2 / 2
モンスター
しおりを挟む
第二章 モンスター
夜が明け、早朝からまた歩き旅である。暫
く行くと森があった。非常に薄暗く奇妙な森
であったが二人は物怖じもせず森に踏み入っ
た。更に暫く行くと、草むらから物陰がゴソ
ゴソいっているのがわかった。小動物かなに
かだろうと私はたかをくくっていたがそれは
違った。頭に角をはやしたパンサーのような
モンスターだった。私はナイフで威嚇しなが
ら退路を確保しようとしていた、エミリもナ
イフで威嚇しながらすきあらば逃げようとい
う姿勢だ。二人は必死になって生きようとし
ていた。
「ファン私がおとりになってる間にとどめを
刺して」
エミリがそう言うので、私は苦渋の決断でそ
うすることにした。エミリにおおいかぶさる
パンサー、そのすきを突いて私はパンサーの
喉笛を切った。
「イタタター」
「大丈夫かエミリ!」
「少し噛まれただけ、軽症よ」
「一応消毒だけしておこう」
あっと言う間のことに恐怖心さえ感じなかっ
た。ただ必死になっていた。治療を終え森を
進む。今どのへんなのだろう。地図なき旅で
あるからして、二人は段々と不安になってき
た。
「一応この森のどこかにあるはずなんだけど
ね」
「そう簡単じゃああないさ」
私は己を鼓舞するようにそう言った。暫くさ
んさんと生い茂る新緑を眺めつつ無言で歩い
ていると、二人の目の前に荘厳な風景が映し
出された。
「これが…世界樹」
「素晴らしい、なんて美しいんだ!」
二人は手を取り合って喜びあった。
「ねえファン、私がなぜ貴方を誘ったかわか
る?」
「なぜって血筋を求めてだろ?なんだよ今更
ははっ」
その瞬間エミリは私に抱きついて、
「好きだからよ」
と一言。その後、言葉はいらなかった。世界
初の世界樹発見のニュースは全世界に轟いた。
「これでまたひとつ謎をといたな」
私が言うとエミリは、
「まっ、一番の収穫はあんたなんだけどね」
といった。二人は笑い合って、世界樹の縁を
感じながら幸せになったのは言うまでもない。
----------------------------------------
夜が明け、早朝からまた歩き旅である。暫
く行くと森があった。非常に薄暗く奇妙な森
であったが二人は物怖じもせず森に踏み入っ
た。更に暫く行くと、草むらから物陰がゴソ
ゴソいっているのがわかった。小動物かなに
かだろうと私はたかをくくっていたがそれは
違った。頭に角をはやしたパンサーのような
モンスターだった。私はナイフで威嚇しなが
ら退路を確保しようとしていた、エミリもナ
イフで威嚇しながらすきあらば逃げようとい
う姿勢だ。二人は必死になって生きようとし
ていた。
「ファン私がおとりになってる間にとどめを
刺して」
エミリがそう言うので、私は苦渋の決断でそ
うすることにした。エミリにおおいかぶさる
パンサー、そのすきを突いて私はパンサーの
喉笛を切った。
「イタタター」
「大丈夫かエミリ!」
「少し噛まれただけ、軽症よ」
「一応消毒だけしておこう」
あっと言う間のことに恐怖心さえ感じなかっ
た。ただ必死になっていた。治療を終え森を
進む。今どのへんなのだろう。地図なき旅で
あるからして、二人は段々と不安になってき
た。
「一応この森のどこかにあるはずなんだけど
ね」
「そう簡単じゃああないさ」
私は己を鼓舞するようにそう言った。暫くさ
んさんと生い茂る新緑を眺めつつ無言で歩い
ていると、二人の目の前に荘厳な風景が映し
出された。
「これが…世界樹」
「素晴らしい、なんて美しいんだ!」
二人は手を取り合って喜びあった。
「ねえファン、私がなぜ貴方を誘ったかわか
る?」
「なぜって血筋を求めてだろ?なんだよ今更
ははっ」
その瞬間エミリは私に抱きついて、
「好きだからよ」
と一言。その後、言葉はいらなかった。世界
初の世界樹発見のニュースは全世界に轟いた。
「これでまたひとつ謎をといたな」
私が言うとエミリは、
「まっ、一番の収穫はあんたなんだけどね」
といった。二人は笑い合って、世界樹の縁を
感じながら幸せになったのは言うまでもない。
----------------------------------------
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる