君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第6章 おじさんが恋人ですが、何か…?

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『ディナー、何時に終わる?』

なんて、俺が折れて聞いちゃう始末だ。

駄目だ、俺。

恋愛なんてほぼ初心者だから、駆け引きとか無理。年だけ30年以上くっただけで、恋愛経験ほぼ99%ないに等しい。

はあっ。なんか、色々とめんどくさい。俺が!

『9時。遅いからいいよ。張り込みでしょ?頑張って。てか、マメにメールくれるのキモ…』

これ、彼女からのメールなんだけど。

冷たくね?

冷たすぎませんか?!

おじさん相手だと、こんなもん?

年下すぎる彼女って、こんなもん?!

俺はため息をついて、缶コーヒーを一口飲んだ。

冷めてる…。

そこに、携帯電話に着信があった。テレビ局の中にいる仲間からだ。

「今日の収録は無事に済んだ。この後自宅に送り、今日の任務はそれで終了だ」

「へーい」

通話を終わりにして、俺は携帯電話をポケットにしまった。

料理研究家タレントで今大人気の西片麻美という20代後半くらいの美女。彼女はテレビ番組を二つ持っているし、本も出して大人気だが、彼女の事務所や自宅に脅迫状や脅迫電話が来た。握手会や料理教室は全部中止しろ、さもなくば…というような内容だが、何処まで本気の脅迫なのかが分からない。まだ被害は出ていないが、料理研究家といえば、確か雪子の母親もそんなような仕事だと聞いてたような。
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