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第4章 背中合わせの答え
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翔平は指輪のケースから指輪を外すと、腕を伸ばして私の左手の薬指に指輪をはめようとしていた。
いいの?
受け入れたら、もう坂井さんとは完全に終わりだよ。遊びでズルズル付き合うような女じゃない。ハッキリしない関係なら、ここでキッパリ終わりにする。
『俺の可愛い雪子』
『雪子。うちに寄ってけよ』
『キスとやらしいことは別だろ?』
『俺とのキスより、気持ち良かった?』
なんで……?
なんで、坂井さんの顔が浮かぶの?あんな駄目な人…他にいないのに。
キスされた時、有頂天になるくらい嬉しくて、眠れなかった。会うたび、キスしてくれたよね。キスする時は、凄く優しいの。甘くて、優しくて。愛されてると錯覚してしまいそうなの。
坂井さんの瞳。声。匂い。癖も、煙草を吸う仕草も。全てが鮮明に、脳裏に蘇る。付き合えるとも限らないのに。
坂井さんのこと、私はこんなにも……。
私は、指輪をはめようとしている翔平の手を止めた。
「ごめんなさい。結婚、できません」
「雪ちゃん?!」
翔平は驚いて私を見つめた。
「理由、聞いても良いかな」
理由…。それは…。
「君の周りにいる何人かの会合の友達が、原因?」
「会合…?そうね。会合かもしれない。一年に数回、みんなの都合を合わせて落ち合うことになっている仲間がいる。でも、原因、ではないわ。その人たちの話、少し、聞いてくれる?」
私が静かに話し始めると、翔平は頷いた。
いいの?
受け入れたら、もう坂井さんとは完全に終わりだよ。遊びでズルズル付き合うような女じゃない。ハッキリしない関係なら、ここでキッパリ終わりにする。
『俺の可愛い雪子』
『雪子。うちに寄ってけよ』
『キスとやらしいことは別だろ?』
『俺とのキスより、気持ち良かった?』
なんで……?
なんで、坂井さんの顔が浮かぶの?あんな駄目な人…他にいないのに。
キスされた時、有頂天になるくらい嬉しくて、眠れなかった。会うたび、キスしてくれたよね。キスする時は、凄く優しいの。甘くて、優しくて。愛されてると錯覚してしまいそうなの。
坂井さんの瞳。声。匂い。癖も、煙草を吸う仕草も。全てが鮮明に、脳裏に蘇る。付き合えるとも限らないのに。
坂井さんのこと、私はこんなにも……。
私は、指輪をはめようとしている翔平の手を止めた。
「ごめんなさい。結婚、できません」
「雪ちゃん?!」
翔平は驚いて私を見つめた。
「理由、聞いても良いかな」
理由…。それは…。
「君の周りにいる何人かの会合の友達が、原因?」
「会合…?そうね。会合かもしれない。一年に数回、みんなの都合を合わせて落ち合うことになっている仲間がいる。でも、原因、ではないわ。その人たちの話、少し、聞いてくれる?」
私が静かに話し始めると、翔平は頷いた。
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