10 / 208
第1部 高級クラブのお仕事
高級クラブの同伴
しおりを挟む
腕時計に目を走らせると7時半を回っていた。北新地に着いてからかれこれ一時間以上経ったことになる。
「え、俺のせいなん?出勤、何時から?」
「8時からよ」
「まだ時間あるやん」
「あのね、今から美容室行かないとあかんのよ。着実に遅刻!」
「美容室?髪きれいやん。そのままじゃあかんの?」
「それ、ほめてるつもり?美容室に行ったかどうかなんて見たらすぐに分かるのよ。あたしみたいな高級クラブのホステスはね、絶対に美容室行って出勤せなあかんの」
涼平は萌未のサラッと言った「高級」というワードに息を飲んだ。そもそもクラブという存在のこともよく分からないのに、冠に高級と付けられ、萌未が遠い異国の人のように見える。
「高級…クラブのホステスなんや。それは、悪いことしたなあ…」
「ほんまにそう思ってる!?」
「うん、思てる思てる」
「じゃあ、ね、あたしと一緒にお店に入ってよ。同伴やったら30分遅れてもいいから。ね、いいでしょ?」
「ええっ、高級クラブのホステスさんなんやんね?そういうとこの店って高いんやろ?」
「いいのよ、今日は最後まであたしが失恋誕生日を祝ったげるから。ぱあ~っと飲もうよ」
「いや、いくらなんでもそこまでしてもらうわけには…マスター、お会計してもらえますか?」
初めてのシャンパンを奢ってもらうだけでも分不相応に思えるのに、さらに北新地の深淵に連れて行こうとする萌未の提案はさすがに受ける気になれず、涼平は慌ててマスターの方を向いて立ち上がる。萌未はその涼平の袖を掴み、強く引っ張ってもう一度座らせた。
「何言ってんのよ。あたしこう見えても高給取りなのよ。遅刻罰金だけでも高いんやからね!じゃあちょっと美容室行ってくるから残りのシャンパンでも飲んで待ってて。マスター!涼平のこと絶対に帰したらあかんよ!」
マスターは接客しているカップルの前から振り向いて親指を立て、オッケーの合図をした。そして、萌未は急ぎ足で店から出て行く。涼平は思いもよらぬ展開に目を白黒させていた。
そこへ、先ほどからの二人のやりとりを伺っていたであろうマスターが涼平の前にやって来て、残りのシャンパンをグラスに注いでくれた。
「何かえらいことになってるねえ…」
「はい、えらいことになってます。あの、お会計を…」
「だめだめ、今君を帰したら僕がめぐちゃんに怒られるよ。お金のことはめぐちゃんが心配ないって言ってくれてるんやから、今日は割り切ってこの街を堪能して行きなよ」
そう言ってマスターはもう一組のカップルのチェックに回って行った。仕方なく注いでもらったシャンパンを口に運ぶ。クリスマスの甘ったるいスパークリングワインしか飲んだことない涼平には、最初の一気こそ炭酸のきつさと慣れない酸味に逆流しかけたが、口の中に広がる上品な甘みときめ細やかな泡立ちが大人への階段を一歩上がったという感覚に陶酔させた。
「モエのロゼだよ。シャンパン初心者には飲みやすいでしょ?」
気がつくと店の中の客は涼平一人になっていた。
「あの、萌未の店って、どんなとこなんですか?」
不安ながらに聞いてみると、あれ、知らないの?とマスターは言ってから、
「まあそれは行ってからのお楽しみやね」
とにんまり笑った。
(この人ほんまは楽しんどるな…)
涼平は改めて自分の格好を見回す。Tシャツの上にパーカーを羽織り、その上から薄手のブルゾンを着込んでいた。下はジーンズにスニーカーである。
「こんな服で行けるんでしょうか?」
マスターに聞くと、彼はカウンター越しに涼平の服装に目を走らせ、
「昔はスーツやないとあかん店が多かったんやけどねぇ、今はよっぽど酷くない限りは入れてもらえるよ」
とフォローともダメ出しとも取れることを言うと、
「まあでも君はまだ年が若いからなあ…」
と言って店の奥へ行き、グレーのジャケットを取って来て涼平に見せた。
「これくらい渋いの着といた方がナメられなくていいかな?これ、貸してあげるよ」
涼平が着てみると、心なしか肩幅が広すぎる気がした。胸元を開いて見ると内ポケットの上にアルマーニのロゴが入っている。初めて着る高級ブランド服に少しテンションが上がる。
「わあ、ありがとうございます!ていうか、やっぱり行かなあきませんかね?」
「どうしても嫌なら逃してあげるけどね。二十歳で行けるところではなかなかないよ。社会勉強だと思って行っておいでよ。それか、詫びでぼうずにされるかだね」
「え、ぼうずはちょっと、嫌ですねぇ…」
情けなさそうに苦笑いする涼平を見て、マスターはクスッと笑う。萌未のマスターに対する態度から、彼女がマスターに信頼を寄せているのが分かる。そんなマスターの人柄から、萌未の店に行ってみようか、という気にちょっとなってきていた。
「萌未とマスターは知り合ってどれくらいなんですか?」
そんな質問を投げると、マスターはしばらく考えてから、半年くらいかなあ?と言った。
「元々僕の知り合いのホステスさんに連れられて来てくれたんだよ」
ということは大学に入学してすぐにもうここでのバイトを始めていたことになる。萌未くらい美人だと半年くらいでもあんなに黒服たちに挨拶されることになるのだろうか?
そんなことを考えながら、クラスメートとはいえ、涼平は萌未のことをほとんど知らないことに今更ながら思いを寄せた。ほとんど初対面といっていい自分に何でこんなにしてくれるんだろうか、シャンパンをチビチビ飲みながら、萌未に対する思案をあれこれしているうちに20分くらい経過し、美容院から彼女が戻ってきた。先ほどまで下ろしていた髪をアップにし、白く綺麗なうなじをあらわにしていた。もともと大人びている彼女がさらに大人っぽく見え、この街に相応しい高級感を醸し出していた。
「あ~!もう残ってないやん」
萌未は席に戻るなりシャンパンの瓶をつまみ上げ、それが空になっているのを確かめると、涼平のグラスを奪ってほとんど一気した。そして、
「これから戦場やけど涼平がいてくれるお陰でちょっと楽しいかも」
とにっこり笑った。ジャケットの下からはさっきまでニットで隠れていた胸の湾曲が、胸元の大きくあいたワンピースに代わったのではっきりと伺われ、涼平はとっさに目を反らした。そんな涼平を萌未はじっと見つめる。
「涼平ってさ、まさか今日お酒飲むの始めてやないわよねえ?」
「ああ、普段から寮の仲間と酒盛りしてるよ」
「そっかよかった。その割にはもう顔赤いけど、弱くない?」
「え、普通と思うけど?」
「そ?酔って絡む人、あたし嫌やからね」
「だ、大丈夫と思うよ」
涼平の頬の赤みはきっとアルコールのせいだけではなかったろう。萌未はちょっと顔を引き、そんな涼平の肩口から下に目を走らせた。
「あら、馬子にも衣装ねえ。そのジャケット似合ってるよ」
「馬子にもて…それ意味分かって言ってる?」
「うん、言ってる」
へへへぇ~と、萌未はいたずらっぽく笑って涼平の頭を指先でこつんと弾くと、椅子から立ち上がった。
「さ、行きましょ」
扉を出るともうすっかり暗くなっていた。来たときよりも幾分賑やかになっている通りを歩くと、同伴に向かうのであろう年の差カップルにも何回もすれ違った。
(この街ではきっと俺たちの方がちぐはぐなカップルに見えているんやろうな…)
シャレードから一つ南の通りに入ると、各ビルの前に数人の黒服が立って同伴客を案内したりしていた。シャレードのあった通りが本通り、ここが上通りで高級店が集まっているのよ、と萌未は説明してくれた。
北新地のほぼ真ん中と思える四ツ辻の一角のビルのエントランに入ると、萌未の姿を確認した黒服がエレベーターのボタンを素早く押す。点灯している階のネームプレートには「クラブ若名」と重厚な字で書かれていた。
エレベーターの扉が開くとそこはもう別世界だった。
「え、俺のせいなん?出勤、何時から?」
「8時からよ」
「まだ時間あるやん」
「あのね、今から美容室行かないとあかんのよ。着実に遅刻!」
「美容室?髪きれいやん。そのままじゃあかんの?」
「それ、ほめてるつもり?美容室に行ったかどうかなんて見たらすぐに分かるのよ。あたしみたいな高級クラブのホステスはね、絶対に美容室行って出勤せなあかんの」
涼平は萌未のサラッと言った「高級」というワードに息を飲んだ。そもそもクラブという存在のこともよく分からないのに、冠に高級と付けられ、萌未が遠い異国の人のように見える。
「高級…クラブのホステスなんや。それは、悪いことしたなあ…」
「ほんまにそう思ってる!?」
「うん、思てる思てる」
「じゃあ、ね、あたしと一緒にお店に入ってよ。同伴やったら30分遅れてもいいから。ね、いいでしょ?」
「ええっ、高級クラブのホステスさんなんやんね?そういうとこの店って高いんやろ?」
「いいのよ、今日は最後まであたしが失恋誕生日を祝ったげるから。ぱあ~っと飲もうよ」
「いや、いくらなんでもそこまでしてもらうわけには…マスター、お会計してもらえますか?」
初めてのシャンパンを奢ってもらうだけでも分不相応に思えるのに、さらに北新地の深淵に連れて行こうとする萌未の提案はさすがに受ける気になれず、涼平は慌ててマスターの方を向いて立ち上がる。萌未はその涼平の袖を掴み、強く引っ張ってもう一度座らせた。
「何言ってんのよ。あたしこう見えても高給取りなのよ。遅刻罰金だけでも高いんやからね!じゃあちょっと美容室行ってくるから残りのシャンパンでも飲んで待ってて。マスター!涼平のこと絶対に帰したらあかんよ!」
マスターは接客しているカップルの前から振り向いて親指を立て、オッケーの合図をした。そして、萌未は急ぎ足で店から出て行く。涼平は思いもよらぬ展開に目を白黒させていた。
そこへ、先ほどからの二人のやりとりを伺っていたであろうマスターが涼平の前にやって来て、残りのシャンパンをグラスに注いでくれた。
「何かえらいことになってるねえ…」
「はい、えらいことになってます。あの、お会計を…」
「だめだめ、今君を帰したら僕がめぐちゃんに怒られるよ。お金のことはめぐちゃんが心配ないって言ってくれてるんやから、今日は割り切ってこの街を堪能して行きなよ」
そう言ってマスターはもう一組のカップルのチェックに回って行った。仕方なく注いでもらったシャンパンを口に運ぶ。クリスマスの甘ったるいスパークリングワインしか飲んだことない涼平には、最初の一気こそ炭酸のきつさと慣れない酸味に逆流しかけたが、口の中に広がる上品な甘みときめ細やかな泡立ちが大人への階段を一歩上がったという感覚に陶酔させた。
「モエのロゼだよ。シャンパン初心者には飲みやすいでしょ?」
気がつくと店の中の客は涼平一人になっていた。
「あの、萌未の店って、どんなとこなんですか?」
不安ながらに聞いてみると、あれ、知らないの?とマスターは言ってから、
「まあそれは行ってからのお楽しみやね」
とにんまり笑った。
(この人ほんまは楽しんどるな…)
涼平は改めて自分の格好を見回す。Tシャツの上にパーカーを羽織り、その上から薄手のブルゾンを着込んでいた。下はジーンズにスニーカーである。
「こんな服で行けるんでしょうか?」
マスターに聞くと、彼はカウンター越しに涼平の服装に目を走らせ、
「昔はスーツやないとあかん店が多かったんやけどねぇ、今はよっぽど酷くない限りは入れてもらえるよ」
とフォローともダメ出しとも取れることを言うと、
「まあでも君はまだ年が若いからなあ…」
と言って店の奥へ行き、グレーのジャケットを取って来て涼平に見せた。
「これくらい渋いの着といた方がナメられなくていいかな?これ、貸してあげるよ」
涼平が着てみると、心なしか肩幅が広すぎる気がした。胸元を開いて見ると内ポケットの上にアルマーニのロゴが入っている。初めて着る高級ブランド服に少しテンションが上がる。
「わあ、ありがとうございます!ていうか、やっぱり行かなあきませんかね?」
「どうしても嫌なら逃してあげるけどね。二十歳で行けるところではなかなかないよ。社会勉強だと思って行っておいでよ。それか、詫びでぼうずにされるかだね」
「え、ぼうずはちょっと、嫌ですねぇ…」
情けなさそうに苦笑いする涼平を見て、マスターはクスッと笑う。萌未のマスターに対する態度から、彼女がマスターに信頼を寄せているのが分かる。そんなマスターの人柄から、萌未の店に行ってみようか、という気にちょっとなってきていた。
「萌未とマスターは知り合ってどれくらいなんですか?」
そんな質問を投げると、マスターはしばらく考えてから、半年くらいかなあ?と言った。
「元々僕の知り合いのホステスさんに連れられて来てくれたんだよ」
ということは大学に入学してすぐにもうここでのバイトを始めていたことになる。萌未くらい美人だと半年くらいでもあんなに黒服たちに挨拶されることになるのだろうか?
そんなことを考えながら、クラスメートとはいえ、涼平は萌未のことをほとんど知らないことに今更ながら思いを寄せた。ほとんど初対面といっていい自分に何でこんなにしてくれるんだろうか、シャンパンをチビチビ飲みながら、萌未に対する思案をあれこれしているうちに20分くらい経過し、美容院から彼女が戻ってきた。先ほどまで下ろしていた髪をアップにし、白く綺麗なうなじをあらわにしていた。もともと大人びている彼女がさらに大人っぽく見え、この街に相応しい高級感を醸し出していた。
「あ~!もう残ってないやん」
萌未は席に戻るなりシャンパンの瓶をつまみ上げ、それが空になっているのを確かめると、涼平のグラスを奪ってほとんど一気した。そして、
「これから戦場やけど涼平がいてくれるお陰でちょっと楽しいかも」
とにっこり笑った。ジャケットの下からはさっきまでニットで隠れていた胸の湾曲が、胸元の大きくあいたワンピースに代わったのではっきりと伺われ、涼平はとっさに目を反らした。そんな涼平を萌未はじっと見つめる。
「涼平ってさ、まさか今日お酒飲むの始めてやないわよねえ?」
「ああ、普段から寮の仲間と酒盛りしてるよ」
「そっかよかった。その割にはもう顔赤いけど、弱くない?」
「え、普通と思うけど?」
「そ?酔って絡む人、あたし嫌やからね」
「だ、大丈夫と思うよ」
涼平の頬の赤みはきっとアルコールのせいだけではなかったろう。萌未はちょっと顔を引き、そんな涼平の肩口から下に目を走らせた。
「あら、馬子にも衣装ねえ。そのジャケット似合ってるよ」
「馬子にもて…それ意味分かって言ってる?」
「うん、言ってる」
へへへぇ~と、萌未はいたずらっぽく笑って涼平の頭を指先でこつんと弾くと、椅子から立ち上がった。
「さ、行きましょ」
扉を出るともうすっかり暗くなっていた。来たときよりも幾分賑やかになっている通りを歩くと、同伴に向かうのであろう年の差カップルにも何回もすれ違った。
(この街ではきっと俺たちの方がちぐはぐなカップルに見えているんやろうな…)
シャレードから一つ南の通りに入ると、各ビルの前に数人の黒服が立って同伴客を案内したりしていた。シャレードのあった通りが本通り、ここが上通りで高級店が集まっているのよ、と萌未は説明してくれた。
北新地のほぼ真ん中と思える四ツ辻の一角のビルのエントランに入ると、萌未の姿を確認した黒服がエレベーターのボタンを素早く押す。点灯している階のネームプレートには「クラブ若名」と重厚な字で書かれていた。
エレベーターの扉が開くとそこはもう別世界だった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】『80年を超越した恋~令和の世で再会した元特攻隊員の自衛官と元女子挺身隊の祖母を持つ女の子のシンクロニシティラブストーリー』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。今回は「恋愛小説」です(笑)。
舞台は令和7年と昭和20年の陸軍航空隊の特攻部隊の宿舎「赤糸旅館」です。
80年の時を経て2つの恋愛を描いていきます。
「特攻隊」という「難しい題材」を扱いますので、かなり真面目に資料集めをして制作しました。
「第20振武隊」という実在する部隊が出てきますが、基本的に事実に基づいた背景を活かした「フィクション」作品と思ってお読みください。
日本を護ってくれた「先人」に尊敬の念をもって書きましたので、ほとんどおふざけは有りません。
過去、一番真面目に書いた作品となりました。
ラストは結構ややこしいので前半からの「フラグ」を拾いながら読んでいただくと楽しんでもらえると思います。
全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは「よろひこー」!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
追伸
まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。
(。-人-。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
