優しい夜のうた

びぅむ

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第11章 神様は、いない

祥子の過ち

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確証は何も、なかったけれど。たまたまの事故かもしれない。祥子のために人を1人殺すなんて馬鹿げたことを、するわけがない。祥子は、そう自分に言い聞かせた。だけど、俊一くんがいなくて、生活がかなり困難になった。祥子はパートとしての収入しかなかったからね。それを援助してくれたのが梶原だ。そして、祥子の娘の美夜が、梶原の子供の可能性がある。梶原は美夜のためにも、一緒になりたいと申し立ててきた。

『美夜のために、そして萌梨にとっても、父親がいたほうが世間体には良い。昔のこともあるから、僕を100%信じられないかもしれないけれど、ゆっくりでいいから、僕を受け入れてほしい』

まるでこの時のために、用意していたセリフみたいだよね。梶原は、それは紳士的に祥子に求婚し続けた。そして、祥子はそんな梶原に惹かれている部分が、少なからずあると気付いて、さらに悩んだんだ。憎しみと愛情が、紙一重だった。彩子の遺言もあり、子どもたちの将来のために、梶原との再婚を決心したんだ。例えそれが、間違いだと分かっていても……」

おばあちゃんはそう言うと、少しだけ目を閉じて深呼吸をした。私は頬の内側を噛んで、顔を上げた。

「お母さんは、あんなヤツを愛してなんかいなかった!あいつは、美夜に酷いことをしていたのよ!私だって…」

と私は思わず身を乗り出して言うと、祐はそんな私の背中に手を添えた。
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