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第三章 外資
フェアとのデート
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シーカーからの出資金をヴァルファームの通貨で受け取ったウィルムは、為替商でリュート通貨に両替し、再び鳥竜に乗ってイノセントへと戻った。
戻ってすぐにエルダたちへ交渉の結果を報告すると、エルダとフェアは自分のことのように喜んでくれた。ウィルムもようやく実感が湧いてきて、本当に良い商売仲間を持ったとしみじみ思う。
戻ったときにはもう日も暮れており、ドラチナスへ戻るのは明日にすべきだと二人に説得され、ウィルムはもう一晩イノセントに留まることにした。
温和な雰囲気で歓迎してくれたエルダと違って、フェアはなんだかそわそわしていたが、ウィルムには理由がよく分からない。
翌朝――
「――ウィ、ウィルムさん!」
小鳥のさえずるのどかな早朝に、三人で朝食をとっていると、ウィルムが食べ終わるのを見計らってフェアが声を上げた。木のテーブルを挟んでウィルムの向かいにエルダとフェアが並んで座っている。
フェアの顔は少し赤く、緊張しているように表情が硬い。
エルダはそんな妹を横目で見て、「あらあら」と手を頬に当て楽しそうに微笑んでいた。
「フェア、どうしたの? 顔が赤いけど」
「ウィルムさんは、もう帰ってしまうんですよね?」
「そうだね。この後すぐにでも出発しようと思ってる」
「少しだけ時間をもらえませんか? ほんの少し散歩に付き合ってもらうだけでいいんです」
「え? 別にいいけど」
「ほんとですかっ!?」
「う、うん」
ウィルムが少し首を傾げながら承諾すると、フェアは急にテンションを上げ、テーブルに身を乗り出した。目をキラキラと輝かせ、緊張に強張っていた表情も弛緩している。
エルダは横で、クスクスと控えめに笑いながら口を挟んだ。
「ごめんなさいねぇ、ウィルムくん。フェアには、どうしても気になることがあって」
「お、お姉ちゃん!? 余計なこと言わないでよ!」
フェアが真っ赤にした頬をぷくーと膨らませて抗議すると、エルダは「はいはい」と言って空になった皿の片づけを始めるのだった。
それから少しして、身支度を終えたウィルムはフェアを待った。
予想していたより遅い。
ドラチナスまで移動するウィルムより、そこらへんを散歩するフェアが遅いのはいったいどういうことなのか。ウィルムは首を傾げる。
「――お待たせしました!」
フェアがはつらつとした声でエルダと共に部屋から居間へ出てくる。
ウィルムは彼女の可憐な姿に思わず目を奪われた。
細やかなレースをあしらった純白のワンピースは、肩の部分が少し透けており、下は膝丈より少し上にある短めのスカート。腰には大きめの可愛らしいリボンが結ってある。
普段よりも洒落っ気を出しているのが、ウィルムにもよく分かる。
整った容姿も相まって、まるで森に住まう妖精のようだ。
「この日のために、わざわざフォートレスまで行って買って来たのよ」
「お姉ちゃん! それは言わない約束でしょ!? ウィルムさん、行きましょうっ!」
顔を真っ赤にしたフェアは、ウィルムの手を引っ張って家を出る。
エルダは「まぁまぁ」とうっとりした表情を浮かべていた。
外へ飛び出して、そのままの勢いで手を引かれ、前のめりになって歩いていくウィルム。
「……ちょっと恥ずかしいな」
ウィルムが照れくさそうに苦笑し、ようやくフェアは彼の手を握って歩いていることに気付く。そして周囲の視線もなんだか興味深々で注目を集めており、カァァァと顔を朱に染めた。
しかし、それで手を離すかと思いきや、むしろやけくそ気味にギュッと握り早歩きで森の奥へと進んでいく。
戻ってすぐにエルダたちへ交渉の結果を報告すると、エルダとフェアは自分のことのように喜んでくれた。ウィルムもようやく実感が湧いてきて、本当に良い商売仲間を持ったとしみじみ思う。
戻ったときにはもう日も暮れており、ドラチナスへ戻るのは明日にすべきだと二人に説得され、ウィルムはもう一晩イノセントに留まることにした。
温和な雰囲気で歓迎してくれたエルダと違って、フェアはなんだかそわそわしていたが、ウィルムには理由がよく分からない。
翌朝――
「――ウィ、ウィルムさん!」
小鳥のさえずるのどかな早朝に、三人で朝食をとっていると、ウィルムが食べ終わるのを見計らってフェアが声を上げた。木のテーブルを挟んでウィルムの向かいにエルダとフェアが並んで座っている。
フェアの顔は少し赤く、緊張しているように表情が硬い。
エルダはそんな妹を横目で見て、「あらあら」と手を頬に当て楽しそうに微笑んでいた。
「フェア、どうしたの? 顔が赤いけど」
「ウィルムさんは、もう帰ってしまうんですよね?」
「そうだね。この後すぐにでも出発しようと思ってる」
「少しだけ時間をもらえませんか? ほんの少し散歩に付き合ってもらうだけでいいんです」
「え? 別にいいけど」
「ほんとですかっ!?」
「う、うん」
ウィルムが少し首を傾げながら承諾すると、フェアは急にテンションを上げ、テーブルに身を乗り出した。目をキラキラと輝かせ、緊張に強張っていた表情も弛緩している。
エルダは横で、クスクスと控えめに笑いながら口を挟んだ。
「ごめんなさいねぇ、ウィルムくん。フェアには、どうしても気になることがあって」
「お、お姉ちゃん!? 余計なこと言わないでよ!」
フェアが真っ赤にした頬をぷくーと膨らませて抗議すると、エルダは「はいはい」と言って空になった皿の片づけを始めるのだった。
それから少しして、身支度を終えたウィルムはフェアを待った。
予想していたより遅い。
ドラチナスまで移動するウィルムより、そこらへんを散歩するフェアが遅いのはいったいどういうことなのか。ウィルムは首を傾げる。
「――お待たせしました!」
フェアがはつらつとした声でエルダと共に部屋から居間へ出てくる。
ウィルムは彼女の可憐な姿に思わず目を奪われた。
細やかなレースをあしらった純白のワンピースは、肩の部分が少し透けており、下は膝丈より少し上にある短めのスカート。腰には大きめの可愛らしいリボンが結ってある。
普段よりも洒落っ気を出しているのが、ウィルムにもよく分かる。
整った容姿も相まって、まるで森に住まう妖精のようだ。
「この日のために、わざわざフォートレスまで行って買って来たのよ」
「お姉ちゃん! それは言わない約束でしょ!? ウィルムさん、行きましょうっ!」
顔を真っ赤にしたフェアは、ウィルムの手を引っ張って家を出る。
エルダは「まぁまぁ」とうっとりした表情を浮かべていた。
外へ飛び出して、そのままの勢いで手を引かれ、前のめりになって歩いていくウィルム。
「……ちょっと恥ずかしいな」
ウィルムが照れくさそうに苦笑し、ようやくフェアは彼の手を握って歩いていることに気付く。そして周囲の視線もなんだか興味深々で注目を集めており、カァァァと顔を朱に染めた。
しかし、それで手を離すかと思いきや、むしろやけくそ気味にギュッと握り早歩きで森の奥へと進んでいく。
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