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ここは人間と魔物の争いが絶えない世界。人々は魔物を嫌い、魔物もまた人間を嫌う。それが理由か互いに戦いから1歩も引かずに戦っていた。
そんな世界で魔物の為に武器を作る1人の少女がいた。それが通称『森の武器屋さん』だ。
◆◆◆◆◆
ここは人間領と魔王領の間にある広大な森『サテラの森』。豊かな自然に囲まれるこの森はウサギや鳥、シカやクマなどの様々な動物からゴブリンやオーガ、オークや妖精などの魔物が住む森。この森の動物や魔物はごく一部を覗けば基本草食や雑食の者が多くとても平和な森だ。ただ、1つを覗けば。
その日の森は異様だった。シカやクマの死体が森に倒れていたのだ。これ自体は珍しいが全くないわけではない。稀に肉を食べたくなる者が現れたり他の森から食料を求めてこちらに来て動物を襲うということもある。なので別に不思議なことではなかった。が、今日は少し違った。その死体には噛みつかれたような跡や食い散らかされた跡はなく、代わりに体に大きな傷を負っていた。これが意味することはただ1つ。人間の侵略だ。
森の中心部付近でその問題は起きていた。緑色の肌で身長が人間の子供くらいの大きさの魔物、『ゴブリン』は体を傷だらけにしながらある者達と戦っていた。それは人間の『ギルド』と呼ばれる魔物討伐部隊とだ。
ゴブリンが1匹なのに対し、相手は前衛の剣士2人に後衛の弓矢使い1人の計3人。
「オマエラ!コノモリカラデテケ!」
ゴブリンが片言な言葉で話すと剣士の1人が笑う。
「ぎゃははは!おいおい。こいつ言葉もろくに話せねえってよ」
「こんなゴミとっとと殺して報酬貰おうぜ!」
「だな!こんな楽な仕事で金貨2枚とか得だよな!」
人間が話してる間にゴブリンは人間に背を向けずゆっくりと後ろに下がるが
「逃がすかよ」
弓矢使いがゴブリンの足に矢を放つ。
「ガアァァァ!!」
ゴブリンは足を押さえて発狂する。
「おいおいうるせえな。おい。腕押さえてろ。首を斬る」
「オッケーw」
ゴブリンに剣士2人が近づく。
(ヤダ……。マダシニタクナイ……。セメテ…セメテモットツヨイブキガアレバ……)
剣士がゴブリンまであと少しってところでゴブリンは立ち上がる。
「おいおいこいつ立ったぜw」
「ほんとだwそのままあんよできまちゅか?」
3人はゴブリンのことを完全に舐めていた。ゴブリンはその隙をついて後ろに走り出した。
「だから逃がすかって」
弓矢使いが再び矢を放ちその矢はゴブリンの背に命中する。それでもゴブリンは止まることなく草むらへと走っていった。
「追いかけるぞ!」
3人はすぐにゴブリンの後を追いかけた。
ゴブリンは草むらを利用して上手く人間をまくことに成功した。木に寄りかかりふと前を見ると少し離れたところに普通の木より数倍大きな木があった。
「ナンダ?」
ゴブリンが歩き出すと後ろから足音が聞こえた。
「ヤバイ!」
ゴブリンは走ってその大きな木へと向かった。
大きな木の下には通常の草よりやや薄い草が生えており、大きな木の枝の部分には1つの家が建っていた。
ゴブリンはすぐさま助けを呼ぶべく両手を広げて大声を上げる。
「オーイ!ダレカ!ダレカイナイカ!」
ゴブリンの声に反応するように家のドアが開いた。そしてそこからロープで繋がれた木のはしごが降りてきた。ゴブリンはすぐにそのはしごを登っていった。
はしごを登りきるとそこには全身黒い鎧を着た大柄な者がいた。
「ウワ!」
ゴブリンは驚き尻餅をついたが黒い鎧の人物は手を差し出した。
「大丈夫か?」
鎧の中から女性の声がした。
「アリガト」
ゴブリンが手を取り立ち上がる。
「さ、入りな」
女性はゴブリンを家の中に入れた。
そんな世界で魔物の為に武器を作る1人の少女がいた。それが通称『森の武器屋さん』だ。
◆◆◆◆◆
ここは人間領と魔王領の間にある広大な森『サテラの森』。豊かな自然に囲まれるこの森はウサギや鳥、シカやクマなどの様々な動物からゴブリンやオーガ、オークや妖精などの魔物が住む森。この森の動物や魔物はごく一部を覗けば基本草食や雑食の者が多くとても平和な森だ。ただ、1つを覗けば。
その日の森は異様だった。シカやクマの死体が森に倒れていたのだ。これ自体は珍しいが全くないわけではない。稀に肉を食べたくなる者が現れたり他の森から食料を求めてこちらに来て動物を襲うということもある。なので別に不思議なことではなかった。が、今日は少し違った。その死体には噛みつかれたような跡や食い散らかされた跡はなく、代わりに体に大きな傷を負っていた。これが意味することはただ1つ。人間の侵略だ。
森の中心部付近でその問題は起きていた。緑色の肌で身長が人間の子供くらいの大きさの魔物、『ゴブリン』は体を傷だらけにしながらある者達と戦っていた。それは人間の『ギルド』と呼ばれる魔物討伐部隊とだ。
ゴブリンが1匹なのに対し、相手は前衛の剣士2人に後衛の弓矢使い1人の計3人。
「オマエラ!コノモリカラデテケ!」
ゴブリンが片言な言葉で話すと剣士の1人が笑う。
「ぎゃははは!おいおい。こいつ言葉もろくに話せねえってよ」
「こんなゴミとっとと殺して報酬貰おうぜ!」
「だな!こんな楽な仕事で金貨2枚とか得だよな!」
人間が話してる間にゴブリンは人間に背を向けずゆっくりと後ろに下がるが
「逃がすかよ」
弓矢使いがゴブリンの足に矢を放つ。
「ガアァァァ!!」
ゴブリンは足を押さえて発狂する。
「おいおいうるせえな。おい。腕押さえてろ。首を斬る」
「オッケーw」
ゴブリンに剣士2人が近づく。
(ヤダ……。マダシニタクナイ……。セメテ…セメテモットツヨイブキガアレバ……)
剣士がゴブリンまであと少しってところでゴブリンは立ち上がる。
「おいおいこいつ立ったぜw」
「ほんとだwそのままあんよできまちゅか?」
3人はゴブリンのことを完全に舐めていた。ゴブリンはその隙をついて後ろに走り出した。
「だから逃がすかって」
弓矢使いが再び矢を放ちその矢はゴブリンの背に命中する。それでもゴブリンは止まることなく草むらへと走っていった。
「追いかけるぞ!」
3人はすぐにゴブリンの後を追いかけた。
ゴブリンは草むらを利用して上手く人間をまくことに成功した。木に寄りかかりふと前を見ると少し離れたところに普通の木より数倍大きな木があった。
「ナンダ?」
ゴブリンが歩き出すと後ろから足音が聞こえた。
「ヤバイ!」
ゴブリンは走ってその大きな木へと向かった。
大きな木の下には通常の草よりやや薄い草が生えており、大きな木の枝の部分には1つの家が建っていた。
ゴブリンはすぐさま助けを呼ぶべく両手を広げて大声を上げる。
「オーイ!ダレカ!ダレカイナイカ!」
ゴブリンの声に反応するように家のドアが開いた。そしてそこからロープで繋がれた木のはしごが降りてきた。ゴブリンはすぐにそのはしごを登っていった。
はしごを登りきるとそこには全身黒い鎧を着た大柄な者がいた。
「ウワ!」
ゴブリンは驚き尻餅をついたが黒い鎧の人物は手を差し出した。
「大丈夫か?」
鎧の中から女性の声がした。
「アリガト」
ゴブリンが手を取り立ち上がる。
「さ、入りな」
女性はゴブリンを家の中に入れた。
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