勇者に捨てられた死霊術士~彼女が最強に這い戻るまで~

LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定

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第2章「終わりの始まり」

第3話「蹂躙せよ!」

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 エミリアの魂の叫びがリリムダ城塞にこだまする。

 私が滅ぼす!!!
 人類であるだけという理由で、死に絶えるがいい──!

「ひ、ひぃぃい! なんだよ、アイツ! 強すぎるだろう?!」
「逃げろ! 逃げろ! 人を集めろぉぉお!」

 手負いの門番たちがズルズルと這いまわっているが完全無視。
 エミリアはサッと髪をかき上げると、フゥと一息つく、そして───。

 タタタタタッ!!

 軽快に駆けるエミリア。
 目指すは半壊した水門───。そして、その上の見張り台だ。

「借りるわね」

 走りつつ、サッと腰をかがめて門番の装備から片手剣ショートソード二本・・拝借すると、そのまま水門の壁を蹴る。

 タッ!!

 装甲艦の砲撃と体当たりでひしゃげたそれは足掛かりに十分だ。

「ふん!」

 ダンッ!
 ダンッ、ダンッ!!

 蹴り抜かんばかりに踏み込むと、エミリアは跳躍し上へ上へ!!

 傍から見れば垂直の壁を上っているようにも見える。
 そして、あっという間に水門の壁を上り切ると、バサバサバサー!! とマントをはためかせ、瑞々しい肢体を見せつけるが如く空を舞う。

「あ、悪魔……?!」
「ひぃ! こっちに来る! か、鐘をとめるな! とめるなぁっぁ!」

 そして、二手に構えた片手剣のもと、驚愕している門番の眼前に迫り───。

「……うるさいわね。一回鳴らせば十分よッ!」

 一手で未だ激しくカンカンと鳴らす警戒鐘を吊るす紐を断ち切り、さらに一手で門番の喉を掻き切る。
「がふ……?!」
 ビューと血が噴き出す前に、門番の上に鐘が落下し、
 ───ゴワァッァン♪
「あら、いい音」
 そして、鐘に潰される二人と、その出血を覆い隠した。

「邪魔よ……フンッ」
 ガランガラン! と、蹴り飛ばされた鐘が、門番と一緒に激しい音とともに地面に落ちていく。
 エミリアはその体を踏み台としてさらに一跳躍。

 
 バサバサバサッッ!!


 蝙蝠がはばたくように、黒いマントを翻し、褐色の肌を太陽のもとに晒して水門の上空に遷移する。

 そのまま、クルンと曲芸の様に体を翻すと、人間たちの街───リリムダが良く見えた。
 
 ───あぁ、
「いい眺め…………」

 エミリアの視界に映る街。
 その中心をまっすぐに貫き南へ流れていく川の先───。

 それは、川と並行に走る街道と、遥か遠くにみえる人の国の景色。

 あぁ、そこか。
 そこにあるのだな?

 その先に、その道と川の果てに人間どもの都──帝国の首都があるというのだな……!

 バサバサとマントが風を切る。
 
 跳躍の最高点に達した後は、落下するのみ。
 エミリアは無重力と自由落下を楽しみつつ、徐々に遠くに景色を眺めた。

 光景が流れるように下へ下へと下がり、視界は再びリリムダの街。

 そこには、右往左往する人間がウジャウジャといる。

 うふふふふふふふふふふ。

 たくさんいるわね───。

 自警団が、慌てて装備を引っ掴んで事務所に駆け込む。
 ……かと思えば隊列を組んで、右へ左へ───。
 何が起こっているのか、分かっていないのだろう。

 バカな連中。
 何が起こって・・・・・・いるかわからない……?

「───私が怒って・・・・・いる!!」

 クルリと空中で姿勢を変えたエミリア。
 彼女は最後に街の外の景色を視界に収めた。

「あれは───……」

 ほ~う?
 街の外には帝国軍の駐屯地か───……ふむ、一個中隊もいないな?

 まぁいい。

「見つけたわ」

 ──────……スタンッ!!

 エミリアは全てを視界に収めたあと、水門の半ばに強引に船体を突っ込んでいた装甲艦の上に着地した。

 ───チャボンッ!
 膝と腰を使って衝撃を逃がすと、血を吸った剣を左右の川に投げ捨てる。


 こんなもの必要ない。


 すぅぅ……。
聞けリッスン! アメリカ軍マイフォース!!」
傾注アテンション!!!

 ガガガン!!

 装甲艦の中から姿を出したアメリカ海兵隊が、船上で不動の姿勢。
私は命令するアイ オーダー──────」

 ザッ!

 一斉に敬礼を受けたエミリアは、もう容赦などしない。

「───市内をランオーバー蹂躙しろッ《 ザ シティ 》! 焼けバーニング破壊しろデストロイ全部殺せぇぇえジェノサァァァイド!」

 人類は敵だ!!!!!

了解アィコピー! 閣下マム!!』

 最大船速!!

 両舷砲戦用意!!

 陸戦準備!!



 …………───リリムダを蹂躙せよ!!!



『タリホォォォオ!!!』
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