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第四章
地獄の淵まで睨み殺せ!
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今朝も両親と朝飯を食べて、軽トラに乗り、船泊の市外の桟橋にやって来た。
漁師になり3ヶ月が経ったが、何となく様になって来たように自分では思える。
桟橋の固定杭からロープを解き、船に乗り込み、エンジンをかけ、どこでも良い漁場へ向かう。
できれば仲間の船の見えない場所が良い。
漁獲量など、今の俺には全く関係ない。
漁という労働と、そして、海面を見ながら、脳裏の映写機を回せれば、俺は満足である。
仲間の船が近くにあると、瞑想に集中できない。無線やなんやでやり取りを行わなければならず、面倒臭い。
昔から組織は俺には向いていない。集団行動が嫌いなのだ。まあ、この事が早期退職の理由でもあるが、その話は後にしよう。
ちょっと待ってくれよな。「妬み節」をするまでに、船を止めるから、アンカー(碇)を沈めてくるから…
よしよし、じぁ~、始めるとしよう。
俺の「怒り」は、高2の時に心の深淵から顔を覗き出した。
黒豚野郎とド素人の新米教員の無責任な言動に物凄い「怒り」のエネルギーが身体中に充満した。
あの職員室の経緯、あの校長室の経緯から、俺の高校生活は一転した。
「教員を睨む」
この行動が俺の高校生活の基準となった。
「睨む」とは、奴らに眼光を合わせ、睨み殺すように、奴らの心中を読み取る。
このことをただひたすらに実行した。
授業中はもちろん、廊下で奴らとすれ違う時、休み時間、下校時間、全ての学校生活においては、奴らの目をくり抜くように睨みつけた。
「A、なんだ、その目付きは!」などと注意する先公は1人もいなかった。1人も…
あの校長室で黒豚野郎に言い放った、「お前らは何の権利に基づき俺を殴るのか?」の問いに、全ての教師が答えを見出す事ができなかったようである。
すると、奴らは俺から逃げ出した。触らぬものに祟りなしと言うように、厄介者に目を合わせる者は1人もいなかった。
100人近い教員数を誇る、県下一の進学校、意味もなく竹刀を常時手に持っているチンピラ教員の寄せ集めの体育教師さえ、自分らの役割を放棄するかのように、俺の視線から消えるように姿をくらます。
だが、俺は黒豚野郎だけは絶対に許すことができなかった。
奴には運悪く、俺のクラスの体育授業を奴が担当することとなっていた。
走り高跳びの授業だ。薄暗い体育館だ。奴との距離も近目に保てる。奴には可哀想だがな…
授業が始まる。授業といってもなんてことはない。ひたすらバーを跳ぶだけの繰り返しだ。
黒豚野郎が走り高跳びの指導などできるはずはなく、マニュアル教科書をひたすら棒読みするだけだ。
この時代の体育教師は、日体大出が多く、親のコネや先輩のコネで教師となっていた者が多く、人格者など皆無であった。
トカゲぐらいの脳味噌しかない、体育会系の馬鹿野郎は、まともに一行も読むことすら出来ず、噛みまくり、やっと読み上げ、大汗をかいた、豚のように弛んだ醜い顔面をタオルで拭き拭きし、生徒に実習を促した。
俺は跳ぶことなく、奴のあの醜い面が一番良く見える位置にパイプ椅子を置き、早速、あの黒豚野郎を「睨み」始めた。
奴は、俺の「睨み」を感じ出した。俺の方に顔を向けなくても、奴の短い足を見れば、俺の「怒り」、「恨み」、「殺意」の眼光によりブルブルと震え出すのがよ~く見て取れた。
校長室で俺を散々に殴り、「お前は碌な人間にならない。お前の親の育て方が悪い!」と揚々と宣った黒豚野郎!
あの元気はどこに行ったんだい?
おい黒豚、こっちを向かんかい!
と、俺の眼光は物を言うかのように奴を睨みつけた。
黒豚よぉ~、そんなに俺が怖いか?
お前が悪いんだぞ。お前は喧嘩する相手を間違ったんだよ。
黒豚、お前は俺に忠告する権利はないんだよ。
黒豚、お前らチンピラ教員には生徒の人格に物を申す資格は無いんだよ。
黒豚、部活だけ指導してろよ。一般の生徒にね、お前らノータリンは接触したらダメなんだよ。
こっちを向かんかい!黒豚!
こらっ!こっちを向かんかい!
お前をぶっ殺す!
お前を絶対に許すわけにはいかない!
何が入学して万歳組だ!
くそっ!
附属中からのボンボン生徒ばかり贔屓しやがって!
この腐れ!
俺の人生の第一歩の挑戦を邪魔しやがって!
俺の人生の夢を邪魔する権利がお前らにあるのか?ないだろう!
勝手なことほざきやがって!
こっちを向かんかい!俺の目を見らんかい!俺の心の怒りにひれ伏せ!
高校3年の秋、黒豚野郎の言ったとおり、俺の成績は下降の一途を辿った。
奴の傾向が当たったのではない。奴のトカゲ並の知能と下衆の極まりの心情による無意識に表出した「企み」が、俺を暗闇へと進ませた。
この暗闇は暗けば暗いほど
俺の「怒り」を増大させ、それはもはや、「憤怒」となり、化け物となった。
誰もこの「憤慨」極まる暗黒の進撃を止めることはできない。
この時から25歳で就職するまで、俺は心から人間と会話をすることはなかった…
来る日も来る日も奴らを恨み、妬み、僻み、来る日も来る日も睨み続けた。
俺の視線の中に奴らは居なくとも、俺の脳裏の映写機には「怒り」のアーカイブが備蓄されていた。
今もそうだ!
この無限大の大海原は、巨大なスクリーンとなり、俺の脳裏の映写機から放つ、過去の因縁を正確に映し出してる。
おい、黒豚野郎!お前はもう死んだかい?自己中の一生を全うしたのかい?
おい、黒豚野郎!安心するなよ。
俺は地獄の淵までお前を睨み続ける!
俺はお前らを絶対に許さない!
漁師になり3ヶ月が経ったが、何となく様になって来たように自分では思える。
桟橋の固定杭からロープを解き、船に乗り込み、エンジンをかけ、どこでも良い漁場へ向かう。
できれば仲間の船の見えない場所が良い。
漁獲量など、今の俺には全く関係ない。
漁という労働と、そして、海面を見ながら、脳裏の映写機を回せれば、俺は満足である。
仲間の船が近くにあると、瞑想に集中できない。無線やなんやでやり取りを行わなければならず、面倒臭い。
昔から組織は俺には向いていない。集団行動が嫌いなのだ。まあ、この事が早期退職の理由でもあるが、その話は後にしよう。
ちょっと待ってくれよな。「妬み節」をするまでに、船を止めるから、アンカー(碇)を沈めてくるから…
よしよし、じぁ~、始めるとしよう。
俺の「怒り」は、高2の時に心の深淵から顔を覗き出した。
黒豚野郎とド素人の新米教員の無責任な言動に物凄い「怒り」のエネルギーが身体中に充満した。
あの職員室の経緯、あの校長室の経緯から、俺の高校生活は一転した。
「教員を睨む」
この行動が俺の高校生活の基準となった。
「睨む」とは、奴らに眼光を合わせ、睨み殺すように、奴らの心中を読み取る。
このことをただひたすらに実行した。
授業中はもちろん、廊下で奴らとすれ違う時、休み時間、下校時間、全ての学校生活においては、奴らの目をくり抜くように睨みつけた。
「A、なんだ、その目付きは!」などと注意する先公は1人もいなかった。1人も…
あの校長室で黒豚野郎に言い放った、「お前らは何の権利に基づき俺を殴るのか?」の問いに、全ての教師が答えを見出す事ができなかったようである。
すると、奴らは俺から逃げ出した。触らぬものに祟りなしと言うように、厄介者に目を合わせる者は1人もいなかった。
100人近い教員数を誇る、県下一の進学校、意味もなく竹刀を常時手に持っているチンピラ教員の寄せ集めの体育教師さえ、自分らの役割を放棄するかのように、俺の視線から消えるように姿をくらます。
だが、俺は黒豚野郎だけは絶対に許すことができなかった。
奴には運悪く、俺のクラスの体育授業を奴が担当することとなっていた。
走り高跳びの授業だ。薄暗い体育館だ。奴との距離も近目に保てる。奴には可哀想だがな…
授業が始まる。授業といってもなんてことはない。ひたすらバーを跳ぶだけの繰り返しだ。
黒豚野郎が走り高跳びの指導などできるはずはなく、マニュアル教科書をひたすら棒読みするだけだ。
この時代の体育教師は、日体大出が多く、親のコネや先輩のコネで教師となっていた者が多く、人格者など皆無であった。
トカゲぐらいの脳味噌しかない、体育会系の馬鹿野郎は、まともに一行も読むことすら出来ず、噛みまくり、やっと読み上げ、大汗をかいた、豚のように弛んだ醜い顔面をタオルで拭き拭きし、生徒に実習を促した。
俺は跳ぶことなく、奴のあの醜い面が一番良く見える位置にパイプ椅子を置き、早速、あの黒豚野郎を「睨み」始めた。
奴は、俺の「睨み」を感じ出した。俺の方に顔を向けなくても、奴の短い足を見れば、俺の「怒り」、「恨み」、「殺意」の眼光によりブルブルと震え出すのがよ~く見て取れた。
校長室で俺を散々に殴り、「お前は碌な人間にならない。お前の親の育て方が悪い!」と揚々と宣った黒豚野郎!
あの元気はどこに行ったんだい?
おい黒豚、こっちを向かんかい!
と、俺の眼光は物を言うかのように奴を睨みつけた。
黒豚よぉ~、そんなに俺が怖いか?
お前が悪いんだぞ。お前は喧嘩する相手を間違ったんだよ。
黒豚、お前は俺に忠告する権利はないんだよ。
黒豚、お前らチンピラ教員には生徒の人格に物を申す資格は無いんだよ。
黒豚、部活だけ指導してろよ。一般の生徒にね、お前らノータリンは接触したらダメなんだよ。
こっちを向かんかい!黒豚!
こらっ!こっちを向かんかい!
お前をぶっ殺す!
お前を絶対に許すわけにはいかない!
何が入学して万歳組だ!
くそっ!
附属中からのボンボン生徒ばかり贔屓しやがって!
この腐れ!
俺の人生の第一歩の挑戦を邪魔しやがって!
俺の人生の夢を邪魔する権利がお前らにあるのか?ないだろう!
勝手なことほざきやがって!
こっちを向かんかい!俺の目を見らんかい!俺の心の怒りにひれ伏せ!
高校3年の秋、黒豚野郎の言ったとおり、俺の成績は下降の一途を辿った。
奴の傾向が当たったのではない。奴のトカゲ並の知能と下衆の極まりの心情による無意識に表出した「企み」が、俺を暗闇へと進ませた。
この暗闇は暗けば暗いほど
俺の「怒り」を増大させ、それはもはや、「憤怒」となり、化け物となった。
誰もこの「憤慨」極まる暗黒の進撃を止めることはできない。
この時から25歳で就職するまで、俺は心から人間と会話をすることはなかった…
来る日も来る日も奴らを恨み、妬み、僻み、来る日も来る日も睨み続けた。
俺の視線の中に奴らは居なくとも、俺の脳裏の映写機には「怒り」のアーカイブが備蓄されていた。
今もそうだ!
この無限大の大海原は、巨大なスクリーンとなり、俺の脳裏の映写機から放つ、過去の因縁を正確に映し出してる。
おい、黒豚野郎!お前はもう死んだかい?自己中の一生を全うしたのかい?
おい、黒豚野郎!安心するなよ。
俺は地獄の淵までお前を睨み続ける!
俺はお前らを絶対に許さない!
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