異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう

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#83 そよ風にご注意

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 『魔力感知』の粗さを様々に変えながら御者席脇にあるステップへと身を乗り出す間にも、森の中から街道へ続々と現れる人型の淡い光。
 その姿はシュラットの特徴である全身を毛に覆われた人型。ただし燐光をまとっている以外は。
 しかも寿命の渦コスモスは欠片も感知できないまま。
 ルブルムが、背後で仮眠中のエクシクッサンドラを起こす。

「う、後ろにもいるっ!」

 ロッキンさんからの震え声報告。

「あれはウンセーレー・ウィヒトかもしれない」

 ショゴちゃん後方から外を見たと思われるルブルムが別の魔物の名前を出す。
 早速記憶の中から検索する――あった。
 特定の種族名ではなく、現象としての名前。
 異世界からの来訪者が目撃されやすい地域でたまに出現する。
 その場所で大規模な戦争や虐殺、災害など、寿命によらない大量死があると、そこで死んだ者たちの姿が燐光を帯びて夜に現れ、生者へと群がる。
 死者を写した姿であるため、死者次第では複数種族の姿が混在することもある。
 これに触れてしまうと、寿命の渦コスモスむしられるので注意しなければならない――って、これ、いわゆるアンデッドモンスターみたいな感じか?
 火を避けるので、とにかく火を掲げて身を守る――なるほど。
 ショゴちゃんが囲まれている、もとい、まだ襲われていないのって、ショゴちゃんの四方と馬をつないでいるくびき部分にも二つ設置されている灯り箱ランテルナのおかげだろうか。
 現在は六つとも火が灯っているから。

「やつらは火を嫌がるらしい! あと絶対に触られるな!」

 アンデッドモンスターに強いと言えばゲームでは僧侶や神官だけど、明確な神の居ないこの世界ホルトゥスでは、不安感が大き過ぎる。
 せめて火が効くのが助かる。
 あと動きもそんなに早くはない。古いゾンビ映画みたいに。
 ルブルムが皆に松明を渡している間に一つ試してみる。
 『発火』を『魔法付与』でやじりに付与する――発動効果時間が数秒は保つように調整して弓につがえ、火が点ったのを待ってから射掛けた。
 馬に一番近いウンセーレー・ウィヒトに向けて射った火矢は、まるでそこには何も存在しないかのようにウンセーレー・ウィヒトの中央を貫き、さらに何体かを貫通して遥か先の道の上へと落ちた。
 手応えは全然ないが、炎に触れたウンセーレー・ウィヒトはちり紙みたいに簡単に焼け落ちて崩れた。

「あのくらいの火でもいけるのか。予備の槍が何本かあったろう。松明をくくりつけよう」

 エクシクッサンドラとロッキンさんがショゴちゃん後方に構え、ルブルムは松明を持って御者席側に来てくれる。

「マドハト、駆け抜けるぞ!」

「リテルさま! わかりました!」

 しかしショゴちゃんは出発しない。

「マドハト、ブレーキしたままじゃないよな?」

「違う、リテル。馬が怯えている」

 ルブルムは松明付きの槍の一本を俺に投げると、もう一本を持ったままショゴちゃんを飛び降りた。
 そのまま前方へと走り、馬の背中に飛び乗る。
 消費命パーの集中を感じる。
 馬の寿命の渦コスモスが落ち着いてゆくのがわかる――『安心』か!
 俺も同様にショゴちゃんを降り、もう一頭の馬のもとへ。
 ながえを足がかりにして、松明に気をつけながら馬の背中へと飛び乗った。
 すぐに『安心』を発動すると、こっちの馬も少し落ち着いてくれたみたい。

「大丈夫だ。俺が松明で守ってやるから」

 馬の首を優しく撫でると、馬はブルルッと鳴いて答えてくれる。
 状況を察したマドハトがショゴちゃんを今度こそ発進させた。

 ゆっくりと、だが群れて迫りくるウンセーレー・ウィヒトに対し、俺たちは必死に炎で対抗しながら突破を試みる。
 ながえくびき部分にはサスペンションが付いていないし鞍もないしでけっこう揺れるのだが、だからといってそっちにばかり気を取られているとウンセーレー・ウィヒトはあっという間に迫ってくる。
 向こうの動きが遅くとも、こちらは馬を走らせているために相対的な接近速度はかなりのものなのだ。
 そのせいか何度か寿命の渦コスモスを削られた。
 一撃一撃はそれほど痛いものではないが、数の暴力は侮れない。
 とにかく必死に自身と馬とを――時にはルブルムと互いを、守り抜いた。



 どのくらい時間が経っただろうか。

「ウンセーレー・ウィヒトは周囲にもう居ない」

 ルブルムの声に安堵感がこみ上げる。

「マドハト! そっちは大丈夫か?」

「リテルさま! 大丈夫です!」

 初の対アンデッドモンスター戦は、なんとか切り抜けられたのかな。
 アンデッドというより数の暴力がエグい。

「リテル、手を」

 隣の馬に乗ったまま俺に向かって手を伸ばしてきたルブルム。
 手袋を外している手で。
 ハイタッチでもするのかと俺も手袋を片方だけ脱いで伸ばした手を、ルブルムはぎゅっと握った。
 ドキッとしたのもつかの間、ルブルムから消費命パーの集中を感じる。
 伝わってきたのは『アニマ感知』。
 なるほど。ウンセーレー・ウィヒトが居ないと言い切れたのはこれのおかげか。
 肉体と結びついていない魂アニマを感知する魔法。
 厳密には魂だけのものも、魂に寿命の渦コスモスが付随しているものも両方とも「アニマ」と呼ぶのだが、後者は魔法代償プレチウムを必要としない『魔力感知』でも感知できるので、主に前者を感知する感じ。

「ディナ先輩は精霊も感知できると言ってた」

 なるほど。
 魂だけの存在、か。
 ポーも――レムルースも感知できるようだ。

「ありがとう、ルブルム。じゃあそろそろショゴちゃんへ戻ろう」

 ショゴちゃんをいてくれている馬たちは俺たちを背中に乗せながら頑張ってくれたから、いつまでも乗ったままだと疲労も激しいだろうし。

「マドハト! 速度を落としてくれ!」

「リテルさま! わかりました!」

 ショゴちゃん本体へと戻ると、エクシクッサンドラとロッキンさんも後方の幌を上げた状態で、荷台の外へ松明を突き出したまま、肩で息をしている。

「ルブルムが魔法で居ないのを確認したのでもう大丈夫ですよ」

「さっきの聞こえました……けど、松明を消すために馬車を止めて地面に降りて砂をかけるとか、今はできる気分ではありません」

 ロッキンさんの笑顔がひきつっている。

「俺がやる」

 エクシクッサンドラがショゴちゃんから飛び降り、松明の火を消し始める。

「マドハト! いったんショゴちゃんを止めて!」

 俺も一緒に降りて手伝い始めると、ロッキンさんが「おおおおっ!」と自身の頬を叩いてから降りてきた。
 結局ルブルムも降りてきて、皆でそれぞれの松明を消した。



 馬を少しだけ休ませてから、ショゴちゃんは再び出発する。

「しかし、ルブルムさん、すごいですね。死せるシュラットが居なくなったかどうかを感知できるだなんて。魔術師の『魔力感知』でも、熟練の戦士の『気配感知』でも、とらえられないって聞きますのに。さすが、寄らずの森の魔女さまのお弟子さんです」

 ――から始まってルブルムを褒めちぎるロッキンさん。よっぽどシュラットが怖かったんだな。
 一方、ルブルムは褒められまくるのに慣れていないのか照れていて可愛い。
 しかしこの『アニマ感知』でポーのことも感知できるというのは気をつけなきゃいけないだろうな。
 今後もアンデッドモンスターに遭遇するようなことがあった場合、この手の魔法を知っている他の魔術師が同行する場合に備えてポーの存在を隠すような魔法を考えてもいいかもな。
 勘違いされてポーを攻撃されたら嫌だし。

 その後、日が昇るまでは休憩なしでショゴちゃんを走らせ続け、その間ずっと頭の中でポーを守る魔法を作るべく「アニマ」の理解へ向き合い続けた。



 黒き森にもようやく明るさが戻ってくると、皆の肩から力が抜けるのがわかる。
 ローテーションで取ることになっていた仮眠も結局は皆、ちゃんと眠れなかったようだ。
 馬も相当参っているようだったので、少し長めの休憩を取ることにした。

 水で割ったワインに黒パンを浸して口に放り込みつつ、馬の疲労を取る魔法についてルブルムと少し話す。
 疲労を取り除く魔法というのはあるが、それは『遠回りの掟』や『腐臭の居眠り』のように一時的に疲労を体から外しておくだけで後ほど戻ってくるため、結局は倍疲れることになってしまうということ。
 その『疲労締め出し』を教えてもらう。
 肉体的な疲労にいったん体の外に出てもらっておく、という考え方。
 ホルトゥスの魔法にはよくある、現象を擬人化して「遠回り」とか「眠らせる」とか「外に出てもらう」とかいう思考に、俺もだんだん慣れてきた。
 よくよく考えたら、なんでも擬人化する文化は日本にもあったよなって。
 イメージを現象化させるのが魔法な世界だからこそ、現象が擬人化するのも自然なのかもと今は普通に思えるようになった。



 休憩を終え、ショゴちゃんにまた乗り込む。
 そこからはニュナム行きの定期便とすれ違った以外は何にも遭遇せず、昼前にはマンクソム砦へと到着した。

 普段だったら最初に宿の手配をするのだが、今回は砦門を入ってすぐの広場にショゴちゃんを停車させる。
 馬用の共用水桶の近くに。
 マドハトとロッキンさんにショゴちゃんの中へと残ってもらい、馬の世話と荷物の番とをお願いする。
 そして俺とルブルムとエクシクッサンドラとで魔術師組合へ寄ってからラビツ情報を集めに出ることにした。

 まず、ウンセーレー・ウィヒトのことを報告すると、魔術師組合の人は「生き延びたことが報酬だよ」と笑った。
 炎で散ったとしても退治できているわけではなく、復活するのか新たに現れるのか、とにかく数が減ることはないのだという。
 採れる素材があるわけでもなく、「死んでまで迷惑かけやがって」というのはこの辺りの人の実際の想いなのだろう。
 ただ、ああやって出現するにはそれだけの虐殺があったからなのだと考えると、この人のようにシュラットに対して悪態までつく気にはならなかった。

 気持ちを切り替えて娼館街へと向かう。
 アイシスやフォーリーの娼館街に比べると、なんだか全体的にガラが悪い。
 ジャ・バ・オ・クーの洞窟とその付近は、瘴気をまとった魔物や魔人がよく出没するので腕に自信のある者たちが集まってくる。
 脅威ある魔物を仕留めたら、砦の正式な兵士として雇ってもらえるかもしれないからだ。
 身分と給料が保証される王国兵や領兵は人気の職業。
 特にここは王国直轄地。
 ロッキンさんやレムはそんなことはないのだが、同じ王国直轄地である名無し森砦に滞在当時、砦の兵士から、虹爵イーリス・クラティア領とはいえ領兵であるエクシやクッサンドラに対する態度にどことなく尊大さを感じることも少なくなかった。

 でもここは名無し森砦とはかなり違う感じがする。
 砦門や魔術師組合の守衛さん、街中を巡回している砦兵を見る限り――言葉を選ぶとフリーダムな感じ。
 だらしなかったり、奇抜な格好をしていたり、一見して砦兵と分からないような人も少なくない。
 ここはそういう人たちが集まる所なのだろう。
 そして、そういうのを相手する娼館もそれなりにそれなりだった。
 俺たちが若いからというのもあるだろうが、からかわれたり冗談でごまかされたりで真っ当に話をしてくれる人がいない。
 顔を近づけて話を聞いてくれるのかと思ったら唇を奪おうとしたり、いやいきなり股間を握ってきたのも居た。
 念のためルブルムにはフードを深くかぶるようにお願いしてあったのだが、ここいらの人は平気でしゃがんで顔を覗き込んでくる。
 彼らの辞書に礼儀と遠慮の文字はないのだろう。
 エクシクッサンドラもついてきてはくれているが、今朝からずっと調子が悪そうで、油断すると俺たちと距離が離れてしまう。
 ただ話を聞きたいだけなのに、その話を始めさせてもらえない。
 ここと比べたら、フォーリーの娼館街の人たちに「上品」という表現を贈りたくなるくらい。
 俺たちがショゴちゃんを離れるとき、ロッキンさんがうんざりとした顔で「そよ風ヴェントゥス・レーニスにご注意」って言っていたのはこのことか。
 ロッキンさんの故郷では、「よそでの突風はマンクソムでのそよ風」ということわざがあるらしく、それだけ非常識がまかり通っているので有名なのだそうだ。

「リテル、協力報酬を先に見せたら、話してくれるだろうか」

 突然、ルブルムがため息と共にこぼした言葉。

「やめた方がいいね」

 と、俺が言う前に、誰かが先に言った。

「こんな坊っちゃん嬢ちゃんがお金持ってまぁすなんて公言したら、あっという間に奪われちまうぜぇ。奪われるのが財布だけならまだいい方だ……おっ」

 声をかけてきた男は俺たちにズカズカと近づいてきて、突然しゃがむ。

「お嬢ちゃん、綺麗な顔してんねぇ。それだけの器量ならかなり稼げるだろうよぉ」

 ルブルムのフードの中身を見上げて確認してきたのはタレ目の犬種アヌビスッ
 フォーリーでエクシたちに絡まれたときのことを思い出す。

「人を探しているだけなので、失礼します」

 ルブルムの手を引き、とりあえずその場を離れる。
 変なのに絡まれてもここの砦兵は頼りにならないし、こんなスラムみたいな街でも砦内の往来では魔法の使用が禁止されているし。
 君子は危うきに近寄らないのが一番だ。

「あれぇ? どこいくんだい? オレっちが手伝ってあげようかぁ?」

 イラッとする話し方だが、身のこなしというか筋肉ムッキムキそうな気配とか、腕に覚えがありそうには見える。
 面倒くさそうなのに絡まれてしまった。
 こんなとき、メリアンの不在が響く。

「なぁなぁ。無視するなってぇ。人探しだろぉ? オレっち、顔が広いのよぉ。試しに名前だけでも言ってみぃよ!」

 ルブルムが突然、立ち止まる。

「あなたが、ヴォールパール自警団と知り合いだとは思えない」

 あー、こういうのは無視するのが一番だってのに――だが空気が変わった。
 タレ目犬種アヌビスッも、周囲で俺たちをニヤニヤ眺めていた路傍の人たちも。

「てめぇ、今なんつったぁ?」

 タレ目がルブルムの胸ぐらをつかもうと手を出してきた。
 させるか、と俺はルブルムとの間に割って入った。
 直後、腹部に衝撃を覚える。
 けっこうなガチの痛み。
 呼吸を取り戻した時には俺は、地面に両手両膝をついていた。。
 このタレ目、動きが早いし腕力もある――メリアンほどじゃないけれど。
 それに何より「ヴォールパール自警団」という単語への反応。
 二手に分かれる前のメリアンが、ここで聞き込みをするなら「おっぱい好き」よりも「ヴォールパール自警団」と言って探したほうがなにかと良いだろうと教えてくれたのだけど。

 ルブルムは既に小剣を抜いている。
 向こうのタレ目も素手だが構えている。
 エクシクッサンドラにいたってはちょっと離れた場所で既に倒れている。
 俺も慌てて立ち上がり、武器を抜かずに構える。
 素手の組み手もメリアンに習っておいて良かった。

「へぇ、若いってぇのに刺す覚悟を見せる嬢ちゃんに、見せかけじゃない型で構えられる坊っちゃんかぃ」

 タレ目が右手をゆっくりと自分の背後へと回す。
 飛び道具か、それとも誘いの罠か。
 何かあったときはまたルブルムの前に出られるよう、俺は体重をわずかに前へ移動させた。
 しかし移しきる前にタレ目犬種アヌビスッは突進してくる。その右手は背後に隠したままで。
 俺は左手で牽制しつつタレ目の左側へ体をさばく。
 その俺の背をかすめるかのように、ルブルムが小剣を鋭く突き出し、タレ目は慌てて地面を蹴り横へと転がるように離れた。

「ガキのクセして気配シーニュムを読ませない訓練してんのかぃ」

 つまりこのタレ目は気配シーニュム感知ができるってことだな。
 メリアンの言葉を思い出す。
 俺やルブルムが時々、気配シーニュムに出ない行動をする、と。
 当初は偽装の渦イルージオが偽装だとバレないように感情や行動への意識を偽装の渦イルージオに乗せていたのだが、動きの速さや正確さに意識を取られると、偽装の渦イルージオの細かな操作が置き去りになることがある。
 それが逆に、気配シーニュムを読んで行動するのに慣れた相手にとってはやりにくさにつながると。
 ただ、それを効果的に使うのであれば、奇襲か、もしくは途中でいきなり切り替えるときだけにしろ、とも言われた。
 ルブルムが奇襲で使用したということは、俺についても警戒されてしまっただろう。
 ほら、タレ目の表情からうすら笑いが消えた。
 となると――ああ、でも。メリアンがやってたアレ、試してみる価値はあるかな。

「ルブルム。エクシをお願い」

 俺はタレ目男へと全力突進する意識を偽装の渦イルージオに乗せ、その実、体はタレ目がもしも回避した場合にその方向へ距離を詰められるように余力を残す。
 男は眉間にシワを寄せ、迎撃の構えを取る。
 くっそ。避けないのか。ならばと偽装の渦イルージオに「足払いする意識」を乗せる。

「きっもち悪ぃ動きしやがってぇ」

 タレ目はわずかに重心をずらす。
 そのずらした方向からは避けにくい位置へと深く踏み込み、脇腹へと左足で蹴りを入れる――が、それは肘で受けられてしまう。
 しかも防御に見せかけた攻撃のようで、タレ目の肘鉄が俺の足の甲へ鋭く食い込んだ。
 俺の踏み込みが甘かったおかげかダメージは深刻ではない。
 しかも引っ込めようとした足に何かを引っ掛けられ、転ばされかける――それを逆に利用して、そのまま地面に伏せつつ今度は右足で勢いをつけてタレ目の片足を背後側から刈るように蹴り込んだ。
 もちろん意識はタレ目のアゴを蹴りぬく偽装イメージを添えて。
 今度は綺麗に入った。
 タレ目のかかとがズズッと動く。
 しかし、タレ目を転ばせるところまではいかない。
 体格差というか筋量差というか、せいぜいバランスを崩させたくらい。

「その年でやるってぇのは認めるぜぇ。だが素手の坊っちゃんならよぉ、オレっち負ける気はしねぇぜぃ」

 それはメリアンにも指摘されている。
 リテルは随分と体を鍛えていた。
 しかし、狩人に必要な体と、格闘戦に向いた体とは違う。
 持久力と器用さと弓を引く腕力はあっても、打撃力は微妙なところ。
 拳や蹴りで目標を撃ち抜く動きが体に馴染むには鍛錬を繰り返してまだまだかかるよ、と言われた。
 魔法を使える野外ならその不足はそれなりに補えるが、こういう街の中のケンカだと足りない部分を否が応でも自覚させられる。
 動きを偽装の渦イルージオに乗せるやり方も習熟度はまだ低いし、そもそも格闘戦のレパートリーが少ない。
 メリアンとレーオ様がやっていた時はもっと、手数も多けりゃ速度も連携も凄かった。
 それにこちらの攻撃に脅威を感じてもらえなければ、そもそも動きを合わせて防御などしてはもらえない――ってことは、余裕を持たれている今が唯一の攻め時かも?

「ではお言葉に甘えて、武器を使わせてもらいます」

 俺は短剣の鞘の留め具へと手を伸ばしながら、タレ目へと近づいた。
 あのときのメリアンを真似て、同時に意識を乗せる。
 タレ目の右目とみぞおち、それから首と股間。同時に四箇所を狙う意識を偽装の渦イルージオへ。
 肝心の体の動きは外套で隠すようにして。
 さすがにタレ目は、攻撃よりも防御優先の姿勢へと移る――それが狙い目だった。
 俺は深く踏み込む際に地面近くまでしゃがみ、抜いた短剣で地面をえぐった。
 他の街のように洗練された石畳ではないマンクソム砦の地面は、むき出しの土。
 短剣の上にすくいあげた土の塊を、タレ目の顔にめがけてぶっかけた。

「っつっ! テメェ!」

 そしてその隙に脱出。
 ルブルムとエクシクッサンドラの方へ走り出したけど、足が止まった。

「おいっ! ヒューリ! お前っ、一昨日の今日で何やってんだっ!」

 その犬種アヌビスッの男は、さっきのタレ目の犬種アヌビスッを見つめていて、俺には気づいていない。
 ただ俺は――いやリテルは、その男を知っていた。
 ケティの兄、ダイン兄貴だ。
 でも、なんでこんな場所に?
 ダイン兄貴は確かフォーリーの鍛冶師組合で修行していたはずだけど。

「ダイン兄貴?」

 思わず、声に出してしまった。

「え? あれ? お前、リテルか? 何やってんだこんなところで」

 背後にタレ目の気配が近づき、慌ててきびすを返す。
 しかし、タレ目は両手を頭の上に出した。降参の合図だ。

「なんでぇ。ダインの知り合いかよぉ。悪かったなぁ。じゃあぁ、あっちの子はもしかしてケティちゃんか?」



 その後俺たちはエクシクッサンドラも伴い、ダイン兄貴が寝泊まりしているという鍛冶屋の二階の狭い小部屋へと案内された。
 ヒューリと呼ばれたタレ目もついてきている。

「で、エクシとリテルがここに居る理由ってなんだい?」

 ダイン兄貴がフォーリーへ出てからもう六年は経つ。
 リテルがエクシやケティについて回っていた頃、ダイン兄貴は既に子供と遊ぶよりは鍛冶の修行に精を出していた。
 ストウ村を出てからは全然戻ってきてなかったダイン兄貴からしたら、リテルの記憶なんて狩人見習い以前なのだ。

 まず、リテルが狩人見習いになったこと、それから寄らずの森の魔女の弟子にもなったことを告げる。
 その寄らずの森の魔女のお使いで、姉弟子であるルブルムと共にヴォールパール自警団のラビツを探していること、エクシは護衛として同行してくれたが、ここへ来るまでの戦闘などで体調を崩している状態だ、と続けた。

「待て待て待て……なんか色々あり過ぎじゃないか?」

 ダイン兄貴の眉が、ヒューリのタレ目くらい下がりっぱなし。
 ケティが途中までついてきたことや、死にかけたことについてはあえて言っていない――というか、具合が悪そうなエクシクッサンドラのことですら、こんなに心配そうにしているダイン兄貴にはとてもじゃないが言い出せない。
 当然、エクシの中身がクッサンドラだということも絶対に言えない。
 クッサンドラが喋ってボロが出ないよう、エクシについても全て俺が話した。

 ダイン兄貴はリテルより七歳も年上。
 六年前、フォーリーの鍛冶師組合へと弟子入りした後は順調に修行をしていたが、あるときから自分がどこまでできるのかを試したくなってしまい、一昨年からマンクソム砦へ修行の場を移したとのこと。
 フォーリーとの大きな違いは、ここではオーダーメイドの武器の注文が少なくないことで、それが今とっても楽しいらしい。
 ちなみにヒューリとはこちらで意気投合した娼館通い仲間だという。
 ダイン兄貴自身はまだ「嫁を迎えられるほどの腕には達していない」とのこと。

 そして、問題のヒューリだが、「自分は元ヴォールパール自警団」だと自慢していたのだとか。
 もちろん嘘である。
 「ヴォールパール自警団」は元々、ラビツや一部のメンバーがヴォールパール村出身のため、なんとなく使っているうちに、彼ら傭兵団の呼称として定着してしまったものらしい。
 メリアンの二つ名「噛み千切る壁」が知れ渡っているように、「ヴォールパール自警団」もかなりの知名度で、娼館でモテ具合が違うのだという。
 ところが一昨日の夜、本物のヴォールパール自警団がマンクソム砦に現れ、素直に謝ればいいのに、ヒューリは本物超えを狙ってラビツに勝負を挑み、あっさり返り討ちにあった挙げ句、今までの嘘がバレたことで娼館街で笑い者になってしまい、むしゃくしゃしていたとのこと。
 完全に自業自得なのは置いといて、ラビツが一昨日には来ていたという情報が得られたのはラッキーだった。
 しかも「ここからギルフォドへは徒歩で向かうから明日早く出る」と、娼館街では遊ばずに宿に泊まったらしい――となると出発は昨日の早朝か。
 メリアンたちは遭遇できるのか?
 ギリギリすれ違いそうっちゃそうなんだよな。
 俺たちが共同夜営地「マンクソム一・ニュナム二・ギルフォド二」で二手に分かれたのは昨日の昼過ぎだ。
 ラビツたちが昨日の早朝にマンクソム砦を出たのなら、昨日のうちに次の共同夜営地「ギルフォド一・マンクソム一・ニュナム三」に着いていてもおかしくない。
 前日ちゃんと睡眠を取ったなら、共同夜営地で夜を明かさずにそのままギルフォドまで行ってしまうかもしれない。

 ルブルムと相談の上、端を片方削ってある枝を折った。
 これでメリアンとレムは騎馬でギルフォドへと先行してラビツを探してくれるはず。





● 主な登場者

有主ありす利照としてる/リテル
 猿種マンッ、十五歳。リテルの体と記憶、利照としてるの自意識と記憶とを持つ。魔術師見習い。
 ゴブリン用呪詛と『虫の牙』の呪詛と二つの呪詛に感染。レムールのポーとも契約。とうとう殺人を経験。

・ケティ
 リテルの幼馴染の女子。猿種マンッ、十六歳。黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。
 リテルとは両想い。フォーリーから合流したがリテルたちの足を引っ張りたくないと引き返した。ディナ先輩への荷物を託してある。

・ラビツ
 久々に南の山を越えてストウ村を訪れた傭兵「ヴォールパール自警団」四人組の一人。ケティの唇を奪った。
 一昨日の夜にマンクソム砦に滞在していたことが判明。現在はギルフォドへ向かっている可能性が大。

・マドハト
 ゴブリン魔法『取り替え子』の被害者。ゴド村の住人で、今は犬種アヌビスッの体を取り戻している。
 元の世界で飼っていたコーギーのハッタに似ている。ゴブリン魔法を使える。最近は魔法や人生に真剣に取り組み始めた。

・ルブルム
 魔女様の弟子である赤髪の少女。整った顔立ちのクールビューティー。華奢な猿種マンッ
 魔法も戦闘もレベルが高く、知的好奇心も旺盛。親しい人を傷つけてしまっていると自分を責めがち。

・アルブム
 魔女様の弟子である白髪に銀の瞳の少女。鼠種ラタトスクッの兎亜種。
 外見はリテルよりも二、三歳若い。知的好奇心が旺盛。

・カエルレウム
 寄らずの森の魔女様。深い青のストレートロングの髪が膝くらいまである猿種マンッ
 ルブルムとアルブムをホムンクルスとして生み出し、リテルの魔法の師匠となった。『解呪の呪詛』を作成中。

・ディナ
 カエルレウムの弟子。ルブルムの先輩にあたる。重度で極度の男嫌い。壮絶な過去がある。
 アールヴを母に持ち、猿種マンッを父に持つ。精霊と契約している。トシテルをようやく信用してくれた。

・ウェス
 ディナに仕えており、御者の他、幅広く仕事をこなす。肌は浅黒く、ショートカットのお姉さん。蝙蝠種カマソッソッ
 魔法を使えないときのためにと麻痺毒の入った金属製の筒をくれた。

・『虫の牙』所持者
 キカイー白爵レウコン・クラティアの館に居た警備兵と思われる人物。
 呪詛の傷を与えるの魔法武器『虫の牙』を所持し、ディナに呪詛の傷を付けた。フラマの父の仇でもありそう。

・メリアン
 ディナ先輩が手配した護衛。リテルたちを鍛える依頼も同時に受けている。ラビツとは傭兵仲間で婚約者。
 ものすごい筋肉と角と副乳とを持つ牛種モレクッの半返りの女傭兵。知識も豊富で頼れる。二つ名は「噛み千切る壁」。

・エクシ(クッサンドラ)
 ゴド村で中身がゴブリンなマドハトの面倒をよく見てくれた犬種アヌビスッの先祖返り。ポメラニアン顔。
 クスフォード領兵であり、偵察兵。若干だが魔法を使える。マドハトの『取り替え子』により現在、エクシの体に入っている。

・レム
 爬虫種セベクッ。胸が大きい。バータフラ世代の五人目の生き残り。不本意ながら盗賊団に加担していた。
 同じく仕方なく加担していたミンを殺したウォルラースを憎んでいる。トシテルの心の妹。現在、護衛として同行。

・ウォルラース
 キカイーがディナたちに興味を示すよう唆した張本人。過去にディナを拉致しようとした。金のためならば平気で人を殺す。
 ダイクの作った盗賊団に一枚噛んだが、逃走。海象種ターサスッの半返り。

・ロッキン
 名無し森砦の守備隊第二隊副隊長であり勲爵エクウェス。フライ濁爵メイグマ・クラティアの三男。
 現在は護衛として同行。婚約者のためにヴィルジナリスの誓いを立てている。世界図書館に務めるのが夢。

・ナイト
 初老の馬種エポナッ。地球では親の工場で働いていた日本人、喜多山キタヤマ馬吉ウマキチ
 2016年、四十五歳の誕生日にこちらへ転生してきた。今は発明家として過ごしているが、ナイト商会のトップである。

・レーオ様
 ライストチャーチ白爵レウコン・クラティアモノケロの妻。猫種バステトッの半返り。武勲に優れる。傭兵メリアンの元上司。筋肉のすごい美人。
 十年前のモノケロへのプロポーズが、王冠祭のきっかけとなった。ナイト商会とは懇意。二つ名は「勇猛なる雷姫」。

・レムール
 レムールは単数形で、複数形はレムルースとなる。地界クリープタに生息する、肉体を持たず精神だけの種族。
 自身の能力を提供することにより肉体を持つ生命体と共生する。『虫の牙』による呪詛傷は、強制召喚されたレムールだった。

・ショゴウキ号
 ナイト(キタヤマ)がリテルに貸してくれた特別な馬車ゥラエダ。「ショゴちゃん」と呼ばれる。
 板バネのサスペンション、藁クッション付き椅子、つり革、床下隠し収納等々便利機能の他、魔法的機能まで搭載。

・ダイン兄貴
 ストウ村を六年前に出た、ケティの兄。リテルより七歳年上。犬種アヌビスッ
 フォーリーでの鍛冶屋修行では物足りず、一昨年からマンクソム砦で修行している。

・ヒューリ
 タレ目の犬種アヌビスッ。筋肉自慢。元「ヴォールパール自警団」と偽り娼館街でモテていたが、本物が現れたことで嘘が発覚。マンクソム砦でルブルムたちへ絡んできた。ダインとは娼館通い仲間。

・ドラコ
 古い表現ではドラコーン。魔術師や王侯貴族に大人気の、いわゆるドラゴン。その卵をリテルが所持。
 卵は手のひらよりちょっと大きいくらい。孵化に必要な魔法代償プレチウムを与えられるまで石のような状態を維持する。

・シュラット
 元々は地界クリープタの住人。人型で、全身を毛に覆われており、森に棲み、伐採の邪魔をする。
 かつてマンクソム砦を築く際、黒き森に居着いていたシュラットが大量に討伐された。

・ウンセーレー・ウィヒト
 特定の種族名ではなく現象としての名前。異門ポールタ近くで寿命によらない大量死がある稀に発生する。
 死者たちの姿で燐光を帯びて現れ、火に弱いが、触れられた生者は寿命の渦コスモスを失う。


■ はみ出しコラム【魔物デザイン ウンセーレー・ウィヒト】

・ホルトゥスにおけるウンセーレー・ウィヒト
 特定の種族名ではなく、現象としての名前。
 異世界からの来訪者が目撃されやすい地域でたまに出現する。
 その場所で大規模な戦争や虐殺、災害など、寿命によらない大量死があると、そこで死んだ者たちの姿が燐光を帯びて夜に現れ、生者へと群がる。
 死者を写した姿であるため、死者次第では複数種族の姿が混在することもある。
 これに触れてしまうと寿命の渦コスモスむしられるが、火を避けるので、松明などで身を守れる。

・地球におけるウンセーレー・ウィヒト
 ウンセーレー・ウィヒト(unsele wiht)は、古代サクソン語で「薄気味悪い生き物」を意味する。
 そしてスコットランドで「ウィヒト」と呼ばれるのは、英語におけるいわゆる「ワイト(Wight)」である。
 ワイトは一般に「存在するもの」とか「生き物」を意味したゲルマン語。時代の流れとともに「善い妖精」や「悪い妖精」とかを意味するようになり、いつしか超自然的な意味合いをもつようになった。
 もちろんワイトは悪い妖精アンシーリー・コートである。
(キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一、井村君江、三宅忠明、吉田新一 共訳『妖精事典』より)

 本来はアンデッド・モンスターなどではなく、悪い妖精や超自然的な存在としての使用されている名前である。

・ウンセーレー・ウィヒトのデザイン
 最初に着手したのは、アンデッド・モンスターとしてちょうど良さげな魔物探しだった。
 ただ「ゾンビー」という名称は既に作中にて使用しているし、できれば古臭い名前の魔物が望ましかった。
 そんな中、前出『妖精事典』にて、ワイトの項目にて見つけたのが「ウンセーレー・ウィヒト」という名前。
 しかも「超自然的な存在」という記載がとてもありがたかったので採用させていただいた。

 作中の設定では、「ゾンビー」や「ゴーレム」といった本来とは異なる魂と肉体の不自然な結びつきの存在について「イミタティオ」という表現が用意されている。
 「ゾンビー」とは、肉体を失った魂のうち、寿命のまだ残存する者が、本来の肉体ではないものを仮の肉体として使用しているものをそう呼ぶ。
 逆に、魂の代わりに魔法を宿らせた肉体のものを「ゴーレム」と呼ぶ。
 これに対し、肉体と結びついていない魂(とそれに付随した寿命の渦コスモスのワンセット)は「アニマ」と呼ばれる。
 「アニマ」は肉体を持たないため「イミタティオ」にはカテゴライズされない。
 むしろ肉体を持たない魂のみの存在として、精霊やレムールとも同様な存在といえる。
 明確な「アンデッド・モンスター」というカテゴライズは、作中には存在しないのである。

 ただそんな中で、このウンセーレー・ウィヒトは、あえていわゆる「幽霊」的な存在としてデザインすることにした。
 生前の姿を保とうとするが、物理的には存在しない。触れられると寿命を吸い取られるが、火による浄化が可能、として。
 火による浄化について、世界観的に宗教や神の奇跡の類いが存在しないため、何かしらの対抗策を用意せなばと設定した。
 当作品において基本的にモンスターは、名前が示す本来の(=地球での)特徴は原典踏襲なのだが、こちらのウンセーレー・ウィヒトについてだけは物語の進行を優先させて設定させてもらった。
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