57 / 138
第7章 権力という武器
はじめての楽しい朝
しおりを挟む
*
私は朝の家事を終えてようやく家を出ると、そこに佃島先輩が手を振って待っていてくれた。私は驚いて先輩を見ると、
「早くいこ!」
と先輩が言いながら私の手を掴むと、
「待ってたの?いいのにぃ」
と私は言いながら笑ってしまった。すると、先輩は私の鞄を奪い取り、
「遅刻しちゃうよ!急げ急げ!!」
と言うと私を置いて走り出してしまった。私は慌てて先輩の背中に向かって、
「鞄、返してよ!」
と叫んで追いかけると、先輩は何だか楽しそうに笑っていた。私も、そんなやりとりに笑ってしまう。
先輩のこういうとこ、好きだよ。
自然に人を笑顔にしてくれる。
少しだけ、悲しい記憶も忘れていられるような…。
*
「萌梨んちのあの親父、お偉いさんなの?」
学校の屋上で、私と先輩はのんびり空を見ていた。私は少し俯いて、
「去年、副社長に就任したのよ。毎日忙しいみたい。私も会社のことは、よくわからないけど」
と言うと、先輩は「ふぅん…」と言いながら何やら考えごとをしているみたいだ。
「萌梨のお母さんも、その会社にいたんだよな?なんか、会社の中で陰謀とか、恨みとか、あるのかな?」
「……まさかぁ…」
私は少し笑ったけれど、改めて考えたこともなくて思いを巡らせてみた。そこに、私の携帯電話が鳴って、
「誰だろ?」
と呟きながらポケットから携帯電話を取り出して見てみると、坂井さんからの電話だった。
「もしもし?今、学校?シゲルもいるの?」
坂井さんが尋ねると、私は頷いた。
「はい」
「夕べは…大丈夫だった?」
「はい……でも………更に怖さが増しました……」
私がそう言うと、隣にいた先輩は私を見つめて手を繋いだ。
「……今日、放課後、君の家に行く。部屋に鍵をつけよう。心配しなくていい。それより、圭太くんから聞いたんだけど………その、君の、ビデオがあるって聞いたんだけど、君はそれがどこにあるか、知ってる?」
私は朝の家事を終えてようやく家を出ると、そこに佃島先輩が手を振って待っていてくれた。私は驚いて先輩を見ると、
「早くいこ!」
と先輩が言いながら私の手を掴むと、
「待ってたの?いいのにぃ」
と私は言いながら笑ってしまった。すると、先輩は私の鞄を奪い取り、
「遅刻しちゃうよ!急げ急げ!!」
と言うと私を置いて走り出してしまった。私は慌てて先輩の背中に向かって、
「鞄、返してよ!」
と叫んで追いかけると、先輩は何だか楽しそうに笑っていた。私も、そんなやりとりに笑ってしまう。
先輩のこういうとこ、好きだよ。
自然に人を笑顔にしてくれる。
少しだけ、悲しい記憶も忘れていられるような…。
*
「萌梨んちのあの親父、お偉いさんなの?」
学校の屋上で、私と先輩はのんびり空を見ていた。私は少し俯いて、
「去年、副社長に就任したのよ。毎日忙しいみたい。私も会社のことは、よくわからないけど」
と言うと、先輩は「ふぅん…」と言いながら何やら考えごとをしているみたいだ。
「萌梨のお母さんも、その会社にいたんだよな?なんか、会社の中で陰謀とか、恨みとか、あるのかな?」
「……まさかぁ…」
私は少し笑ったけれど、改めて考えたこともなくて思いを巡らせてみた。そこに、私の携帯電話が鳴って、
「誰だろ?」
と呟きながらポケットから携帯電話を取り出して見てみると、坂井さんからの電話だった。
「もしもし?今、学校?シゲルもいるの?」
坂井さんが尋ねると、私は頷いた。
「はい」
「夕べは…大丈夫だった?」
「はい……でも………更に怖さが増しました……」
私がそう言うと、隣にいた先輩は私を見つめて手を繋いだ。
「……今日、放課後、君の家に行く。部屋に鍵をつけよう。心配しなくていい。それより、圭太くんから聞いたんだけど………その、君の、ビデオがあるって聞いたんだけど、君はそれがどこにあるか、知ってる?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)
MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。
しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。
母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。
その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。
純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。
交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる