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第10章 壊れた夢
地獄からの脱出
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『もう、好きにはさせないからな!!』
祐は私の肩を抱いて部屋を飛び出すと、
「ま、待て!!祐!萌梨…!!」
と部屋から梶原の声が聞こえてきていた。
私と祐が階段を駆け降りると、玄関に坂井さんがいて2階から降りて来た私と祐を見て、
「急げ!!」
と言って手を差し伸べてくれた。坂井さんは私の腕を力強く引っ張ると、私は驚いて坂井さんを見ながら、
「坂井さん…!圭太くんと美夜が…」
と言いかけると、坂井さんはしっかり頷いて、
「大丈夫!車にいるよ。行こう!!」
と答えると、私は目を丸くして立ち止まってしまった。すると、祐は私の背中を押して、
「とにかく行こう!!」
と言うと、私は再び祐を見つめて小さく頷くと、靴を履いて急いで家を飛び出した。
坂井さんが、そこに停まっているミニバンのドアを勢いよく開けると、圭太くんと美夜が寄り添っている姿が見えて、
「美夜!圭太くん…!良かった!」
と泣きながら言うと、私はホッと胸を撫で下ろして車に乗り込んだ。
車の中で、坂井さんが助手席に座っていて、運転席には初めて見る若い男性がいた。坂井さんと同じ刑事だという。自己紹介をする間もなく、とにかく自宅から早く遠ざかるため彼は運転に集中し、私もまだ胸がドキドキして涙が止まらない。私は隣に座る美夜を、祐は圭太くんをキツく抱きしめていた。
それから、祐は腕を伸ばして私の手を握りしめると、
「…ごめん、萌梨。俺、なんにも知らなかった。守ってあげられなくて、ごめん…。本当に、ごめんよ。辛かったろ?」
と優しく言うと、私は驚いて祐を見つめて、止まりかけた涙がまた溢れて、祐のその手を握り返した。
「もう、いい。もう、いいの。私、こうして、また祐に会えて…それだけでいい!生きていてくれた。ホントに良かった!!」
「萌梨!」
祐はそんな私をしっかりと手を握りしめてくれて、その温もりが懐かしくて、嬉しくて、私は涙が止まらなかった。
祐は私の肩を抱いて部屋を飛び出すと、
「ま、待て!!祐!萌梨…!!」
と部屋から梶原の声が聞こえてきていた。
私と祐が階段を駆け降りると、玄関に坂井さんがいて2階から降りて来た私と祐を見て、
「急げ!!」
と言って手を差し伸べてくれた。坂井さんは私の腕を力強く引っ張ると、私は驚いて坂井さんを見ながら、
「坂井さん…!圭太くんと美夜が…」
と言いかけると、坂井さんはしっかり頷いて、
「大丈夫!車にいるよ。行こう!!」
と答えると、私は目を丸くして立ち止まってしまった。すると、祐は私の背中を押して、
「とにかく行こう!!」
と言うと、私は再び祐を見つめて小さく頷くと、靴を履いて急いで家を飛び出した。
坂井さんが、そこに停まっているミニバンのドアを勢いよく開けると、圭太くんと美夜が寄り添っている姿が見えて、
「美夜!圭太くん…!良かった!」
と泣きながら言うと、私はホッと胸を撫で下ろして車に乗り込んだ。
車の中で、坂井さんが助手席に座っていて、運転席には初めて見る若い男性がいた。坂井さんと同じ刑事だという。自己紹介をする間もなく、とにかく自宅から早く遠ざかるため彼は運転に集中し、私もまだ胸がドキドキして涙が止まらない。私は隣に座る美夜を、祐は圭太くんをキツく抱きしめていた。
それから、祐は腕を伸ばして私の手を握りしめると、
「…ごめん、萌梨。俺、なんにも知らなかった。守ってあげられなくて、ごめん…。本当に、ごめんよ。辛かったろ?」
と優しく言うと、私は驚いて祐を見つめて、止まりかけた涙がまた溢れて、祐のその手を握り返した。
「もう、いい。もう、いいの。私、こうして、また祐に会えて…それだけでいい!生きていてくれた。ホントに良かった!!」
「萌梨!」
祐はそんな私をしっかりと手を握りしめてくれて、その温もりが懐かしくて、嬉しくて、私は涙が止まらなかった。
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