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エピローグ
狭間の世界で
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静かな暗闇
僅かに開いた遮光カーテンの隙間から差し込む陽の光が場の在処を不親切に明示している。
此処が何処かと認識するより、誰と一緒に居るかを知らしめる程度の照明
あの子は隣でぐっすり寝ているよ。
仔猫のように俺の左腕に包まって、安心して寝息を立てているよ。
死に疲れたのかな…
俺は右腕を枕にし、上を向いて、目を開けて、起きているフリをして、うつらうつら眠りの縁を泳いでいる。
あの子が言った。
「此処は来世に行く前の停留所。待ちましょう。」と
2人離れず、呼ばれる番を待っている。
あの子が言う。
「同じ願いを思い浮かべるのよ。」と
願いは同じ一つだけ…
あの頃に戻りたい…
笑えた…、本当に心から笑った…
楽しかった…、胸がときめいた…
あの子の宝石のようなブラウン色の綺麗な瞳は、太陽光線を吸収し、漆黒の翡翠のようにも輝いていた。
「また明日!」
「うん!また明日!」
明日は今日と変わりのない日
晴れても曇っても、雨が降っても、楽しい日には変わりがなかった。
一緒に居れば、何も要らない。
魔法のような喜びの存在
俺はそう在りたい、そうあるべき来世を願う。
そして、ふと思う。
今世、いや、既に前世へとページが捲られた先程までの世界において、俺はいつから死にたかったのだと。
そうだなぁ
高校3年の時、もう死にたいと思っていたよ。
そう覚えている。
何故死にたいと思ったか…
それははっきりと分かる。
あの子と離れたから…
同じ世界の何処かにあの子が居たとしても、もう取り返せない。
リセットするしかないと思っていた。
死にたいと…
周り回って、今、狭間の世界であの子とこうして一緒に居るよ。
此処まで辿り着くのにお互い少し疲れたよな。
「何、考えているの?」
あの子が眠りから起きて来た。
「俺たち死にたがるのが早かったのかな?」
俺はあの子にそう聞いた。
「辛くなるのが早かっただけだよ。」とあの子が言った。
「離れたから?」
俺はあの子を誘導する。
「そう。死にたいほど辛くなったのは貴方と離れたから…」
あの子は素直にそう言った。
「だから、願うのよ。来世はずっと一緒にってね。」と
そう笑顔で付け足す。
「人間になれるのかなぁ、俺は男で、お前は女で…、出来ればそう願う。」と俺が楽観的にそう言うと、
「一緒であれば何でもいいの…、石であっても、草であっても、何でも構わない…」
あの子はそっとそう言った。
「死にたいと思わない来世であればいいんだ。」と俺は行き止まりの答えを告げる。
「そう…、一緒に居れれば、死にたくないよ…」
彼女はそう言い、また、安心して眠りに着こうとする。
まだまだ、来世の扉は開かない。
ならば、このままが一番良いのかも知れない。
そう思いながら、俺は押入れ四隅の一角から、
窓辺に差し込む生き物の為の光線を
死物として一定の距離を置いて見遣っている。
悠久の時間がどっぷりと溜まっている暗闇の世界から、
静寂と共に見遣っている。
僅かに開いた遮光カーテンの隙間から差し込む陽の光が場の在処を不親切に明示している。
此処が何処かと認識するより、誰と一緒に居るかを知らしめる程度の照明
あの子は隣でぐっすり寝ているよ。
仔猫のように俺の左腕に包まって、安心して寝息を立てているよ。
死に疲れたのかな…
俺は右腕を枕にし、上を向いて、目を開けて、起きているフリをして、うつらうつら眠りの縁を泳いでいる。
あの子が言った。
「此処は来世に行く前の停留所。待ちましょう。」と
2人離れず、呼ばれる番を待っている。
あの子が言う。
「同じ願いを思い浮かべるのよ。」と
願いは同じ一つだけ…
あの頃に戻りたい…
笑えた…、本当に心から笑った…
楽しかった…、胸がときめいた…
あの子の宝石のようなブラウン色の綺麗な瞳は、太陽光線を吸収し、漆黒の翡翠のようにも輝いていた。
「また明日!」
「うん!また明日!」
明日は今日と変わりのない日
晴れても曇っても、雨が降っても、楽しい日には変わりがなかった。
一緒に居れば、何も要らない。
魔法のような喜びの存在
俺はそう在りたい、そうあるべき来世を願う。
そして、ふと思う。
今世、いや、既に前世へとページが捲られた先程までの世界において、俺はいつから死にたかったのだと。
そうだなぁ
高校3年の時、もう死にたいと思っていたよ。
そう覚えている。
何故死にたいと思ったか…
それははっきりと分かる。
あの子と離れたから…
同じ世界の何処かにあの子が居たとしても、もう取り返せない。
リセットするしかないと思っていた。
死にたいと…
周り回って、今、狭間の世界であの子とこうして一緒に居るよ。
此処まで辿り着くのにお互い少し疲れたよな。
「何、考えているの?」
あの子が眠りから起きて来た。
「俺たち死にたがるのが早かったのかな?」
俺はあの子にそう聞いた。
「辛くなるのが早かっただけだよ。」とあの子が言った。
「離れたから?」
俺はあの子を誘導する。
「そう。死にたいほど辛くなったのは貴方と離れたから…」
あの子は素直にそう言った。
「だから、願うのよ。来世はずっと一緒にってね。」と
そう笑顔で付け足す。
「人間になれるのかなぁ、俺は男で、お前は女で…、出来ればそう願う。」と俺が楽観的にそう言うと、
「一緒であれば何でもいいの…、石であっても、草であっても、何でも構わない…」
あの子はそっとそう言った。
「死にたいと思わない来世であればいいんだ。」と俺は行き止まりの答えを告げる。
「そう…、一緒に居れれば、死にたくないよ…」
彼女はそう言い、また、安心して眠りに着こうとする。
まだまだ、来世の扉は開かない。
ならば、このままが一番良いのかも知れない。
そう思いながら、俺は押入れ四隅の一角から、
窓辺に差し込む生き物の為の光線を
死物として一定の距離を置いて見遣っている。
悠久の時間がどっぷりと溜まっている暗闇の世界から、
静寂と共に見遣っている。
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