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お題【水族館】
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「最初の生命は海で生まれました。その後、数えきれないほど世代を重ね、種が別れましたが、今でも全ての命の奥は海とつながっているのです」
院長先生が催眠治療を行うときの決まり文句。
私も受けたけど、不思議なくらいすーっと心の中に沁みてくる。
目を閉じると、視界以外の感覚が研ぎ澄まされてゆくような。
院長先生の声がさざなみの様に私の心を揺さぶって、次第に水に包まれているような気持ちになる。
まぶたの裏の闇の中へどんどん潜っていくような錯覚を覚え、やがて大きな部屋へとたどり着く。
水族館。
それがそこの第一印象だった。
眼の前には透明な壁があり、その向こうに一匹の巨大な魚が泳いでいる。
私よりもはるかに大きなベタ。
明るく輝く青い体から美しく広がるヒレは青から赤までの目に鮮やかなグラデーション。
自分の好きな魚だったからか、喜びを感じた。
遠くに院長先生の声が聞こえる気がする。
慈しみなさいと――魚のことだよね?
私は透明な壁に両手をつけて、ベタに「綺麗だよ」という気持ちを、愛情を、送った。
気がついたら、治療室に戻っていた。
深く沈むゆったりとした一人がけソファーに全身を預けたまま。
治療前まではずっと自分に自信が持てなかった私だったけれど、そのときは不思議と自己肯定感に満ち満ちていた。
院長先生の見事な腕前に感銘を受けた私は、自分のように自信を失くしている人たちの力になりたいと思い、助手として是非とも働かせてくださいと必死に頼み込んだ。
幸せになりたかった私は、幸せになれたから、次は誰かを幸せにしたかったのだ。
その後、多くの人たちの治療を手伝った。
とはいっても私の主な仕事は治療室の掃除。
目覚めた患者さんはまず、まるで深い眠りから覚めたときのように全身がだるそうにしている。
私のときもそうだった。気持ちはとても明るく前向きになっていたが、体はぐったりとしていた。
だから治療後にしばらく休憩するための回復室へと患者さんは移動する。
その誘導は院長先生が行うため、私は入れ替わりに治療室へ。
大きな水槽の乗ったキャビネットをゆっくりと動かし、キャビネットから伸びた電源コードを壁のコンセントから引き抜く。
このコードはキャビネットの天板部分にセットされたヒーターの電源用。
コードを軽く巻いてキャビネットの内側に引っ掛けると、今度はその横から水槽のフタを取り出し、水槽へと被せる。
水槽の掃除はここでは行わない。
掃除用の小部屋へと運ぶ前に水がこぼれないよう、フタをする決まりなのだ。
キャビネットの裏側に隠れていたロボット掃除機の電源をオンにした後、キャビネットに収納してあったミニほうきでソファーを軽く掃き、消毒液をソファーへと噴霧する。
ミニほうきと消毒液をキャビネットへ戻したら次は水槽掃除だ。
私はキャビネットを静かに押して治療室を出た。
水槽のお掃除小部屋は、治療室からそう離れてはいない。
ここにはキャビネットに乗せたまま水槽から水を汲み出せるポンプと、同じく注水に使用できるシャワーとの両方が設置されている。
まず水槽のフタを外し、水を抜きながら水槽内をスポンジで丁寧にこする。
水がほとんど抜けても排水はまだ止めずに、シャワーで水槽内部を流しながら一分ほど注水と排水を同時に行う。
そうそう。この約一分のためだけの砂時計もここには置いてある。
このあと決められただけの量を新たに注水し、指定されている水温になるまでお湯を加え、指定されている塩分濃度になるまで塩らしき粉末を入れ、調整をする。
魚どころか、草や置物さえも入っていないこの水槽のお手入れ方法は、その順番や分量などの手順が全て細かく決められていて、私はその手順通りに水槽をリフレッシュさせる――ふと、ため息が出る。
自分は何をやっているのだろう、と。
まあ、患者さんに綺麗な女性が多いから、清潔感を大切にしようというのはわかるのだけど。
私はもっと患者さんに「こちらにご案内します」とか「安心してくださいね、院長先生の治療は素晴らしいですよ」とか「私も治療していただいて、本当に感謝しています」とか伝えたかったのに。
なんか思ってたんと違う感が否めない。
一生懸命洗って指定の水を作った私は、水槽に再びフタを被せてキャビネットを押して治療室へ。
ロボット掃除機がステーションへ戻っているのを確認して電源をオフって、それらが隠れるようにキャビネットを壁際へ。
キャビネットを壁へと密着させる前に、キャビネットの天板ヒーターの電源プラグをコンセントへと挿すのを忘れない。
控室へと移動――ここで、珍しくお客様と遭遇した。
「トイレはこちらでよろしいですか?」
「はい……あっ、ご案内します!」
会話に飢えていた私はお客様にウザがられない程度に話しかける。
幸い、おしゃべり好きな方のようで会話に応じてくださった。
誰に紹介されたか、お客様の出会われた魚が何であるか、そしてあの院長先生のそばで働けるなんて羨ましい、とかなんとか。
後半はほぼ院長先生への賛辞ばかりでちょっと飽きがきたけれど、私が求めていたものってまさしくこれだわという充足感で満たされたのは事実。
その後、私は隙を見てかなり積極的にお客様へと話しかけるようになった。
中でもお客様が出会われた魚について毎回しっかりメモっておいたのは、魚の種類が豊富で楽しかったから。
魚に詳しいお客様ばかりではないので、時にはお客様からお聞きした特徴だけでなんとか種類を特定したり。
次第に私も魚の勉強をするようになった。
ネットで季節の魚を覚えたり、図書館で図鑑を読み込んだり、それこそ本物の水族館巡りをしたり。
そんな充実した日々を過ごしていたある日、お客様のお魚メモを眺めていた私の中に、疑問が一つ生まれた。
お客様のお魚は必ず、海水魚なのだ。
お客様ご来店のたびにあの空の水槽に海水を用意していたのは、それと関係があるのかな。
なにより淡水魚なのが私だけだったのが、他にも淡水魚の人はいないのか、それがとても気になった。
だからある日こっそりとキャビネットに小型カメラとICレコーダーとを仕込み、院長先生の施術を撮影した。
お客様が治療室へと入ってくる。
一人がけのソファーへと深く座っていただいたお客様が目を閉じたタイミングで、ベッドかってくらいリクライニングする。
院長先生が自身の胸元のマイクへと口を近づける。
あの決まり文句から始まり、優しく語りかけ続けながら、次第に院長先生はお客様から離れてゆく。
このソファーは特注で、ヘッドレスト付近にはスピーカーも設置してある。
お客様から離れた院長先生が近づいたのはキャビネット。
隠しカメラがバレたのかとドキドキした――けれど、結果から言ったらバレてなかった。
院長先生はお客様の方を見つめながら、キャビネットの脇の辺りをまさぐる。
小さな物音。
かすかな水音。
それからまた、お客様の近くへと戻ってゆく。
そこからさらに三十分ほど院長先生の子守唄みたいな治療のお言葉がずっと続き、施術が終わる頃にはお客様はもうすっかり院長先生と親しげになっていた。
その後、いつものように水槽をキャビネットごとお掃除小部屋へと運んだ私は、掃除の前に、院長先生がまさぐっていた辺りを調べてみた。
あった――動く。
ある部分をスライドさせると小さな引き出しになっている。
中を確かめると、小指の先程もある大きめのドッグフードみたいなのが幾つも入っていた。
でも色は深緑で、臭いを嗅いでみると海の臭いがする。
何かの餌?
音からするとこれを水槽へ入れた?
何も居ない海水の水槽へ?
それが何なのかはわからなかったけれど、とりあえず一つ二つもらってビニール袋へと入れてカバンへとしまった。
その日はそれだけ。
でも、院長先生が何をしているのかがとても気になったから、隠しカメラをソファにも取り付けた。
それからはちょくちょく撮影した。
そうしてわかったのは、院長先生が水槽に近づくと、海水しか入っていないはずの水槽に魚が一匹現れるってこと。
魚の種類に関係なく水槽いっぱいの大きさで一匹だけ。
院長先生はやっぱりあの餌みたいなのをその魚にあげていて、餌を食べると次第に魚は薄っすらと消えていく。
院長先生の子守唄トークは、この魚が消えるまで続く。最短十分、最長は一時間二十分。
一番大事なのは、お客様が水族館みたいな場所で見た魚と、撮影されていた魚は一致するということ。
ただ、何度も確かめたけれど、淡水魚だったのは私だけだった。
撮影を繰り返すたびに、私の中のわだかまりが大きくなってゆく。
なんで私だけ仲間はずれ?
私だけ特別、とは思えなかった。
それは回復室にも隠しカメラを仕掛けてしまったから。
お客様が、まるで従順なペットみたいに院長先生に甘えて、院長先生は欲望のままにお客様を弄ぶ、そんな光景が撮れてしまったから。
私は院長先生に心酔していた自分に絶望し、回復室に仕掛けたカメラで録れた映像を警察へ提出した。
院長先生はあっさり自供した。催眠術で患者を操って欲望のはけ口にしたと。
私がそうお願いしたから。
警察へタレコミする前に、私は院長先生に睡眠薬を盛っていた。
寝ている院長先生を治療室へと運び、院長先生自身の治療の言葉を聞かせ、水槽に現れたゴンズイにあの餌をあげた。
すっかり私に懐いた院長先生は、海水を作る粉やあの餌の入手方法を教えてくれて、それから私の言う通りに行動したってわけ。
おかげで今、私はとても幸せ。
同じ方法でパトロン作りまくって貢ぎまくってもらっているから、お金に困ることがない。
もちろん、彼らも幸せに包まれている。特に私に甘えている間は。
そして改めて思う。
ベタって他の魚と一緒には暮らせないのよね、って。
<終>
院長先生が催眠治療を行うときの決まり文句。
私も受けたけど、不思議なくらいすーっと心の中に沁みてくる。
目を閉じると、視界以外の感覚が研ぎ澄まされてゆくような。
院長先生の声がさざなみの様に私の心を揺さぶって、次第に水に包まれているような気持ちになる。
まぶたの裏の闇の中へどんどん潜っていくような錯覚を覚え、やがて大きな部屋へとたどり着く。
水族館。
それがそこの第一印象だった。
眼の前には透明な壁があり、その向こうに一匹の巨大な魚が泳いでいる。
私よりもはるかに大きなベタ。
明るく輝く青い体から美しく広がるヒレは青から赤までの目に鮮やかなグラデーション。
自分の好きな魚だったからか、喜びを感じた。
遠くに院長先生の声が聞こえる気がする。
慈しみなさいと――魚のことだよね?
私は透明な壁に両手をつけて、ベタに「綺麗だよ」という気持ちを、愛情を、送った。
気がついたら、治療室に戻っていた。
深く沈むゆったりとした一人がけソファーに全身を預けたまま。
治療前まではずっと自分に自信が持てなかった私だったけれど、そのときは不思議と自己肯定感に満ち満ちていた。
院長先生の見事な腕前に感銘を受けた私は、自分のように自信を失くしている人たちの力になりたいと思い、助手として是非とも働かせてくださいと必死に頼み込んだ。
幸せになりたかった私は、幸せになれたから、次は誰かを幸せにしたかったのだ。
その後、多くの人たちの治療を手伝った。
とはいっても私の主な仕事は治療室の掃除。
目覚めた患者さんはまず、まるで深い眠りから覚めたときのように全身がだるそうにしている。
私のときもそうだった。気持ちはとても明るく前向きになっていたが、体はぐったりとしていた。
だから治療後にしばらく休憩するための回復室へと患者さんは移動する。
その誘導は院長先生が行うため、私は入れ替わりに治療室へ。
大きな水槽の乗ったキャビネットをゆっくりと動かし、キャビネットから伸びた電源コードを壁のコンセントから引き抜く。
このコードはキャビネットの天板部分にセットされたヒーターの電源用。
コードを軽く巻いてキャビネットの内側に引っ掛けると、今度はその横から水槽のフタを取り出し、水槽へと被せる。
水槽の掃除はここでは行わない。
掃除用の小部屋へと運ぶ前に水がこぼれないよう、フタをする決まりなのだ。
キャビネットの裏側に隠れていたロボット掃除機の電源をオンにした後、キャビネットに収納してあったミニほうきでソファーを軽く掃き、消毒液をソファーへと噴霧する。
ミニほうきと消毒液をキャビネットへ戻したら次は水槽掃除だ。
私はキャビネットを静かに押して治療室を出た。
水槽のお掃除小部屋は、治療室からそう離れてはいない。
ここにはキャビネットに乗せたまま水槽から水を汲み出せるポンプと、同じく注水に使用できるシャワーとの両方が設置されている。
まず水槽のフタを外し、水を抜きながら水槽内をスポンジで丁寧にこする。
水がほとんど抜けても排水はまだ止めずに、シャワーで水槽内部を流しながら一分ほど注水と排水を同時に行う。
そうそう。この約一分のためだけの砂時計もここには置いてある。
このあと決められただけの量を新たに注水し、指定されている水温になるまでお湯を加え、指定されている塩分濃度になるまで塩らしき粉末を入れ、調整をする。
魚どころか、草や置物さえも入っていないこの水槽のお手入れ方法は、その順番や分量などの手順が全て細かく決められていて、私はその手順通りに水槽をリフレッシュさせる――ふと、ため息が出る。
自分は何をやっているのだろう、と。
まあ、患者さんに綺麗な女性が多いから、清潔感を大切にしようというのはわかるのだけど。
私はもっと患者さんに「こちらにご案内します」とか「安心してくださいね、院長先生の治療は素晴らしいですよ」とか「私も治療していただいて、本当に感謝しています」とか伝えたかったのに。
なんか思ってたんと違う感が否めない。
一生懸命洗って指定の水を作った私は、水槽に再びフタを被せてキャビネットを押して治療室へ。
ロボット掃除機がステーションへ戻っているのを確認して電源をオフって、それらが隠れるようにキャビネットを壁際へ。
キャビネットを壁へと密着させる前に、キャビネットの天板ヒーターの電源プラグをコンセントへと挿すのを忘れない。
控室へと移動――ここで、珍しくお客様と遭遇した。
「トイレはこちらでよろしいですか?」
「はい……あっ、ご案内します!」
会話に飢えていた私はお客様にウザがられない程度に話しかける。
幸い、おしゃべり好きな方のようで会話に応じてくださった。
誰に紹介されたか、お客様の出会われた魚が何であるか、そしてあの院長先生のそばで働けるなんて羨ましい、とかなんとか。
後半はほぼ院長先生への賛辞ばかりでちょっと飽きがきたけれど、私が求めていたものってまさしくこれだわという充足感で満たされたのは事実。
その後、私は隙を見てかなり積極的にお客様へと話しかけるようになった。
中でもお客様が出会われた魚について毎回しっかりメモっておいたのは、魚の種類が豊富で楽しかったから。
魚に詳しいお客様ばかりではないので、時にはお客様からお聞きした特徴だけでなんとか種類を特定したり。
次第に私も魚の勉強をするようになった。
ネットで季節の魚を覚えたり、図書館で図鑑を読み込んだり、それこそ本物の水族館巡りをしたり。
そんな充実した日々を過ごしていたある日、お客様のお魚メモを眺めていた私の中に、疑問が一つ生まれた。
お客様のお魚は必ず、海水魚なのだ。
お客様ご来店のたびにあの空の水槽に海水を用意していたのは、それと関係があるのかな。
なにより淡水魚なのが私だけだったのが、他にも淡水魚の人はいないのか、それがとても気になった。
だからある日こっそりとキャビネットに小型カメラとICレコーダーとを仕込み、院長先生の施術を撮影した。
お客様が治療室へと入ってくる。
一人がけのソファーへと深く座っていただいたお客様が目を閉じたタイミングで、ベッドかってくらいリクライニングする。
院長先生が自身の胸元のマイクへと口を近づける。
あの決まり文句から始まり、優しく語りかけ続けながら、次第に院長先生はお客様から離れてゆく。
このソファーは特注で、ヘッドレスト付近にはスピーカーも設置してある。
お客様から離れた院長先生が近づいたのはキャビネット。
隠しカメラがバレたのかとドキドキした――けれど、結果から言ったらバレてなかった。
院長先生はお客様の方を見つめながら、キャビネットの脇の辺りをまさぐる。
小さな物音。
かすかな水音。
それからまた、お客様の近くへと戻ってゆく。
そこからさらに三十分ほど院長先生の子守唄みたいな治療のお言葉がずっと続き、施術が終わる頃にはお客様はもうすっかり院長先生と親しげになっていた。
その後、いつものように水槽をキャビネットごとお掃除小部屋へと運んだ私は、掃除の前に、院長先生がまさぐっていた辺りを調べてみた。
あった――動く。
ある部分をスライドさせると小さな引き出しになっている。
中を確かめると、小指の先程もある大きめのドッグフードみたいなのが幾つも入っていた。
でも色は深緑で、臭いを嗅いでみると海の臭いがする。
何かの餌?
音からするとこれを水槽へ入れた?
何も居ない海水の水槽へ?
それが何なのかはわからなかったけれど、とりあえず一つ二つもらってビニール袋へと入れてカバンへとしまった。
その日はそれだけ。
でも、院長先生が何をしているのかがとても気になったから、隠しカメラをソファにも取り付けた。
それからはちょくちょく撮影した。
そうしてわかったのは、院長先生が水槽に近づくと、海水しか入っていないはずの水槽に魚が一匹現れるってこと。
魚の種類に関係なく水槽いっぱいの大きさで一匹だけ。
院長先生はやっぱりあの餌みたいなのをその魚にあげていて、餌を食べると次第に魚は薄っすらと消えていく。
院長先生の子守唄トークは、この魚が消えるまで続く。最短十分、最長は一時間二十分。
一番大事なのは、お客様が水族館みたいな場所で見た魚と、撮影されていた魚は一致するということ。
ただ、何度も確かめたけれど、淡水魚だったのは私だけだった。
撮影を繰り返すたびに、私の中のわだかまりが大きくなってゆく。
なんで私だけ仲間はずれ?
私だけ特別、とは思えなかった。
それは回復室にも隠しカメラを仕掛けてしまったから。
お客様が、まるで従順なペットみたいに院長先生に甘えて、院長先生は欲望のままにお客様を弄ぶ、そんな光景が撮れてしまったから。
私は院長先生に心酔していた自分に絶望し、回復室に仕掛けたカメラで録れた映像を警察へ提出した。
院長先生はあっさり自供した。催眠術で患者を操って欲望のはけ口にしたと。
私がそうお願いしたから。
警察へタレコミする前に、私は院長先生に睡眠薬を盛っていた。
寝ている院長先生を治療室へと運び、院長先生自身の治療の言葉を聞かせ、水槽に現れたゴンズイにあの餌をあげた。
すっかり私に懐いた院長先生は、海水を作る粉やあの餌の入手方法を教えてくれて、それから私の言う通りに行動したってわけ。
おかげで今、私はとても幸せ。
同じ方法でパトロン作りまくって貢ぎまくってもらっているから、お金に困ることがない。
もちろん、彼らも幸せに包まれている。特に私に甘えている間は。
そして改めて思う。
ベタって他の魚と一緒には暮らせないのよね、って。
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