継ぐ、未来の大投資家だ。そんな大物に娘を嫁がせたいと思うのは、親である僕の願いでもあるし、なにより娘も君に興味があるようでね」
「そんな、僕なんか大したことないですよ」
そう言いつつ、ヤマトの頬は緩んでいた。
上流階級の貴族にそう言われると、悪い気はしない。
背後でシーアとマヤがコソコソと相談しているのが聞こえてきた。
「まずいですよマヤさん」
「ええ、とんでもなく強力なライバルが現れそうな予感がします……」
「ヤマト殿、どうだね? 一度娘に会ってくれないか?」
「え、えっとぉ……まぁ、会うぐらいでしたら――」
ヤマトが答えようとしていたところで、店の扉が開き、新たな来客が――
「――やっほーヤマトく~ん、遊びに来たよ~」
「お邪魔します」
「なんだ、いないと思ったらやっぱりここにいたんだ、マヤ」
ラミィ、ハンナ、シルフィが現れ、状況は混乱を極める。
さすがのグランチェスも、顔から余裕が消え、頬を引きつらせていた。
「さ、さすがはヤマト殿、これはうちの娘でも厳しそうだ」
状況の分からない彼女たちへマヤが手短に説明し、さらに騒がしくなった。
収拾のつかない状況にヤマトが頭を抱えていると、キュウ子が店の奥から飛んで来てヤマトの肩にとまる。
そして大声で鳴いた。
「キュゥンッ!」
「ヤマト様、彼女はなんと?」
「『ヤマトさんの正妻は、私だから! 小娘たちは黙ってなさい!』って……」
ヤマトが頬を引きつらせながら言うと、修羅場はさらに緊迫し、女の戦いは激化するのだった。
~~親愛なるケルベム・ロジャー様へ~~
先日は色々と助けてくださり、本当にありがとうございました。
僕がくじけずに最後まで戦い抜くことができたのは、師匠の存在があったからです。
おかげさまで貴族の権力に屈することなく、大切な仲間を取り戻し、平穏を取り戻すことができました。
あの一件の後、伯爵に目をつけられたり、大商会に勧誘されたりと、騒がしい日々を送っていますが、今が一番幸せだと胸を張って言えます。
ところで、もうケルベムブランドの威光は必要ないのですが、どうしましょう……
そのうち僕も、弟子を育ててそちらに注目が集まるよう仕向けようと思います。
ちなみに、マヤは自称弟子ですし、ハンター業で忙しいので他の子を探すとしましょう。
なにはともあれ、一件落着です。
これからもあなたのように、多くの人を救える投資家を目指しますので、いつまでも越えられない壁でいてくさい。
次にまた会う日まで、どうかお元気で。
~~ヤマトより~~
そして彼らは国外追放となったが、今どうしているかは誰にも分からない。
トリニティスイーツはハンター活動休止を解除され、ラミィも騎士を辞めてまたリーダーとして戻った。
装備や資金もちゃんと残していたので、最前線へ戻るのに時間はさほどかからなかった。
今ではギルドを代表する凄腕ハンターだ。
みんな美少女なこともあって、すこぶる人気が高いらしい。
ドランの屋敷にいた元奴隷のメイドたちは、ハンナとアヤの願いにより、ヤマト運用の会員として雇っている。
ケルベム・ロジャー登場の一件から、ヤマト運用には毎日のように新規注文が殺到しているが、彼女たちの力を借りてなんとか対応しているところだ。
「――っていうことがあったのさ」
「まぁ、そんなことがあったんですね。本当にお疲れさまでした。私ときたら、旦那様の一大事に力になれず、お恥ずかしい限りです」
ヤマトが話し終えると、シーアがずいっと身を寄せて両手を握ってきた。
すると、受付の横で話を聞いていたマヤが割って入る。
「ちょっとシーアさん、いつから先生の奥さんになったんですか!? というより、近いですからもっと離れてください」
「むぅ、そういうマヤさんだって、聞く限りでは対して活躍してないじゃないですか」
「なんですって!?」
実は久しぶりに店を訪れたシーアから、「なんでまた知らない女の子が増えているんですか!?」と問い質され、アヤとの出会いや元奴隷のメイドの件を説明しているうちに、先日の一件に飛び火して今に至るまでのすべてを語ったというわけだ。
しかし店は定休日だと書いているのに、平気で入って来るシーアには困ったものだ。
ちなみに会員の女の子たちとアヤには、連日の注文殺到で手の付けられなかった書類の整理をしてもらっている。
ヤマトは大口顧客であるウルティマ商会の令嬢の相手で忙しいのだ。
あとついでに、なぜか隣にマヤもいるが。
そのとき、店の扉が開いて一人の男が入って来る。
「――こんにちは。ヤマト殿はいるかな?」
「え? グ、グランチェス伯爵!?」
想定外の来客に、ヤマトは慌てて立ち上がる。
バチバチにらみ合っていたシーアとマヤも、ポカンとしていた。
「やあ、お久しぶりだね。定休日ってなってたけど、なんだか賑やかな声が聞こえてきたので、入ってみたんだ」
「そ、そうでしたか……」
ヤマトがジトーっと犯人二人に目を向けると、二人はそろって目をそらした。
こんなときだけタイミングはバッチリだ。
それを見たグランチェスが目を丸くする。
「おや? もしかして、そちらの美しい女性のどちらかは、ヤマト殿の奥さんかな?」
「はい、私が妻のシーアと申します」
「冗談ですので、気にしないでくださいね」
シーアは躊躇なく言ったが、マヤがすぐに否定する。
表情はニコやかだが、目が笑っていない。
しかしグランチェスはホッと安堵のため息を吐いた。
「それは良かった」
「へ? それはどういう」
「実は、うちの娘をヤマト殿に嫁がせたいと思ってね」
「な、なんですって!?」
「そんなのダメです!」
なぜかヤマトが反応する前に、二人が焦ったように声を上げ立ち上がった。
遅れてヤマトが言う。
「僕ですか? 貴族でもないのに、どうして……」
「謙遜するな。君はケルベム・ロジャー殿の後を継ぐ、未来の大投資家だ。そんな大物に娘を嫁がせたいと思うのは、親である僕の願いでもあるし、なにより娘も君に興味があるようでね」
「そんな、僕なんか大したことないですよ」
そう言いつつ、ヤマトの頬は緩んでいた。
上流階級の貴族にそう言われると、悪い気はしない。
背後でシーアとマヤがコソコソと相談しているのが聞こえてきた。
「まずいですよマヤさん」
「ええ、とんでもなく強力なライバルが現れそうな予感がします……」
「ヤマト殿、どうだね? 一度娘に会ってくれないか?」
「え、えっとぉ……まぁ、会うぐらいでしたら――」
ヤマトが答えようとしていたところで、店の扉が開き、新たな来客が――
「――やっほーヤマトく~ん、遊びに来たよ~」
「お邪魔します」
「なんだ、いないと思ったらやっぱりここにいたんだ、マヤ」
ラミィ、ハンナ、シルフィが現れ、状況は混乱を極める。
さすがのグランチェスも、顔から余裕が消え、頬を引きつらせていた。
「さ、さすがはヤマト殿、これはうちの娘でも厳しそうだ」
状況の分からない彼女たちへマヤが手短に説明し、さらに騒がしくなった。
収拾のつかない状況にヤマトが頭を抱えていると、キュウ子が店の奥から飛んで来てヤマトの肩にとまる。
そして大声で鳴いた。
「キュゥンッ!」
「ヤマト様、彼女はなんと?」
「『ヤマトさんの正妻は、私だから! 小娘たちは黙ってなさい!』って……」
ヤマトが頬を引きつらせながら言うと、修羅場はさらに緊迫し、女の戦いは激化するのだった。
~~親愛なるケルベム・ロジャー様へ~~
先日は色々と助けてくださり、本当にありがとうございました。
僕がくじけずに最後まで戦い抜くことができたのは、師匠の存在があったからです。
おかげさまで貴族の権力に屈することなく、大切な仲間を取り戻し、平穏を取り戻すことができました。
あの一件の後、伯爵に目をつけられたり、大商会に勧誘されたりと、騒がしい日々を送っていますが、今が一番幸せだと胸を張って言えます。
ところで、もうケルベムブランドの威光は必要ないのですが、どうしましょう……
そのうち僕も、弟子を育ててそちらに注目が集まるよう仕向けようと思います。
ちなみに、マヤは自称弟子ですし、ハンター業で忙しいので他の子を探すとしましょう。
なにはともあれ、一件落着です。
これからもあなたのように、多くの人を救える投資家を目指しますので、いつまでも越えられない壁でいてくさい。
次にまた会う日まで、どうかお元気で。
~~ヤマトより~~
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温かい応援、本当にありがとうございます!
感想ありがとうございます。
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