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14話 図書館に行って
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「ここが余の家か」
「てめぇだけの家じゃねぇわ」
俺たちは買った家の前に立ち、その大きさに足を止めていた。
あの後宿に戻って話し合い、どんな家にするか決めたのだ。
今現在5人で、もしかしたらこれから増えるかもしれないという可能性があり、そこそこ大きな家を買うことになった。
この家は20ほど部屋数があり、一つ一つの部屋が大きいため、今はどれだけ使っても全然余るはずだ。
しかし、その分金額は高かった。
「この家っていくらしたんだっけ?」
「48万セリンだけど」
「は!?」
「高い……」
4人は俺の顔を見ながら唖然としている。
前もって伝えておいたはずなんだけどな。
これからは、最低2回は確認するようにしないといけないな。
「でも、今更気にしたって仕方がない。早く中に入ろ」
俺は扉に手をかけて開いた。
変な音を立てることなくスムーズに開き、家の中を明らかにした。
この家は2階建てになっていて、奥の方の階段がある。
4人は俺に続いて入ってきて、それぞれ感心する声を上げた。
俺はリビングに移動すると、そこは大人数でパーティーが出来るほど広い大きさだった。
「ここ俺の部屋な」
「いや、ここはリビングだから」
「あぁ! 文句あんのか!」
流石にこの部屋をジューザラスに渡すわけにはいかない。
この次に大きい部屋を渡すか……。
「おい。この家は何もないぞ。これでは余が暮らせないではないか」
当然ながら、この家に家具はまだ一つも置いていない。
そのため、これから買いに行かなくてはいけないのだ。
でも、まだ1万セリン以上残ってるから、高すぎる家具を買わない以外お金に困ることはない。
「余、寝たい」
「家具買いに行くか」
そうして俺たちは、それぞれ分かれて家具を買いに行くことになった。
「余はまず、寝具を買いに行こうと思う」
「ダメだ。俺たちの担当は椅子とか机だ」
「むぅー」
俺はグラと2人で家具を買いに来ていた。
さっきからグラは、絶対に必要のない物ばかり買おうとするから、抑えるのに苦労してしまう。
「ん? あそこはなんだ?」
グラは急に立ち止まり指を指していた。
指された場所を見ると、そこは俺が暇な時に行っていた図書館だった。
「あそこは図書館だ。行きたいのか?」
「余が載ってる本はあるか?」
「結構あるんじゃないか?」
「早く入ろう」
グラは俺を置いていき、凄い笑顔で図書館に入って行ってしまった。
あいつもしかして、グラティオラスは男って書かれてること忘れてるのか?
だとしたら、なんか可哀想だな。
でも、仕方ないか。
結局は人間の想像なんだし。
もし機嫌が悪くなってたら、なんとかして宥めるしかないよなぁ……。
俺はグラの機嫌の直し方を色々考えながら、後を追って図書館に入った。
うげっ、もう本を見つけてやがる。
グラは本を机に置きながらページをめくっていて、少し機嫌が悪そうだ。
「もう見つけたのか」
俺はグラに近づいて声をかけた。
本から俺に視線向けると、少し眉間に皺を寄せた。
「この本に余が男って書いてあるぞ」
「それ俺がこの前言っただろ? もしかして忘れたのか?」
「忘れた」
覚えていてくれたら、機嫌の悪さが軽減されたかもしれないのに……。
グラは俺から視線を本に戻し、何かブツブツ文句を言いながらページをめくっていった。
俺も適当に読んだから、ほとんど内容を忘れてしまっていた。
こうやって意識して読んだら、結構色々な神がいるんだな。
天の神や霧の神、陽の神、守の神など沢山いる。
所々意味がよくわからない神がいるが、気にするのはやめよう。
「あ……」
グラはぽつりと声をこぼし、ページが捲る手が止まった。
「どうした?」
そこのページには変わったことはなく、他のページと同じように神の説明が書かれているだけだった。
その神の名は……
「シーミナ……」
グラは昔を思い出すように目を細めて微笑むと、その神の絵に手を当てた。
そのページの左上には、反射の神と書かれていた。
「てめぇだけの家じゃねぇわ」
俺たちは買った家の前に立ち、その大きさに足を止めていた。
あの後宿に戻って話し合い、どんな家にするか決めたのだ。
今現在5人で、もしかしたらこれから増えるかもしれないという可能性があり、そこそこ大きな家を買うことになった。
この家は20ほど部屋数があり、一つ一つの部屋が大きいため、今はどれだけ使っても全然余るはずだ。
しかし、その分金額は高かった。
「この家っていくらしたんだっけ?」
「48万セリンだけど」
「は!?」
「高い……」
4人は俺の顔を見ながら唖然としている。
前もって伝えておいたはずなんだけどな。
これからは、最低2回は確認するようにしないといけないな。
「でも、今更気にしたって仕方がない。早く中に入ろ」
俺は扉に手をかけて開いた。
変な音を立てることなくスムーズに開き、家の中を明らかにした。
この家は2階建てになっていて、奥の方の階段がある。
4人は俺に続いて入ってきて、それぞれ感心する声を上げた。
俺はリビングに移動すると、そこは大人数でパーティーが出来るほど広い大きさだった。
「ここ俺の部屋な」
「いや、ここはリビングだから」
「あぁ! 文句あんのか!」
流石にこの部屋をジューザラスに渡すわけにはいかない。
この次に大きい部屋を渡すか……。
「おい。この家は何もないぞ。これでは余が暮らせないではないか」
当然ながら、この家に家具はまだ一つも置いていない。
そのため、これから買いに行かなくてはいけないのだ。
でも、まだ1万セリン以上残ってるから、高すぎる家具を買わない以外お金に困ることはない。
「余、寝たい」
「家具買いに行くか」
そうして俺たちは、それぞれ分かれて家具を買いに行くことになった。
「余はまず、寝具を買いに行こうと思う」
「ダメだ。俺たちの担当は椅子とか机だ」
「むぅー」
俺はグラと2人で家具を買いに来ていた。
さっきからグラは、絶対に必要のない物ばかり買おうとするから、抑えるのに苦労してしまう。
「ん? あそこはなんだ?」
グラは急に立ち止まり指を指していた。
指された場所を見ると、そこは俺が暇な時に行っていた図書館だった。
「あそこは図書館だ。行きたいのか?」
「余が載ってる本はあるか?」
「結構あるんじゃないか?」
「早く入ろう」
グラは俺を置いていき、凄い笑顔で図書館に入って行ってしまった。
あいつもしかして、グラティオラスは男って書かれてること忘れてるのか?
だとしたら、なんか可哀想だな。
でも、仕方ないか。
結局は人間の想像なんだし。
もし機嫌が悪くなってたら、なんとかして宥めるしかないよなぁ……。
俺はグラの機嫌の直し方を色々考えながら、後を追って図書館に入った。
うげっ、もう本を見つけてやがる。
グラは本を机に置きながらページをめくっていて、少し機嫌が悪そうだ。
「もう見つけたのか」
俺はグラに近づいて声をかけた。
本から俺に視線向けると、少し眉間に皺を寄せた。
「この本に余が男って書いてあるぞ」
「それ俺がこの前言っただろ? もしかして忘れたのか?」
「忘れた」
覚えていてくれたら、機嫌の悪さが軽減されたかもしれないのに……。
グラは俺から視線を本に戻し、何かブツブツ文句を言いながらページをめくっていった。
俺も適当に読んだから、ほとんど内容を忘れてしまっていた。
こうやって意識して読んだら、結構色々な神がいるんだな。
天の神や霧の神、陽の神、守の神など沢山いる。
所々意味がよくわからない神がいるが、気にするのはやめよう。
「あ……」
グラはぽつりと声をこぼし、ページが捲る手が止まった。
「どうした?」
そこのページには変わったことはなく、他のページと同じように神の説明が書かれているだけだった。
その神の名は……
「シーミナ……」
グラは昔を思い出すように目を細めて微笑むと、その神の絵に手を当てた。
そのページの左上には、反射の神と書かれていた。
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