優しい夜のうた

びぅむ

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第10章 壊れた夢

萌梨の痛み

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そうして、友達が助けに来てくれたんだ。日本の警察が味方についてくれて、監禁目的や犯人を調べているうちに、父さんの名前が出て来た…って聞いた。日本から来た刑事から、父のことが問題になるかもしれない、と言われて、何だか胸騒ぎがして、もっと詳しいことを知りたくなった。俺を救出してくれた刑事は坂井さんが送り込んでくれた人で、少し落ち着いてから電話で直接坂井さんと話したんだよ。坂井さんが萌梨と美夜のことを心底心配してくれてるのは、話しててよく分かった。それで、美夜が父に虐待を受けていたこと、萌梨も気付いて美夜を庇い、同じ目に遇っているということを初めて聞いた。最初聞いたときは、そんなのは嘘だと思ったよ。そんな、ドラマとかなんかの話をパクっただけかと。でも、色々思い返して、分かったんだ。俺が日本を出る時、萌梨は傷ついていたから俺の顔も見れなかったんだな…。俺、何にも知らなくて、萌梨が俺をシカトするのは嫌われたからだと思って、一人で傷ついてたよ。馬鹿だよな。で、お母さんの事故にも不審なことがあって、事件の可能性もあるから調査してるって聞いて…。だんだん、俺はいてもたってもいられなくなったんだ。なんとかして早く帰国したくて坂井さんに協力してもらって、やっとこうして日本に帰ってくることができたんだ」

祐の言葉に私はまた涙が溢れてくると、俯いてしまった。膝の上で握り締めた拳が、微かに震えている。祐と坂井さんは顔を見合わせて、祐は私の前に回って膝をついて私の拳を両手で優しく包みこんだ。

「萌梨。いろいろと苦労かけてごめん。俺を憎んだだろ?憎んでいいよ。坂井さんは、萌梨を庇ってなかなかホントのことを言わないし、圭太にメールしても、お姉ちゃんたちを助けて、しか言わないから、日本に帰ってきてからも家に帰る前に自分で調べてみた。だけど、坂井さんが捜査室を外されたとか、萌梨の…友達がチンピラに襲われたことで、ただ事じゃないって分かった。俺、その友達、佃島滋に会ってきたんだ。彼から、ちょっと聞いた。親父に何をされていたのか。…彼は、泣きながら話してくれたよ。今は体が動けないから、どうか萌梨を助けにいってほしいって…」
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