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#3 この世界の人
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「うん。行ってくるよ」
リテルがいつもやるようにドッヂとソンの頭をくりくり撫でてから、俺は家を出た。
元の世界では、人は猿から進化した。
しかしこの世界の人は様々な動物から進化したとして、自分たちのことを「獣種」と呼んでいる。
獣種の一割は「先祖返り」という呼ばれ方に相応しく、先祖の動物とほぼ変わらない頭部を持つ。頭だけ動物でそれ以外は他の獣種同様という、なんとも不思議な姿をしており、加えて先祖の動物と同じ尻尾が生えていたりもする。
顔は人間で尻尾がついているだけなら「半返り」と呼ばれる。「半返り」は獣種の三割くらいらしい。
ただ残り六割の獣種も、指の数と耳の形には先祖動物の名残がある。
俺やケティ、ビンスン兄ちゃん、マクミラ師匠は猿種なので、本当に人間そっくり。
テニール兄貴やエクシあんちゃんは犬種だから、耳は顔の横ではなく、犬のように上の方に付いている。あと、足の指が四本な以外は人間とも猿種とも変わらない。
ストウ村は住人の半数以上が猿種で、残りほとんどが犬種。わずかに羊種や爬虫種が居るくらいだが、先祖返りはドッヂだけ。
ドッヂは素直で明るくてとてもいい子。村でもみんなに好かれている。
それでも、大きな町では先祖返りや半返りってだけで差別する輩がいるらしい。
元の世界で、しかも家族の中で差別されていた俺にとっては、そんなリテルの記憶というか知識を垣間見ただけでもため息が出た。
通りに出ると、広場の方が騒がしい。
「リテル、熱はもう下がったのか?」
何人かが気さくに声をかけてくれる。俺にとっては初対面だけど、リテルはよく知っている人たち。こういうときのリテルがやっていたように笑顔で「大丈夫!」と返す。
自分が自分じゃない人として認識される寂しさ。リテルじゃない俺が村の皆を騙しているような罪悪感。ケティの嬉しそうな笑顔を思い出す。
少し、しんどい。
人だけじゃなく、場所もそう。
村の中は、中世ヨーロッパを舞台にした映画のセットみたい。それが俺の第一印象。
なのに俺は、生まれてからずっと見慣れている村だから、安心感のようなものを覚えもする。どうもこの違和感がむず痒い。
広場では、村長と領監さんを中心にして、村の人たちが集まっていた。
村長の前には大きな毛むくじゃらの死体。顔はゴブリンに似てはいるが、角も尻尾もあるし、だいいち俺たち獣種よりも背が高い。ゴブリンなんて子供と変わらないくらいだから明らかに違う。
「あれ、カリカンジャロスって言うらしいぜ」
先に来ていたビンスン兄ちゃんが、解説してくれる。
ストウ村では初めて見る魔物だったから、昨日は朝から農作業ができないくらいに皆、騒いでいた。
ラビツたち四人組の傭兵が南の山を越えたルートでストウ村を訪れたのは、そんなタイミングだった。
一晩の宿を約束してくれるなら退治してあげようって持ちかけてきたのに対し、村長が領監さんに頼み込んで許可出しの了承を得たという。
通常、魔物が出たら寄らずの森の魔女様に報告しに行く決まりなのだけれど、そもそも魔女様は魔物が出る寄らずの森に住んでいらして、報告に行くには森の中へ入らないといけない。
普段から森の中に入っているマクミラ師匠はフォーリーの市へ行っていたテイラさんの護衛で村に居なかったし、マクミラ師匠の弟子である俺は熱を出して寝込んでいたし。他の人たちは寄らずの森を恐れているし。
それ以外にも、久々の、しかも強さを持つ外部の血だということで、村長としてはその子種のために「歓迎」する理由が欲しかったのかもしれない。
利害関係が一致したラビツたちは、夕方までには魔物を倒して帰ってきた。
あの毛むくじゃらのはカリカンジャロスというゴブリンの亜種であるらしい。そして予定通り、客人たちは「歓迎」された。その「歓迎」の前の食事会で、給仕係をしていたケティがラビツに手首をつかまれていたのをビンスン兄ちゃんは見ていたらしい。
「安心しろよ、リテル。ケティはちゃんと断っていたぜ。だから生まれてきてもお前の子だよ」
そこで俺は冷静になった。
広場の声が聞こえてくるくらいの場所にある家。穴が空いただけの窓。ケティの声が、まだ耳元に残っている……そりゃ、聞こえるよな。恐らく俺たちのことを耳で把握したのはビンスン兄ちゃんだけじゃない。
皆、農作業に行っていると思って油断していた。さっきケティと見つめ合ったとき以上に恥ずかしくて、俺の顔は今、真っ赤だろう。
「あれ? でもなんでケティもあそこに居るんだ?」
村長と領監さんの前に並んでいるのは……恐らく昨晩「歓迎」をしたと思われる女性陣とケティ。
「ケティは昨晩、お前の看病でずっとお前のすぐそばにいたんだぜ。だから俺はドッヂとスンの寝藁で一緒に寝たっつーのに」
ケティ……。
ケティからリテルへの想いが、胸にジンと来る。ありがとうケティ。
「手首をつかまれていたのも含める……ってことはリテル、ケティとイチャイチャしたお前もあそこに一緒に行かないといけないっぽいぞ」
領監さんの話によると、先程、一斉に頭痛が起きたのは呪詛の可能性があるとのこと。
頭痛が発生した人たちの共通点は、昨晩「歓迎」をしていた者や給仕をしていた者、そしてその家族や、ごく親しい友人。
呪詛は肌と肌を長時間接触させることで伝染する。握手や挨拶のキスも含め、念のため接触のあった村人たちはこちらへ集まるようにと言っている。
呪詛という言葉にどよめきが起きる。ケティが暗い表情で俺を見つめている。
「だから俺はよそ者を歓迎するとか反対だったんだ」
誰かが声を上げた。
俺も反対だったと誰かが続き、しばし騒然となる。その喧騒に一番多く聞こえる「よそ者」という言葉が、俺に何度も突き刺さる。
俺もよそ者だ。皆の親しいリテルの体を乗っ取ったよそ者なんだ。
「静かに!」
領監さんの声で落ち着いた後、しばらく皆でどうするかを話し合っていたようだ。でも俺だけは、その場に居ながらそんな皆を遠く感じていた。
なんで俺はこの世界に居るんだろう。実は全部夢で、覚めたら有主利照の現実の続きに戻って、熱も引いていて。
手のひらを見つめる。握りしめてしまっていた拳の内側には爪が食い込み、うっすら血が滲んでいる。こちらの世界の方をリアルにしか感じない。
「俺が魔女様に報告してくる!」
気がついたら手を上げていた。
ケティのつらそうな顔を見たくないとか、リテルじゃない俺が村の皆を騙している罪悪感への贖いとか、魔女様ならば俺の心が元の世界へと戻る方法を知っているのではないかとか、あとはただ単に、この場に居る自分が勝手に感じている疎外感から逃げ出したいとか、理由は色々。
「リテル、魔女様の家までの道は覚えているのか?」
マクミラ師匠の落ち着いた声。
この村の人たちには黒髪や濃いめの茶髪が多い中、少し緑がかった髪のマクミラ師匠が、厳しいけれど優しい目で俺を見つめている。
リテルの記憶を確かめた後で、俺は力強く答えた。
「覚えています」
領監さんが、寄らずの森の魔女様に宛てた状況説明の手紙を書いている間、俺は自宅に戻って出発の準備をする。
肌同士を触れ合わせなければ呪詛は伝染らないというが、俺はドッヂとスンの頭を撫でてしまっているし、その二人をリテルの母さんは抱きしめちゃったりしている。
領監さんの話では、もし本当に呪詛だとしても、その効果はまだわからないし、それを持ち込んだと思われるラビツたちが元気でいたことからも致命的なモノではないはずだとも言う。でも俺が撫でちゃったことで、リテルの家族に何か悪いことが起きてしまったら、リテルにもケティにも申し訳ない。
「リテル、ご飯は食べてから行きなさい」
リテルの母さんは優しい笑顔を浮かべる。
元の世界の家族にはなかった笑顔。だけどそれは俺に向けられたものではなく、リテルへ向けられたもの。この温かさを素直に受け取れないのが苦しい。
食卓につき、木の実入りの黒パンをキャベツのスープにひたして口へと放り込む。塩味が物足りないけれど、リテルにとっては慣れ親しんだ味。リテルにとっては。
「リテル、つらいのならば無理しなくてもいいんだよ」
「大丈夫です。緊張しているだけです」
残りを、胸につかえない程度にかっこみ、俺は自分とビンスン兄ちゃんとの二人部屋へと戻った。
革ブーツの紐をしっかりと結び直し、革の脛当てを膝下に取り付け、ベルトでキツめに留める。
立ち上がって何度か軽く跳び、脛当ての具合を確かめると、次は俺用の木箱の上に置いてある厚手の革ベルトを腰に巻く。このベルトには小物入れや短剣の鞘、それから背中側には手斧の鞘までついている。短剣や手斧を装着するとかなり重みが出るものだから、腰ベルトから垂直に伸びている補助の肩掛けベルトもしっかりと肩の馴染む場所へとポジショニングする。
庶民の家には鏡なんてものはないから確認はできないけれど、工事現場の人が着ている安全反射ベストみたいに見えるだろうな。
次は手斧と短剣を鞘に収め、ポンチョみたいな上着をかぶる。袖は七分袖で、裾は膝まで届くくらい。これは腰にごちゃごちゃ付けたものが森の中で枝やら何やらにひっかからないようにするため。
本気の狩りのときは、この上着に鹿の糞を塗り込んだりもする。狩猟期間が終わったらしっかり濯ぎ洗いをするのだけど、灰汁を使ってけっこうゴシゴシやったにも関わらず、「森の臭い」は抜けきっていない。
今みたいにやらなきゃいけないことに集中しているときや、元の世界のことを考えて現実逃避しているときはちょっと落ち着く――だがそういう静寂は得てして長くは続かないものだ。
ケティが、思い詰めた表情で部屋へと入ってきた。
● 主な登場者
・有主利照/リテル
猿種、十五歳。リテルの体と記憶、利照の自意識と記憶とを持つ。
リテルの想いをケティに伝えた後、盛り上がっている途中で呪詛に感染。寄らずの森の魔女様への報告役に志願した。
・ケティ
リテルの幼馴染の女子。猿種、十六歳。黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。
リテルとは両想い。熱を出したリテルを一晩中看病してくれていた。
・ビンスン兄ちゃん
リテルの兄。部屋も一緒。猿種、十八歳。
ケティと盛り上がっていたのが、どうやら聞こえていたらしい。
・ドッヂ
リテルの弟。猿種の先祖返り。
・ソン
リテルの妹。ドッヂとは双子。猿種。
・マクミラ師匠。
ストウ村の住人。リテルにとって狩人の師匠。猿種の男性。
・テニール兄貴
ストウ村の門番。犬種の男性。傭兵経験があり、リテルにとって素手や武器での近接戦闘を教えてくれる兄貴分。
・エクシあんちゃん
リテルの幼馴染の男子。犬種、十八歳。二年前より領都フォーリーで兵士として働いている。
イヤミが多いのが玉にキズだけど腕力はある。ケティのことを好き。
・村長
ストウ村の村長。猿種の男性。村のためによかれと思って「歓迎」を主導した。
・テイラさん
村長の息子。定期的に領都フォーリーを訪れている。猿種。
・領監さん
領主様より派遣された監理官。爬虫種の男性。魔法や呪詛についての知識がある。
・ラビツ
久々に南の山を越えてストウ村を訪れた傭兵四人組の一人。ケティの唇を奪った。
・寄らずの森の魔女様
通常、魔物が出たら寄らずの森の魔女様に報告しに行く決まりだった。
・カリカンジャロス
顔はゴブリンに似ているが、角も尻尾もある毛むくじゃらで獣種よりも大きな魔物。
ゴブリンの亜種と言われている。
■ はみ出しコラム【獣種】
獣種は基本的には人間の耳を動物の耳に取り替えたような外観である。耳の位置も「先祖」とされる動物に近い位置にある。
大雑把なカテゴリで分けられていて、その中で細かく亜種として分かれる場合もある。
以下に幾つかの獣種を挙げる。「:」の右側に動物名があるものは、亜種だが同じ獣種としてカテゴライズされているもの。
・体躯が大きい獣種
牛種:
熊種:
象種:
河馬種:
・体躯が大きい~平均くらいの獣種
馬種:ロバ、
猪種:
鹿種:トナカイ
爬虫種:※基本獣種以外(基本獣種はトカゲ)ワニ、亀、
・平均的な体躯の獣種
猿種:
猫種:獅子、虎、
犬種:狼、狐、
羊種:
・体躯が平均~小さい獣種
山羊種:
鳥種:※翼はないため空は飛べない
爬虫種:※基本獣種のみ(基本獣種はトカゲ)
両生種:(基本獣種は蛙)
・体躯が小さい獣種
鼠種:(基本獣種はネズミ)リス、兎、
・指の数
手の形は、馬種でろうが鳥種であろうが、蹄でも翼でもなく、普通の人間の手と同じ形状をしている。
ただし指の数は五本だったり四本だったりする。「先祖」とされる動物(の骨の数)と同様の指の数。
・胎生/卵生/交配
獣種同士は交配が可能。生まれてくる獣種は交雑することはなく、必ず両親のどちらかの獣種を引き継ぐ。その割合は5:5と言われている。
獣種の先祖が卵生の場合、卵の殻に包まれた状態で生まれてくる。獣種の先祖が胎生の場合は、卵殻ではなくへその緒がつながって生まれてくる。卵生か胎生かは母親の獣種ではなく生まれてくる子の獣種によりどちらかの形態を取る。
・授乳
肉体がほぼ人間と同様な形状であるためか、先祖が卵生である獣種の場合でも母乳が出る。
また獣種によっては、先祖返りや半返りで副乳を持つ者もいる。
・体毛
肉体がほぼ人間と同様な形状であるためか、先祖が体毛を持たない獣種である場合でも、人間同様に体毛に包まれる。
その毛量や毛深さについては獣種ではなく個人で異なる。
爬虫種や両生種の先祖返りや半返りについては体毛がない者もいる。
・先祖返り
獣種の一割ほどが「先祖返り」と呼ばれる姿で生まれる。頭部は先祖動物とほぼ同じ姿。尾がある場合は尾も生えている。
しかしそれ以外の部分においては特に通常の獣種と変わる所はない。ただし会話については若干訛る人も居る。
・半返り
獣種の三割ほどが「半返り」と呼ばれる姿で生まれる。通常の獣種の姿と比べると角や尾が生えている程度の違いしかない。
場合によっては牙や嘴、趾などを備えている。
リテルがいつもやるようにドッヂとソンの頭をくりくり撫でてから、俺は家を出た。
元の世界では、人は猿から進化した。
しかしこの世界の人は様々な動物から進化したとして、自分たちのことを「獣種」と呼んでいる。
獣種の一割は「先祖返り」という呼ばれ方に相応しく、先祖の動物とほぼ変わらない頭部を持つ。頭だけ動物でそれ以外は他の獣種同様という、なんとも不思議な姿をしており、加えて先祖の動物と同じ尻尾が生えていたりもする。
顔は人間で尻尾がついているだけなら「半返り」と呼ばれる。「半返り」は獣種の三割くらいらしい。
ただ残り六割の獣種も、指の数と耳の形には先祖動物の名残がある。
俺やケティ、ビンスン兄ちゃん、マクミラ師匠は猿種なので、本当に人間そっくり。
テニール兄貴やエクシあんちゃんは犬種だから、耳は顔の横ではなく、犬のように上の方に付いている。あと、足の指が四本な以外は人間とも猿種とも変わらない。
ストウ村は住人の半数以上が猿種で、残りほとんどが犬種。わずかに羊種や爬虫種が居るくらいだが、先祖返りはドッヂだけ。
ドッヂは素直で明るくてとてもいい子。村でもみんなに好かれている。
それでも、大きな町では先祖返りや半返りってだけで差別する輩がいるらしい。
元の世界で、しかも家族の中で差別されていた俺にとっては、そんなリテルの記憶というか知識を垣間見ただけでもため息が出た。
通りに出ると、広場の方が騒がしい。
「リテル、熱はもう下がったのか?」
何人かが気さくに声をかけてくれる。俺にとっては初対面だけど、リテルはよく知っている人たち。こういうときのリテルがやっていたように笑顔で「大丈夫!」と返す。
自分が自分じゃない人として認識される寂しさ。リテルじゃない俺が村の皆を騙しているような罪悪感。ケティの嬉しそうな笑顔を思い出す。
少し、しんどい。
人だけじゃなく、場所もそう。
村の中は、中世ヨーロッパを舞台にした映画のセットみたい。それが俺の第一印象。
なのに俺は、生まれてからずっと見慣れている村だから、安心感のようなものを覚えもする。どうもこの違和感がむず痒い。
広場では、村長と領監さんを中心にして、村の人たちが集まっていた。
村長の前には大きな毛むくじゃらの死体。顔はゴブリンに似てはいるが、角も尻尾もあるし、だいいち俺たち獣種よりも背が高い。ゴブリンなんて子供と変わらないくらいだから明らかに違う。
「あれ、カリカンジャロスって言うらしいぜ」
先に来ていたビンスン兄ちゃんが、解説してくれる。
ストウ村では初めて見る魔物だったから、昨日は朝から農作業ができないくらいに皆、騒いでいた。
ラビツたち四人組の傭兵が南の山を越えたルートでストウ村を訪れたのは、そんなタイミングだった。
一晩の宿を約束してくれるなら退治してあげようって持ちかけてきたのに対し、村長が領監さんに頼み込んで許可出しの了承を得たという。
通常、魔物が出たら寄らずの森の魔女様に報告しに行く決まりなのだけれど、そもそも魔女様は魔物が出る寄らずの森に住んでいらして、報告に行くには森の中へ入らないといけない。
普段から森の中に入っているマクミラ師匠はフォーリーの市へ行っていたテイラさんの護衛で村に居なかったし、マクミラ師匠の弟子である俺は熱を出して寝込んでいたし。他の人たちは寄らずの森を恐れているし。
それ以外にも、久々の、しかも強さを持つ外部の血だということで、村長としてはその子種のために「歓迎」する理由が欲しかったのかもしれない。
利害関係が一致したラビツたちは、夕方までには魔物を倒して帰ってきた。
あの毛むくじゃらのはカリカンジャロスというゴブリンの亜種であるらしい。そして予定通り、客人たちは「歓迎」された。その「歓迎」の前の食事会で、給仕係をしていたケティがラビツに手首をつかまれていたのをビンスン兄ちゃんは見ていたらしい。
「安心しろよ、リテル。ケティはちゃんと断っていたぜ。だから生まれてきてもお前の子だよ」
そこで俺は冷静になった。
広場の声が聞こえてくるくらいの場所にある家。穴が空いただけの窓。ケティの声が、まだ耳元に残っている……そりゃ、聞こえるよな。恐らく俺たちのことを耳で把握したのはビンスン兄ちゃんだけじゃない。
皆、農作業に行っていると思って油断していた。さっきケティと見つめ合ったとき以上に恥ずかしくて、俺の顔は今、真っ赤だろう。
「あれ? でもなんでケティもあそこに居るんだ?」
村長と領監さんの前に並んでいるのは……恐らく昨晩「歓迎」をしたと思われる女性陣とケティ。
「ケティは昨晩、お前の看病でずっとお前のすぐそばにいたんだぜ。だから俺はドッヂとスンの寝藁で一緒に寝たっつーのに」
ケティ……。
ケティからリテルへの想いが、胸にジンと来る。ありがとうケティ。
「手首をつかまれていたのも含める……ってことはリテル、ケティとイチャイチャしたお前もあそこに一緒に行かないといけないっぽいぞ」
領監さんの話によると、先程、一斉に頭痛が起きたのは呪詛の可能性があるとのこと。
頭痛が発生した人たちの共通点は、昨晩「歓迎」をしていた者や給仕をしていた者、そしてその家族や、ごく親しい友人。
呪詛は肌と肌を長時間接触させることで伝染する。握手や挨拶のキスも含め、念のため接触のあった村人たちはこちらへ集まるようにと言っている。
呪詛という言葉にどよめきが起きる。ケティが暗い表情で俺を見つめている。
「だから俺はよそ者を歓迎するとか反対だったんだ」
誰かが声を上げた。
俺も反対だったと誰かが続き、しばし騒然となる。その喧騒に一番多く聞こえる「よそ者」という言葉が、俺に何度も突き刺さる。
俺もよそ者だ。皆の親しいリテルの体を乗っ取ったよそ者なんだ。
「静かに!」
領監さんの声で落ち着いた後、しばらく皆でどうするかを話し合っていたようだ。でも俺だけは、その場に居ながらそんな皆を遠く感じていた。
なんで俺はこの世界に居るんだろう。実は全部夢で、覚めたら有主利照の現実の続きに戻って、熱も引いていて。
手のひらを見つめる。握りしめてしまっていた拳の内側には爪が食い込み、うっすら血が滲んでいる。こちらの世界の方をリアルにしか感じない。
「俺が魔女様に報告してくる!」
気がついたら手を上げていた。
ケティのつらそうな顔を見たくないとか、リテルじゃない俺が村の皆を騙している罪悪感への贖いとか、魔女様ならば俺の心が元の世界へと戻る方法を知っているのではないかとか、あとはただ単に、この場に居る自分が勝手に感じている疎外感から逃げ出したいとか、理由は色々。
「リテル、魔女様の家までの道は覚えているのか?」
マクミラ師匠の落ち着いた声。
この村の人たちには黒髪や濃いめの茶髪が多い中、少し緑がかった髪のマクミラ師匠が、厳しいけれど優しい目で俺を見つめている。
リテルの記憶を確かめた後で、俺は力強く答えた。
「覚えています」
領監さんが、寄らずの森の魔女様に宛てた状況説明の手紙を書いている間、俺は自宅に戻って出発の準備をする。
肌同士を触れ合わせなければ呪詛は伝染らないというが、俺はドッヂとスンの頭を撫でてしまっているし、その二人をリテルの母さんは抱きしめちゃったりしている。
領監さんの話では、もし本当に呪詛だとしても、その効果はまだわからないし、それを持ち込んだと思われるラビツたちが元気でいたことからも致命的なモノではないはずだとも言う。でも俺が撫でちゃったことで、リテルの家族に何か悪いことが起きてしまったら、リテルにもケティにも申し訳ない。
「リテル、ご飯は食べてから行きなさい」
リテルの母さんは優しい笑顔を浮かべる。
元の世界の家族にはなかった笑顔。だけどそれは俺に向けられたものではなく、リテルへ向けられたもの。この温かさを素直に受け取れないのが苦しい。
食卓につき、木の実入りの黒パンをキャベツのスープにひたして口へと放り込む。塩味が物足りないけれど、リテルにとっては慣れ親しんだ味。リテルにとっては。
「リテル、つらいのならば無理しなくてもいいんだよ」
「大丈夫です。緊張しているだけです」
残りを、胸につかえない程度にかっこみ、俺は自分とビンスン兄ちゃんとの二人部屋へと戻った。
革ブーツの紐をしっかりと結び直し、革の脛当てを膝下に取り付け、ベルトでキツめに留める。
立ち上がって何度か軽く跳び、脛当ての具合を確かめると、次は俺用の木箱の上に置いてある厚手の革ベルトを腰に巻く。このベルトには小物入れや短剣の鞘、それから背中側には手斧の鞘までついている。短剣や手斧を装着するとかなり重みが出るものだから、腰ベルトから垂直に伸びている補助の肩掛けベルトもしっかりと肩の馴染む場所へとポジショニングする。
庶民の家には鏡なんてものはないから確認はできないけれど、工事現場の人が着ている安全反射ベストみたいに見えるだろうな。
次は手斧と短剣を鞘に収め、ポンチョみたいな上着をかぶる。袖は七分袖で、裾は膝まで届くくらい。これは腰にごちゃごちゃ付けたものが森の中で枝やら何やらにひっかからないようにするため。
本気の狩りのときは、この上着に鹿の糞を塗り込んだりもする。狩猟期間が終わったらしっかり濯ぎ洗いをするのだけど、灰汁を使ってけっこうゴシゴシやったにも関わらず、「森の臭い」は抜けきっていない。
今みたいにやらなきゃいけないことに集中しているときや、元の世界のことを考えて現実逃避しているときはちょっと落ち着く――だがそういう静寂は得てして長くは続かないものだ。
ケティが、思い詰めた表情で部屋へと入ってきた。
● 主な登場者
・有主利照/リテル
猿種、十五歳。リテルの体と記憶、利照の自意識と記憶とを持つ。
リテルの想いをケティに伝えた後、盛り上がっている途中で呪詛に感染。寄らずの森の魔女様への報告役に志願した。
・ケティ
リテルの幼馴染の女子。猿種、十六歳。黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。
リテルとは両想い。熱を出したリテルを一晩中看病してくれていた。
・ビンスン兄ちゃん
リテルの兄。部屋も一緒。猿種、十八歳。
ケティと盛り上がっていたのが、どうやら聞こえていたらしい。
・ドッヂ
リテルの弟。猿種の先祖返り。
・ソン
リテルの妹。ドッヂとは双子。猿種。
・マクミラ師匠。
ストウ村の住人。リテルにとって狩人の師匠。猿種の男性。
・テニール兄貴
ストウ村の門番。犬種の男性。傭兵経験があり、リテルにとって素手や武器での近接戦闘を教えてくれる兄貴分。
・エクシあんちゃん
リテルの幼馴染の男子。犬種、十八歳。二年前より領都フォーリーで兵士として働いている。
イヤミが多いのが玉にキズだけど腕力はある。ケティのことを好き。
・村長
ストウ村の村長。猿種の男性。村のためによかれと思って「歓迎」を主導した。
・テイラさん
村長の息子。定期的に領都フォーリーを訪れている。猿種。
・領監さん
領主様より派遣された監理官。爬虫種の男性。魔法や呪詛についての知識がある。
・ラビツ
久々に南の山を越えてストウ村を訪れた傭兵四人組の一人。ケティの唇を奪った。
・寄らずの森の魔女様
通常、魔物が出たら寄らずの森の魔女様に報告しに行く決まりだった。
・カリカンジャロス
顔はゴブリンに似ているが、角も尻尾もある毛むくじゃらで獣種よりも大きな魔物。
ゴブリンの亜種と言われている。
■ はみ出しコラム【獣種】
獣種は基本的には人間の耳を動物の耳に取り替えたような外観である。耳の位置も「先祖」とされる動物に近い位置にある。
大雑把なカテゴリで分けられていて、その中で細かく亜種として分かれる場合もある。
以下に幾つかの獣種を挙げる。「:」の右側に動物名があるものは、亜種だが同じ獣種としてカテゴライズされているもの。
・体躯が大きい獣種
牛種:
熊種:
象種:
河馬種:
・体躯が大きい~平均くらいの獣種
馬種:ロバ、
猪種:
鹿種:トナカイ
爬虫種:※基本獣種以外(基本獣種はトカゲ)ワニ、亀、
・平均的な体躯の獣種
猿種:
猫種:獅子、虎、
犬種:狼、狐、
羊種:
・体躯が平均~小さい獣種
山羊種:
鳥種:※翼はないため空は飛べない
爬虫種:※基本獣種のみ(基本獣種はトカゲ)
両生種:(基本獣種は蛙)
・体躯が小さい獣種
鼠種:(基本獣種はネズミ)リス、兎、
・指の数
手の形は、馬種でろうが鳥種であろうが、蹄でも翼でもなく、普通の人間の手と同じ形状をしている。
ただし指の数は五本だったり四本だったりする。「先祖」とされる動物(の骨の数)と同様の指の数。
・胎生/卵生/交配
獣種同士は交配が可能。生まれてくる獣種は交雑することはなく、必ず両親のどちらかの獣種を引き継ぐ。その割合は5:5と言われている。
獣種の先祖が卵生の場合、卵の殻に包まれた状態で生まれてくる。獣種の先祖が胎生の場合は、卵殻ではなくへその緒がつながって生まれてくる。卵生か胎生かは母親の獣種ではなく生まれてくる子の獣種によりどちらかの形態を取る。
・授乳
肉体がほぼ人間と同様な形状であるためか、先祖が卵生である獣種の場合でも母乳が出る。
また獣種によっては、先祖返りや半返りで副乳を持つ者もいる。
・体毛
肉体がほぼ人間と同様な形状であるためか、先祖が体毛を持たない獣種である場合でも、人間同様に体毛に包まれる。
その毛量や毛深さについては獣種ではなく個人で異なる。
爬虫種や両生種の先祖返りや半返りについては体毛がない者もいる。
・先祖返り
獣種の一割ほどが「先祖返り」と呼ばれる姿で生まれる。頭部は先祖動物とほぼ同じ姿。尾がある場合は尾も生えている。
しかしそれ以外の部分においては特に通常の獣種と変わる所はない。ただし会話については若干訛る人も居る。
・半返り
獣種の三割ほどが「半返り」と呼ばれる姿で生まれる。通常の獣種の姿と比べると角や尾が生えている程度の違いしかない。
場合によっては牙や嘴、趾などを備えている。
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公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
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そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
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ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
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