君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第7章 結婚と同棲

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「刑事が女子高生を部屋に連れ込むってことが、すでに犯罪なんだけどなぁ」

「えっ」

それ、言っちゃう?それ言われたら、俺、完全アウトなんだけど…!

「可愛いよな、雪子ちゃん」
「てか、綺麗な人ですよね」
「坂井さんにはもったいない」
「誰か友達紹介してくださいっ」

何故か気づいたら周りに何人か集まってきて、みんなが俺に詰め寄ってきた。

いや、いつの間に、みんな雪子のこと見てたんだよ。

というのも、雪子は結構この署に出入りしている。残業や泊まりが多い時は、雪子が差し入れしてくれてたし、俺だけにじゃなくて、他の人の分もおにぎり作ってたりして。愛想はあまりよくないけど、そのクールなとこが何故か気に入られている。若いってだけで、こうも人気者になるのか。せめてもの救いが、そのクールさだけどな。

「脅迫状は、犯人特定できそうっすか?」

あえて話題を変えてみた。榊原警部は頷き、

「脅迫状から指紋が検出されてる。夕べ捕まえた奴は脅迫状関連の犯人とは違う。ただの男女関係のもつれだっただけだ。元カレだって。脅迫電話は通話履歴を遡って調べてるけど、脅迫状が問題だな。郵便物として配達されたものではないし」

と答えると、俺は頬杖をついた。

「直接持ってきたってことかぁ。やっぱり家は知られてるよなぁ」
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