優しい夜のうた

びぅむ

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第2章 天国への階段

突然のサヨナラ

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梶原は私たちを見回して、動揺しながらまた祐を見つめた。

「一体どういうことなんだ?なんで、祥子さんが事故に…」

と梶原が眉をしかめて言うと、そこに集中治療室のドアが開いて、中から白衣をまとった男性医師が現れて、みんなはハッとして医師の周りに集まった。

「手は尽くしたのですが、内臓破裂のため出血がひどく、もう、手の施しようがありません…。どうぞ、中に……」

「えっ……?!」

私の肩に力が入り、地に足が鉛のようにくっついて、動けない。

「萌梨……」

祐が私の肩を支えてくれる。でも、私は頭を横に振った。

「やだ…」

「お母さん、萌梨の顔、見たいんじゃないのか?」

祐が優しくそう言うと、私はたちまち涙が溢れて頬に零れ落ちた。

梶原は、圭太くんと美夜を連れて、すでに中に入っている。

「萌梨、おいで」

と梶原が言うと、私はそんな梶原を見て、お母さんの元に駆け寄った。

「お母さん…!!」

と私が言うと、ベッドの上にいる傷だらけのお母さんが、私を見て微かに唇を動かした。

「え?なに?お母さん、なぁに?」

泣きながら私がそう言うと、お母さんの瞳に涙が溢れてきた。



でも、すでに言葉は声にならずに、お母さんの瞳は虚ろに揺れた。



私はそんなお母さんを見つめると、

「お母さん!?いや!いやあぁーーーッ!」

と肩を揺らしながらそう叫び、泣き崩れた。後ろの方では、梶原が美夜を抱きしめて、祐と圭太くんも肩を抱き合いながら、言葉をなくしていた。






昨日の夜は、祐に抱かれて幸せな一夜だった。彼女がいるって分かっているのに、私はすごく嬉しかったの。理由とか痛みとか、考えたくもないくらい………。

だから、これから毎日が楽しくなるんだって思ったのに…。

なんで?

お母さん、なんで、死んじゃうのよ!

ひどいよ……!!






お通夜で、私は美夜の手を繋ぎ、ずっと会場の一番前の席にいた。親戚が集まり、みんなが梶原を慰めて、私たちにも同情の視線が集まる。

逃げ出したい衝動にかられてきつく目を閉じると、祐が私の後ろから、肩にそっと手を置いた。

「俺がそばにいるよ」

小さく祐がそう言うと、私は余計に涙が溢れてきて、小さく頷いた。
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